1. 「協力してくれる会社を、もう少し増やしたいんです」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「仕事は増えてきたんですが、うちの社員だけでは回りません。協力してくれる職人さんや外注先を増やしたいんです。知り合いの紹介だけでは追いつかなくて。採用のページに一緒に書いておけばいいんでしょうか」

工務店の職人さん、運送の個人事業主の方、清掃の外注先、製造の加工先。業種は違っても、自社の外に、一緒に仕事をしてくれる相手を探しているという点は同じです。

ところが、ホームページには「協力会社も随時募集中」と1行あるだけ、ということがよくあります。これでは、何をどんな条件で頼みたいのかが分からないので、読む人は連絡するかどうか決められません。

協力会社や外注先を募集するページは、求人ではなく、取引の入口です。この記事では、その作り方を順番に書きます。

この記事で書くこと

  • 分ける理由 ― 社員の採用ページと、なぜ別のページにするのか
  • 仕事の中身と地域 ― 相手が自分に合うかを判断できる書き方
  • 支払いの条件 ― 金額ではなく、決まり方を書く
  • 求める条件 ― 必須と歓迎の分け方、許可や保険の扱い
  • 流れとフォーム ― 応募から取引開始まで、問い合わせの項目
  • 始める前の確認 ― 取引の前に、お互いに確かめておくこと

なお、仕事を受ける側の会社にとってのホームページの役割は 下請けの仕事が中心の会社に、ホームページは効くのか に書きました。この記事は、その反対側、仕事を出す側の話です。

2. 社員の採用ページとは、分けて作る

最初に決めるのは置き場所です。社員の採用ページとは分けて、別のページにしてください。理由は3つあります。

読む人が違う

社員の採用ページを読むのは、雇われて働きたい人です。協力会社の募集を読むのは、すでに自分で事業をしている人です。一人親方、個人事業主、小さな会社の代表。立場がまったく違います。知りたいのは働きやすさより、その仕事を受けて、自分の事業が回るかどうかです。

知りたいことが違う

社員を探す人が見るのは、給与、休日、福利厚生、職場の雰囲気です。協力会社として応募を考える人が見るのは、仕事の範囲、量、地域、支払いの決まり方、道具や経費の負担です。同じページに並べると、どちらの読み手にとっても、半分は関係のない情報になります。

混ぜると、雇用か取引かが曖昧になる

社員の募集と業務の委託が同じページに並んでいると、応募する人は、どちらの条件で働くのかを読み違えます。雇用と委託では、守るべきルールも責任も違います。ページの書き方の段階で、どちらの話なのかをはっきり分けておくことが、あとの行き違いを防ぎます。どういう働き方が雇用に当たるかは、仕事の実態によって判断が変わることがあります。業種によっても違うので、迷うときは所管の窓口や専門家に確認してください。

表:社員の採用ページと、協力会社の募集ページの違い
項目社員の採用ページ協力会社の募集ページ
読む人雇われて働きたい人一人親方・個人事業主・会社の代表など、自分で事業をしている人
知りたいこと給与・休日・福利厚生・職場の様子仕事の範囲・量・地域・道具や経費の負担
お金の書き方月給や時給などの給与単価の決まり方・締め日と支払日・経費の扱い
応募のあと面接・選考・入社面談・書類の確認・試しの仕事・取引開始
混ぜたとき委託の話が混じり、条件が読みにくくなる雇用なのか取引なのかが曖昧になる

2つのページは、読む人も、書く中身も違います。採用ページからは1行でつなぎ、中身は別のページに書くのが、いちばん行き違いの少ない形です。

採用ページからは、1行でつなぐ

行き来はできるようにしておきます。採用ページの最後に「独立して事業をされている方、協力会社としてのお取引をご希望の方は、こちらのページをご覧ください」と1行入れて、募集ページへリンクします。逆も同じです。

