1. 「何でもやります、と書いているのに、頼まれないんです」

便利屋や家事代行の仕事をしている経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「うちは本当に何でもやるので、サイトにも『どんなことでもご相談ください』と大きく書いているんです。でも、問い合わせはあまり来なくて。来ても『こんなことまで頼んでいいんですか』と、恐る恐る聞かれるんですよね」

何でも受けられるのは、この仕事の大きな強みです。ただ、サイトを見る人の側から考えると、少し事情が違います。困っている人は「何でも」を探しているのではなく、自分の困りごとを頼める先を探しています。

「何でもやります」と書いてあっても、自分の用事が入っているかは分かりません。頼んでいいのか、いくらかかるのか、どんな人が来るのか。分からないことが多いほど、人は電話をかける前に手を止めます。

この記事で書くこと

  • 「何でもやります」より、よく頼まれる仕事を具体的に並べる
  • 頼めないことを、先に書いておく
  • 時間・人数・内容で決まる料金と、出張費の書き方
  • 家に入る人を、どう紹介するか
  • 鍵の預かりと、留守中の作業の決まり
  • 高齢の方や、離れて暮らすご家族からの依頼への配慮

2. 「何でもやります」より、よく頼まれる仕事を並べる

人は、自分の用事の名前で探している

電球が替えられない、家具を組み立てたい、庭の草が伸びた、冷蔵庫を2階に上げたい。困っている人は、自分の用事の名前で調べます。「便利屋」という言葉より先に、「家具 組み立て 頼む」のように探すことも多いはずです。

だから、サイトには実際によく頼まれる仕事を、用事の名前で並べます。並べるのは、貴社がこの1年で実際に受けた仕事です。思いつく限りを並べるより、多いものから10〜20ほどに絞ったほうが読まれます。

図:同じ仕事でも、並べ方で伝わり方が変わる(書き方は、たとえばの架空の例です)
① まとめて書く
何でもやります。お気軽にご相談ください

受けられる幅は広いのに、読む人は自分の用事が入っているかを確かめられません。「こんなことを頼んでいいのか」と迷ったまま、電話をかけずに閉じられます。

自分の用事が、入っているか分からない
② 仕事の名前を並べる
家具の組み立て/草むしり/照明の交換/家具の移動

自分の用事が入っていれば、頼めると分かります。ただ、名前だけだと「うちの場合はどうか」までは分かりません。

頼めることは分かる
③ 場面と一緒に並べる
「届いた家具が組み立てられない」「重いものを2階へ」

困っている場面の言葉で書き、横に時間と料金の目安を添えます。読む人は自分の状況に当てはめて、頼むかどうかをその場で決められます。

自分の場合が分かるので、頼みやすい

「何でもやります」の一行を消す必要はありません。その下に、よく頼まれる仕事を場面の言葉で並べるだけで、読む人は自分の用事を探せるようになります。並べる仕事は、貴社が実際に受けているものだけにしてください。

便利屋と家事代行は、分けて並べる

両方を受けている会社は、入口を分けておくと探しやすくなります。

  • 家の困りごと ― 家具の組み立てや移動、照明や電池の交換、草むしり、ごみ出しの手伝い、引越しの前後の片付け
  • 家事の代行 ― 掃除、洗濯、料理の作り置き、買い物、整理整頓

家事代行は、1回だけ頼む方と、週に1回や月に2回のように続けて頼む方で、確かめることが違います。スポットと定期の両方を受けているなら、それぞれの頼み方と料金を分けて書きます。

ハウスクリーニングとの違いを書く

家事代行の「掃除」と、専用の道具や洗剤で行うハウスクリーニングは、頼む側から見ると違いが分かりにくいところです。エアコンの中や換気扇の分解まで受けるのか、ふだんの掃除の範囲なのかを書いておくと、問い合わせのずれが減ります。分解して洗う清掃を受けている場合の書き方は、ハウスクリーニングや清掃の会社のホームページに、何を載せるか にまとめてあります。

