1. 「検索窓、付けておいたほうがいいですよね」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「大きな会社のサイトには、右上に虫めがねの検索窓がありますよね。うちにも付けておいたほうが、探しやすくなっていいんじゃないかと思って。付けるのにそんなに手間はかからないんでしょう?」

付けること自体は、たしかに難しくありません。そして、探しやすくしたいという考え方も正しいです。

ただ、検索窓を付けたからといって、探しやすくなるとは限りません。小さな会社のサイトでは、検索窓より先に、メニューとページの分け方で探せるようにするほうが効きます。検索窓は、メニューを見ても見つからなかった人が、最後に頼る場所だからです。

一方で、商品の数が多い会社や、お知らせや事例が何年分もたまっている会社では、検索窓が本当に役に立ちます。この記事では、付けるかどうかの分かれ目と、付けるならどこまで用意するかを整理します。

この記事で書くこと

  • 検索窓が、いつ、どんな人に使われるのか
  • 小さな会社のサイトで、先に直すところ
  • 検索窓が向くサイトと、向かないサイト
  • 付けるなら用意する3つのこと(何も出ないときの画面・言い換え・置き場所)
  • 付けない場合に、代わりにやること

2. 検索窓は、メニューで見つからなかった人が使う

まず、サイトを訪れた人が、どんな順番で探しているかを考えます。

最初に見るのは、メニュー

サイトを開いた人は、たいていまずメニューを見ます。「料金」「施工事例」「会社概要」。自分の知りたいことに近い言葉を探して、押します。メニューで見つかれば、検索窓は使われません。

検索窓に言葉を入れるのは、メニューを見ても、それらしい言葉が無かったときです。つまり、検索窓が押されるのは、メニューの案内で迷った人が多いということです。

何も出ないと、「扱っていない」と受け取られる

迷った人が検索窓に言葉を入れて、「該当するページはありませんでした」と出たら、どう思うでしょうか。

多くの人は、「この会社は、それを扱っていないんだ」と受け取ります。実際には扱っていて、別の言葉でページに書いてあったとしても、です。メニューで迷い、検索でも出てこない。この2回で、ほとんどの人は別の会社を探しに行きます。

ページが少ないと、結果も少ない

小さな会社のサイトは、ページの数が10前後ということも珍しくありません。そこに検索窓を付けても、出てくる結果は1件か2件、あるいは0件です。

結果が少ない検索窓は、メニューを見たほうが早い状態になります。それなら、メニューの言葉とページの分け方を直したほうが、迷う人そのものが減ります。

3. 小さな会社のサイトでは、先にメニューとページを直す

検索窓を付けるかどうかを考える前に、確かめておきたいことがあります。メニューだけで、聞かれることにたどり着けるかです。

お客様に聞かれることを書き出す

電話やメールで聞かれることを、書き出してみてください。「料金はいくらか」「どこまで来てくれるか」「土曜日はやっているか」「どれくらいで終わるか」。

その1つずつについて、サイトのトップから、メニューを押して何回で答えにたどり着けるかを数えます。たどり着けないもの、どのメニューに入っているか迷うものがあれば、それが検索窓より先に直すところです。

メニューの名前を、お客様の言葉にする

メニューで迷う理由でいちばん多いのは、名前が社内の言葉になっていることです。「ソリューション」「事業内容」「取扱品目」。社内では通じても、探している人には何が入っているのか分かりません。

「料金」「対応エリア」「よくある質問」のように、お客様が電話で使う言葉で名前をつけると、検索窓が無くても見つかります。メニューの並べ方と名前のつけ方は ホームページのメニューに、何をどの順で並べるか にまとめました。

1つのページに、1つの用件

もう1つは、ページの分け方です。1つのページに、料金も手順も会社のことも全部書いてあると、メニューの名前が決めにくくなります。名前が決まらないので、「サービスについて」のような、何でも入る名前になります。

1つのページには、1つの用件。料金は料金のページに、対応エリアは対応エリアのページに。こう分けておくと、メニューの名前がそのまま中身の説明になります。

4. 検索窓が向くサイト、向かないサイト

では、どんなサイトなら検索窓が役に立つのか。目安は、メニューと一覧ページだけでは、目的のページまでたどり着くのに時間がかかるかどうかです。

向くのは、数が多いサイト

検索窓が役に立つのは、次のようなサイトです。

  • 商品や品目の数が多い ― 一覧ページを何枚もめくらないと目的の品にたどり着けない
  • 型番や品番で探す人がいる ― 取引先が、手元の型番をそのまま入れて探しに来る
  • お知らせや事例が何年分もたまっている ― 「去年の〇〇の工事」のように、特定の1件を探したい人がいる
  • コラムや解説の記事が多い ― 読みたい話題の記事を、題名の言葉で探したい人がいる

扱う商品が多い会社の一覧ページの作り方は 扱う商品やサービスが多い会社の、載せ方 に書きました。そこでも書いたとおり、一覧の件数が増えてきたら、検索窓か、種類や用途での絞り込みを考える時期です。

