1. 「設備の一覧なんて、載せて意味があるんですか」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「取引先から『トラックは何台ありますか』『その大きさのものは加工できますか』と、電話でよく聞かれるんです。毎回答えてはいるんですが、ホームページに一覧を載せたほうがいいんでしょうか。うちは台数も多くないので、載せると小さく見えそうで」

この迷いは、運送・建設・製造・設備工事のように、持っている車両や設備がそのまま仕事の範囲を決める業種でよく伺います。聞かれるから載せたい。でも、少なく見えるのは避けたい。どちらの気持ちも分かります。

結論から書くと、電話でよく聞かれているなら、載せたほうが得になる場合が多いです。ただし、設備の名前と台数を並べるだけでは、聞かれていることの答えになりません。取引先が知りたいのは、その設備で何ができるかだからです。

この記事で書くこと

この記事では、設備や車両の一覧を載せるかどうかの判断と、載せるときの書き方を順番に書きます。取引先が設備で何を判断しているか、載せる項目、「何ができるか」への言い直し、写真の注意、書いてはいけないこと、そして更新の決め方です。

下請けの仕事が中心の会社が、そもそもホームページに何を載せるかの全体は 下請けの仕事が中心の会社に、ホームページは効くのか に書きました。この記事は、そのなかの「設備」の部分を掘り下げたものです。

2. 取引先は、設備を見て「どこまで頼めるか」を測っている

先に、設備の一覧が誰に、何のために読まれているかを整理しておきます。

頼めるかどうかを、電話の前に確かめたい

新しい外注先や協力会社を探している担当者は、問い合わせる前に、この会社にこの仕事を頼めるかを確かめようとします。そのとき見るのが、設備です。

運送なら、荷物の大きさと量に合う車があるか。建設なら、現場の広さに合う重機があるか。製造なら、図面の寸法が加工できる大きさに収まるか。設備工事なら、高い場所の作業に要る機材があるか。設備は、仕事の大きさの上限を示す情報として読まれています。

載っていないと、電話か、候補外か

一覧が載っていないと、担当者がとれる道は2つです。電話で聞くか、候補から外すか。急いでいる担当者や、何社も比べている担当者ほど、聞くより先に、載っている会社へ進みます。

電話で聞いてくれる担当者がいる会社は、まだ恵まれています。ただ、聞かれていない担当者のほうが多いかもしれない、とは考えておいたほうがいいと思います。

社内の説明にも使われる

担当者は、外注先を選んだ理由を、上司や社内に説明することがあります。そのとき、設備の一覧のページは、そのまま説明の材料になります。「この会社は、この大きさまで対応できる設備を持っている」と、画面を見せれば済むからです。

製品の仕様や、会社概要とは役割が違う

似たページとして、製品の仕様のページと、会社概要があります。役割を分けておきます。

会社概要に「保有車両 ○台」と一行だけ書き、詳しくは設備のページへつなぐ、という分け方がよく合います。

3. 載せるかどうかの判断

全部の会社が載せたほうがいい、というわけではありません。載せるかどうかは、次の3つで決めます。

載せたほうがいい会社

  • 設備や車両のことを、電話でよく聞かれる ― 聞かれている内容が、そのまま載せる中身になります
  • 設備の大きさで、受けられる仕事が決まる ― 上限を先に示すと、合わない依頼が減ります
  • 協力会社や外注先として選ばれる立場にある ― 選ぶ側が比べる材料を探しています

慎重に考えたほうがいい場合

  • 取引先との約束で、設備を明かせない ― 守秘の約束があるなら、そちらが先です
  • 設備の入れ替えが多く、更新が追いつかない ― 古い一覧が残るくらいなら、範囲だけを書くほうが安全です
  • 防犯の上で、置き場所と高価な機材の組み合わせを知られたくない ― 置き場所の住所と、機材の一覧を同じページに並べない、という配慮はできます

台数が少ないことは、気にしなくていい

冒頭の「小さく見えそう」という心配に答えておきます。台数が少ないこと自体は、マイナスにはなりにくいです。取引先が見ているのは、台数の多さではなく、自分の仕事に合う設備があるかどうかだからです。

小さな仕事を急ぎで頼みたい担当者にとっては、大きな会社より、合う車を持つ小さな会社のほうが頼みやすいこともあります。台数は正直に書き、そのかわり、何ができるかを丁寧に書いてください。

4. 載せる項目:種類・台数・大きさ・できること

載せると決めたら、項目をそろえます。基本は4つです。

種類

何の設備か、何の車両か。社内での呼び方ではなく、取引先が探すときの呼び方で書きます。社内では型番や愛称で呼んでいても、外の人には通じません。

台数

何台あるか。台数は変わるので、「○年○月時点」を一言添えます。数字の時点の添え方は 「創業○年」「施工実績○件」などの数字を、ホームページにどう書くか に詳しく書きました。