3. 頼めないことを、先に書いておく

何でも受けたい気持ちは分かりますが、受けられない仕事も、どこかにあるはずです。それを先に書いておくと、当日に断る場面が減り、残りの仕事が頼みやすくなります。

頼めないことの、主な種類

どれを受けないかは、貴社が持っている資格や、決めている方針によって違います。一般には、次のような種類に分けて考えると整理しやすくなります。

  • 資格が要る工事 ― 電気、ガス、水道の工事の中には、資格を持つ人でないとできない作業があります
  • 危ない作業 ― 屋根の上や高い場所での作業、大きな木を切る作業など、貴社が受けないと決めているもの
  • 許可が関わる仕事 ― 要らない物を引き取って処分する、人や荷物を有料で運ぶなど、許可や届出が関わる場合がある仕事
  • 介護や医療に近いこと ― 体に触れる介助や、薬の管理のようなこと
  • お受けしない依頼 ― 人の私生活を調べる依頼や、トラブルの相手との交渉の代わりなど

どの作業に資格や許可が要るかは、作業の中身や地域によって違います。所管の窓口や業界団体、専門家に確認したうえで、貴社が実際に受けている範囲で書いてください。

断るときは、行き先を添える

頼めないことを書くときは、どこに頼めばいいかを一言添えると親切です。「電気の配線の工事は、電気工事の会社にご相談ください」「不用品の処分は、自治体の回収か、許可を持つ回収の会社をご利用ください」。行き先が書いてあれば、断られた方も困りません。

提携先に取り次いでいるなら、そのことを書きます。自社でやらない部分を、自社でやっているように見せないことが大事です。

頼めることと頼めないことは、よく聞かれる質問として一覧にしても構いません。作り方は 「よくある質問」を作ると、電話の本数が変わる に書きました。

4. 料金は、時間・人数・内容で決まることを書く

便利屋や家事代行の料金は、多くの場合、何時間かかるか、何人で行くか、何をするかで決まります。この決まり方を、金額と一緒に書いておきます。

表:料金の決まり方を、書き方の例と並べる(金額と条件は、たとえばの架空の例です)
決まるもの書き方の例読む人が分かること
時間たとえば「作業員1名・1時間〇,〇〇〇円。最初は〇時間から、そのあとは30分ごと」短い用事でも、いちばん短い時間の料金がかかることが分かる
人数たとえば「重い家具の移動は、作業員2名で伺います」自分の用事が、2名になる条件に入るかどうかが分かる
内容たとえば「家具の組み立ては、大きさごとに1点〇,〇〇〇円から」時間ではなく、1点ごとの料金で決まる仕事が分かる
出張費たとえば「〇〇市内は無料。それ以外は地域ごとに〇〇〇円」自分の住まいで、いくら足されるかが先に分かる
別にかかるものたとえば「電球や部品などの材料費、ごみの処分にかかる費用は別です」料金表の金額に入っていないものが分かる

表の金額と単位は、貴社の実際の料金で書いてください。いちばん短い時間の料金と、延長の単位がそろって書いてあると、短い用事を頼みたい方が、自分でおおよその金額を計算できます。

よくある用事の例を、総額で書く

時間の単価だけでは、自分の用事がいくらになるか分かりにくい方もいます。よくある用事を2〜3件、総額の目安で並べてください。

  • たとえば、組み立て式の本棚1台の組み立てで、〇,〇〇〇円ほど
  • たとえば、庭の草むしり(一般的な広さ)を2名・2時間で、〇万円ほど
  • たとえば、家事代行の定期(週1回・2時間)で、月〇万円ほど

金額は架空の例です。貴社の実際の数字で書いてください。条件つきの数字の出し方は、ホームページに料金を載せるか、載せないか に詳しく書いてあります。

金額が決まる時と、延長のときの扱い

当日に作業が長くなりそうなときの扱いも書きます。「予定の時間を超えそうなときは、作業の途中でお伝えし、ご了解をいただいてから延長します」。この一文があれば、時間で決まる料金でも、あとから増える心配が小さくなります。

