1. 「料金表を載せても、電話で同じことを聞かれるんです」
不用品の回収やリサイクルの会社を経営されている方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。
「サイトにはトラック1台いくら、と料金を載せているんです。それでも電話では『当日になって増えたりしませんか』『ちゃんとした業者さんですか』と、毎回同じことを聞かれて。何を書けば安心してもらえるんでしょう」
この業種のお客様は、警戒しながら業者を探しています。家に上がってもらう仕事で、金額がその場で決まりやすく、頼んだあとに取り消しにくいからです。料金表が載っていても、その料金がどういう条件の数字なのかが分からないと、安心にはつながりません。
この記事の役割
業種ごとに載せるものを整理した記事は、これまで士業・工務店・飲食・運送、クリニック・美容・小売・教室、不動産・介護・自動車整備・葬儀について書いてきました。この記事では、個人宅の片付け・粗大ごみ・買取・遺品の整理・事業所の不用品を扱う会社を取り上げます。
遺品の整理は、この記事では回収の仕事の1つとして扱い、ご家族の事情に合わせた書き方を第7章で短く触れます。
この記事で書くこと
- お客様が問い合わせの前に確かめている5つのこと
- 料金の決まり方を、量・品目・人数の条件つきで書く
- 見積もりのあとに追加の料金が出る条件
- 引き取れないもの、当日の流れ、近所への配慮
- 許可や登録の書き方と、買取がある場合
2. お客様が問い合わせの前に確かめている5つのこと
先に、読む人が何を心配しているかを整理しておきます。電話で毎回聞かれることは、だいたい次の5つに収まるはずです。
- 料金が後から増えないか ― 見積もりの金額で終わるのか、当日に足されるのか
- 許可を持っている業者か ― 回収したものを、決まりに沿って処理してくれるのか
- 何を引き取ってもらえるか ― 自分の家にあるものが対象に入っているか
- 当日どう進むのか ― 何時に来て、何時間かかって、立ち会いが要るのか
- 近所に知られないか、迷惑にならないか ― トラックの停め方、作業の音、車の見た目
5つのうち、料金の話がいちばん大きく見えますが、実際にはどれか1つでも分からないと、問い合わせの前に手が止まります。とくに2つ目の許可は、お住まいの自治体が回収業者の選び方について案内を出していることもあり、気にして調べる方がいます。
この5つは、サイトのどこか1か所にまとめて書くより、それぞれが効く場所に置くほうが読まれます。料金は料金のページに、許可は会社の情報とサービスのページの両方に。以下、順に書き方を見ていきます。
3. 料金の決まり方を、量・品目・人数の条件つきで書く
不用品の回収の料金は、1つの数字で言い切れません。出すのは金額そのものより、何で金額が決まるかです。
料金を決める3つのもの
多くの会社では、料金はおおむね次の3つで決まっているはずです。
- 量 ― トラックの荷台のどれくらいを使うか。「軽トラック1台分」「2トン車の半分」のように、身近な大きさで書く
- 品目 ― 家具か、家電か、処分に別の費用がかかるものか
- 作業の人数と手間 ― 何人で行くか、階段で運ぶか、大きな家具を解体するか
この3つを、料金表の上に書いておきます。そのうえで、よくあるご依頼の例を、条件と一緒に2〜3件並べます。
| 決まるもの | 書き方の例 | 読む人が分かること |
|---|---|---|
| 量 | たとえば「軽トラック1台分(目安:単身のお部屋の家具と家電ひととおり)で〇万円から」 | 自分の荷物が、どの大きさに近いかを自分で測れる |
| 品目 | たとえば「エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機などは、決まったリサイクルの費用が別にかかります」 | 料金表の金額に入っていないものが、先に分かる |
| 人数と手間 | たとえば「エレベーターのない3階以上、大型の家具の解体がある場合は、作業員を1名増やします」 | 自分の家が高くなる条件に入るかどうかが分かる |
