1. 「診療時間は載せているのに、『今から行っても診てもらえますか』と電話が続いて」

動物病院を開いている方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「サイトには診療時間の表を載せているんです。でも電話で、『今から行っても間に合いますか』『予約がないとだめですか』『うさぎも診てもらえますか』と毎日のように聞かれて。診察の合間に受付が一から説明しているんですよね」

診療時間を載せているのは、それだけで大事なことです。ただ、動物病院には、ほかの仕事にはない事情があります。具合を説明できない家族のために、飼い主が急いで調べているということです。

飼い主がサイトを開くのは、たいてい何かが気になったときです。今日診てもらえるのか、この子の種類を診てもらえるのか、夜ならどこへ行けばいいのか。電話で毎回聞かれていることは、サイトに書いていない答えそのものです。

一方で、動物病院のサイトには書かないほうがいいものもあります。病気の解説を長く載せること、治ると言い切ること、不安をあおる書き方。この記事では、載せるものと、載せ方の注意を、飼い主が確かめる順に書きます。

この記事で書くこと

  • 診療時間・休診日・予約の有無の書き方
  • 時間外の連絡を受けるか受けないか、受けない場合の案内
  • 診る動物の種類と、初めて来る人への案内
  • 院内でできることと、紹介になることの書き分け
  • 料金の目安を載せるかどうかの考え方
  • 獣医師とスタッフの紹介、ホテルやトリミングを併設する場合の分け方、広告の決まり

2. 飼い主は「今」「初めて」「この子を」の3つを確かめている

動物病院のサイトを見に来る飼い主は、だいたい3つの場面のどれかにいます。

  • 今、気になることがある ― 今日の診療時間に間に合うか、予約が要るか、時間外ならどうすればいいか
  • 初めて行く ― どこにあるか、何を持っていけばいいか、どうやって連れて行けばいいか
  • この子を診てもらえるか ― 犬や猫のほかに、うさぎや小鳥なども診てもらえるか

どの場面でも、飼い主はスマートフォンで、急いで見ています。長い挨拶や病院の理念より先に、時間と場所と電話番号が目に入ることが大事です。

最初の画面に、診る動物と今日の時間を

トップページの最初の画面には、どの動物を診ている、どこの病院かを一文で置きます。「犬・猫・うさぎを診ている、〇〇駅から歩いて〇分の動物病院です」のように。そのすぐ近くに、診療時間の表と、タップで電話がかけられる番号を置きます。

急いで見ている人は、ページの下までは読みません。最初の画面だけで「今日行けるか」と「電話番号」が分かるようにしておきます。

3. 診療時間・休診日・予約の有無を書く

曜日ごとの表で、受付の終わりを分ける

診療時間は、曜日ごとの表で書きます。午前と午後を分け、休診の曜日も表の中に入れます。

大事なのは、受付の終わりの時刻を、診療の終わりの時刻と分けて書くことです。「午後の診療は19時まで、受付は18時30分まで」のように。ここが一緒だと、閉まる直前に来た人をお断りすることになり、来た人にも受付にもつらい思いが残ります。

昼の時間を手術や往診にあてていて電話に出られないなら、そのことも書いておきます。つながらない時間が分かっていれば、飼い主はかけ直す時間を決められます。

予約の有無は、3つのどれかで書く

予約については、次のどれに当たるかをはっきり書きます。

  • 予約制 ― 予約がない場合はどうなるか。急ぎのときは電話で相談できるか
  • 予約優先 ― 予約がなくても診てもらえるのか、どれくらい待つことがあるか
  • 予約なし(受付順) ― 混む曜日や時間帯、順番が近づいたら呼んでもらえるか

「予約優先」とだけ書くと、予約がない人は行っていいのか迷います。「ご予約の方を優先しますが、予約のない方も受付順で診察します」まで書いてください。手術や健康診断など、予約が要る診療があるなら、それも分けて書きます。

休診日と臨時休診の知らせ方

休診日は表に入れたうえで、祝日の扱い、年末年始やお盆の予定を書きます。学会や研修で臨時に休むときは、知らせる場所を1つに決めておくと、古いお知らせが残りにくくなります。