出張費と、対応する地域

出張費は、問い合わせの前にいちばん見落とされやすい費用です。どこまでが無料で、どこからいくらかかるのかを、市や町の名前で書きます。遠い地域は、時間や曜日によって受けられるかどうかが変わることもあると思います。地域の書き方は、「対応エリア」を、ホームページにどう書くか にまとめました。

5. 家に入る人を、紹介する

この仕事は、知らない人に家へ上がってもらう仕事です。料金と同じくらい、どんな人が来るのかが頼む決め手になります。

紹介に書くこと

  • 名前と担当 ― 誰が来るのか。少人数の会社なら、代表や担当者の名前と、どんな仕事を担当しているか
  • 何人で来るか ― 1人か、2人か。用事によって変わるなら、その条件
  • 身元の分かるもの ― 制服や名札、社員証を持って伺うか
  • 来る前の連絡 ― 前日や当日の朝に、到着の時間を知らせるか
  • 同じ人が来るか ― 家事代行の定期では、担当が決まっているか、変わるときはどう知らせるか

担当する人の希望をどこまで受けられるかも、聞かれることがあります。受けられる範囲があるなら、そのことを書いておきます。

写真を載せるかどうかは、会社の考え方で決めてください。載せる場合は本人の同意を取り、辞めた人の写真をどうするかも先に決めておきます。考え方は 社員紹介ページは、本当に要るのか にまとめてあります。

書かないほうがいい言葉

「信頼できるスタッフ」「安心の対応」のような言葉だけでは、読む人は確かめられません。何をしているかを、行動で書いてください。「伺う前日に、担当の名前と到着の時間をお知らせします」のほうが、ずっと伝わります。

6. 鍵の預かりと、留守中の作業の決まり

家事代行では、お客様が仕事に出ている間に作業をすることがあります。便利屋でも、遠くに住むご家族の家の用事を、留守の間に頼まれることがあるはずです。鍵を預かる仕事を受けているなら、その決まりを書いておきます。

鍵の預かり方

  • 受け渡しの方法 ― 直接受け取るのか、決まった場所で受け渡すのか
  • 保管の方法 ― 預かっている間、どう保管しているか
  • 預かる期間と返し方 ― 1回ごとに返すのか、定期の間は預かるのか、契約が終わるときはどう返すのか
  • 預かり証 ― 預かったことを書面で残すかどうか

留守中の作業の決まり

  • 入る部屋の範囲 ― 作業する部屋と、入らない部屋を先に決めておく
  • 触らないもの ― 貴重品、書類、引き出しの中など、触らないと決めているもの
  • 作業後の報告 ― 終わったことを、どんな形で知らせるか。写真を添えるか
  • ペットがいる場合 ― 受けるかどうか、受けるならどう気をつけるか

何かあったときの対応と、保険

作業中に物を壊してしまった場合の対応も書きます。書くのは、実際にやっていることだけです。作業の前にもともとある傷を確かめるか、起きたときに誰へどう連絡するか。賠償に関する保険に加入しているなら、その事実を書きます。

気をつけたいのは、補償される範囲を、実際より広く見せないことです。「万一の場合も安心」で済ませず、「作業中にお客様の家財などを壊してしまった場合に備えて、保険に加入しています」と事実を書きます。細かい条件は、保険の契約内容と照らし合わせてから載せてください。

7. 高齢の方や、離れて暮らすご家族からの依頼

便利屋や家事代行は、年配の方からの依頼や、親のために子どもが頼む依頼が多い仕事です。どちらも、見る人と頼む人と、家にいる人が違うことがあります。

年配の方が読みやすいように

文字の大きさ、電話番号の大きさ、タップで電話がかけられるか。電話で頼みたい方が多いなら、電話番号をどのページの上にも置いておきます。受付の時間と、電話に出られないときの折り返しの扱いも書きます。直し方は 年配のお客様が多い会社の、ホームページの直し方 にまとめてあります。

