1. 「メニューは、写真に撮って貼ってあります」

飲食店を営む方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「メニューは、お店のテーブルに置いているものを写真に撮って、そのまま載せています。季節で変わる品もあるんですが、そのたびに撮り直すのも大変で。去年の秋の写真のままかもしれません」

店で使っているメニューをそのまま載せる。いちばん手早く、書き間違いも起きにくい方法です。お気持ちはよく分かります。

ただ、お店を探している人の多くは、スマートフォンで、出かける前や移動中にサイトを開いています。テーブルの上ではよく読めたメニューが、画面の中では読めないメニューになります。そして、季節の品や値段が変わるたびに、写真の撮り直しが後回しになっていきます。

この記事では、飲食店のメニューをホームページにどう載せるかを、組み立て方から整理します。

この記事で書くこと

  • 紙のメニューを写真やPDFで貼るだけだと、何が起きるか
  • 定番と、季節・日替わりの品を分けて載せる方法
  • 値段の書き方と、税込・税別のそろえ方
  • 写真を、看板の品だけに絞る理由
  • 量や辛さなど、頼む前に知りたいことの書き方
  • 予約やテイクアウトと、メニューのつなぎ方

なお、飲食店のサイト全体に何を載せるかは 業種別に載せるものを整理した記事(士業/工務店/飲食/運送) に、料金表をPDFで置くことの全般は 料金表やお知らせを、PDFのままホームページに載せている にまとめました。この記事で扱うのは、その中の1ページです。メニューのページを、どういう順番と中身で組むかに絞って書きます。

2. 紙のメニューをそのまま貼ると、起きること

まず、写真やPDFで貼ったメニューで何が起きているかを並べます。パソコンで自分のサイトを見ているだけでは、気づきにくいことばかりです。

拡大しないと、読めない

紙のメニューを撮った写真は、スマートフォンでは画面の幅に縮んで出ます。品名と値段を読むには、指で広げて、横にずらして、また広げることになります。

多くの人は、そこまでせずに閉じます。今夜どこに行くかを決めかけている人は、読みやすい別の店のサイトを開きます。読めなかったことは、お店の側には伝わりません。

写真の中の文字は、探しても見つからない

写真に写っている品名や値段は、文字としては扱われません。「〇〇駅 ランチ 定食」のような言葉で探している人の目に、写真の中のメニューは届きにくくなります。

サイトの中を探す場合も同じです。せっかく品名を並べていても、それが写真の一部である限り、言葉では探せません。

店で説明する前提で、作られている

紙のメニューは、店員がそばにいる前提で作られています。量が分からなければ聞けばいい、辛さが気になれば聞けばいい。テーブルの上では、それで足ります。

ところが、サイトを見ている人は、まだ店に来ていません。聞く相手がいない場所で、紙のメニューだけを渡されている状態です。量も辛さも分からないまま、行くかどうかを決めることになります。

更新が、追いつかない

季節の品が替わる、値段が変わる、ある品をやめる。紙のメニューは店で直しても、サイトの写真は撮り直さないと変わりません。店のメニューとサイトのメニューが、少しずつ離れていきます。

サイトで見た品を頼もうとして、もう無いと言われる。サイトで見た値段と、会計が違う。どちらも、お店に落ち度があるわけではないのに、お客様には「話が違う」という記憶が残ります。

3. 定番と、季節・日替わりを分ける

ここからが組み立て方です。最初にやるのは、メニューの品を変わる早さで3つに分けることです。

3つに分ける

  • 定番 ― 1年を通して出している品。値段もめったに変わらない
  • 季節の品 ― 数か月ごとに替わる品。時期と一緒に覚えてもらう品
  • 日替わり ― 仕入れや日によって替わる品。その日にならないと決まらない品

紙のメニューでは、この3つが1枚に混ざっていることがよくあります。サイトに載せるときは、分けて置きます。分けておくと、直すときにどこを触ればいいかが、はっきりするからです。

定番は、品名と値段まで書く

定番の品は、サイトのメニューの柱です。品名と値段を、文字で書いてください。ここが決まっていれば、季節や日替わりが替わっても、ページ全体は古くなりません。

並べる順番は、お店でよく頼まれる順か、食べる順が分かりやすいと思います。前菜、主菜、ご飯もの、甘いもの、飲み物。読む人が「何を食べられる店か」をつかめる並びにします。

