1. 「訪問販売と一緒にされるのが、いちばんつらいんです」

外壁や屋根の塗装をしている方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「うちは地元で長くやっているんですが、電話をすると最初に『訪問で来られた会社さんですか』と聞かれるんです。急に来て『今すぐ塗らないと危ない』と言う業者がいるみたいで。ホームページで、うちは違うと伝えたいんですけど」

塗装の工事は、金額が小さくありません。そして多くの方にとって、一生のうちに何度も頼むものではありません。比べる経験がないまま、何十万円、場合によってはそれ以上の判断をすることになります。

そこへ、突然の訪問で「このままだと傷みます」と言われる。そういう経験や話を聞いた方は、塗装の会社そのものを警戒しています。サイトを見に来る人の多くは、頼む会社を探していると同時に、頼んではいけない会社を見分けようとしています。

工務店の話と、重なるところと違うところ

以前、業種別に載せるものを整理した記事(士業/工務店/飲食/運送)で、工務店のサイトについて書きました。施工事例に金額を入れる、前と後の写真を並べる、許可の番号を載せる。塗装店にもそのまま当てはまります。

塗装店ならではの事情は、工事の中身が外から見えにくいことです。塗り終われば、下地をどう直したか、何回塗ったかは見えません。だから、見えない部分を言葉と写真で先に見せておく必要があります。

この記事で書くこと

  • 地元の会社だと分かる、所在地・代表・職人の見せ方
  • 見積もりの内訳を、足場・下地処理・塗料・回数で見せる方法
  • 塗料の違いを、中立に書く方法
  • 工事の流れと、近所へのあいさつ
  • 施工前後の写真、保証の範囲、急がせない書き方

2. 見に来る人が確かめている4つ

塗装店のサイトを見に来た人が、電話やフォームの前に確かめていることは、だいたい4つです。

  • この会社は、どこの誰なのか ― 地元にあるのか、何かあったときに連絡がつくのか
  • 見積もりの金額は、何にいくらなのか ― 他社の見積もりと比べられるのか
  • どの塗料を選べばいいのか ― 高い塗料と安い塗料で、何が違うのか
  • 急かされないか、工事中どうなるのか ― 断りにくくならないか、何日くらい生活に影響があるのか

見積もりを手に持って、比べに来ている

この業種の特徴は、すでに別の会社の見積もりを持っている人がサイトを見に来ることです。訪問で受け取った見積もりが高いのか安いのか分からない。近所が塗り替えたので、うちもそろそろかと思った。そういう人が、地元の会社を探して比べに来ます。

その人は、比べるための材料を探しています。手元の見積もりと並べられる内訳、塗料の名前の意味、本当に今すぐ必要なのか。ここに答えているサイトが、候補に残ります。

警戒している人は、言葉より事実を見る

「安心」「地域密着」と大きく書いても、訪問の業者も同じ言葉を使っています。見られているのは、言葉ではなく確かめられる事実です。どこに事務所があるか、誰が来るか、何にいくらかかるか。

3. 地元の会社だと、所在地・代表・職人で見せる

最初に整えたいのは、どこの誰なのかが分かることです。ここが分かれば、訪問の業者と比べられる土俵に乗れます。

所在地は、番地と建物の写真まで

会社概要に、所在地を番地まで書いてください。そのうえで、事務所や倉庫、資材置き場の外観の写真を1枚添えます。

住所だけでは、そこに本当に会社があるかは分かりません。写真があると、「近所のあの場所か」と分かる人が出てきます。地元の人には、それがいちばん強い証拠です。

代表の顔と、名前と、いつからここでやっているか

代表の方の写真と名前、この地域で仕事を始めた年、なぜ塗装の仕事をしているのか。顔と名前が出ている会社は、何かあったときに逃げない会社として受け取られます。

「創業〇年」だけでなく、この町で何年やっているかを書いてください。

職人は自社か、協力会社か

実際に家に来て塗るのが誰なのかも、書いておきたいところです。自社の職人が塗るのか、協力会社の職人と組んでいるのか。どちらが正しいということではありません。分かれていること自体を隠さないことが大事です。

協力会社と組んでいる場合は、「現場の確認は代表が行います」のように、誰が責任を持って見るかを書いてください。職人の方の写真と経験年数も添えると、家に入る人の姿が見えます。

許可と資格、対応エリア

建設業の許可や、持っている資格があれば、名前と番号を書いてください。どの工事にどんな許可や資格が要るかは、工事の規模や内容によって違います。何をどう表示するかは、所管の窓口や業界団体に確認してください。

