1. 「扱っている品が多すぎて、何を載せればいいのか」

建材や資材、部品の卸を営んでいる経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「うちは扱っている品が何千点もあって、全部はとても載せられないんです。だからサイトには会社概要と電話番号だけ置いています。どうせ皆さん、電話で聞いてこられますし」

電話で聞いてくるお客様がいるのは、そのとおりです。長く付き合いのある工務店や工場は、担当者の携帯に直接かけてきます。ただ、はじめての会社は、電話をかける前にサイトで確かめています。

確かめていることは、だいたい決まっています。欲しい品が手に入るか、いつ届くか、少しの量でも頼めるか。この3つが分からないと、条件が書いてある別の卸に先に電話をかけます。品の数が多いことは強みですが、何も書いていなければ、外からは強みに見えません。

この記事の役割

メーカーの代理店として製品をどう載せるかは、メーカーの代理店・販売店として、ホームページに製品をどう載せるか にまとめてあります。この記事は、そこから一歩広げて、工務店・工事会社・工場へ品を届ける卸や商社のサイト全体に何を置くかを書きます。

この記事で書くこと

  • 見に来る人が確かめている3つのこと
  • 扱う品を、全部ではなく「分野」と「代表的な品」で見せる方法
  • メーカー品の写真やカタログを使う前に確かめること
  • 在庫と取り寄せの目安、配送の地域と届け方
  • 取引の始め方、見積もりの依頼、担当の窓口

2. 見に来る人は、3つのことを確かめている

先に、誰が何を確かめに来るのかを整理します。ここが決まると、何をどこに書くかが決まります。

読む人は、現場の人と、手続きの人

卸や商社のサイトを開く人は、大きく2種類です。

  • 現場で品を使う人 ― 工務店の現場監督や職人、工場の生産の担当者。品が手に入るか、いつ届くか、現場まで持ってきてもらえるかを知りたい
  • 取引の手続きをする人 ― 工場の購買や資材の担当者、工務店の事務の方。取引を始める手順、支払い条件、見積もりの頼み方を知りたい

同じ会社の中でも、この2人は見る場所が違います。現場の人は品と納期のページを、手続きの人は取引の案内のページを見ます。どちらか一方しか書いていないサイトでは、もう一方の人が途中で止まります。

はじめての会社が、電話の前に確かめること

はじめての会社がサイトを開くのは、たいてい何かに困ったときです。いつもの仕入れ先で品が切れた。少しだけ必要なのに、いつもの先では箱単位でしか出してくれない。そういうときに確かめていることを、3つに分けます。

図:見に来る人が確かめている3つのことと、サイトに書くこと(例はたとえばの書き方です)
① 手に入るか
扱う分野と、代表的な品

品番を全部並べる必要はありません。たとえば「内装の下地材」「水まわりの配管部材」のように分野で区切り、それぞれの代表的な品と、扱っていないものを書きます。

自分の欲しい品が、入っていそうか分かる
② いつ届くか
在庫品と取り寄せ品の目安

たとえば「在庫品は〇時までのご注文で当日出荷」「取り寄せ品はメーカーの在庫があれば〇営業日前後」のように、品の種類ごとに目安と数え方を書きます。

現場の段取りに間に合うか、見当がつく
③ 少しでも頼めるか
最小の単位と、届け方

たとえば「1本から」「1箱単位」「切り売りは〇〇のみ」のように、最小の単位を分野ごとに書きます。少量のときの送料や、倉庫での引き取りができるかも添えます。

遠慮せずに、電話をかけられる

3つとも、ふだん電話で答えていることのはずです。電話で毎回答えていることを、電話の前に読める場所に置くのがサイトの役目です。数字は、貴社の実際の目安で書いてください。

この3つが書いてあれば、電話は「〇〇はありますか」ではなく、「〇〇を△本、来週の火曜に現場へ」から始まるようになります。

3. 扱う品は、「分野」と「代表的な品」で見せる

ここから具体的な書き方です。まず、品の見せ方を決めます。

品番を全部並べない理由

品の数が多い会社ほど、全部を載せようとして手が止まり、結局何も載せない形に落ち着きます。全部を並べないほうがいい理由は3つあります。

  • 直しきれない ― 取り扱いをやめた品、新しく入った品、メーカーの型番の変更。数千点を常に正しく保つのは、小さな会社には重い作業です
  • 探しにくい ― 長い一覧の中から、読む人が自分の品を見つけるのは大変です
  • 載っていない品は、扱っていないと思われる ― 一覧が詳しいほど、そこに無い品は「無い」と受け取られます

