1. 「店ごとに電話も時間も違うので、どう載せればいいのか」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「店が3つになって、会社概要のページに住所を3つ並べてあるんです。でも営業時間も定休日も店ごとに違うし、電話番号も違う。お客さんから『結局どの店に電話すればいいの』と聞かれることがあって」

拠点が1つのうちは、会社の情報とお店の情報は同じものでした。住所も電話も営業時間も、1つずつ書けば済みました。拠点が2つ、3つと増えると、会社の情報と、拠点ごとの情報が別のものになります。

ところが、サイトのほうは1拠点の頃の作りのまま、住所の行だけが増えていく。よくある形です。読む人が探しているのは、会社全体の情報ではありません。自分が行く拠点、自分が連絡する拠点の情報です。それが会社概要の表の中に埋もれていると、電話で聞くか、間違った拠点に連絡するかになります。

この記事で書くこと

この記事では、拠点が複数ある会社のホームページを、次の順に整理します。

  • 拠点ごとのページを作るかどうかの判断
  • 拠点一覧の作り方
  • 拠点ごとに違う情報の載せ方
  • 問い合わせを拠点に振り分ける方法
  • Googleマップの各拠点との揃え方
  • 拠点が増えたとき、閉じたときの直し方

なお、扱う事業そのものが増えた場合の話は、事業が増えたとき、ホームページを分けるか、1つにまとめるか に書きました。この記事は、同じ事業を複数の場所でやっている場合の話です。

2. 拠点ごとのページを作るか、作らないか

最初に決めるのは、拠点ごとに1ページずつ作るかどうかです。決め手は、拠点の数ではありません。

お客様が「どの拠点か」を選んで来るかどうか

判断の軸は1つです。お客様が、拠点を選んで来るかどうか。

店舗、教室、営業所の窓口のように、お客様が足を運ぶ場所を選ぶ商売なら、拠点ごとの情報が判断の材料になります。どの拠点が近いか、何時まで開いているか、駐車場はあるか。これを拠点ごとに確かめられる場所が要ります。

一方、営業所が裏方として動いていて、お客様は会社に依頼するだけ、という商売もあります。工事の手配や配送の拠点のように、お客様がどの拠点か意識しない場合は、拠点ごとのページまでは要らないことが多いです。

図:拠点の載せ方は3つ。お客様が拠点を選ぶかどうかで決める(例は架空)
① 会社概要に並べるだけ
「本社:〇〇市… 支店:△△市…」

住所は分かりますが、営業時間や電話の違いが読み取れません。拠点を選んで来るお客様には、情報が足りない形です。

どの拠点に連絡するかで迷われる
② 拠点一覧のページを1枚
拠点ごとに住所・電話・時間を並べる

拠点が少なく、拠点ごとに書くことが少ない会社に向きます。お客様が拠点を意識しない商売なら、これで足ります。

見比べやすいが、詳しくは書けない
③ 一覧+拠点ごとのページ
一覧から、各拠点の詳しいページへ

お客様が拠点を選んで来る商売に向きます。地図、入口、駐車場、担当、その拠点でできることまで書けます。

自分の拠点のことが1ページで分かる

拠点の数が多いから③、少ないから②、ではありません。お客様が拠点を選んで来るなら③、意識しないなら②が目安です。①のままの会社は、まず②にするだけでも問い合わせの迷いが減ります。

拠点ごとのページを作るなら、中身を変える

拠点ごとのページを作るときに、気をつけることがあります。拠点名と住所だけを差し替えた、同じ文章のページを並べないことです。

読む人にとっては、どのページを開いても同じことしか書いていないので、役に立ちません。検索エンジンからも、中身の薄いページが並んでいるように見えるおそれがあります。地域名だけを変えたページの扱いは、「対応エリア」を、ホームページにどう書くか でも触れました。

中身を変えるといっても、難しいことではありません。その拠点の入口の写真、駐車場、担当者、その拠点だけで扱っているもの、近くの目印。その拠点に行く人だけが知りたいことを書けば、自然に中身は変わります。