| よくある例 | たとえば「2階建ての一軒家・1部屋分の片付け・作業員2名で、〇万〜〇万円が多いご依頼です」 | 下限だけでなく、実際に多い幅が分かる |
表の金額は、貴社の実際の数字で書いてください。大事なのは金額の大きさではなく、条件が金額の前に置かれていることです。条件が書いてあれば、当てはまる方は高くなる前提で連絡してきます。
「〇〇円から」だけにしない
いちばん多いのが、いちばん安い条件の金額だけを大きく出す形です。当日の金額がその倍になると、お客様の中では「言っていたことと違う」という記憶が残ります。
下限を書くなら、実際に多い金額の幅も一緒に書いてください。条件つきの数字の出し方は、ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあります。
出張の費用と、対応する地域
料金とあわせて、どこまで行くか、遠くなると費用が変わるかも書きます。「〇〇市内は出張費なし、それ以外は距離によって〇〇円から」のように、市や町の名前で分けると判断しやすくなります。地域の書き方は 「対応エリア」を、ホームページにどう書くか に詳しく書きました。
「無料」と書くなら、範囲を同じ場所に
「無料回収」「見積もり無料」と書く会社もあります。何が無料で、何からが有料になるのかを、同じ場所に書いてください。無料の言葉だけが目に入ると、あとで費用を聞いたときに話が違うと受け取られます。
4. 見積もりのあとに、追加の料金が出る条件を書く
お客様の心配の中心は、ここです。見積もりの金額から増えることがあるなら、どんなときに増えるのかを、先に書いておきます。
追加が出る条件を、例で並べる
追加の料金が出る場面は、だいたい決まっているはずです。
- 見積もりのときに見ていない場所の荷物が増えた ― 押し入れの中、物置、庭など
- 当日に品目が変わった ― 見積もりにはなかった家電や、処分に別の費用がかかるものが出てきた
- 運び出す道が見積もりのときと違った ― 駐車できる場所が遠い、通路がふさがっている
これに加えて、増えないものも書きます。「お見積もりのときに拝見した荷物については、当日に金額は増えません」。この一文が、いちばん効きます。
増えるときは、作業の前に伝える
もう1つ書いておきたいのが、増えるときの手順です。「追加が出る場合は、作業の前に金額をお伝えし、ご了解をいただいてから作業します。ご了解いただけない分は作業しません」。作業が終わってから請求されるのでは、という心配に答える一文です。
写真で見積もりを受けている場合は、写真に写っていないものは見積もりに入らないことも書いておきます。写真の撮り方や、フォームで何を聞くかは 見積もり依頼のフォームは、何をどこまで聞けばいいか に整理しました。
取り消しの扱い
見積もりのあとに取り消した場合、費用がかかるかどうかも書きます。見積もりだけでも費用がかからないなら、そう書く。前日や当日の取り消しで費用がかかるなら、いつから、いくらかかるのかを書きます。
5. 引き取れないもの、当日の流れ、近所への配慮
引き取れないものを、一覧で書く
「何でも引き取ります」と書きたくなりますが、実際には引き取れないものがあるはずです。引き取れないものを先に書いておくと、当日に断る場面が減ります。
何が引き取れないかは、貴社の持っている許可や、処理を頼んでいる先によって変わります。たとえば、ガスボンベや灯油のような危ないもの、薬品、生ごみ、建物を壊したときに出る材料などを、受けていない会社もあります。貴社の実際の扱いで一覧を作ってください。
あわせて、引き取れないものをどこに出せばいいかを一言添えると親切です。「自治体の回収をご利用ください」「お買い求めの販売店にご相談ください」のように、行き先が書いてあれば、断られたお客様も困りません。
当日の流れを、時間の目安と一緒に書く
当日のことが分からないと、休みを取るべきか、立ち会いが要るのかが決められません。到着から支払いまでを、段階ごとに書きます。第4章の追加の料金の話も、この流れのどこで確かめるのかを示すと伝わりやすくなります。
たとえば到着の30分ほど前にお電話します。道が混んで遅れそうなときも、この時点でお伝えします。
運び出すものを一緒に見て回り、お見積もりの金額と合っているかを確かめます。見積もりになかったものがあれば、ここで金額をお伝えします。