カタカナ語は、なるべく使わないでください。「スポット」「オプション」より、「1回だけのご依頼」「追加のご依頼」のほうが伝わります。

離れて暮らすご家族からの依頼

遠方に住むご家族が、親の家の用事を頼むことがあります。この場合に確かめられるのは、次のようなことです。

  • 依頼と支払いを、家族がしてよいか ― 頼む人と、家にいる人が違っても受けるか
  • 当日の立ち会い ― 親御さんが立ち会えばよいか、家族の立ち会いが要るか
  • 作業後の報告 ― 家族にも、写真や連絡で報告するか
  • 事前の連絡 ― 親御さんに、誰がいつ来るかを先に伝えてくれるか

「ご家族からのご依頼も承ります」と一行書いておくだけで、調べている方は連絡しやすくなります。

できることと、できないことを分けて書く

定期で伺っていると、ご家族から「様子も見てほしい」と頼まれることがあると思います。ここは、できることとできないことを分けて書いてください。「伺ったときに気づいたことはお知らせします」と書けても、見守りや安否の確認を約束するような書き方は、受けていないならしないことです。

もう1つ。自宅で結ぶ契約や、高齢の方との契約には、取り消しなどの決まりが関わる場合があります。どんな決まりが関わるかは、契約の形によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。サイトには、確かめたうえでの申し込みの流れと、取り消しの扱いを書きます。

8. 雄喜晃の伴走:よく頼まれる仕事と、家に入るときの決まりを言葉にします

私たち雄喜晃は、便利屋や家事代行の会社のホームページを作るとき、最初に「この1年で、実際によく頼まれた仕事」を伺うところから始めます。それを場面の言葉で並べることが、サイトの中心になるからです。

私たちがやること

  • よく頼まれる仕事を、場面の言葉で並べる ― 伺った仕事を、困っている人が探す言葉に直して一覧にします
  • 頼めないことと、その行き先を書く ― 貴社が受けない仕事と、どこに頼めばいいかを文章にします
  • 料金の決まり方を、表にする ― 時間・人数・内容・出張費・別にかかるものを、スマートフォンでも読める形に組みます
  • 家に入る人と、鍵の決まりを書く ― 来る人の紹介、鍵の預かり方、留守中の作業の決まりを、実際の運用を伺って書きます
  • 写真を整えて載せる ― 担当の方や作業の様子の写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、料金の改定や、新しく受けるようになった仕事の追加、担当の方の入れ替わりも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 写真の撮影には伺っていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • 貴社の料金そのものは決めません。価格は経営の判断なので、決まった料金と条件を、伝わる形に組むところを担当します
  • 資格や許可、契約の決まり、保険の補償範囲についての判断はしません。所管の窓口や専門家、保険の契約内容で確認していただくようお願いしています
  • 実際に受けていない仕事や、お客様の声を作って載せることはしません
  • 検索順位や問い合わせの増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「何でもやります、と書いているのに、なかなか頼まれない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:「何でも」より、頼めることと決まりを書く

便利屋や家事代行の会社のホームページで押さえることは、5つです。

  • よく頼まれる仕事を、場面の言葉で並べる ― 「何でもやります」の下に、実際に受けた仕事を。便利屋と家事代行は入口を分ける
  • 頼めないことと、その行き先を書く ― 資格や許可が関わるものは、所管の窓口や業界団体、専門家に確かめてから
  • 料金は、時間・人数・内容と出張費で書く ― いちばん短い時間の料金、延長の単位、別にかかるものも
  • 家に入る人と、鍵の決まりを書く ― 名前と担当、身元の分かるもの、鍵の預かり方、留守中に触らないもの
  • 年配の方と、ご家族の両方に向けて書く ― 電話番号を大きく、家族からの依頼と報告の形、できないことも

この仕事は、困りごとを抱えた人に、家の中まで任せてもらう仕事です。何でもできることより、自分の用事を頼めて、どんな人が来て、どんな決まりで作業するかが分かることが、頼む決め手になります。

まず、今日できること

この1年に受けた仕事を、思い出せる範囲で書き出してみてください。多かったものから順に10個並べて、貴社のサイトにその言葉が載っているかを探します。載っていなかった仕事が、最初に足す場所です。