大きさ

積める重さ、扱える寸法、届く高さ。取引先が自分の仕事と比べる数字を1つか2つ選びます。全部の仕様を書く必要はありません。

できること

その設備で、どんな仕事ができるか。ここがいちばん大事な項目です。次の章で詳しく書きます。

表:設備や車両の一覧の書き方(業種・台数・大きさの例はすべて架空です)
業種名前と台数だけの書き方読む人が判断できる書き方
運送たとえば「4tトラック 3台」たとえば「4tウイング車 3台(○年○月時点)。横から荷物を積み下ろしできるので、フォークリフトでのパレット積みに対応」
建設たとえば「小型ショベル 2台」たとえば「小型の油圧ショベル 2台。車幅が狭く、住宅街の細い道の先の現場にも入れます」
製造たとえば「マシニングセンタ 4台」たとえば「マシニングセンタ 4台。加工できる大きさは、最大で横○mm×奥行○mm×高さ○mmまで」
設備工事たとえば「高所作業車 1台」たとえば「高所作業車 1台。2階建ての外壁や看板の作業は、足場を組まずに対応できます」

左の書き方でも嘘ではありません。ただ、読む人は「その設備で自分の仕事ができるか」を自分で考えなければなりません。右のように、できることまで書いておけば、考えるのは貴社の側で済みます。中身は、貴社の実際の設備で書いてください。

一覧は、画像にしない

設備の一覧を、表を撮った画像や、PDFだけで載せている会社があります。これだと、スマートフォンでは文字が小さくて読めず、検索でも見つけてもらいにくくなります。一覧は、ページの文字として載せてください。

5. 「何ができるか」に言い直す

設備の一覧で、いちばん差がつくのがここです。設備の名前は、それだけでは仕事の話になりません。

設備の名前は、取引先には伝わらないことがある

製造業の購買担当者でも、加工の設備の名前に詳しいとは限りません。運送を頼む荷主も、車の種類の呼び方を知らないことがあります。設備の名前が分かる人にしか伝わらない書き方は、読む人の幅を狭めます。

だから、設備の名前のすぐ後ろに、その設備で何ができるかを書きます。表で書いた「パレット積みに対応」「細い道の先の現場にも入れる」のような一言です。

組み合わせで、できることを書く

設備は、1台ずつより、組み合わせで書いたほうが伝わることがあります。

  • 工程が社内で終わる ― たとえば「切断から曲げ、溶接、塗装まで、社内の設備で終えられます」
  • 同時にいくつ受けられる ― たとえば「車両の台数から、同じ日に○件の現場まで同時に対応できます」
  • 前後の作業まで受けられる ― たとえば「運ぶだけでなく、倉庫での仕分けまでお受けします」

これは、取引先が手配の手間を減らしたいときに、いちばん効く情報です。何社にも分けて頼まずに済むと分かるからです。

できないことも、一言添える

できることと一緒に、この設備ではできないことも書いておくと親切です。「○mmを超える大きさは、お受けできません」「大型車が入れない現場には、小型の車両で分けて運びます」。

上限が分かっていると、超える仕事を持っている担当者は問い合わせる前に分かります。上限の内側にいる担当者は、安心して連絡できます。強みとあわせて弱みを書く考え方は 「うちの強み」を、ホームページにどう書くか にも書きました。

6. 写真の撮り方と、写り込みに気をつける

設備の一覧に写真を添えると、文字だけより伝わります。ただ、設備の写真は、写ってはいけないものが写りやすい写真でもあります。

社名やロゴの写り込み

いちばん気をつけたいのは、取引先の社名やロゴです。トラックの荷台に積まれた荷物の箱、作業場に置かれた預かり品、現場に立っている看板。貴社の設備を撮ったつもりでも、取引先の名前が読める形で写っていることがあります。

取引先の名前は、許可なく載せないのが基本です。撮るときは荷物や預かり品が無い状態で撮るか、写らない角度を選んでください。

ナンバープレート

車両の写真では、ナンバープレートの写り方を決めておきます。自社の車両でも、ナンバーを読める形で載せるかどうかは、社内で決めてから撮るほうが安心です。

ナンバーが写らない角度で撮る、斜めから撮る、写ってしまったものは読めないように処理する。どれを選ぶかは貴社の判断ですが、決めないまま撮ると、写真ごとにばらばらになります。

人の顔と、図面

設備の近くには、作業している社員や、作業中の図面が写りやすくなります。顔を載せるなら、本人の同意を取ってからにしてください。図面や加工中の部品は、取引先のものであることが多いので、写さないのが基本です。事務所や工場の中の写真で、写してはいけないものの全体は 事務所や工場の中の様子を、ホームページでどう見せるか にまとめました。

大きさが分かるように撮る

設備の写真は、大きさが分かるものと一緒に撮ると、読む人が想像しやすくなります。人が横に立つ、扉や柱が一緒に入る。真正面から寄りすぎると、大きいのか小さいのかが分かりません。