営業時間の書き方全般は、営業時間・定休日を、ホームページにどう書くか にまとめてあります。受付時間を分ける考え方は、動物病院でもそのまま使えます。

4. 急なときの連絡は、受ける・受けないをはっきり書く

動物病院のサイトで、飼い主がいちばん困るのは夜や休診日に何かあったときです。ここは、書き方をあいまいにしないでください。

まず、時間外を受けるかどうかを決める

最初に決めるのは、診療時間の外に連絡を受けるかどうかです。受けるなら、どんな形で受けるのか。受けないなら、どこへ案内するのか。

「急患は随時対応」のように書いておきながら、実際には夜に電話がつながらない。これがいちばん困る形です。書いてあることを頼りに電話した飼い主が、つながらずに時間を失うことになるからです。

図:時間外に連絡が来たときの、案内の書き分け(たとえばの例で、時間や案内先は架空です)
① 診療時間の中

まず電話をしてから来てもらうのか、そのまま来てよいのか。急ぎのときに順番をどうするかを書きます。

たとえば「お急ぎの場合は、来院の前にお電話で様子をお知らせください」
▼
② 時間外を受ける場合

受ける時間帯、先に電話が要るか、時間外の料金がかかるか、獣医師が院内にいない時間があるかを書きます。

たとえば「〇時〜〇時は、お電話で状況を伺ったうえで対応を判断します。時間外の診察料がかかります」
▼
③ 時間外を受けない場合

受けていないことをはっきり書き、夜間や休日に診てもらえる先を案内します。案内先は貴社が確かめた先だけにします。

たとえば「当院は時間外の診療を行っていません。夜間・休日は〇〇(地域の夜間の動物病院など)にご連絡ください」

②と③のどちらかを、貴社の実際の体制で選んで書いてください。受ける・受けないがはっきりしていれば、飼い主は迷う時間を減らせます。案内先の名前や電話番号、受付の時間は変わることがあるので、定期的に確かめて直します。

受けない場合は、どこへ行けばいいかまで

時間外を受けないのは、まったく悪いことではありません。少ない人数で続けている病院なら、むしろ自然なことです。大事なのは、受けないことと、その代わりの行き先を、同じ場所に書くことです。

案内先を書くときは、相手の受付時間と電話番号を確かめてから載せます。案内先が変わったときや、受付の時間が変わったときに直す段取りも決めておきます。古い番号が載ったままだと、急いでいる人をもう一度迷わせます。

電話の前に、伝えてほしいことを書く

電話を受けるなら、電話のときに伝えてほしいことを書いておくと、話が早くなります。

  • 動物の種類と年齢 ― 犬か猫か、ほかの動物か。おおよその年齢と体重
  • いつから、どんな様子か ― 気になり始めた時刻と、今の様子
  • かかったことがあるか ― 診察券の番号や、ほかの病院にかかっているか

どんな様子なら急ぐべきか、という判断の目安は、獣医師が責任を持って書く内容です。サイトの作り手が文章を足すところではありません。書くなら獣医師の言葉で、短く、言い切らずに書いてください。急ぎの連絡全般の書き方は、「24時間対応」「緊急時はお電話を」を、ホームページにどう書くか にまとめてあります。

5. 診る動物の種類と、初めて来る人への案内

診る動物と、診ない動物を書く

犬と猫だけなのか、うさぎ、フェレット、ハムスター、小鳥、は虫類なども診るのか。診る動物の種類を、言葉で並べて書きます。犬と猫のイラストだけでは、ほかの動物を飼っている人には分かりません。

診ていない動物も書いておきます。「〇〇は診療していません」と書いてあれば、飼い主は電話の前に別の病院を探せます。種類によって予約が要る、診られる獣医師がいる曜日が決まっている、ということがあるなら、それも添えます。

持ち物は、院で求めているものだけを

初めて来る人には、持ってきてほしいものを書きます。たとえば、これまでの診察の記録、ワクチンの証明書、飲んでいる薬やそのパッケージ、ふだん食べているものが分かるもの。院で実際に求めているものだけを並べてください。

問診の用紙を先に記入してもらうなら、サイトから見られるようにしておくと、受付で待つ時間が短くなります。動物の名前、種類、年齢、気になっていること。来る前に書けることは、来る前に書いてもらう形です。

連れて来方と、待合室の配慮

どうやって連れて来ればいいかも、飼い主は迷っています。

  • 犬 ― リードをつけてくるか、抱いてくるか。待合室での待ち方
  • 猫や小さな動物 ― キャリーやケースに入れてくるか。逃げないための工夫
  • 車で来る場合 ― 駐車場の台数と場所、車の中で待てるか、順番が来たら電話で呼んでもらえるか