並べる代わりに、分野で区切り、それぞれの分野で代表的な品を数点ずつ書く形にします。

分野の分け方は、1つに決める

分野の分け方には、いくつかの考え方があります。

  • 使う場所で分ける ― 構造、外まわり、内装、水まわり、電気まわり
  • 品の種類で分ける ― 木材、金物、樹脂の部材、塗料や接着剤、消耗品
  • お客様の業種で分ける ― 工務店向け、設備工事向け、工場向け

どれが正しいということはありません。お客様がふだん使っている呼び方に近いものを選び、1つに決めてください。2つの分け方を混ぜると、同じ品がどちらに入っているのか分からなくなります。分け方の決め方と、トップに出す分野の選び方は、扱う商品やサービスが多い会社の、載せ方 に詳しく書きました。

1つの分野に書くこと

分野ごとに、次のことを書きます。

  • 代表的な品 ― よく出る品を3〜5点ほど。品名と、よく出る寸法や規格の幅
  • 扱うメーカーの幅 ― 「国内の主なメーカーの品をそろえています」のような書き方でも、何社くらいから選べるかでも構いません。メーカー名を出す場合は、次の章の決まりを確かめてから
  • 扱っていないもの ― 「〇〇は扱っていません」「〇〇はご相談ください」
  • 載っていない品の問い合わせ先 ― 「ここに載っていない品も、品番が分かればお調べします」と一行

最後の一行が効きます。一覧が全部ではないことを、読む人に先に伝えておくためです。品番が分かっている人は、そのまま問い合わせてきます。

仕様や寸法を表で載せる品がある場合は、製品の仕様や寸法を、ホームページにどこまで載せるか の考え方が使えます。卸の場合は、よく問い合わせが来る品に絞って表にするくらいが続けやすいと思います。

4. メーカー品の写真やカタログは、決まりを確かめる

卸や商社のサイトで手が止まりやすいのが、写真です。扱う品の多くはメーカーの品なので、メーカーの写真やカタログを使いたくなります。

使う前に、メーカーの決まりを確かめる

メーカーの品の写真、カタログ、ロゴ、品名の書き方には、メーカーごとに決まりがあることが多いです。販売店向けに素材を配っているメーカーもあれば、使い方に条件をつけているメーカーもあります。

ここは一般論として書きます。メーカーのサイトから写真を持ってきて載せるのは、決まりを確かめるまで控えてください。取引のあるメーカーの営業担当に、販売店のサイトで使ってよい素材と条件を聞くのが早い方法です。聞いた内容は、メールなどで記録に残しておきます。判断に迷う場合は、専門家に確認してください。

写真は、自社の倉庫と届け方で撮る

メーカーの写真が使えない場合でも、載せられる写真はあります。貴社にしか撮れない写真です。

  • 倉庫の棚 ― どんな分野の品が、どのくらいの量で並んでいるか
  • 荷姿 ― 長い品の束ね方、割れやすい品の梱包
  • 配送の車と、積み込み ― どんな車で届けるか
  • 引き取りの窓口 ― 倉庫で受け取る場合の入口や駐車の場所

棚の写真が1枚あるだけで、在庫を持っている会社だと伝わります。写真にほかの会社の名前や伝票が写り込んでいないかは、載せる前に確かめてください。

カタログは、リンクで済ませる

メーカーのカタログをPDFで置くと、新しい版が出たときに古いものが残ります。メーカーのカタログのページにリンクするほうが安心です。自社で作った取扱品の一覧を配る場合は、作った日を表紙に入れておきます。

5. 在庫と取り寄せの目安を書く

「いつ届くか」は、現場の人がいちばん気にすることです。工事の段取りも、工場の生産の予定も、品が届く日で決まるからです。

在庫品と取り寄せ品を分けて書く

まず、品を2つに分けます。いつも倉庫に置いている品と、注文を受けてからメーカーに頼む品です。

分野ごとのページに、「この分野は在庫品が中心」「この分野は取り寄せが中心」と一言あるだけで、読む人は見当をつけられます。

目安は、いつから数えるかと一緒に

日数を書くときは、いつから数えて、いつまでの日数かを添えてください。何時までの注文でその日に出荷するのか。取り寄せの日数は、注文の日からか、メーカーの在庫が確かめられた日からか。出荷までか、現場に届くまでか。休日やメーカーの休みのときはどうなるか。