撮るのは、貴社の社員の方で構いません。明るい時間に、まわりを片付けてから撮る。それだけで十分に使える写真になります。

7. 書いてはいけないことと、更新の決め方

最後に、設備の一覧で避けたいことと、古くしないための決め方です。

協力会社の設備を、自社のものとして書かない

ここは、はっきり書いておきます。協力会社や外注先の設備を、自社で持っているように書かないでください。

協力会社と組めば大きな仕事も受けられる、ということ自体は強みです。ただ、それは「自社の設備」とは分けて書きます。「当社の設備」と「協力会社と連携して対応できる範囲」を、別の見出しにするのがいちばん誤解がありません。

自社の設備だと思って頼んだのに、実際は別の会社が来た。こうなると、取引先の信用を失います。業種によっては、許可や登録の内容と、保有している車両や設備の書き方が関係することもあります。気になるときは、業種によって決まりが違うので、所管の窓口や専門家に確かめてください。

借りている設備の書き方

リースやレンタルで使っている設備をどう書くかも、決めておきます。いつも使える状態にあるなら載せて構いませんが、「保有」と書くか「使用」と書くかは、実態に合わせてそろえてください。必要なときだけ借りる設備は、自社の一覧には入れないほうが誤解がありません。

古い設備を、載せ続けない

売った設備、廃車にした車両が、一覧に残っていることがよくあります。一覧を見て頼んだのに、その設備はもう無い。これも、取引先には「書いてあることと違う」と受け取られます。

台数が減ったときほど、直すのが後回しになりがちです。ただ、減ったことを直さないほうが、あとで困ります。

更新の決め方

古くしないためには、直すきっかけを先に決めておきます。

図:設備や車両が変わったときに、一覧を直す流れ(時期の決め方はたとえばの例です)
① 変わったときに、その場でメモする

買った、売った、廃車にした、借り始めた、返した。変わった日と中身を、決めた1か所に書きます。

書く場所は、社内で1つに決めておく(表計算の1枚で足ります)
▼
② 担当の1人が、一覧と見比べる

メモを見て、ホームページの一覧と違うところを探します。台数、大きさ、できること、写真の4つを見ます。

担当を決めないと、誰かが直すだろうで止まる
▼
③ 一覧と、ほかのページを直す

設備のページだけでなく、会社概要の台数、トップページの一言、会社案内のPDFにも同じ数字がないかを確かめます。

時点の「○年○月時点」も、直した月に書き換える
▼
④ 年に1回、まとめて見直す

たとえば決算の時期など、毎年同じ時期に、一覧の全体を見直します。①で書き漏れた変更を拾う機会になります。

写真が古くなっていないかも、このときに見る

大事なのは①と②です。変わった日に書き留める人と、一覧と見比べる人を決めておく。それさえ決まっていれば、直す作業そのものは短く済みます。

8. 雄喜晃の伴走:設備の一覧を、「何ができるか」の言葉にして載せます

私たち雄喜晃のホームページ制作では、設備の一覧を、名前と台数を写すだけでは終わらせません。取引先がその一覧を見て、頼めるかどうかを判断できる形にします。

私たちがやること

お手元の設備の台帳や、車検証の控えなどをもとに、一覧に載せる項目を一緒に決めます。そのうえで、設備ごとに「何ができるか」をお話を伺いながら言葉にし、原稿はこちらで書きます。

写真は、貴社で撮っていただいたものをお預かりして、明るさや向きを整えて載せます。取引先の社名やナンバーが読める形で写っていないかも、拡大してこちらでも一度確かめます。協力会社と連携する範囲は、自社の設備とは別の見出しに分けて書きます。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、車両を増やしたときや設備を入れ替えたときも、ご連絡いただければ一覧と台数を書き換えます。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでが私たちの仕事です
  • 協力会社の設備を、自社のものに見せる書き方はしません。分けて書いたほうが、取引先の信用を損ねないからです
  • 実物より大きく見せる加工や、持っていない設備を足すことはしません
  • 許可や登録と設備の書き方の関係について、判断を代わりにすることはしません。所管の窓口や専門家にご確認ください
  • 一覧を載せることで、問い合わせや受注が増えるとお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月に設立した会社です。

「設備のことを電話で聞かれるたびに、同じ説明をしている」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:設備は、仕事の大きさを伝える情報

保有している車両や設備の一覧を、ホームページに載せるときに押さえることは、5つです。

  • 電話でよく聞かれるなら、載せる ― 取引先は、設備を見て「どこまで頼めるか」を測っている
  • 種類・台数・大きさ・できることの4項目 ― 台数には時点を添え、一覧は画像にせず文字で載せる
  • 「何ができるか」に言い直す ― 設備の名前のすぐ後ろに、できることとできないことを一言ずつ
  • 写真は写り込みを確かめる ― 取引先の社名、ナンバー、顔、図面。撮るのは貴社で構いません
  • 自社と協力会社を分け、古い設備を残さない ― 変わった日に書き留める人と、見比べる人を決める

台数が多いか少ないかより、取引先の仕事に合う設備があると分かることのほうが、ずっと大事です。小さな会社でも、何ができるかがはっきり書かれていれば、選ぶ理由になります。

まず、今日できること

今月、取引先から電話で聞かれた設備や車両の質問を、思い出せるだけ書き出してみてください。その質問の一つひとつが、一覧に書くべき「できること」です。