1. 「広告を出せば、問い合わせが来ると思っていたんです」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「勧められてネットの広告を出してみたんです。クリックはそれなりにあったらしいんですが、問い合わせは来なくて。広告が悪かったのか、サイトが悪かったのか、それも分からないまま止めてしまいました」

この「どちらが悪かったのか分からない」というところに、いちばんの損があります。お金を払って試したのに、次にどこを直せばいいかという答えが残っていないからです。

広告は、人を貴社のホームページまで連れてくる仕組みです。連れてきた先で何が起きるかは、広告ではなくホームページの側で決まります。着いたページで答えが見つからなければ、人は戻るボタンを押します。そして、連れてくるたびに費用がかかるのが広告です。

この記事では、検索広告やSNS広告を出す前に、ホームページの側で整えておくことを順番に並べます。広告の設定の細かい話はしません。

この記事で書くこと

  • 広告から来る人は、どんな状態で着くのか
  • 着くページを決める ― トップに飛ばさない理由
  • 着いたページで答えておくこと
  • 問い合わせの入口と、数えられるかどうかの確かめ方
  • 表示速度、文言の揃え方、少額で試すという考え方

2. 広告が連れてくるのは、まだ決めていない人

最初に、広告から来る人がどんな状態で着くのかを確かめておきます。ここが分かると、整える場所が見えてきます。

広告は入口を増やすだけで、中身は変えない

当たり前のことですが、広告を出してもホームページの中身は変わりません。今のサイトで問い合わせにつながっていないなら、広告で人を増やしても、つながらない人が増えるだけということが起こります。

逆に言えば、今のサイトに少しでも問い合わせが来ているなら、広告で人を増やす意味があります。広告を出す前に、まず今のサイトがどれくらい問い合わせにつながっているかを確かめてください。その数え方は第6章で書きます。

検索広告とSNS広告で、来る人の温度が違う

ひとくちにネット広告と言っても、来る人の状態はかなり違います。

  • 検索広告 ― 自分で言葉を入れて探している人です。困りごとがはっきりしていて、比べる段階に入っています
  • SNS広告 ― 別のものを見ている途中で、たまたま目に入った人です。まだ探してもいないことが多いです

検索から来た人は、答えをすぐに探します。SNSから来た人は、まず「自分に関係あるか」を確かめます。同じページに着いても、読み方が違うのです。ですから、どちらの広告を出すかによって、着くページの作り方も少し変わります。

来た人は、ほかの会社とも比べている

広告から来た人は、貴社だけを見ているわけではありません。読む時間は短く、合わなければすぐ次へ移ります。この前提で、着くページを整えていきます。着くページを、ホームページとは別のLPにするかどうかの判断は ホームページとは別に、LP(ランディングページ)を作るべきか に書きました。

3. 着くページを決める ― トップに飛ばさない

広告を出すときに最初に決めるのは、広告を押した人をどのページに着かせるかです。ここでいちばん多いのが、トップページに飛ばしている形です。

トップページは、誰にでも向けたページ

トップページは、初めて貴社を知った人が、全体を見渡すためのページです。事業が3つあれば3つとも並び、会社の紹介や採用の案内も入っています。

広告を押した人は、広告に書いてあった1つのことの続きを読みに来ています。トップに着くと、その続きがどこにあるのかを自分で探すことになります。探してまで読む人は多くありません。名刺やチラシのQRコードをトップに飛ばすと迷うのと同じ構造で、名刺・チラシ・看板のQRコードは、どのページに飛ばすか で書いたことが、そのまま広告にも当てはまります。

広告1本につき、着くページを1つ決める

考え方は単純です。広告で約束したことの答えが書いてあるページに、直接着かせます。

たとえば、外壁塗装と屋根の修理の両方を受けている会社が「屋根の修理」の広告を出すなら、着くのは屋根の修理のページです。外壁と屋根が混ざったページではありません。広告を2本出すなら、着くページも2つ用意します。