採用ページそのものの作り方は 採用のためのホームページ ― 求人媒体との役割分担 にまとめてあります。

3. 募集する仕事の中身を、相手が判断できるように書く

ページの中心は、何を頼みたいのかです。「協力会社様を随時募集しています」の一文だけでは、読む人は自分に頼みたい仕事なのかが分からず、次のページを開きます。

頼みたい仕事を、作業の単位で書く

業種ごとに、たとえばこう書きます。

  • 工務店 ― たとえば「木造住宅のリフォームの大工工事」「水まわりの設備工事」「内装のクロス張り」のように、工事の種類で書く
  • 運送 ― たとえば「午前中の企業向けルート配送」「スポットの引越し補助」のように、時間帯と荷物の種類で書く
  • 清掃 ― たとえば「オフィスの定期清掃」「退去後の部屋の清掃」のように、場所と頻度で書く
  • 製造 ― たとえば「小ロットの切削加工」「製品の組立と検品」のように、工程と量の目安で書く

ポイントは、社内の呼び方ではなく、相手が自分の仕事と照らし合わせられる言葉を使うことです。

仕事の量と、波を書く

次に、どれくらいの量があるかです。数字を出せなくても、形は書けます。

  • 単発か、継続か ― 現場ごとのご依頼なのか、決まった曜日に続くご依頼なのか
  • 波があるか ― 繁忙期にまとまって出るのか、年間を通して出るのか
  • 最初の量 ― 最初は少しずつお願いし、様子を見て増やしていく、という進め方なのか

ここがあると、本業の合間に受けたい人と主な取引先を探している人が、自分で判断できます。

地域を、市区町村で書く

移動の時間と費用は相手の負担になるので、地域は仕事の中身と同じくらい大事です。「兵庫県全域」ではなく、主な現場がある市区町村を書きます。拠点に集まってから出るのか、現場に直接行くのかも書いておくと、相手は自分の住んでいる場所から通えるかを判断できます。地域の書き方の考え方は 「対応エリア」を、ホームページにどう書くか にまとめてあり、協力会社の募集でもそのまま使えます。

道具・車両・資材は、どちらが用意するか

見落とされやすいのがここです。工具、車両、資材、制服、消耗品。どれを貴社が用意し、どれを相手が用意するのかを書いてください。

相手にとっては、手元に残るお金に直結する話です。書いていないと、面談で毎回同じ説明をすることになります。

4. 支払いの条件は、金額より「決まり方」を書く

単価は仕事の中身や地域、相手によって変わります。だからこそ、ページに書くのは金額ではなく、決まり方です。

単価が、何で決まるのかを書く

形は、たいてい次のどれかです。

  • 1件ごと ― 現場1件、配送1件ごとに決める
  • 1日ごと ― 作業した日数で決める
  • 出来高 ― 個数や面積など、仕上がった量で決める
  • 見積もり ― 仕事ごとに、相手から見積もりを出してもらって決める

金額は面談で、決まり方はページで。この分け方がいちばん無理がありません。

締め日と、支払日を書く

いつ入金されるかは、いくらもらえるかと同じくらい大事です。「月末締め、翌月〇日払い」のように、締め日と支払日の形を書いてください。

支払いの方法、たとえば振込なのか、振込の手数料はどちらが持つのかも、ここに書いておくと話が早くなります。

経費の扱いを書く

交通費、駐車場代、高速道路の料金、材料費。単価に含まれるのか、別に精算するのかを書きます。

曖昧なまま始めると、最初の請求で行き違いが起きます。金額の大小より、「聞いていた話と違う」と感じさせることが関係を傷めます。

取引の条件を、書面で取り交わすと書く

ページの中に、「お取引の条件は、発注の前に書面でお渡しします」と書いておくと、相手は安心します。仕事の内容、金額、支払いの時期を、口約束ではなく書面にする会社だということが伝わるからです。

取引の条件を書面で示すことについては、取引の形や相手によって、法律で決まりがある場合があります。業種によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。ページに書くのは、書面で取り交わします、という姿勢までで十分です。

金額を書かない理由を、ひとこと添える

「単価は面談のうえで、仕事の内容に応じて決めます」と、載せていない理由をひとこと添えてください。理由があれば、隠しているのではなく、決まり方が違うのだと読んでもらえます。

5. 求める条件と、こちらが約束できること

次は、応募する人に求める条件です。書き方次第で、来てほしい人が来るかが変わります。

「必須」と「歓迎」を分ける

条件を全部同じ重さで並べると、読む人はどれが本当に必要なのか分かりません。2つに分けます。

  • 必須 ― これが無いと、そもそもお願いできない条件。たとえば、その仕事に必要な資格、自分の車両、主な現場に通える場所に拠点があること
  • 歓迎 ― あれば助かるが、無くても相談できる条件。たとえば、同じ種類の仕事の経験、土曜日も動けること