3. 拠点一覧の作り方

拠点ごとのページを作るかどうかにかかわらず、拠点一覧は1枚あったほうが便利です。一覧は、お客様が自分の拠点を探す入口になります。

並べる順番は、地域で

一覧の並べ方で迷ったら、地域の順にします。開設した順や、社内の組織の順は、お客様には意味がありません。

拠点が5つを超えるなら、市や地域で見出しを分けると探しやすくなります。「神戸市」「阪神エリア」のような区切りです。見出しの言葉は、社内の呼び方ではなく、お客様が使う地名にしてください。

一覧に載せる項目は、絞る

一覧に載せる項目は、見比べるのに要るものだけにします。

  • 拠点名 ― Googleマップや看板と同じ名前
  • 住所 ― 建物名と階まで
  • 電話番号 ― スマートフォンで押せば発信できる形で
  • 営業時間の要約 ― 「平日9:00〜18:00/日曜定休」程度
  • 詳しいページへのリンク ― 拠点ごとのページがある場合

細かい受付時間や駐車場の案内まで一覧に詰めると、見比べにくくなります。詳しいことは拠点ごとのページに回します。

地図は、一覧の上に1枚

拠点の位置関係を見せたいときは、一覧の上に全拠点の地図を1枚置きます。ただし、地図だけで済ませないでください。拠点名と住所は文字でも書きます。地図が読み込まれない環境もありますし、文字で書いてあれば、そのまま検索や地図アプリに貼り付けられます。

拠点の名前を揃える

意外と多いのが、拠点の名前がばらばらになっている状態です。サイトでは「本店」、看板では「〇〇店」、Googleマップでは「〇〇株式会社 △△営業所」。お客様は、名前が違うと別の場所だと思います。拠点ごとに正式な呼び方を1つ決め、全部の場所でそれを使います。

4. 拠点ごとに違う情報の載せ方

拠点が増えると、どの情報が拠点ごとに違い、どの情報が会社で1つなのかが曖昧になります。先に分けておくと、書く場所が決まります。

表:拠点ごとに書く情報と、会社で1つにまとめる情報(例は架空)
情報どこに書くか書き方の例
住所・地図・入口拠点ごとたとえば「〇〇ビル2階。1階のコンビニの右手に入口があります」
電話番号拠点ごと拠点の番号を先に。代表番号は会社概要へ
営業時間・定休日拠点ごと全拠点が同じでも、拠点のページにそれぞれ書く
担当者・責任者拠点ごと異動があるなら、名前より役割で。たとえば「店長が対応します」
その拠点でできること拠点ごと扱わないものも書く。たとえば「修理のお預かりは本店のみです」
会社概要・代表挨拶会社で1つ拠点のページには書かず、会社のページへリンクする
料金・サービス内容会社で1つ拠点で違う場合だけ、違う部分を拠点のページに書く
プライバシーポリシー・採用会社で1つ採用は、勤務地の選択肢として拠点を並べる

会社で1つの情報を拠点ごとに書き写すと、直すときに直し漏れが出ます。拠点ごとに違うものだけを拠点のページに書き、共通のものは1か所に置いてリンクするのが基本です。

営業時間は、拠点ごとに表で

営業時間と定休日は、拠点ごとに書きます。全拠点が同じ時間でも、拠点のページにそれぞれ書いておきます。お客様は、自分の拠点のページしか見ないからです。

拠点ごとに時間が違うなら、一覧の中で並べて見比べられるようにします。昼休みや最終受付、祝日の扱いの書き分け方は、営業時間・定休日を、ホームページにどう書くか に詳しくまとめました。拠点が増えるほど、この書き分けの差が効いてきます。

電話は、拠点の番号を先に

拠点のページでは、その拠点の電話番号を先に、代表番号は後にします。代表番号が上にあると、お客様は代表にかけ、そこから拠点に回すことになります。お互いに手間です。

代表電話で一括して受ける仕組みにしている会社は、その旨を書いておけば迷われません。「お電話はすべて本社で受け、担当の店舗におつなぎします」。どちらの形でも、どこにかければ用が済むのかが分かれば十分です。

地図と入口は、拠点ごとに

拠点ごとのページには、その拠点の地図と、最寄り駅や大きな道からの行き方を書きます。入口が分かりにくい建物なら、写真で見せます。来る人が最後に迷う場所の見せ方は、「アクセス」のページで、来る人を迷わせない にまとめてあります。拠点が増えると、この「最後の100メートル」の案内も拠点の数だけ要ります。

