1. 「元請けさんの仕事がほとんどなので、会社案内のつもりで作ったんです」

電気工事や空調、給排水の工事をしている会社の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「うちは仕事のほとんどが元請けさんからなので、ホームページは名刺代わりに作っただけなんです。でも最近、近所の方から『エアコンの入れ替えもやってもらえるんですか』と電話が来たり、知らない会社から『協力会社を探している』と連絡が来たりして。何をどこまで書けばいいのか」

設備工事の会社には、仕事の入り口がいくつもあります。ゼネコンや工務店、管理会社からの仕事。店舗や事務所のオーナーからの直接の依頼。近所の個人のお客様からの小さな修理。さらに、一緒に働く職人や協力会社を探すときにも、相手はまずサイトを見ます。

同じ会社を、違う目で見ている

元請けの担当者と、個人のお客様では、サイトで確かめていることがまったく違います。担当者は「この規模の工事を任せられるか」を見ています。個人のお客様は「うちの困りごとを頼めるか、いくらか、いつ来てくれるか」を見ています。

この2つを1つのページで同時に話そうとすると、どちらにも伝わりにくくなります。「電気設備工事一式」「空調・衛生設備工事」と書いてあっても、担当者には規模が分からず、個人のお客様には自分の用事が入っているか分かりません。

この記事で書くこと

  • 対応できる工事の範囲を、具体的に書く方法
  • 元請け向けと、個人・店舗向けの入口の分け方
  • 資格者や登録の書き方
  • 緊急対応の範囲と条件
  • 守秘に配慮した施工事例と、協力会社・職人の募集

2. 対応できる工事の範囲を、具体的に書く

最初に整えたいのは、何の工事を、どの大きさまで受けるかです。ここが具体的に書いてあれば、元請けにも個人のお客様にも、同じ一覧が役に立ちます。

「一式」をほどいて並べる

「電気設備工事一式」を、実際に受けている工事の単位にほどいてください。たとえば次のような並べ方です。

  • 電気 ― 照明やコンセントの増設、分電盤の交換、店舗や事務所の配線、動力の引き込み、防犯カメラやLAN配線など
  • 空調・換気 ― 家庭用エアコンの取り付け・入れ替え、業務用空調の更新、換気扇やダクトの工事など
  • 給排水・衛生 ― 給水管・排水管の工事、給湯器の交換、トイレや水栓の取り替え、水漏れの修理など

並べる項目は、貴社が実際に受けているものだけにしてください。受けていない工事も書いておくと親切です。「〇〇の工事は、協力会社をご紹介します」のように書いておけば、合わない問い合わせが減ります。

建物の種類と、仕事の大きさ

工事の種類と一緒に、どんな建物で、どれくらいの大きさの仕事を受けるかも書いてください。

  • 戸建て住宅、マンションの専有部・共用部、店舗、事務所、工場、倉庫など
  • 新築、改修、入れ替え、修理・点検のどれを受けるか
  • 「コンセント1か所の増設から、店舗1軒の改装まで」のように、小さい側と大きい側の両方

小さい仕事を受けるかどうかは、個人のお客様がいちばん迷うところです。反対に、元請けの担当者は大きい側を見ています。両方の端を書いておくと、どちらにも範囲が伝わります。

困りごとの言葉を添える

個人のお客様は、工事の名前を知りません。「分電盤」も「動力」も、ふだん使わない言葉です。工事の名前の横に、困りごとの言葉を添えてください。

「ブレーカーがよく落ちる」「エアコンが効かない」「水が止まらない」「コンセントが足りない」。こうした言葉で探している人に、貴社の工事が届くようになります。

車両や測定器は、「何ができるか」で書く

元請けの担当者は、保有している車両や工具、測定器を見て、どこまで任せられるかを測ることがあります。高所作業車があるか、何台の車で何人が動けるか。載せるなら、「何があるか」より「それで何ができるか」の形で書いてください。考え方は 保有している車両や設備の一覧を、ホームページに載せるかどうか にまとめてあります。