必須を絞るほど、応募の入口は広がります。本当に外せないものだけを必須に置いてください。

許可や保険は、「確認させてください」と書く

業種によっては、仕事を受けるために許可や登録が要るもの、入っておくべき保険があります。どれが必要かは、業種や仕事の内容によって違います。

ページには、「お取引の前に、お持ちの許可や加入している保険を確認させていただきます」と書いておきます。何が必要かを一覧にして断定するより、確認する場があると書くほうが、間違いがありません。必要なものの判断に迷うときは、所管の窓口や専門家に確認してください。

こちらが約束できることを書く

相手も、貴社を選んでいます。貴社と取引すると、何が約束されるのかを書いてください。

  • 支払い ― 決めた支払日を守る
  • 連絡 ― 仕事の依頼は、いつ、どんな手段で連絡するか
  • 現場 ― 現場での段取りや、困ったときの相談先

書くのは、守れることだけにしてください。

たとえば「繁忙期以外は、ご依頼の量が少なくなります」のように、相手にとって都合の悪いことも先に書いておくと、合わない人は応募の前に分かります。

代理店を募集するときに足すこと

自社の商品やサービスを売ってくれる代理店を募集するときは、ここまでに加えて次のことを書きます。

  • 扱ってもらうもの ― 商品やサービスの範囲
  • 売り方の決まり ― 価格を自由に決めてよいか、使ってよい資料や言い方の範囲
  • 報酬の決まり方 ― 売上に応じてなのか、紹介1件ごとなのか。金額ではなく、形を書く
  • 地域の重なり ― 同じ地域に、ほかの代理店がいるかどうか

報酬や売り方の決まりは、業種によってルールがある場合があります。こちらも所管の窓口や専門家に確認してください。

6. 応募から取引開始までの流れと、問い合わせフォーム

条件を読んだ人が次に知りたいのは、連絡したら何が起きるかです。

図:応募から取引開始までの流れ(例は架空です)
① フォームか電話で、問い合わせ

屋号や会社名、できる仕事、拠点の地域だけを送ってもらいます。書類はこの段階では求めません。

たとえば「〇営業日以内に、担当者からご連絡します」と書いておく
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② 面談

仕事の中身、量、地域、単価の決まり方を説明し、相手の得意なことを伺います。現場や工場を見てもらうこともあります。

たとえば「面談は30分ほど。事務所か、オンラインで」と書いておく
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③ 書類と条件の確認

許可や保険、請求書の扱いなど、取引に必要なことを確かめ、条件を書面でお渡しします。

ここを飛ばすと、最初の請求のときに行き違いが起きます
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④ 最初のご依頼

まずは1件、または短い期間でお願いし、お互いに進め方を確かめます。

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⑤ 継続のお取引

仕事の出し方や連絡の方法を決めて、続けていきます。

段階の数や順番は、業種や貴社のやり方に合わせて変えてください。大事なのは、問い合わせたあとに何が起きるかを、相手が先に知っていることです。

最初の返信までの目安を書く

流れの中で、いちばん効くのは①のあとです。問い合わせてから、いつ連絡が来るのかを書いておいてください。

返事が来るのか分からない状態は、思っている以上に不安です。返信の早さの考え方は 問い合わせが来たあと、何時間以内に返すべきか にまとめてあります。

フォームの項目は、最初の面談に要るものだけ

問い合わせフォームは、項目を絞ります。協力会社の募集なら、次の6つで足ります。

  • 屋号または会社名 ― 個人の方は屋号が無いこともあるので、必須にしない
  • お名前 ― 担当者のお名前
  • 連絡先 ― メールアドレスか電話番号のどちらか
  • できる仕事 ― 選択式にして、「その他」を残す
  • 拠点の地域 ― 市区町村まで
  • ひとこと ― 経験や、希望の働き方など、自由に

資格の証明や保険の書類を、この段階で添付させないでください。まだ取引するか決まっていない相手に、書類を出させるのは重すぎます。書類は面談のあとで十分です。項目の減らし方は 問い合わせフォームの項目は、いくつまで減らせるか に詳しく書きました。

