1. 「止まったという電話と、入れ替えの相談が、同じ番号にかかってくるんです」

空調設備の工事をしている会社の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「夏になると、『店のエアコンが止まった、今日来てもらえないか』という電話が一日に何本も来るんです。その合間に、管理会社さんから入れ替えの見積もりの相談があって、工務店さんからは現場の応援を頼まれる。ホームページには『空調設備工事一式』としか書いていないので、どの話も電話で一から聞くことになって」

空調の仕事には、急ぎの依頼と、時間をかけて決める依頼が、同じ窓口に混ざって届くという特徴があります。止まったエアコンを今日なんとかしてほしい人と、来年の夏までに入れ替えたい人とでは、知りたいことも、待てる時間もまったく違います。

頼む人の顔ぶれが広い

頼む人の顔ぶれも広い業種です。店舗や事務所のオーナー、ビルやマンションの管理会社、工務店や設備会社からの下請けの仕事、そして家庭のお客様。同じ「エアコンの工事」でも、頼む人によって確かめていることが違います。

電気・空調・給排水をまとめて受ける設備工事会社の全体の考え方は、設備工事会社のホームページに、何を載せるか に書きました。この記事では、そのうち空調と換気を中心に受けている会社に絞って、故障の連絡、入れ替えの流れ、費用の条件、点検の契約まで、もう一段具体的に書きます。

この記事で書くこと

  • 頼む人ごとの入口の分け方
  • 急な故障の連絡先と、対応できる時間の書き方
  • 入れ替えの相談から工事までの流れと、期間の目安
  • 費用が決まる条件の並べ方
  • 点検の契約と、フロン類の扱いの書き方
  • 補助金、資格や登録、施工例の見せ方

2. 頼む人ごとに、入口を分ける

最初に整えたいのは、トップページの入口です。誰が、どんな用事で来るのかを先に並べておくと、載せるものが決まります。

表:頼む人ごとに、確かめていることと入口の先に置くもの(項目はたとえばの例です)
頼む人確かめていること入口の先に置くもの
店舗・事務所のオーナー止まったら今日来てもらえるか/営業を止めずに入れ替えられるか/だいたいいくらか故障の連絡先と受付の時間、営業時間外の工事の可否、費用が決まる条件
ビル・マンションの管理会社複数の建物や台数をまとめて任せられるか/点検と報告を続けて頼めるか対応できる建物の種類と規模、点検の契約の中身、報告書の形、担当者の窓口
工務店・設備会社(下請け)この規模の現場に人を出せるか/書類や段取りを任せられるか受けられる工事の範囲、職人の人数と動ける地域、安全書類への対応、繁忙期の応援の可否
家庭のお客様家のエアコン1台でも来てくれるか/取り付けや入れ替えはいくらか家庭用を受けるかどうか、対応する地域、たとえば「取り付け 〇万円〜(架空の例です)」のような目安

4つの入口を、同じ重さで並べる必要はありません。貴社の仕事の中心がどこかを決めて、そこを最初の画面に置き、残りは下に並べます。項目は、貴社が実際に受けていることだけで埋めてください。

家庭用を受けるかどうかを、はっきり書く

いちばん問い合わせが迷うのが、家庭用のエアコンです。業務用が中心の会社のサイトを見て、家庭のお客様は「うちの1台なんて頼んでいいのか」と迷います。反対に、家庭用は受けていないのに電話が来て、断る手間が増えることもあります。

受けるなら「家庭用エアコンの取り付け・入れ替えも承ります」、受けないなら「家庭用はお受けしていません」と、どちらかを一行で書いてください。受ける場合も、「〇〇市内に限ります」「業務用の工事の合間に伺うため、日程はご相談になります」のように条件を添えると、行き違いが減ります。

下請けの入口は、元請けの担当者に向けて書く

工務店や設備会社から仕事を受けている場合は、その担当者に向けた入口を別に作ります。担当者は、新しい協力先を探すときだけでなく、社内で取引を通すときにもサイトを開きます。受けられる工事の範囲、職人の人数、動ける地域、書類の対応が1か所にまとまっていれば、話が早く進みます。

「新築の店舗の空調一式」「改修工事での入れ替えのみ」「配管だけ」のように、受けられる仕事の切り方を書いておくと、元請けの側も頼み方を決めやすくなります。

3. 急な故障の連絡先と、対応できる時間

空調の故障は、暑さや寒さが厳しい時期に集中します。止まったエアコンの前で探している人は、電話番号と、今日来てもらえるかどうかしか見ていません。

受付の時間と、伺える時間を分けて書く

故障の連絡先には、2つの時間を分けて書いてください。

  • 受付の時間 ― 電話がつながる曜日と時間。夜間や休日はつながるのか、留守番電話になるのか
  • 伺える時間 ― 実際に職人が向かえる時間帯。受付は夜までしていても、向かうのは翌朝から、という場合はそのとおりに