待合室で配慮していることがあるなら、それを書きます。犬と猫で待つ場所を分けている、ほかの動物が苦手な子は車で待てる、のように。していることだけを書くのは、ほかの項目と同じです。

初めて来る人向けの情報を1つのページにまとめる組み方は、「初めての方へ」のページは、要るのか。要るなら何を書くか に書きました。

6. 診療の内容は、できることと紹介になることで書く

診療科目の一覧より、相談の言葉で

診療の内容は、飼い主が使う言葉で書きます。一般の診察、ワクチンや予防の相談、健康診断、避妊・去勢の手術、歯の処置、高齢の子の相談、のように。何を相談しに行けばいいかが分かる書き方にします。

そして、院内でできることと、ほかの病院を紹介することを分けて書きます。どの病院にも、院内でできる検査や処置の範囲があります。できないことを書くのは、弱みを見せることではありません。どこまでを診て、どこからを紹介するかが分かると、飼い主はかえって相談しやすくなります。

表:診療の内容の書き分け方(項目と書き方はたとえばの例です)
区分書き方の例(たとえば)添えておくこと
院内でできること一般の診察、ワクチン、健康診断、避妊・去勢の手術など予約が要るものと、当日でも受けられるものを分ける
相談に応じて決めること検査の結果を見て、院内で続けるか紹介するかを相談します誰が、どの時点で決めるか。飼い主の考えを聞くことも書く
紹介になること専門の設備が要る検査や治療は、ほかの病院をご紹介します紹介のあとも、ふだんの診察はこちらで続けられるか
ほかの病院にかかっている場合ほかの病院での説明について、ご相談を受け付けます受けているなら、持ってきてほしい記録。受けていないなら書かない
診ていないこと〇〇の診療は行っていません分かっている範囲で、あいまいにせず書く

中身は、貴社が実際にしている診療で書いてください。できることと、紹介になることが分けて書いてあると、飼い主は相談する前に見当がつきます。設備の名前を並べるより、何の相談に乗れるかを書くほうが伝わります。

病気の解説記事は、サイトの役目にしない

動物病院のサイトに、病気の解説ページをたくさん載せる考え方もあります。ただ、病気の説明は医療の情報です。書くなら獣医師が責任を持ち、内容を見直し続ける必要があります。サイトの作り手が文章を整える範囲を超えています。

この記事では、病気の解説の書き方は扱いません。地域の病院のサイトでまず効くのは、診療時間、予約、時間外の案内、診る動物の種類のように、その病院にしか書けない情報を正確に載せることです。

料金の目安を載せるかどうか

料金は、診察してみないと決まらないことが多い仕事です。それでも、飼い主はおおよその見当を知りたがっています。考え方は、2つに分けると整理しやすくなります。

  • 決まった処置 ― ワクチン、健康診断、避妊・去勢の手術など、内容が決まっているもの。目安を載せやすい項目です
  • 診察で決まるもの ― 検査や治療の中身で変わるもの。金額の代わりに、先に説明してから進めるかどうかを書きます

「検査や治療の前に、内容と費用の目安をお伝えします」の一行があるだけで、初めての人は相談しやすくなります。支払いの方法や、動物の保険を窓口で使えるかどうかも、聞かれる前に書いておけます。

7. 獣医師とスタッフの紹介、併設のサービス、広告の決まり

獣医師とスタッフは、事実で紹介する

飼い主は、誰がこの子を診るのかを気にしています。獣医師の紹介では、名前、経歴、ふだん診ている動物、診察で気をつけていることを、事実で書きます。

複数の獣医師がいるなら、曜日ごとの担当を書くと、続けて同じ獣医師に診てもらいたい人が予定を立てられます。動物看護師や受付のスタッフも、本人の了解を取ったうえで紹介すると、病院の雰囲気が伝わります。顔写真を出すかどうかも本人と決め、辞めた人が載ったままにならないよう直す段取りを決めておきます。紹介のページそのものの考え方は、社員紹介ページは、本当に要るのか にまとめてあります。