営業の問い合わせと、入口を分ける

応募がお客様からの問い合わせと混ざると、振り分ける手間が増えます。専用のフォームか、種類を選ぶ欄を置いて、届いた時点で分かれるようにします。電話でも受けるなら、受付の時間帯を書き、電話に出る人にも募集のことを伝えておいてください。

スパム対策を入れる場合は、Turnstile や reCAPTCHA のような、送信の前に確認する仕組みを使ってください。正しい応募がはじかれていないかは、公開したあとに自分で一度送って確かめます。

7. 取引を始める前に確かめることと、ページの手入れ

取引を始める前に、お互いに確かめておくことがあります。ページに書いておくと、面談がその確認の場になります。

確かめておくこと

業種によって違いますが、たとえば次のようなことです。

  • 事業の実態 ― 屋号や所在地、連絡のつく方法
  • 許可や登録 ― その仕事に必要なものがあるか
  • 保険 ― 仕事中の事故や、お客様の物を壊したときの備え
  • 取引の条件 ― 仕事の内容、単価の決まり方、支払いの時期を書面にしたか
  • さらに外へ出すか ― 受けた仕事を、別の人にさらに頼んでよいか
  • 情報の扱い ― お客様の住所や鍵、図面などを預けるときの扱い
  • 請求のしかた ― 請求書の形式や、税の扱いにかかわること

このうち、許可や登録、保険、税、取引の書面については、業種や取引の形によって決まりが違います。一般的な確認の項目として持っておき、具体的な判断は所管の窓口や専門家に確認してください。

募集の状況を、日付つきで書く

募集の状況は、時期によって変わります。ページの上のほうに、「2026年〇月現在、〇〇市内の配送を受けていただける方を探しています」のように、日付つきで今の状況を書いてください。募集を止めるときも、ページを消すのではなく「現在は募集を休止しています」と書いておくと、次に再開するときにそのまま使えます。

8. 雄喜晃の伴走:取引の入口を、相手の側から書きます

私たち雄喜晃のホームページ制作では、協力会社の募集ページを作るときに、いま取引している相手と、どんな流れで仕事をしているかを伺うところから始めます。ページに書くことは、たいてい、すでに毎回口で説明していることです。

私たちがやること

  • 仕事の中身を言葉にする ― 頼みたい仕事を、相手に通じる作業の単位で書き出します
  • 条件の書き方を整える ― 単価の決まり方、締め日と支払日、経費の扱いを、金額を出さずに伝わる形にします
  • 流れとフォームを作る ― 応募から取引開始までの流れを図にし、項目を絞ったフォームを用意します
  • 採用ページとつなぐ ― 社員の採用ページと分けたうえで、行き来できるようにします

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、募集する地域や状況が変わったときの書き換えも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

協力会社や外注先を、こちらから紹介したり、集めたりすることはしません。私たちが作るのは、探している相手が見つけたときに、判断できる入口です。

また、応募の件数をお約束することもしません。仕事の中身や地域、条件によって大きく変わるからです。許可や保険が足りているか、契約書の中身が適切か、といった判断もいたしません。そこは所管の窓口や専門家にご確認ください。

「募集のページを作りたいが、何を書けばいいか分からない」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

9. まとめ:求人ではなく、取引の入口として書く

協力会社・外注先・一人親方・代理店を募集するページで押さえることは、5つです。

  • 社員の採用ページとは分ける ― 読む人も、書く中身も違う。採用ページからは1行でつなぐ
  • 仕事の中身を、作業の単位で書く ― 量と波、地域、道具や経費の負担まで
  • お金は、決まり方を書く ― 単価の決まり方、締め日と支払日、経費の扱い。金額は面談で
  • 条件は、必須と歓迎に分ける ― 許可や保険は「確認させてください」と書き、判断は専門家へ
  • 流れとフォームを用意する ― 問い合わせたあとに何が起きるかを、先に見せる

事業をしている人は、自分の事業が回るかどうかで、仕事を受けるかを決めます。その判断の材料が、ページの上にそろっているか。それが募集ページの出来を決めます。

今日できることを1つだけ挙げます。いま取引している協力会社に、最初に何を説明したかを思い出して、紙に書き出してみてください。その内容が、そのまま募集ページの骨組みになります。

協力してくれる相手を、紹介以外の道でも探したい、という方は、一度ご相談ください。