3. 元請け向けと、個人・店舗向けの入口を分ける

工事の範囲を書いたら、次は入口です。トップページで「法人・元請けの方」と「個人・店舗の方」の入口を分けてください。

先に、どちらが主かを決める

分けるときに決めておきたいのが、どちらが貴社の仕事の中心かです。元請けの仕事が中心で、個人の仕事は近所の方から来たときに受ける程度なら、トップの最初の画面は法人向けに寄せます。個人の仕事を増やしたいなら、その逆です。

両方を同じ重さで並べると、どちらの人にも「自分向けではないかもしれない」と思われます。考え方は 個人のお客様と法人のお客様、両方を相手にする会社のホームページ に詳しく書きました。

入口ごとに、載せるものが違う

それぞれの入口の先に何を載せるかを、表にするとこうなります。

表:元請け向けと個人・店舗向けで、入口の先に載せるもの(項目はたとえばの例です)
項目法人・元請けの方向け個人・店舗の方向け
工事の範囲工種と、受けられる規模。たとえば「店舗・事務所の電気工事、延床〇〇㎡程度まで」困りごとの言葉で並べた工事の一覧。1か所からでも受けるか
体制職人の人数、動ける車両、対応地域、繁忙期の応援の可否来る人の顔と名前、経験年数
資格・登録許可や登録の名称と番号、資格者の人数資格の名前に、何ができる資格かを一行添える
料金図面や仕様書をもとにお見積もり。単価での相談に応じるかたとえば「エアコンの入れ替え 〇万円〜(架空の例です)」。出張費と見積もりの費用の有無
書類と支払い安全書類や施工の書類に対応できるか、請求の締め日と支払いの扱い支払い方法と、支払いの時期
問い合わせ担当者の名前と直通の連絡先。図面や現場の住所を添えて送れるフォーム電話と、症状と写真を送れるフォーム

左右で、同じ項目でも書く中身が変わります。元請けの担当者は「任せて大丈夫か」、個人のお客様は「頼めるか・いくらか」を見ているからです。項目は、貴社が実際に対応できることだけで埋めてください。

元請けの担当者は、社内で見せるために見ている

元請けの担当者がサイトを見るのは、新しい協力先を探すときだけではありません。すでに取引が決まりかけているとき、社内の上の人に説明するために開くこともあります。そのときに、会社の所在地、代表、許可や登録、体制、工事の実例がまとまっていると、話が通りやすくなります。下請けの仕事が中心の会社にとってのサイトの役目は、下請けの仕事が中心の会社に、ホームページは効くのか に書きました。

フォームも、入口ごとに分ける

問い合わせのフォームは、入口ごとに分けておくと、最初の返信が早くなります。元請け向けなら、会社名、工事の種類、現場の場所、工期の目安、図面の添付。個人向けなら、困っていること、建物の種類、写真の添付、連絡のつきやすい時間。聞く項目が違うので、1つのフォームで両方を受けると、どちらにも答えにくいのです。

4. 資格者と登録の書き方

設備工事は、資格や登録が仕事の前提になることが多い業種です。サイトにどう書くかで、伝わり方が変わります。

制度の中身は、所管の窓口で確かめる

工事の種類によっては、作業する人の資格や、会社としての許可・登録・届出が要るものがあります。どの工事に何が要るか、サイトや広告にどう表示するかは、工事の内容や規模、地域によって違います。この記事では制度の中身は書きません。所管の窓口や業界団体の案内で確認してください。

そのうえで、サイトに書いておきたいのは次のようなことです。

  • 会社として持っている許可や登録 ― 名称と番号。更新の時期が来たら番号や年を直す
  • 資格を持っている人の人数 ― 「〇〇の資格者が△名」のように、人数で書く形でも伝わります
  • 何ができる資格かを一行 ― 資格の名前だけでは、個人のお客様には違いが分かりません

名前に、意味を添える

資格や登録の名前を並べるだけでは、元請けの担当者には伝わっても、個人のお客様には伝わりません。「この資格があるので、〇〇の工事を自社で行えます」のように、お客様にとっての意味を一行添えてください。

もう1つ気をつけたいのが、資格者が辞めたときや、更新を迎えたときの直し忘れです。人数や番号が古いまま残っていると、元請けの担当者には確かめられてしまいます。資格や許認可の書き方と直す時期は、資格・許認可・受賞歴を、ホームページにどう載せるか にまとめてあります。