季節の品は、時期を書く

季節の品は、品名と一緒にいつごろ出しているかを書きます。たとえば「秋の品(10月ごろから11月ごろまで)」のように。

時期が書いてあれば、読む人はその品が今あるかどうかを見当できます。替わったときは、その欄だけを書き換えれば足ります。終わった季節の品を残したままにしないよう、替わる時期をお店のカレンダーに入れておくと忘れません。

日替わりは「日によって変わります」と書き、毎日は更新しない

日替わりの品を、毎日サイトで更新しようとするお店があります。気持ちは分かりますが、おすすめしません。忙しい日に1日更新が止まると、その時点で古い情報になるからです。昨日の品が今日の品として出ている状態は、何も書いていないより困ります。

日替わりは、決まりのほうを書きます。

「日替わり定食(たとえば 950円・税込)。主菜は日によって変わります。その日の品は店頭の黒板でご案内しています」

これで読む人は、日替わりがあること、だいたいの値段、どこで分かるかを受け取れます。どんな品が出ることが多いかを「たとえば、焼き魚や煮物が多いです」と添えると、さらに想像しやすくなります。その日の品を知らせたいなら、毎日の更新はSNSのほうに任せ、サイトからそこへつなぐ形が続けやすいと思います。

図:メニューの品を、変わる早さで3つに分けて載せる(品名と値段はすべて架空の例)
① 定番
品名と値段を、文字で並べる

たとえば「鶏の唐揚げ定食 1,100円(税込)」「季節の野菜の天ぷら 880円(税込)」。1年を通して出す品なので、ページの柱になります。

めったに変わらないので、まず固める
② 季節の品
品名と「いつごろまで」を書く

たとえば「秋の品(10月ごろから11月ごろまで)きのこの炊き込みご飯 600円(税込)」。替わる時期に、この欄だけを書き換えます。

替わる時期を、カレンダーに入れておく
③ 日替わり
品ではなく、決まりを書く

たとえば「日替わり定食 950円(税込)。主菜は日によって変わります」。毎日更新しようとすると、止まった日から古い情報になります。

毎日の品は、店頭やSNSに任せる

分けておくと、直すときに触る場所が決まります。定番はほとんど触らず、季節は時期ごとに、日替わりは触らない。この形にしておけば、忙しい時期にもページが古くなりにくくなります。

4. 値段の書き方:税込か税別かを、そろえて書く

メニューの値段は、読む人がいちばん確かめるところです。ここで誤解が生まれると、会計のときに響きます。

税の扱いは、1つに決めて、メニューの頭に書く

いちばん困るのは、税込とも税別とも書いていない値段です。読む人は、たいてい払う金額だと思って読みます。どちらで書くかを1つに決めて、メニューのいちばん上に1行で書いてください。

「表示の価格はすべて税込です」

これに加えて、品の値段の横にも(税込)と添えておくと、ページの途中から読んだ人にも伝わります。一般のお客様に向けた値段は、税を含めた総額での表示が求められる場合があります。どこまでが対象でどう書けばよいかは業種や売り方によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。税込と税別の考え方そのものは ホームページの料金は、「税込」と「税別」のどちらで書くか に詳しく書きました。

店内とテイクアウトで、値段が違うなら分ける

店内で食べる場合と持ち帰る場合で、税込の値段が違うお店もあります。その場合は、どちらの値段なのかを品ごとに分かる形にします。2つの値段を並べるか、店内とテイクアウトでメニューの欄を分けるか。どちらでも構いませんが、サイト全体で1つの形にそろえてください。

足されるものを、メニューの近くに書く

席料、お通し、サービス料、深夜の割増。品の値段とは別にかかるものがあるなら、メニューのすぐ近くに書いてください。ページの下のほうや、別のページに置くと、読まれないまま会計で初めて知ることになります。

「時価」の品がある場合も、書き方を工夫できます。たとえば「その日の仕入れで変わります。ご注文の前に、お店の者がお値段をお伝えします」。決まり方が分かれば、読む人は身構えずに済みます。

ランチとディナーの、よくある会計の幅を添える

品ごとの値段に加えて、ランチとディナーで、ひとりあたりよく出る会計の幅を添えておくと親切です。品の値段だけを見ると、飲み物や追加の品を足した会計が想像しにくいからです。幅は、お店の実際の会計から出してください。

値段を変えたら、同じ日にサイトも直す

値段を見直したときは、店のメニューを替えるのと同じ日に、サイトの値段も直します。品の値段を写真で載せていると、ここで撮り直しが要り、後回しになりがちです。文字で載せておけば、数字を書き換えるだけで済みます。値上げをどう知らせるかは 値上げを、ホームページでどう知らせるか にまとめました。