いちばん短い日数だけを書くと、それがふつうだと受け取られます。ふつうの目安を先に書き、早くなる条件と遅くなる条件を分けて添える書き方は、納期や「何日かかるか」を、ホームページにどう書くか に詳しく書きました。

在庫の数は、載せなくていい

在庫の数をそのままサイトに出したくなるかもしれません。ただ、手で更新している数字は、すぐに実際とずれます。「在庫あり」と書いてあったのに無かったというのは、書いていないより信用を落とします。

在庫の数を載せる代わりに、確かめ方と、返事の早さを書いてください。「在庫の確認はお電話で承ります。営業時間内であれば、その場か折り返しでお答えします」。このほうが、読む人にとっては確かです。

少量・端数・切り売りを受けるか

「少しだけ欲しい」という人は、断られるのを恐れて電話をためらいます。受けるなら、分野ごとに最小の単位を書いてください。1本から出すか、箱や束の単位か。長い品を切って出すか、その費用はどうか。少量のときの送料と、倉庫での引き取りなら少量でもよいか。

受けない場合は、受けないと書いておくほうが親切です。書いていないと、受けていないと思われます。書いてあれば、少量の注文で付き合いが始まり、そこから大きな注文につながることもあります。

6. 配送の地域と、届け方を書く

品が手に入っても、届かなければ使えません。配送の情報は、品のページとは別に、1つのページにまとめておくと探しやすくなります。

地域は、市区町村で書く

「近畿一円」「県内全域」のような書き方は、読む人が自分の現場が入っているかを判断できません。自社の便で届ける地域を、市区町村の名前で書いてください。

  • 自社便で届ける地域 ― 市区町村の名前と、曜日や便の回数
  • 条件つきで届ける地域 ― 一定の量以上なら、日によっては、など
  • 運送会社の便で送る地域 ― 届くまでの日数の目安と、送料の決まり

届け方を書く

現場の人が知りたいのは、どこに、どうやって置いていってくれるかです。

  • 届け先 ― 現場への直送、工場の受け入れ口、事務所や倉庫
  • 時間 ― 午前・午後の指定ができるか、朝一番の便はあるか
  • 荷下ろし ― 車の上で渡すのか、手で降ろして置き場まで運ぶのか、重い品や長い品の扱い
  • 立ち会い ― 不在のときに置いていけるか、置き場所の決め方
  • 引き取り ― 倉庫や店頭で受け取れるか、受け取れる時間と駐車の場所

荷下ろしの範囲は、あとで行き違いになりやすいところです。どこまでが届ける側の仕事で、どこからが受け取る側の仕事かを一行で書いておくと、現場で揉めずに済みます。

送料と、長い品・重い品

送料は、地域、量、金額で決まることが多いはずです。「〇〇市内は〇円以上のご注文で配送料はいただきません」のように、条件と金額を一緒に書きます。長い品や重い品、急ぎの便で費用が変わるなら、それも分けて書いておきます。

7. 取引の始め方、見積もり、担当の窓口

ここからは、手続きをする人のためのページです。

取引の始め方を、手順で見せる

はじめての会社が知りたいのは、何をすれば注文できるようになるかです。口座の開設が要るのか、要るなら何を出せばいいのか、何日かかるのか。初回だけ別の支払い方法になるのか。

図:はじめての取引の流れを、相手がすることで書く(例は架空の書き方です)
① お問い合わせ・ご相談

欲しい品と量、届け先の地域を伺います。品番が分からなくても、用途や写真で構いません。

相手がすること:欲しい品と、届け先の地域を伝える
▼
② お見積もり

品・数量・届け先・届ける日をもとに、お見積もりをお出しします。お出しするまでの日数の目安も書きます。

相手がすること:図面や品番の一覧があれば、添えて送る
▼
③ 口座の開設

継続してお取引いただく場合は、取引の申込書と、会社の情報が分かる書類をお願いします。開設までの日数の目安を書きます。

締め日・支払日・支払い方法は、ここでお伝えします。初回のみ別の方法になる場合も、先に書いておきます
▼
④ 初回のご注文・お届け

注文の方法(電話・FAX・メール・フォーム)と、受け付けの時間を書きます。

相手がすること:いつもの注文の方法を決める
▼
⑤ 2回目からのご注文

担当者の名前と直通の連絡先をお渡しします。同じ品の再注文は、品番と数量だけで受けられることを書きます。

相手がすること:担当者に、品番と数量を伝える

段の数や中身は、貴社の実際の手順で書いてください。口座の開設に何が要り、何日かかり、それまでの間どう注文できるかが分かるだけで、はじめての会社は動きやすくなります。