対応エリアは、市区町村の名前で書きます。「すぐに伺える範囲」が書いてあること自体が、地元の会社である証拠になります。書き方は 「対応エリア」を、ホームページにどう書くか にまとめてあります。

4. 見積もりの内訳を、足場・下地処理・塗料・回数で見せる

ここがこの記事でいちばん大事なところです。見積もりの内訳を、項目ごとに見せてください。

「外壁塗装一式」では、比べられない

訪問で受け取った見積もりに、「外壁塗装工事一式 〇〇万円」としか書かれていないことがあります。これでは、何にいくらかかっているかが分かりません。

サイトに「当社のお見積もりは、項目ごとに分けてお出しします」と書き、見本を1枚載せておく。それだけで、読む人は手元の見積もりと比べられます。貴社のほうが高く見えても、何が違うのかが分かれば話は聞いてもらえます。

内訳の見本を載せる

見本は、架空の家で作ったもので構いません。項目と、その項目が何をするものかを並べます。

表:外壁塗装の見積もりの内訳を、見本として載せる例(項目と金額の書き方はたとえばの例で、数字は架空です)
項目何をするものかサイトに書き添えること
足場家のまわりに足場を組み、塗料が飛ばないようにシートで覆うたとえば「〇〇㎡ × 〇〇〇円」のように面積と単価で書く。「足場代無料」とは書かない
高圧洗浄古い汚れやコケを水で洗い流す洗浄のあと、乾かす日を取ること
下地処理ひび割れの補修、目地のシーリングの打ち直し、さびの処理など傷み具合で金額がいちばん変わる項目だと書く。現地を見てから決まる
養生窓や玄関、植木、車など、塗らないところを覆う工事中、窓が開けにくくなる日があること
塗装下塗り・中塗り・上塗りなど、塗料と塗る回数を分けて書く塗料の名前、塗る面積、何回塗るか。たとえば「外壁〇〇㎡ / 下塗り1回+上塗り2回」
付帯部雨どい、軒天、破風、水切りなど、外壁以外の細かい部分どこまで含むかを一覧で。含まない部分も書く
諸経費近所へのあいさつ、現場の管理、廃材の処分など何が入っているかを1行で

項目の分け方や呼び方は、貴社がふだん出している見積書に合わせてください。大事なのは、どの項目で金額が変わるかが読む人に分かることです。下地処理のように、現地を見ないと決まらない項目は「現地を拝見してから決まります」とはっきり書きます。

料金の目安は、家の条件とセットで書く

内訳の見本とは別に、よくある家で、だいたいいくらになるかも書いておくと、読む人は桁を知ることができます。

「たとえば、木造2階建て・延床30坪前後のお住まいで、外壁のみの塗り替えの場合、〇〇万〜〇〇万円のご依頼が多いです(数字は架空の例です。実際の金額は貴社の過去のお見積もりで書いてください)」

ポイントは、家の条件・工事の範囲・金額の幅が一緒に書いてあることです。下限だけを書くと、見積もりのときに「話が違う」と受け取られます。高くなる条件(3階建て、隣の家との間が狭い、傷みが大きい)と、安くなる条件(屋根と外壁をまとめる、付帯部を減らす)も添えてください。条件つきで料金を出す考え方は ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあります。

塗る回数は、写真と一緒に

塗る回数は、塗り終わると見えなくなります。だから、それぞれの段階の写真を工事のあとにお渡しすると書いておくと、見積書の回数を本当に塗ったことが伝わります。

5. 塗料の違いは、中立に書く

塗料の話は、読む人がいちばん分からないところです。そして、書き方を間違えやすいところでもあります。

どれがいちばん、とは書かない

塗料には、樹脂の種類や性能で、いくつもの種類があります。サイトで説明するときは、どれがいちばん良い、とは書かないでください。家の状態、立地、予算、何年くらい住むつもりか、つやを出したいかどうか。選ぶ理由は人によって違います。

おすすめの書き方は、貴社が扱っている塗料を、価格の順に並べて、それぞれをどんな方に勧めることが多いかを書く形です。たとえば次のように書けます。

  • 費用を抑えたい方に勧めることが多い塗料 ― 何年かあとに住み替えや建て替えの予定がある場合など
  • 多くのご依頼で選ばれている塗料 ― 価格と性能の釣り合いで、貴社がふだん勧めているもの
  • 手入れの回数を減らしたい方に勧めることが多い塗料 ― 初めの費用は高くなる、と正直に書く