担当者は、変わっても困らない書き方で

拠点の担当者の名前や顔を載せると、お客様は安心します。ただし、異動のある会社では注意が要ります。人が替わったのにページが古いままだと、いない人を訪ねてくるお客様が出ます。

異動が多いなら、名前ではなく役割で書く。名前を載せるなら、異動のたびに直す担当を決めておく。どちらかにしてください。

5. 問い合わせを、拠点に振り分ける

拠点が増えると、問い合わせを誰が受けるのかが曖昧になります。フォームから来た問い合わせが本社のメールにだけ届き、拠点の担当者が気づかない。こうした取りこぼしは、仕組みで防げます。

フォームで、拠点を選んでもらう

問い合わせのフォームに、どの拠点への問い合わせかを選ぶ欄を置きます。選択肢には、拠点名に加えて「どこでもよい」「分からない」も入れておきます。近くの拠点が分からない人や、どこでもよい人が、選べずに手を止めないためです。

拠点ごとのページからフォームに進む場合は、その拠点を選んだ状態でフォームを開くようにしておくと、選び間違いが減ります。

通知の届け先を、拠点ごとに分けるか決める

フォームの通知をどこに届けるかは、2つの形があります。

  • 拠点ごとに分ける ― 選ばれた拠点の担当者に直接届く。返事が早くなる
  • 本社でいったん受ける ― 本社が見て、拠点に振り分ける。対応の質を揃えやすい

どちらがよいかは、会社の体制によります。大事なのは、どちらにするかを決めて、誰が返事をするかを全員が分かっていることです。分けたつもりで誰も返していない、本社と拠点の両方が返してしまう、どちらも起きやすい事故です。

誰が受けたかを、残しておく

複数の拠点で問い合わせを受けると、あとから「あの件はどこが受けたのか」が分からなくなります。受けた拠点と担当者、返事をした日を、1つの表や共有の場所に残しておくと、引き継ぎや確認が楽になります。

6. Googleマップの各拠点と揃える

拠点が複数ある会社は、Googleマップにも拠点の数だけ情報が出ています。お客様の多くは、サイトより先にGoogleマップで拠点を見ることもあります。サイトとGoogleマップの情報が食い違っていると、どちらも信用されなくなります。

拠点ごとに1つずつ

Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)は、拠点ごとに1つずつ管理します。お客様が実際に訪れる場所かどうか、無人の拠点を載せてよいかといった条件は、Googleの案内に沿って確かめてください。実際には人がいない住所を拠点として載せることは避けます。

名前・住所・電話・営業時間を揃える

揃えるのは、拠点名、住所、電話番号、営業時間の4つです。サイトの拠点のページと、Googleマップの同じ拠点で、一字一句同じ表記にします。

ずれやすいのは、拠点名の書き方と、建物名や階の有無です。「〇〇店」と「〇〇支店」、「2F」と「2階」。お客様から見れば小さな差ですが、別の場所と思われる原因になります。地域で商売をする会社にとってのGoogleマップの役割は、地域で商売をする会社の、ホームページの全体像 にまとめました。

ウェブサイトの欄には、拠点のページを

Googleマップの各拠点には、ウェブサイトのリンクを入れる欄があります。ここに、サイトのトップページではなく、その拠点のページのURLを入れておくと、地図から来た人がすぐに自分の拠点の情報を見られます。トップページから探し直してもらう手間が省けます。

誰が、どの拠点を管理するかを決める

拠点が増えると、Googleマップの管理も分散しがちです。店長がそれぞれ自分で登録した、前の担当者のアカウントでしか入れない。こうなると、情報を直したいときに直せません。

管理の権限は会社として持ち、拠点の担当者には必要な範囲で渡す形にしておきます。誰がどの拠点を管理しているかを一覧にしておくと、人が替わったときも困りません。

7. 拠点が増えた・閉じたときの直し方

拠点のある会社のサイトは、拠点が動くたびに直す場所が出ます。ここで直し漏れが起きると、古い情報を見て来たお客様に迷惑がかかります。

増えたときに直す場所

新しい拠点ができたら、次の場所を順に直します。

  • 拠点一覧 ― 地域の順の正しい位置に足す
  • 拠点ごとのページ ― 新しく1ページ作る
  • 問い合わせのフォーム ― 拠点の選択肢と、通知の届け先
  • 会社概要 ― 拠点の欄
  • Googleマップ ― 新しい拠点を登録し、ウェブサイトの欄に拠点のページを入れる
  • 拠点の数を書いている場所 ― 「県内3店舗」のような表記