床や壁、共用の廊下を傷つけないよう、通り道を養生してから運びます。たとえば1部屋分なら、作業の時間の目安を書いておきます。
運び終えたお部屋を一緒に確かめ、掃き掃除をして終わります。お支払いの方法と時期も、ここで改めてお伝えします。
各段の時間や中身は、貴社の実際の進め方で書いてください。金額を確かめるのが②の1回だけだと分かれば、お客様の「あとで増えないか」という心配はかなり小さくなります。
立ち会いができない場合の扱いも書いておきます。鍵を預かるのか、作業の前後の写真を送るのか。遠方に住むご家族からの依頼が多い会社では、ここがいちばん読まれます。
近所への配慮を、具体的な行動で書く
片付けを頼むことを、近所に知られたくない方は少なくありません。どんな配慮をしているかを、行動で書きます。
- トラックをどこに停めるか、停められない場合はどうするか
- 作業する時間帯(早朝や夜はしない、など)
- 社名の入っていない車で伺えるか
- マンションの場合、管理の方への連絡をどうするか
「近隣に配慮します」の一文より、こうした行動のほうが伝わります。電話で毎回聞かれる質問は、「よくある質問」を作ると、電話の本数が変わる の手順で、サービスのページの下にまとめておくと探しやすくなります。
6. 許可や登録の書き方
お客様が「ちゃんとした業者か」を確かめる場所です。ただし、ここは断定しないことがとくに大事な箇所でもあります。
どの許可が要るかは、業務と地域で違う
家庭から出る不用品を回収するのか、事業所から出るものを回収するのか、買い取って売るのか。扱うものや、お客様が個人か事業所かによって、要る許可や登録が変わります。また、同じ仕事でも、地域ごとに許可の考え方が違うことがあります。
この記事では、どの仕事にどの許可が要るかは書きません。貴社の業務にどの許可や登録が要るかは、所管の窓口に確認してください。サイトに書く内容も、その確認を済ませたうえで決めます。
書くのは、名称・行政庁・番号・範囲
持っている許可や登録は、次の形で書きます。
- 名称 ― 許可証や登録証に書いてある名称を、そのまま
- どこの行政庁か ― 許可や登録を出した自治体や機関の名前
- 番号 ― 証書に書いてある番号
- 範囲 ― どの地域で、どの種類のものについての許可か
許可証の文字を書き写すときは、略さず正確に書いてください。お客様や取引先から求められたときに、証書の写しを見せられるかどうかも書いておくと、確かめたい方が安心します。有効期限があるものは、更新したときに番号や日付を直すことも忘れないようにします。名称の横に「お客様にとって何を意味するか」を一行添える書き方は 資格・許認可・受賞歴を、ホームページにどう載せるか にまとめてあります。
提携先に頼んでいる部分は、そう書く
自社で持っていない許可の部分を、ほかの許可業者に頼んでいる会社もあります。その場合は、どの部分を、どんな許可を持つ先に頼んでいるのかを書いておきます。こうした頼み方が貴社の業務と地域で認められるかどうかも、所管の窓口に確認したうえで書いてください。
書かないほうがいい言葉
「許可不要で安心」「どこよりも安い」「地域で一番」のような言い切りは避けます。根拠を示せない言い切りは、かえって信用を落とします。表示の決まりは業種によって違うので、気になる言葉は 業種によっては、ホームページに書けないことがある を参考にしつつ、所管の窓口や専門家に確認してください。
7. 買取がある場合と、遺品の整理・事業所の不用品
買取は、何を、どう決めて、どう精算するか
回収と一緒に買取もしている会社は、次の3つを書きます。
- 何を買い取るか ― 家具、家電、ブランド品、工具など、実際に多いもの。年式や状態の目安があれば添える
- どう値段を決めるか ― その場で査定するのか、写真で目安を出すのか
- どう精算するか ― たとえば「買取の金額を、回収の料金から差し引いて精算します」のように
買取の金額は、品物の状態で大きく変わります。「高価買取」の言葉だけを大きく出すと、値段がつかなかったときに不満が残ります。値段がつかないものもあると、正直に書いてください。また、買取では本人確認の書類をお願いする場面があります。何を用意してもらうかは、所管の窓口の案内に沿って書いてください。