5. 写真は、全部ではなく看板の品だけ

メニューに写真を付けるとき、全部の品に付けようとするお店があります。気持ちは分かりますが、絞ったほうが伝わります。

全部に付けると、何が起きるか

  • ページが長くなる ― スマートフォンでは、写真1枚で画面の半分近くが埋まります。品が30あれば、読む人は延々とスクロールすることになります
  • 写真の出来がばらつく ― 明るい写真と暗い写真、新しい写真と古い写真が混ざり、お店の印象がまとまりません
  • 品が替わるたびに、撮り直しが要る ― 全品に写真がある前提にすると、写真が無い品だけが目立ちます

看板の品を、数品だけ選ぶ

写真を付けるのは、「この店に来たら、まずこれ」と言える看板の品だけにします。よく頼まれる品、お店を始めたときからある品、ほかの店ではあまり見ない品。数品あれば、読む人はお店の雰囲気をつかめます。

残りの品は、写真なしで品名と値段を並べます。写真が無い品があっても、看板の品の写真がしっかりしていれば、読む人は困りません。

写真と、実際に出てくる品をそろえる

写真で気をつけたいのは、写真と実際に出てくる品が違わないことです。盛り付けが違う、量が多く見える、器が違う。写真は来店を決める材料になるので、差があると「写真と違う」という感想になります。

季節で付け合わせが変わる品なら、写真の下にひとこと添えておくと誤解が減ります。「付け合わせは季節によって変わります」。手元にある写真から使う写真を選ぶ手順は 手元にある写真から、ホームページに使う写真を選ぶ に書きました。

6. 頼む前に知りたいことを、書いておく

ここが、紙のメニューにはあまり書かれていないところです。店でなら聞けばすむことを、サイトでは先に書いておきます。

量

量は、品名と値段だけでは分かりません。何人で食べる量かを書くと伝わります。「おひとりで食べきれる量です」「2〜3人で取り分けるくらいの量です」。ご飯の大盛りができるか、少なめにできるかも、ここに書けます。

辛さ

辛い品があるなら、辛さの目安を書きます。印を付けるなら、印の意味をメニューの頭で説明しておくのを忘れないでください。辛さを調整できるかどうか、できないならできないことも書いておくと、辛いものが苦手な人が安心して選べます。

子ども連れ、飲み物、持ち帰り

小さなお子さま向けの品や取り分け用の器があるか。お酒を出しているか、出していないか。食べきれなかった品を持ち帰れるか。来る前に分かっていれば、来るかどうかを決められることは、メニューのそばに短く書いておきます。

アレルギーや原材料の表示は、慎重に

ここは慎重に扱うところです。アレルギーや原材料について、何をどこまで書くかは、扱っている品や売り方によって考え方が変わります。業種や販売の形によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。この記事では、一般的な注意だけを書いておきます。

  • 書けることだけを書く ― お店で把握できていない原材料について、「入っていません」とは書かない
  • 言い切りすぎない ― 同じ厨房や器具で調理している場合、「対応できます」と書くと、読む人は安全だと受け取ります
  • 相談の窓口を書く ― 「ご心配な方は、ご来店前にお電話でご相談ください」と、聞ける場所を示す
  • 品が替わったら、そこも直す ― 季節の品が替わったとき、原材料の書き方だけが古いまま残らないようにする
表:頼む前に知りたいことの書き方(言い回しはすべて架空の例)
知りたいことたとえばの書き方書くときの注意
量たとえば「2〜3人で取り分けるくらいの量です。ご飯は少なめにもできます」グラム数より、何人で食べる量かのほうが伝わる
辛さたとえば「唐辛子の印は辛い品です。辛さは控えめにもできます」印を使うなら、意味の説明が無いと読めない。調整できないならそう書く
子ども連れたとえば「取り分け用の小皿と、子ども用の椅子があります」実際に用意している物だけを書く。数が限られるなら添える
飲み物・お酒たとえば「ランチはお酒を出していません。夜はビールと日本酒があります」時間帯で違うなら、ランチと夜を分けて書く
アレルギー・原材料たとえば「ご心配な方は、ご来店前にお電話でご相談ください」把握できていないことを言い切らない。何をどう書くかは所管の窓口や専門家に確認

どれも、店でなら聞かれて答えていることです。よく聞かれることを、聞かれる前に書いておく。それだけで、来店前の迷いと、当日の行き違いが減ります。中身は、貴社のお店の実際に合わせて書いてください。