5. 緊急対応の範囲と、条件を書く

漏水、停電、空調の故障。設備の仕事には、急ぎの連絡がつきものです。緊急対応をしているなら、その範囲と条件を具体的に書いてください。

「24時間対応」と書く前に

「24時間365日対応」と書くと、急いでいる人には強く響きます。ただ、本当に夜中に電話に出られるか、出たあとに誰が向かえるかは、会社の体制次第です。書いたことと実際の体制がずれると、いちばん困っている人を待たせることになります。

書くなら、次の3つの段階に分けて考えると、約束できる範囲が見えてきます。

図:緊急対応を3つの段階に分けて書く(たとえばの例です。範囲と条件は貴社の実際で決めてください)
① すぐに動く
たとえば、取引中の管理会社・店舗からの漏水や停電

専用の連絡先を伝えておき、夜間や休日も受け付けます。向かえる地域と、着くまでの目安の時間を条件つきで書きます。

対象・地域・時間帯をはっきり書く
② 条件つきで動く
たとえば、初めての個人のお客様からの急ぎの修理

受付の時間内なら当日中に折り返します。夜間や休日に向かう場合の料金と、応急処置までになることがある点を書きます。

割増の有無と、できることの範囲を書く
③ 翌営業日に対応する
たとえば、フォームやメールでの連絡

夜間に届いたフォームは、翌営業日に確認します。急ぎの場合は電話を、と書き添えます。

「すぐに見ていない」ことを正直に書く

3つを分けて書くと、急いでいる人が、自分がどの段階にいるかを判断できます。全部を「24時間対応」とまとめるより、約束できる範囲を正確に書くほうが、いざというときに頼られます。

料金と、着くまでの時間

急ぎの依頼で、お客様がいちばん心配しているのは夜間や休日にいくらかかるかです。割増があるなら、その考え方を書いてください。「夜間・休日は、通常の料金に出張費〇〇円を加えます(数字は架空の例です)」のような形です。

着くまでの時間も、言い切らずに条件をつけます。「〇〇市内で、職人が待機している時間帯なら、お電話からおよそ〇時間」。道路の状況や、ほかの現場で変わりますと添えておけば、約束が重くなりすぎません。書き方の全体は 「24時間対応」「緊急時はお電話を」を、ホームページにどう書くか に書きました。

6. 施工事例を、守秘に配慮して書く

設備工事の施工事例は、書き方に気をつけたいところが多い分野です。

元請けの仕事は、名前を出さずに書く

元請けからの仕事には、元請けの会社名、建物の名前、施主の名前を出せないものが多くあります。取引の約束で、実績として載せること自体を断られている場合もあります。載せる前に、元請けの担当者に確かめてください。

名前を出さなくても、事例としては十分に役立ちます。書くのは次のような項目です。

  • 建物の種類と規模(たとえば「市内の飲食店・約〇〇㎡」「築30年ほどの共同住宅」)
  • 地域(市区町村まで)
  • 工事の種類と範囲(電気・空調・給排水のどれを、どこまで)
  • 工期と、関わった人数
  • 難しかった点(営業しながらの工事、夜間だけの作業、古い配管の取り回しなど)

元請けの担当者は、自分の現場に近い事例を探しています。建物の種類と工事の範囲が書いてあれば、名前がなくても「この会社なら任せられそうだ」と判断できます。

写真に写ってはいけないもの

設備の写真には、思った以上にいろいろなものが写ります。現場に貼られた図面や工程表、建物の名前が分かる看板、防犯カメラや入退室の設備の配置、分電盤の中の表示。建物の安全に関わる情報が写っていないか、載せる前に確かめてください。

個人宅の事例なら、表札や車のナンバー、室内の私物にも気をつけます。工事の前と後を同じ位置から撮った写真は、天井裏や盤の中のように完成すると見えなくなる部分ほど、仕事の丁寧さが伝わります。