遺品の整理は、ご家族の事情に合わせて書く
遺品の整理を頼む方は、多くの場合、遠方に住むご家族や、気持ちの整理がついていない方です。料金や流れの書き方は第3章から第5章と同じですが、次のことを足しておきます。
- 立ち会えない場合の進め方 ― 鍵の受け渡し、作業中の連絡、写真での報告
- 探してほしいものの扱い ― 書類、写真、思い出の品などを、仕分けの途中で取り分けるか
- 作業の日程の相談 ― 急ぎの場合と、時間をかけたい場合の両方を受けるか
言葉づかいは控えめにします。気持ちに寄り添う言葉を重ねるより、何をしてくれるかが具体的に書いてあるほうが、ご家族は安心します。
事業所の不用品は、入口を分ける
オフィスの机や椅子、お店の什器、移転や閉店のときにまとめて出るもの。事業所からの依頼は、確かめられることが家庭とは違います。
- 平日の夜や休日に作業できるか
- 請求書での支払いに対応するか
- 事業所から出るものを、どの許可のもとで扱うか
- 処理の流れを示す書類を出せるか
家庭向けと事業所向けの入口を、トップページの最初の画面で分けておくと、どちらのお客様も迷いません。
8. 雄喜晃の伴走:料金の条件と、引き取れないものを一緒に整理します
私たち雄喜晃のホームページ制作では、回収やリサイクルの会社のサイトを作るとき、最初に「電話で毎回聞かれること」を伺うところから始めます。
私たちがやること
- 料金の決まり方を、条件つきの表にする ― 量・品目・人数で金額が変わる仕組みを伺い、よくあるご依頼の例と一緒に並べます
- 追加が出る条件と、引き取れないものを一覧にする ― 現場で実際に起きていることを伺って、文章に直します
- 許可や登録の表記を、証書のとおりに書く ― 許可証や登録証の写しを見ながら、名称・行政庁・番号を写します
- 写真を整えて載せる ― 作業の様子やトラックの写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、料金の改定や、許可の更新で番号が変わったときの書き換えも、ご連絡いただければこちらで反映します。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
- 貴社の業務にどの許可が要るか、表示が決まりに合っているかの判断はしません。所管の窓口や専門家に確認していただくようお願いしています
- 料金そのものを、こちらで決めることもしません。決めるのは貴社で、私たちは伝わる形に組み直します
- 実在しない作業の例や、お客様の声を作って載せることはしません
- 検索順位や問い合わせの増加をお約束することもしません
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。
「料金を載せているのに、電話で同じ心配を何度も聞かれる」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:増えない条件と、引き取れないものを先に書く
不用品回収やリサイクルの会社のサイトで押さえることは、5つです。
- 料金は、量・品目・人数の条件と一緒に書く ― 下限だけでなく、よくあるご依頼の幅も
- 追加が出る条件と、増えないものを書く ― 増えるときは作業の前に伝える、と一行添える
- 引き取れないものと、その行き先を書く ― 当日に断る場面が減る
- 当日の流れと近所への配慮を、行動で書く ― 立ち会えない場合の進め方も
- 許可や登録は、名称・行政庁・番号・範囲で書く ― どの許可が要るかは、所管の窓口に確認してから
この業種のお客様は、警戒しながら業者を探しています。良いことを並べるより、増えるとき・断るときの条件を先に書く会社のほうが、信用されます。
まず、今日できること
この1ヶ月に電話で聞かれた質問を、思い出せる範囲で書き出してみてください。その答えが、貴社のサイトのどこかに書いてあるかを探します。見つからなかった質問が、最初に足す場所です。
料金や許可の書き方で手が止まっている、という方は、一度ご相談ください。