7. 予約やテイクアウトと、メニューをつなぐ

メニューのページは、それだけで完結しません。読んだ人が次にすることは、予約か、持ち帰りの注文か、来店です。その入口とつなげておきます。

コースと予約は、名前と値段をそろえる

コース料理があるお店で起きやすいのが、メニューのページに書いたコースと、予約の画面で選べるコースが違うことです。名前が違う、値段が違う、もう出していないコースが予約の側に残っている。読む人はどちらを信じればいいか分かりません。

コースの名前と値段は、メニューのページと予約の受け付けで同じにします。コースの説明のすぐ下に、予約の入口を置くと、読んだ流れのまま申し込めます。何日前までの予約が要るか、何名から受けるかも、コースの近くに書いてください。ネットで予約を受けるか電話のままにするかの考え方は 予約をネットで受けるか、電話のままにするか にまとめました。

テイクアウトできる品には、印を付ける

持ち帰りができる品とできない品があるなら、メニューの中で分かるように印を付けます。持ち帰り専用のメニューを別に作るより、同じメニューの中で印を付けるほうが、更新の手間が1か所で済みます。

あわせて、注文の方法、受け取りの時間、前日までの注文が要る品かどうかを、メニューの近くに短く書きます。電話で受けるなら、電話番号をそこにも置きます。

元にするのは、店のメニューか、サイトのメニューか

最後に、更新の段取りです。今は「店のメニューを作る → 写真を撮ってサイトに貼る」の順になっているお店が多いと思います。これを、サイトのメニューを先に直し、それを元に店のメニューを刷る順に変えると、二重の更新から抜けやすくなります。

印刷して持ち帰りたい人のために、メニューのPDFを添えるのは構いません。ただ、それはページの下に添えるものにして、読んで選ぶための中身は、ページの文字で書いておく。この順番にしておけば、写真の撮り直しを待たずに直せます。

8. 雄喜晃の伴走:紙のメニューを、画面で読める形に組み直します

私たちがやること

私たち雄喜晃は、紙のメニューをそのまま貼るのではなく、スマートフォンで拡大せずに読める、文字のメニューに組み直して載せます。今お使いのメニューをお預かりして、定番・季節の品・日替わりに分けるところからご一緒します。税の扱いの書き方をそろえ、量や辛さ、持ち帰りの可否など、よく聞かれることを伺ってメニューのそばに書きます。コースの名前と値段は、予約の入口と同じになるように並べます。

写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでが私たちの仕事です。お預かりした写真から看板の品の写真を一緒に選び、明るさや向き、大きさを整えて載せます。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、季節の品の入れ替えや値段の書き換えも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます
  • メニューの値段や品ぞろえを、こちらで決めることはしません。それはお店の経営の判断です。私たちは、決まったものを読む人に伝わる形にするところを担当します
  • アレルギーや原材料の表示が正しいかどうか、決まりに当たるかどうかの判断はしません。中身は貴社で確かめていただき、気になる点は所管の窓口や専門家に確認していただくようお願いしています
  • メニューを整えたことで、検索の順位が上がる、来店が増えるとお約束することもいたしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「サイトのメニューが、去年の写真のままになっている」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:メニューは、店にいない人に向けて書き直す

飲食店のメニューをホームページに載せるときに押さえることは、5つです。

  • 写真やPDFで貼るだけにしない ― スマートフォンで読めず、言葉で探せず、更新が追いつかなくなる
  • 定番と、季節・日替わりを分ける ― 定番は品名と値段まで、季節は時期を添えて、日替わりは決まりだけを書く
  • 税の扱いを1つに決めて、メニューの頭に書く ― 席料やサービス料など、足されるものもメニューの近くに
  • 写真は看板の品だけ ― 数品に絞り、写真と実際の品をそろえる
  • 頼む前に知りたいことを、先に書く ― 量、辛さ、子ども連れ、持ち帰り。アレルギーや原材料は言い切らず、所管の窓口や専門家に確認を

紙のメニューは、店員がそばにいる前提で作られています。サイトのメニューは、まだ店に来ていない人が、ひとりで読んで決めるためのものです。同じ品と値段でも、並べ方と添える言葉を変えるだけで、伝わり方が変わります。

まず、今日できること

ご自分のスマートフォンで、お店のサイトのメニューを開いてみてください。拡大しないと値段が読めない、もう出していない品が載っている、税込か税別かが書いていない。1つでも当てはまれば、そこが最初に直すところです。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社のお店のメニューを、画面で読める形に組み直すところからご一緒します。