塗料の名前や種類は、貴社が実際に扱っているもので書いてください。扱っていない塗料を、悪く書く必要はありません。

「〇年もつ」と言い切らない

いちばん気をつけたいのが、耐用年数です。「この塗料なら〇年もちます」と言い切る書き方は、避けてください。

塗料がどれくらいもつかは、日当たり、雨の当たり方、立地、下地の状態、職人の仕事によって変わります。同じ塗料でも、家によって違うのです。年数を書きたい場合は、出典があるもの(塗料のメーカーが示している目安など)に限り、その出典と「立地や下地の状態で変わります」という条件を一緒に書いてください。出典のない年数は書かないほうが、警戒している人には信用されます。

特別な言葉で飾らない

「当社だけの特殊塗料」のような書き方も、根拠を示せないなら避けたほうが無難です。性能をうたう言い方は、表示のルールの上で問題になる場合もあります。気になる表現は、所管の窓口や専門家に確認してください。

塗料の説明は、売るための文章ではなく、読む人が自分で選ぶための説明です。

6. 工事の流れと、近所へのあいさつ

内訳と塗料の次に聞かれるのが、工事中のことです。何日くらいかかって、その間、暮らしに何が起きるかを流れで見せてください。

暮らしへの影響を、段階ごとに書く

会社がすることと一緒に、住んでいる人に何が起きるかを書いてください。洗濯物が干せない日、窓が開けにくい日、車を動かしてほしい日。ここが分かると、読む人は予定を立てられます。

図:塗り替え工事の流れと、暮らしへの影響(たとえばの例です。段階の分け方と日数は貴社の実際で書いてください)
① 現地を見て、傷み具合を確かめる

たとえば、外壁と屋根の状態を一緒に見て、写真をお見せしながら説明します。急いで塗る必要がない場合は、そうお伝えします。

現地を見るのとお見積もりに、費用がかかるかを書いておく
▼
② お見積もりの説明と、ご契約

たとえば、項目ごとの見積書を一緒に読みます。他社の見積もりと比べていただいてから、お決めいただきます。

その場で決めなくてよいこと、こちらから急かす連絡はしないことを書いておく
▼
③ ご近所へのあいさつと、足場を組む

たとえば、工事の数日前に両隣と向かいのお宅へ、工事の期間と連絡先をお伝えします。足場を組む日は音が出ます。

車を動かしてほしい日、音が出る日を書いておく
▼
④ 洗浄・下地処理・塗装

たとえば、洗って乾かし、ひび割れや目地を直してから、決めた回数で塗ります。雨の日は塗りません。

洗濯物が干せない期間、窓が開けにくい期間、においが出ることを書いておく
▼
⑤ 一緒に仕上がりを見て、足場を外す

たとえば、足場があるうちに、気になるところを一緒に確かめます。工事中の写真をまとめてお渡しします。

保証の内容と、工事のあとの連絡先をお渡しする

右側の一言は、住んでいる人が気にしていることへの答えです。全体の日数を書く場合は、貴社の過去の工事から「一般的な2階建てで、およそ〇週間」のように実際の数字で、天気で延びることがあると添えて書いてください。

近所へのあいさつを、誰がどこまでするか

足場の音、塗料のにおい、車の出入り。塗装の工事は、ご近所にも影響があります。お客様は、工事のせいで近所と気まずくならないかを気にしています。

だから、誰が、いつ、どの範囲のお宅に、何を伝えるのかを具体的に書いてください。工事のあとにも伺うなら、それも書きます。ご近所から直接、貴社に連絡が来るようにしておくと、お客様が間に立たなくて済みます。

7. 施工前後の写真、保証の範囲、急がせない書き方

最後の3つです。どれも、警戒している人の背中を押すところです。

前後の写真と、見えなくなる工程の写真

施工事例には、前と後を同じ位置・同じ向きから撮った写真を並べてください。色あせた外壁が塗り替わった様子は、後の写真だけでは伝わりません。撮り方の段取りは 施工前と施工後の写真を、比べられる形で撮る にまとめてあります。

塗装の場合は、もう1種類の写真が効きます。塗り終わると見えなくなる工程の写真です。ひび割れを補修したところ、目地のシーリングを打ち直したところ、下塗りを終えたところ。この写真があると、見積書に書いた項目を本当にやったことが伝わります。