最後の項目が、いちばん漏れます。トップページの見出しや、会社案内のPDF、採用のページなどに、拠点の数が書かれていることがあります。数字で書かれた拠点数は、拠点名で探しても見つかりません。

閉じたときは、すぐに消さない

拠点を閉じたときは、ページをすぐに消さないほうが親切です。まず、そのページの一番上に、閉じたことと、近くの別の拠点を書きます。いつまで営業していたか、これまでのお客様の問い合わせ先はどこか、も添えます。

しばらくしたら一覧から外し、そのページのURLは、近くの拠点のページか一覧のページへ転送します。検索やブックマークから古いページに来た人が、行き止まりにならないようにするためです。Googleマップの拠点は、閉業したことが分かる状態にしておきます。

移転したときは、移転として扱う

拠点が移っただけなら、閉じたのとは違います。新しい住所に書き換え、しばらくは旧住所から来る人への案内も残します。直す場所の考え方は、移転・社名変更・代表交代のときに、サイトで直すところ と同じです。

拠点の情報を、1枚の表で持つ

拠点が3つを超えたら、拠点ごとの名前・住所・電話・営業時間・担当を、1枚の表にまとめておくことをおすすめします。サイトもGoogleマップもチラシも、この表から写します。

何かが変わったら、まずこの表を直し、表から各所を直す。表が正しければ、どこがずれているかもすぐに分かります。

8. 雄喜晃の伴走:拠点ごとの情報を、1つの表から揃えます

私たち雄喜晃がサイトをお作りするときは、拠点ごとに違う情報と、会社で1つの情報を分けるところから始めます。拠点ごとの名前、住所、電話、営業時間、担当、その拠点でできることを伺い、1枚の表にまとめてから、ページに配置します。

私たちがやること

拠点一覧と拠点ごとのページを作り、問い合わせのフォームに拠点を選ぶ欄を置きます。拠点の名前や時刻の表記は、サイトの中で1つに揃えます。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます。Googleマップの各拠点と表記がずれていないかも、一緒に確かめます。

拠点の数によって、必要なページの数が変わります。どのプランが合うかは、拠点の数と、拠点ごとに書くことを伺ってから一緒に決めます。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、営業時間の変更や担当者の交代、拠点の増減も、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

拠点名と住所だけを差し替えたページを、数を増やすために並べることはしません。実際には人がいない住所を、拠点として載せることもしません。読む人の役に立たないうえに、会社の信用を損ねるからです。

また、Googleマップでの表示の順位や、問い合わせの件数をお約束することもいたしません。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。「拠点が増えて、サイトのどこに何を書けばいいか分からなくなってきた」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:会社の情報と、拠点の情報を分ける

拠点が複数ある会社のホームページで押さえることは、5つです。

  • 拠点ごとのページは、お客様が拠点を選ぶなら作る ― 作るなら、その拠点に行く人だけが知りたいことで中身を変える
  • 一覧は地域の順に、項目を絞る ― 拠点名・住所・電話・営業時間の要約。名前は全部の場所で揃える
  • 拠点ごとに違うものだけを、拠点のページに書く ― 共通の情報は1か所に置いてリンクする
  • 問い合わせは、拠点を選んでもらい、誰が返すかを決める ― 「分からない」の選択肢も置く
  • Googleマップと同じ表記にし、増減のたびに表から直す ― 閉じた拠点は、すぐに消さず近くの拠点へ案内する

拠点が増えると、会社の情報と拠点の情報は別のものになります。お客様が探しているのは、会社全体ではなく、自分が行く拠点の情報です。

今日できることを1つだけ挙げます。拠点ごとの名前・住所・電話・営業時間を、サイトとGoogleマップで並べて書き出してみてください。ずれている箇所が、そのまま最初に直すところです。

拠点ごとの情報の載せ方を整理し直したいという方は、一度ご相談ください。