ホテルやトリミングは、診療と分けて書く

ペットホテルやトリミングを併設している病院もあります。この場合は、診療とはページか見出しを分けて書きます。

  • 受付と予約 ― 診療と同じ窓口か、別の窓口か。予約の取り方
  • 時間 ― 預かりとお迎えの時間。診療時間と違うなら分けて書く
  • 料金 ― 診療の料金とは別の表にする
  • 受ける条件 ― 預かる前に確かめること。体調が悪い子を預かるかどうか

診療を探している人がホテルの案内を読み進めないと時間にたどり着けない、という形は避けます。ホテルやトリミングのページに載せることは、トリミングサロンやペットホテルのホームページに、何を載せるか に詳しく書きました。

広告の決まりは、所管の窓口や獣医師会などに確認を

動物病院の広告には、書いてよいことや書き方に決まりがあると言われています。ホームページがどこまで広告として見られるかも含めて、扱いは変わることがあります。

実務としては、次のような書き方ほど、掲載の前に確かめてください。

  • 言い切りの言葉 ― 治る、安心、痛くない、のような約束に聞こえる言葉
  • 比べる言葉 ― ほかの病院より、地域でいちばん、のような言い方
  • 体験談や、治療の前と後の写真 ― 飼い主の声や、経過を見せる写真
  • 肩書きや得意な分野の書き方 ― 専門、認定などの言葉の使い方

私たちは法律の専門家ではないので、どこまでが良いかは書きません。業種によって決まりが違うので、所管の窓口や獣医師会などに確認してください。あわせて、不安をあおる書き方も避けます。「放っておくと手遅れに」のような言葉で来院を急がせるのは、飼い主のためになりません。業種ごとの書き方の注意は、業種によっては、ホームページに書けないことがある にまとめてあります。

8. 雄喜晃の伴走:受付で毎日答えていることを、ページの言葉にします

私たち雄喜晃は、動物病院のホームページを作るとき、最初に「受付や電話で毎日聞かれていること」を伺うところから始めます。診察の合間に受付が説明している中身が、そのままサイトに書くべき答えになるからです。

私たちがやること

  • 診る動物と診療時間を、最初の画面に置く ― 受付の終わりの時刻と、タップでかけられる電話番号も並べます
  • 時間外の案内を、受ける・受けないで書き分ける ― 貴社の実際の体制を伺い、案内先とあわせて文章にします
  • 初めての方への案内をまとめる ― 持ち物、連れて来方、駐車場、待合室の配慮を、実際にしていることだけで書きます
  • 診療の内容を、できることと紹介になることで分ける ― 伺った範囲を、飼い主の言葉で表にします
  • 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 飼い主や動物が写っている写真は、了解の範囲を確かめたものだけを使います

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、臨時休診のお知らせや、診療時間の変更、時間外の案内先の変更も、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影には伺っていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • 病気の解説や、医療の情報の文章は書きません。獣医師の書いた文章を、読みやすく整えるところまでです
  • 診療の内容や料金、時間外の体制そのものは決めません。決まった内容を、飼い主に伝わる形に組むところを担当します
  • 広告の決まりに合っているかの判断はしません。所管の窓口や獣医師会などに確認していただくようお願いしています
  • 予約の仕組みそのものの開発はしていません。検索順位や来院の増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「診療時間は載せているのに、受付が毎日同じ質問に答えている」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:病気の解説より先に、「今、行っていいか」に答える

地域の動物病院のホームページで押さえることは、5つです。

  • 診療時間は曜日ごとの表で ― 受付の終わりを分け、予約制・予約優先・受付順のどれかをはっきり書く
  • 時間外は、受ける・受けないをはっきり ― 受けないなら、確かめた案内先を同じ場所に書く
  • 診る動物と、初めての人への案内を書く ― 持ち物、連れて来方、駐車場、待合室の配慮。していることだけを書く
  • 診療の内容は、できることと紹介になることで ― 料金は、決まった処置の目安と、先に説明するかどうかを書く
  • 人の紹介と併設のサービスを分けて書く ― 広告の決まりは、所管の窓口や獣医師会などに確かめてから載せる

動物病院は、言葉で具合を伝えられない家族を、飼い主が連れて来る場所です。病気の説明が長いことより、今どうすればいいかがすぐ分かることのほうが、飼い主の助けになります。

まずは今週、受付と電話で聞かれたことを1つずつメモしてみてください。同じ質問が3回出てきたら、それがサイトに足りていない答えです。