この2つが混ざっていると、「夜に電話がつながったのに、来てくれたのは翌日だった」という行き違いが起きます。受け付けることと、向かえることは別の約束です。

繁忙期は、待っていただくことがあると書く

真夏や真冬は、すぐに向かえない日が出てきます。それは隠さずに書いてください。たとえば「7月から8月は、ご依頼が重なり、伺うまでにお時間をいただくことがあります」。点検の契約をいただいている建物を先に伺うといった決まりがあるなら、それも書いておきます。順番の決め方が書いてあると、待つ側も事情が分かります。

夜間や休日の出張の料金、着くまでの目安の書き方は、「24時間対応」「緊急時はお電話を」を、ホームページにどう書くか にまとめてあります。

電話の前に、分かると助かることを書く

故障の電話で、最初に聞きたいことは決まっています。サイトに先に書いておくと、電話が短くなり、向かう前に部品の見当がつくこともあります。

  • どこの、何台のうちの何台が止まっているか ― 店の客席の1台だけか、全部か
  • リモコンや室内機に出ている表示 ― 点滅のしかたや、表示されている文字
  • 機器に貼られた銘板の写真 ― 型番や製造年が分かる部分。室外機の写真もあると助かります
  • いつから、どんな様子か ― 冷えない、水が漏れる、音がする、においがする

フォームを置くなら、この項目と写真の添付を受けられる形にします。ただし、フォームは急ぎの連絡には向きません。「お急ぎの場合はお電話ください。フォームは翌営業日に確認します」と、すぐ横に書いておいてください。

4. 入れ替えの相談から工事までの流れと、期間の目安

故障をきっかけに、入れ替えを考え始める方は少なくありません。修理と入れ替えのどちらがいいか、どれくらいで終わるか、店を閉める必要があるか。相談したら何が起きるかを、段階に分けて書いてください。

図:入れ替えの相談から引き渡しまでの流れ(たとえばの例です。期間は貴社の実際で書いてください)
① ご相談

電話かフォームで、建物の種類、台数、今の機器の年数、困っていることを伺います。修理で直るか、入れ替えたほうがいいかの考え方もお伝えします。

書き方の例:「ご相談とお見積もりは無料です」「お見積もりのあと、こちらから契約を急かす連絡はしません」
▼
② 現地調査

室内機と室外機の位置、配管の通り道、電源、搬入の経路、高い所での作業があるかを見ます。営業中の店なら、作業できる時間帯もここで確かめます。

書き方の例:「調査には〇分ほどかかります。立ち会いをお願いします」
▼
③ お見積もりと機種のご提案

部屋の広さや使い方に合った能力と台数を提案し、費用の内訳を出します。機種の候補が複数ある場合は、違いを並べて説明します。

書き方の例:「現地調査から〇日ほどでお見積もりをお出しします」
▼
④ 機器の手配と、工事の日程

ご契約のあと、機器を手配し、工事の日を決めます。機種や時期によって、届くまでの日数が変わります。

夏の前と冬の前は、手配と日程が混み合うことがあると、ここに書いておきます
▼
⑤ 工事と試運転、引き渡し

古い機器の撤去、取り付け、配管と電気の工事、試運転をして、使い方と点検の案内をお渡しします。

書き方の例:「店舗1軒の入れ替えで、工事は〇日ほど。定休日や閉店後の作業にも対応します」

各段階に、何をするかとどれくらいかかるかを一行ずつ添えるのが型です。〇の中は、貴社の実際の日数で埋めてください。

「夏の前に相談を」と書くのは、事実だから

入れ替えの相談は、暑くなってから一気に増えがちです。そのころには機器の手配も工事の日程も詰まっています。サイトに「入れ替えのご相談は、使わない季節のうちにいただくと、日程を選びやすくなります」と書いておくのは、売り込みではなく段取りの事実を伝えることです。

修理か入れ替えかの考え方を書く

「修理で直せないのか」と聞かれることも多いはずです。どんなときに修理を勧め、どんなときに入れ替えを勧めるかの考え方を書いておくと、売り込まれるのではという身構えが減ります。たとえば、使っている年数、部品が手に入るかどうか、同じ故障が続いているか、といった判断の材料を並べます。言い切らず、「現地で拝見したうえでご提案します」と添えてください。