7. 協力会社と、職人の募集

設備工事の会社は、仕事を受ける側であると同時に、協力会社や職人を探す側でもあります。ここもサイトが役に立ちます。

社員の採用と、協力会社の募集を分ける

一緒に働く人の募集は、2つに分けて書いてください。

  • 社員として働く職人や見習いの募集 ― 仕事の内容、給与の決まり方、資格を取るときの扱い、1日の流れ
  • 協力会社・一人親方の方の募集 ― 頼みたい工種と地域、仕事の量の目安、支払いの決まり方、取引を始めるまでの流れ

この2つは、読む人が違います。社員の募集を見る人は、働き方と給与を見ています。協力会社の方は、どんな仕事が、どれくらいの頻度で、どんな条件で来るかを見ています。1つのページにまとめると、どちらにも分かりにくくなります。

協力会社の方は、条件の決まり方を見ている

協力会社の募集では、金額そのものより、支払いの決まり方と、締め日・支払日を書いておくと信用されます。「単価は工種と現場ごとにご相談のうえ決めます。月末締め、翌月末払いです」のような形です(条件は貴社の実際で書いてください)。

あわせて、応募から取引開始までの流れ、取引の前に確かめたいこと(持っている資格、加入している保険など)も書いておくと、合う方からの連絡が増えます。作り方は 協力会社・外注先を募集するページを、どう作るか にまとめてあります。

募集のページは、元請けも見ている

協力会社や職人を募集しているページは、元請けの担当者も見ています。人を集めようとしている会社は、仕事を受ける体制を整えようとしている会社として受け取られます。募集が終わったときに古い募集を消し忘れないことも、あわせて気をつけてください。

8. 雄喜晃の伴走:工事の範囲と入口を、読む人ごとに組み立てます

私たち雄喜晃は、「原稿をご用意ください」とは申し上げません。設備工事の会社の場合は、受けている工事の種類と大きさ、元請けと個人の仕事の割合、緊急対応の体制、協力会社との取引の決まりをお話で伺い、法人向けと個人向けの入口に分けて、こちらで文章と表に整えます。施工事例も、元請けの名前を出さずに書ける形を一緒に考えます。

写真は、貴社で撮っていただいた現場の写真や、車両、職人の方の写真を整えて載せます。写り込みで気になるところがあれば、載せる前にお伝えします。

料金と、契約の条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成の場合は月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれ、月5回までの更新代行も同じ月額の中です。資格者の人数が変わったときや、協力会社の募集を出す・閉じるときの書き換えも、ご連絡いただければこちらで反映します。

条件も先に書いておきます。最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

貴社の料金や、協力会社への支払いの条件そのものを決めることはしません。どちらも経営の判断です。また、許可や登録、資格の表示が決まりに合っているかの判断も、私たちはしません。そこは所管の窓口や業界団体で確認していただくようお願いしています。元請けの許可を得ていない事例や、実際にない事例を載せることもしません。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。

元請けの仕事が中心だけれど、個人のお客様や協力会社からも見つけてほしいという方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:誰が見ても、自分の用事で頼めるか分かるように

設備工事会社のホームページで押さえることは、4つです。

  • 工事の範囲を、ほどいて並べる ― 電気・空調・給排水を工事の単位で。建物の種類、小さい側と大きい側、困りごとの言葉、受けていない工事
  • 入口を、元請け向けと個人向けに分ける ― どちらが主かを決め、体制・料金・書類・フォームを入口ごとに書く
  • 資格と緊急対応は、意味と条件で書く ― 資格に一行の意味を添え、緊急対応は対象・地域・時間帯・料金を段階で分ける
  • 事例は守秘に配慮し、募集は2つに分ける ― 名前を出さずに建物と工事の範囲で書く。社員の採用と協力会社の募集を分ける

そして、許可や登録、資格の表示に関わるところは、所管の窓口や業界団体に確認してください。

まず、今日できること

この1年に受けた仕事を、元請けからのものと、個人・店舗から直接のものに分けて、工事の種類ごとに書き出してみてください。並べてみると、どちらが主か、どの工事を前に出すかが見えてきます。その一覧が、そのまま工事の範囲のページの中身になります。

自社の仕事の範囲を、読む人ごとに伝わる形にしたいという方は、一度ご相談ください。