支払い条件は、締め日、支払日、支払いの方法を書きます。振込手数料をどちらが持つかも、決まっているなら書いておきます。支払い条件や与信の決め方は会社ごとに違うので、書く内容に迷うときは専門家に確認してください。法人の担当者が取引先の登録で確かめていることは、はじめて取引する会社の担当者が、ホームページで確かめたいこと にまとめてあります。

見積もりの依頼は、受け取れる形を広くする

卸の見積もりは、頼む側の手元にあるものがばらばらです。図面がある人、品番の一覧がある人、現場で拾い出したメモしかない人、品の写真だけの人。どれでも受け取れることを書いておくと、見積もりの依頼が来やすくなります。

フォームでは、品名か品番、数量、届け先の地域、届けてほしい日を聞き、ファイルや写真を添えられるようにします。項目の決め方は、見積もり依頼のフォームは、何をどこまで聞けばいいか に書きました。見積もりを出すまでの日数と有効期限も添えておきます。

担当の窓口を書く

卸の仕事は、担当者との付き合いで続いていきます。はじめての会社にとっても、誰に連絡すればいいかが分かることは安心につながります。

  • 分野ごと、地域ごとの担当 ― 分かれているなら、その分け方
  • 名前を出すか ― 出せるなら、名前と、担当している分野。出さないなら、部署名と直通の番号
  • 不在のとき ― 担当がいないときに誰が受けるか、折り返しはいつまでか
  • 受付の時間 ― 朝が早い現場のために、何時から電話を受けるか

担当者が替わったときは、ここを直すのを忘れないでください。

8. 雄喜晃の伴走:電話で答えていることを、ページの形にします

私たちがやること

私たち雄喜晃は、卸や商社のホームページを作るとき、最近の電話やFAXで、はじめての会社から何を聞かれたかを伺うところから始めます。そこから、扱う分野のページ、在庫と配送の案内、取引の始め方、見積もりの入口に分けて組み立てます。

  • 分野の分け方を決める ― いまお使いの取扱品の一覧や価格表をもとに、お客様の呼び方に近い分け方を一緒に決め、代表的な品を選びます
  • 目安を文章と図にする ― 在庫と取り寄せの日数、配送の地域と届け方、取引の手順を、伺った内容から書き起こします
  • 写真を整えて載せる ― 倉庫や荷姿、配送の車の写真は、貴社で撮っていただいたものをお預かりして、明るさや向きを整えて載せます

月5回までの更新代行が月額に含まれているので、担当者が替わったときや年末年始の出荷の予定も、ご連絡いただければこちらで反映します。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • メーカーの写真やカタログを、決まりを確かめずに載せることはしません。使ってよいかは、貴社からメーカーに確かめていただきます
  • 在庫の数や日数、支払い条件を、こちらで決めたり推測で埋めたりすることもしません。載せる数字は、貴社の実際の決まりをもとにします
  • 検索の順位や、問い合わせの件数をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。2025年10月に設立し、神戸市北区鈴蘭台を拠点にしています。

「品はそろっているのに、はじめての会社から電話が来ない」という卸や商社の方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:電話の前に、3つのことに答えておく

建材・資材・部品の卸や商社のサイトで押さえることは、5つです。

  • 3つのことに先に答える ― 手に入るか、いつ届くか、少しでも頼めるか
  • 扱う品は、分野と代表的な品で見せる ― 全部は並べない。扱っていないものと、載っていない品の問い合わせ先を添える
  • メーカーの写真やカタログは、決まりを確かめてから ― 使えないときは、倉庫や荷姿、届け方の写真で
  • 在庫と取り寄せ、配送の地域と届け方を書く ― 日数は数え方と一緒に。地域は市区町村で。荷下ろしの範囲も一行で
  • 取引の始め方、見積もり、担当の窓口を1か所に ― 口座の開設、支払い条件、受け取れる見積もりの形、誰に連絡すればいいか

品の数が多いことは、それだけで大きな強みです。その強みを、はじめての会社が電話の前に確かめられる形にしておくことが、サイトの役目です。

まず、今日できること

この1か月に、はじめての会社からかかってきた電話を思い出して、最初に聞かれたことを書き出してみてください。品があるか、いつ届くか、少しでもいいか。その答えがサイトのどこに書いてあるかを探してみると、足すべきページが見えてきます。

扱っている品の多さが、サイトでは伝わっていないと感じている方は、一度ご相談ください。