5. 費用が決まる条件を、並べて書く

空調の工事は、同じ「1台の入れ替え」でも費用が大きく動きます。だから金額を書けない、と考えがちですが、金額の代わりに、費用が決まる条件を並べることはできます。

金額を動かす条件

  • 台数と能力 ― 何台を入れ替えるか。部屋の広さや使い方に合わせて、どの大きさの機器にするか
  • 配管 ― 今の配管をそのまま使えるか、引き直すか。室内機と室外機の距離、配管が通る経路
  • 高い所での作業 ― 天井の高い店舗や倉庫、屋上や壁の高い位置の室外機。足場や高所作業車、吊り上げが要るかどうか
  • 営業しながらの工事 ― 閉店後や定休日、夜間の作業になるか。客席を区切りながら進めるか
  • 撤去と処分 ― 古い機器の取り外しと処分。フロン類の回収を含むかどうか
  • 電気の工事 ― 電源の容量が足りるか、配線や分電盤の工事が要るか

これを並べておくだけで、読む人は自分の現場がどれに当てはまるかを自分で考えられます。

金額は、条件つきの例で書く

金額を出すなら、条件を前に置いた例の形にします。たとえば「事務所の天井埋め込み形を1台入れ替え、今の配管を使える場合で〇〇万円ほど(数字は架空の書き方の例です)」。例を2〜3件、規模の違うもので並べると、読む人は自分に近い行を探せます。

高くなる条件だけを書くと、脅されているように読めます。安くなる条件も同じ分量で書いてください。今の配管を使える、複数台をまとめて入れ替える、使わない季節に工事できる、といった条件です。条件つきの数字の出し方は、ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあります。

出張費と見積もりの費用

故障で呼ぶ人がいちばん気にするのは、来てもらうだけでお金がかかるかです。出張費、点検の費用、見積もりの費用がかかるかどうか、修理しなかった場合はどうなるかを書いてください。ここが分からないと、電話をためらう人が出ます。

6. 点検の契約と、フロン類の扱い

業務用の空調は、止まってから呼ばれる仕事だけではありません。定期の点検や保守の契約は、店舗のオーナーにとっても管理会社にとっても、止まるのを防ぐための備えです。

契約の中身を、具体的に書く

点検の契約を受けているなら、中身を並べてください。

  • 年に何回伺うか ― 季節の前に伺うのか、決まった月に伺うのか
  • 何をするか ― 運転の確認、フィルターや熱交換器の清掃、部品の消耗の確認など、受けている作業だけ
  • 何を渡すか ― 点検の報告書の形、写真を付けるか、記録をいつまで残すか
  • 故障のときの扱い ― 契約先の連絡を先に受けるか、出張費の扱いが変わるか
  • 料金の決まり方 ― 台数や機器の大きさで決まる、のように考え方だけでも

管理会社の担当者は、報告書の中身をよく見ています。建物のオーナーに出す資料に使うことがあるからです。報告書の見本を、建物の名前を消した形で1枚載せておくと、頼んだあとの姿が伝わります。

フロン類の扱いは、決まりがあることだけを書く

業務用の空調機器には、冷媒として使われるフロン類の扱いについて、点検や記録、機器を処分するときの回収などに関わる決まりがあります。対象になる機器や、求められる点検の中身は、機器の種類や大きさによって違います。

サイトでは、制度の中身を詳しく説明する必要はありません。むしろ、決まりを言い切って書くと、改正や解釈の違いで間違いが残る心配があります。書いておきたいのは、次のようなことです。

  • 貴社で、点検や記録づくりのどこをお手伝いできるか
  • 入れ替えや撤去のときに、フロン類の回収をどう扱っているか
  • 必要な登録や資格を持っている場合は、その名称

そのうえで、「対象になるかどうか、何が求められるかは、機器や使い方によって違います。所管の窓口でもご確認ください」と添えてください。法律の話は一般論にとどめ、判断は所管の窓口に委ねるのが安全です。

換気の工事も、分けて書く

換気扇やダクトの工事、換気の設備の入れ替えを受けているなら、空調と分けて一行を設けてください。飲食店の厨房の排気、事務所の換気など、空調とは別の言葉で探している人がいます。

7. 補助金、資格や登録、施工例の見せ方

補助金は、言い切らずに書く

省エネのための設備の入れ替えには、国や自治体の補助金が使える場合があります。ただ、募集の時期、対象になる機器、条件は、年度や地域で変わります。予算に達すると締め切られることもありますし、契約や工事を始める前に申請が要る制度もあります。