向かないのは、ページが少なく、用件がはっきりしたサイト

逆に、ページが10前後で、会社案内と料金と事例と問い合わせ、という構成のサイトでは、検索窓はあまり使われません。メニューを見れば全体が分かる大きさだからです。

この場合、検索窓を付けるより、メニューの名前とページの分け方を整えるほうが、探しやすさに直結します。

図:サイトの中身によって、検索窓の要る・要らないが変わる(例は架空)
① 付けなくていい
ページが10前後で、用件がはっきりしている

たとえば地域の工務店で、サービス・料金・施工事例・会社概要・問い合わせという構成。メニューで全体が見えるので、検索窓より名前の付け方が効きます。

メニューと、よくある質問で足りる
② 一覧の絞り込みが先
事例やお知らせが増えてきた

たとえば施工事例が何十件もたまり、「外壁」「屋根」「地域」で見たい人がいる。言葉を入れる検索より、種類や地域で絞れる一覧のほうが使われます。

まず一覧を、種類で分ける
③ 付けないと困る
品目が多く、型番で探す人がいる

たとえば部品を扱う商社で、取引先が手元の品番を入れて探しに来る。一覧をめくって探してもらうのは無理があるので、検索窓が要ります。

付けるなら、3つの準備をする

目安は、メニューと一覧だけで、目的のページまでたどり着けるかどうかです。②のように、検索窓より先に一覧の分け方を直すほうが効く場合も多くあります。貴社のサイトがどれに近いかで考えてください。

検索より、絞り込みが合う場合もある

事例やお知らせがたまってきたサイトでは、検索窓より一覧ページでの絞り込みのほうが使われることがあります。「外壁塗装」「屋根」「〇〇市」のように、種類や地域のボタンを押して、一覧を絞る形です。

言葉を入れる検索は、探す人が正しい言葉を知っている必要があります。絞り込みは、並んだボタンから選ぶだけなので、言葉を知らなくても探せます。探す人が自分の言葉を持っていないときは、絞り込みのほうが親切です。

5. 付けるなら①:何も出ないときの画面

検索窓を付けると決めたら、3つのことを用意します。1つ目は、検索して何も出なかったときの画面です。

「0件でした」だけで終わらせない

何も出なかったとき、「該当するページはありませんでした」とだけ出る画面は、行き止まりです。探していた人は、そこで帰ります。

この画面は、探していた人をもう一度案内する場所として作ります。置くものは次のとおりです。

  • 入れた言葉をそのまま表示する ― 打ち間違いに自分で気づけるように
  • 言葉を変えて探すための一言 ― 「品番の場合は、ハイフンを除いて入れてみてください」など
  • よく見られているページへのリンク ― 料金、商品の一覧、よくある質問
  • 電話と問い合わせの入口 ― 「お探しのものが見つからないときは、お電話でお聞きください」

最後の1つがいちばん大事です。サイトで見つからなかった人が、そのまま人に聞ける道を残しておきます。探しているものを扱っているなら、電話で聞いてもらえれば話が始まります。

責める言い方をしない

「入力された言葉が正しくありません」のような書き方は避けてください。探していた人は、正しい言葉を知らないから困っています。「見つかりませんでした。別の言葉でもお試しください」くらいの温度が収まります。

考え方は、ページが見つからないときの画面と同じです。「ページが見つかりません」が出たとき、その画面をどう作るか にも、行き止まりの画面に置くものを書きました。

6. 付けるなら②:言い換えを用意する

2つ目は、言い換えです。検索窓でいちばん多い「見つからない」は、ページに書いてある言葉と、探す人が入れる言葉が違うことから起きます。

専門用語と、一般の言葉

社内では正式な名前で呼んでいるものを、探す人は困りごとの言葉で探します。たとえば社内で「防水工事」と呼んでいるものを、お客様は「雨漏り」と入れます。ページに「雨漏り」という言葉が1つも無ければ、検索しても出てきません。

表:ページの言葉と、探す人が入れる言葉のずれ(例はすべて架空)
ずれの種類ページに書いてある言葉探す人が入れる言葉
専門用語と困りごとたとえば「防水工事」「雨漏り」「天井のしみ」。困りごとの言葉で入れる
正式名と呼び名たとえば「遺品整理」「実家の片付け」。自分の場面の言葉で入れる
表記の揺れたとえば「ねじ」「ネジ」「螺子」。ひらがな・カタカナ・漢字で別の言葉になる
品番の書き方たとえば「AB-1234」「AB1234」「ab-1234」。ハイフンや全角・半角で一致しない

直し方は2つあります。ページの本文に、探す人の言葉も一緒に書いておくことと、検索の設定で言い換えを登録しておくことです。先に効くのは前者で、検索窓を付けない場合にも役に立ちます。言葉は、貴社に電話でかかってくる言い方から拾ってください。

いちばん効くのは、本文に両方の言葉を書くこと

言い換えへの答えは、検索の設定より先に、ページの本文に両方の言葉を書いておくことです。「防水工事(雨漏りの修理)」のように、見出しや本文の中で一度、お客様の言葉を添えます。

こうしておくと、サイト内の検索でも見つかりますし、外の検索エンジンから探している人にも届きやすくなります。専門用語を消さずに言い換えを添える書き方は 専門用語の多い仕事を、ホームページでどう説明するか にまとめました。