1件ごとに、建物の種類と築年数の目安、工事の範囲、塗料、工期、金額の幅を添えてください。たとえば「木造2階建て・築20年ほど/外壁と付帯部/3回塗り/約2週間」(例は架空です)。書き方の型と掲載の許可の取り方は 実績ページに何を書くと、次の依頼につながるか に書きました。所在地は市区町村まで、表札や車のナンバーが写っていないかも確かめてください。

保証は「〇年保証」だけで終わらせない

「〇年保証」と大きく書いてあっても、何が対象で、どんなときは対象外なのかが分からなければ、読む人は安心できません。

書いておきたいのは、保証の対象(塗膜のはがれなど、貴社が保証している内容)、期間、条件、対象外になる場合(地震や台風などの災害、建物そのものの傷みから来るもの、など)、何かあったときの連絡先です。保証書の内容と、サイトに書いた内容をそろえることも大事です。工事のあとの点検をしているなら、その時期も書いてください。保証の書き方全般は 保証やアフターサービスを、ホームページにどう書くか にまとめてあります。

急がせない、と書く

この業種でいちばん効くかもしれないのが、急がせないことを、はっきり書くことです。たとえば次のような一文です。

  • 「お見積もりのあと、こちらから契約を急かすお電話はしません」
  • 「他社のお見積もりと比べてから、お決めください。比べ方もご説明します」
  • 「まだ塗り替えなくてよい状態なら、そうお伝えします」
  • 「点検だけのご依頼も、お受けしています」

反対に、「今月中のご契約で〇万円引き」「足場代無料」のような書き方は、警戒している人には訪問の業者と同じに見えます。値引きをするなら、その理由(閑散期に工事を回せるから、など)を一緒に書いてください。急がせない会社だと分かると、読む人は「まず相談だけしてみよう」と思えます。

8. 雄喜晃の伴走:見積もりの内訳と工事の流れを、読む人の言葉に直します

私たち雄喜晃は、「原稿をご用意ください」とは申し上げません。塗装店の場合は、ふだんお出ししている見積書、工事の進め方、近所へのあいさつのしかた、保証書の中身をお話で伺い、内訳の見本と工事の流れの形にこちらで整えます。塗料の説明も、貴社が実際に扱っている塗料と、どんな方に勧めているかを伺ったうえで、中立な言葉で書きます。

写真は、貴社で撮っていただいた施工前後の写真や、工事中の写真、事務所や職人の方の写真を整えて載せます。どの写真を前後で並べるか、写真の下に何を書くかも一緒に考えます。

料金と、契約の条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成の場合は月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれ、月5回までの更新代行も同じ月額の中です。新しい施工事例の追加や、料金の目安の書き換えも、ご連絡いただければこちらで反映します。

条件も先に書いておきます。最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

貴社の料金そのものを決めることはしません。目安の数字は、貴社の過去のお見積もりから出していただきます。塗料の性能や耐用年数の数字を、こちらで作って書くこともしません。書く場合は、出典のあるものだけにします。また、許可や資格の表示、広告の表示が決まりに合っているかの判断も、私たちはしません。そこは所管の窓口や専門家で確認していただくようお願いしています。実際にない施工事例や、お客様の声を作文して載せることもしません。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。

地元で長くやっているのに、訪問の業者と同じに見られてしまうという方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:見えない仕事を、先に見せる

外壁・屋根の塗装店のホームページで押さえることは、4つです。

  • どこの誰かを、事実で見せる ― 番地までの所在地と建物の写真、代表の顔と名前、誰が塗るのか、市区町村で書いた対応エリア
  • 見積もりの内訳を見本で見せる ― 足場、洗浄、下地処理、養生、塗料と塗る回数、付帯部。よくある家での金額の幅と、高くなる条件
  • 塗料は中立に、年数は言い切らない ― 扱っている塗料を、どんな方に勧めるかで並べる。出典のない耐用年数は書かない
  • 流れ・写真・保証・急がせない一文 ― 暮らしへの影響と近所へのあいさつ、前後と工程の写真、保証の対象と対象外、契約を急かさないこと

そして、許可や資格、広告の表示に関わるところは、所管の窓口や業界団体、専門家に確認してください。

まず、今日できること

最近お出しした見積書を1枚選んで、お客様の名前と住所を消し、項目ごとに「何をするものか」を一言ずつ書き添えてみてください。それがそのまま、サイトに載せる内訳の見本になります。書き添えてみると、説明が要る項目と、読む人が引っかかりそうな項目も見えてきます。

自社の仕事の中身を、警戒している人にも伝わる形にしたいという方は、一度ご相談ください。