サイトに書くときは、「補助金が使えます」と言い切らないでください。書けるのは、たとえば次のような形です。

「入れ替えの内容によっては、国や自治体の補助金の対象になる場合があります。ご相談の際に、使える制度があるかを一緒に確かめます。申請の可否や条件は、各制度の窓口でご確認ください」

募集の情報を載せるなら、確かめた日を添え、終わったら消します。補助金は手順を間違えると使えなくなる、という考え方は、ホームページの制作の話ですが 補助金でホームページを作るときに、先に知っておくこと にも書きました。

資格や登録は、意味を一行添える

空調の工事には、作業する人の資格や、会社としての許可・登録が関わるものがあります。何が要るかは工事の内容や規模で違うので、所管の窓口で確かめてください。サイトでは、持っている許可や登録の名称と番号、資格を持つ人の人数を書き、それぞれに「この資格があるので、〇〇の作業を自社で行えます」と意味を一行添えます。

資格を持つ人が辞めたときや、登録を更新したときの直し忘れにも気をつけてください。書き方と直す時期は、資格・許認可・受賞歴を、ホームページにどう載せるか にまとめてあります。

施工例は、建物と条件で書く

施工例は、写真だけでは伝わりにくい仕事です。新しいエアコンは、どれも同じように見えるからです。建物の種類、台数、工事の条件、かかった日数を添えてください。

  • たとえば「市内の飲食店・客席の天井埋め込み形を2台入れ替え。閉店後の2晩で工事」(例は架空です)
  • たとえば「3階建ての事務所ビル・屋上の室外機をまとめて更新。吊り上げを使って1日で搬入」(例は架空です)

工事の前と後を同じ位置から撮った写真は、配管の取り回しや室外機の置き方のように、仕上がりの丁寧さが出るところほど効きます。撮り方は 施工前と施工後の写真を、比べられる形で撮る に書きました。店の名前が分かる看板や、ほかのお客様が写り込まないように、載せる前にお客様の了解を取ってください。下請けの現場は、元請けの了解なしに載せないでください。

8. 雄喜晃の伴走:急ぎの入口と、相談の入口を分けて作ります

私たちがやること

私たち雄喜晃は、「原稿をご用意ください」とは申し上げません。空調設備の工事会社の場合は、頼んでくる人の割合、故障の受付の時間と伺える時間、入れ替えの流れと日数、費用が決まる条件、点検の契約の中身をお話で伺い、こちらで文章と表に整えます。

  • 入口を分ける ― 急な故障の連絡と、入れ替えや点検の相談を、トップで迷わない形に分けます
  • 流れと条件を言葉にする ― 相談から引き渡しまでの段階と、費用が決まる条件を、貴社の実際に合わせて書き起こします
  • 写真を整えて載せる ― 施工例や職人の方の写真は、貴社で撮っていただいたものをお預かりして、明るさや向きを整えて載せます

月5回までの更新代行が月額に含まれているので、繁忙期の受付のお知らせ、補助金の募集の掲載と取り下げ、資格者の人数の変更なども、ご連絡いただければこちらで反映します。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成の場合は月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • 工事の料金や点検の契約の条件を決めることはしません。どちらも経営の判断です
  • フロン類の扱いや資格・登録の表示、補助金の対象になるかどうかの判断はしません。所管の窓口や各制度の窓口で確かめていただくようお願いしています
  • 問い合わせの件数や検索の順位をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。

夏になるたびに、同じ説明を電話で繰り返しているという方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:急いでいる人にも、決めかねている人にも、次の一歩を

空調設備の工事会社のホームページで押さえることは、5つです。

  • 頼む人ごとに入口を分ける ― 店舗・事務所、管理会社、下請け、家庭。どれが主かを決め、家庭用を受けるかどうかは一行ではっきり
  • 故障の連絡は、受付と伺える時間を分ける ― 繁忙期に待っていただくことも、順番の決め方も書く
  • 入れ替えは、流れと期間の目安で書く ― 相談、調査、見積もり、手配、工事。各段階に何をするかと日数を
  • 費用は、決まる条件を並べる ― 台数、能力、配管、高所、営業しながらの工事。高くなる条件と安くなる条件を同じ分量で
  • 点検・フロン類・補助金・資格は、言い切らない ― できることを書き、制度の判断は所管の窓口へ

まず、今日できること

去年の夏と冬に受けた電話を思い出して、最初の数分で毎回聞いていたことを書き出してみてください。どこの何台が止まったか、表示は何か、来てもらえるのはいつか、いくらかかるか。その答えがサイトに書いてあれば、電話はもっと短くなります。

故障の受付と入れ替えの相談を、サイトで分けて受けたいという方は、一度ご相談ください。