言い換えの一覧を作る

そのうえで、検索の仕組みに言い換えを登録できる場合は、言い換えの一覧を作っておきます。「雨漏り → 防水工事」「実家の片付け → 遺品整理」のように、探す人の言葉と、ページの言葉を並べた表です。

言葉の拾い方は、電話の言葉を聞くのがいちばんです。お客様が電話の最初に言う言葉は、そのまま検索窓に入れる言葉です。

入れられた言葉を、記録して見直す

検索窓を付けたあとは、どんな言葉が入れられたかを見直してください。アクセス解析(GA4など)では、設定によってサイト内で検索された言葉を記録できる場合があります。

入れられたのに何も出なかった言葉は、言い換えの一覧に足すか、ページの本文に書き足すかを決めます。扱っていないものが何度も探されているなら、それは新しいサービスの手がかりかもしれません。

7. 付けるなら③:置き場所。付けないなら、代わりにやること

検索窓は、探したい人の目に入る場所に

3つ目は、置き場所です。目安は2つあります。

  • サイト全体を探す検索窓 ― 画面の上の、メニューの近く。スマートフォンでは、メニューを開いた中のいちばん上に置く
  • 商品や事例の中だけを探す検索窓 ― その一覧ページのいちばん上。「この中から探す」と分かる位置に置く

検索窓の中には、何を入れればいいかを薄い文字で書いておきます。「商品名・品番で探す」「工事の種類や地域名で探す」。何でも入れられる空欄より、入れるものが分かる空欄のほうが使われます。

また、虫めがねの絵だけでは、検索窓だと気づかれないことがあります。年配のお客様が多いサイトでは、「検索」という文字を添えておくと迷いません。

付けない場合に、代わりにやること

検索窓を付けないと決めた場合は、その代わりに、探している人が迷わない道を用意します。

  • よくある質問のページ ― 電話で聞かれることに、先に答えておく。検索窓で探されそうなことの多くは、ここで拾えます
  • 一覧ページ ― 事例やお知らせが増えてきたら、種類や地域で分けた一覧を作る
  • メニューの名前 ― お客様の言葉で、何が入っているか分かる名前にする
  • ページの下の案内 ― どのページの下にも、料金・よくある質問・問い合わせへのリンクを置く

いちばん効くのは、よくある質問です。検索窓に入れられるはずだった問いに、ページの側で先に答えておく形になります。作り方は 「よくある質問」を作ると、電話の本数が変わる に書きました。

付けたあとも、メニューは手を抜かない

付けた場合でも、メニューの手入れは続けてください。検索窓は、メニューの代わりにはなりません。メニューで見つかる人を増やし、それでも見つからない人のために検索窓がある。この順番を崩さないことです。

8. 雄喜晃の伴走:検索窓の前に、探し方を一緒に組みます

私たちがやること

私たち雄喜晃は、検索窓を付けるかどうかを、サイトの中身を見てから一緒に決めます。最初に、お客様から電話やメールで聞かれることを伺い、メニューの名前とページの分け方を組みます。メニューで足りるなら、検索窓は付けず、よくある質問と一覧ページを整えます。商品や事例の数が多く、検索窓が要ると判断した場合は、何も出ないときの画面の文言、言い換えの一覧、置き場所まで用意します。ページの本文に、お客様の言葉を添える書き直しもお手伝いします。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、検索された言葉を見て本文に言い換えを書き足すことや、よくある質問の追加、メニューの名前の直しも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

ページの少ないサイトに、見た目のために検索窓を付けることはお勧めしません。使われない検索窓は、何も出ない画面を増やすだけだからです。また、商品の名前や品番、言い換えの言葉が正しいかどうかは、貴社の商売の中身なので、私たちが決めることはしません。検索窓を付けることで問い合わせが増える、検索の順位が上がる、といったお約束もいたしません。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「検索窓を付けるべきか、その前に何を直すべきか分からない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:検索窓は、メニューの次に考える

ホームページにサイト内検索を付けるかどうかを決めるときに押さえることは、5つです。

  • 検索窓は、メニューで迷った人が使う ― 何も出ないと「扱っていない」と受け取られる
  • 小さな会社のサイトは、先にメニューとページを直す ― お客様の言葉で名前をつけ、1ページに1つの用件
  • 向くのは、数が多いサイト ― 品目が多い、型番で探す人がいる、お知らせや事例がたまっている。絞り込みが合う場合もある
  • 付けるなら3つ用意する ― 何も出ないときの画面、言い換え、置き場所
  • 付けないなら、よくある質問と一覧ページ ― 検索窓に入れられるはずだった問いに、先に答えておく

検索窓は、付ければ探しやすくなる道具ではありません。メニューで見つかる人を増やしたうえで、それでも見つからない人のために置くものです。

今日できることを1つだけ挙げます。先月お客様から電話で聞かれたことを3つ思い出して、スマートフォンで自社のサイトを開き、メニューだけで答えにたどり着けるか試してみてください。たどり着けないものがあれば、それが検索窓より先に直すところです。