既存のページを使うか、広告用のページを作るか

着くページは、既存のサービスページで足りることもあります。判断の目安はこうです。

  • 既存のページで足りる場合 ― 広告で伝えたいことが、そのページの最初の画面に書いてある
  • 広告用のページを作る場合 ― 期間限定の案内を出したい、対象を絞った広告を出したい、既存のページでは話が広すぎる

広告用のページを作るときも、貴社のホームページの中に置いてください。会社概要や実績のページへすぐ移れるようにしておくと、広告で初めて知った人が「どんな会社か」を確かめられます。広告を止めたあとも、ページはサイトの中に資産として残ります。

4. 着いたページで答えておくこと

着くページが決まったら、そのページに何を書いておくかです。広告から来た人は、最初の画面で「自分に関係あるか」「頼めそうか」を判断します。

最初の画面で答える3つ

最初の画面、つまりスマートフォンで開いて指を動かす前に見える範囲には、次の3つを置きます。

  • 広告と同じ言葉の見出し ― 押した広告の続きだと、一目で分かるように
  • 誰の、何の困りごとに応えるのか ― 対象とする人や地域、扱う内容
  • 次に何をすればいいか ― 問い合わせ、電話、見積もり依頼などのボタン

広告と見出しの言葉が違うと、押した人は「違うページに来たかもしれない」と感じます。ここは第7章でもう一度書きます。

下に読み進めた人が知りたいこと

最初の画面で関係があると思った人は、下へ読み進めます。そこで知りたいのは、頼む前の心配ごとへの答えです。

図:広告から着くページを、上から順に組む(例は架空)
① 見出しと、最初のボタン

広告と同じ言葉の見出しを置き、すぐ下にボタンを1つ置きます。すでに決めて来た人は、ここで連絡できます。

たとえば広告が「雨漏りの点検、神戸市北区は当日伺います」なら、見出しも同じ言葉にする
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② 何をしてくれるのか

頼んだら何が起きるのかを、手順で書きます。点検だけなのか、修理まで含むのか。範囲を先に示します。

たとえば「点検 → 写真つきでご報告 → 修理が必要な場合だけお見積もり」
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③ 料金の目安と、対応する範囲

金額の目安、対応する地域、日数。比べている人は、ここが分からないと次の会社へ移ります。

金額が出しにくい業種でも、「どう決まるか」は書けます
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④ 頼んで大丈夫かが分かる材料

実績の写真、資格や許可、会社の所在地。広告で初めて知った人ほど、ここを見ます。

実績ページや会社概要へのリンクを添えて、確かめたい人が移れるようにする
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⑤ もう一度、問い合わせの入口

読み終えた人が、上まで戻らずに連絡できるようにします。ボタンの下に、返信の目安を一文添えます。

ここが無いと、読み終えて決めた人が、ボタンを探して上まで戻ることになります

①で関係があると分かり、②〜④で心配ごとが消え、⑤で連絡する。この順番で並んでいれば、ページの長さは問題になりません。広告で約束したことの答えが、①のすぐ近くにあることがいちばん大事です。中身は、貴社の実際の仕事で書いてください。

書いていないことは、無いと受け取られる

広告から来た人は、問い合わせて聞くより先に、ページの中で答えを探します。ページに書いていないことは、「この会社ではやっていない」と受け取られることがあります。

対応地域が無ければ、遠い人は無理だと思って帰ります。料金の目安が無ければ、高いのだろうと思って帰ります。どちらも、実際には頼めたかもしれない人です。広告を出す前に、着くページを一度読み返して、聞かれることが多い質問への答えが入っているかを確かめてください。

5. 問い合わせの入口を、広告から来た人に合わせる

ページの中身が整ったら、問い合わせの入口です。ボタン、フォーム、電話。ここで止まると、ページで関心を持ってもらった意味がなくなります。

ボタンは、押したあと何が起きるかが分かる言葉に

「お問い合わせはこちら」より、「点検の日程を相談する」「見積もりを依頼する」のように、押したあと何が起きるかが分かる言葉のほうが押されやすくなります。ボタンの言葉と置き場所の決め方は 「お問い合わせはこちら」のボタンを、何と書き、どこに置くか に詳しく書きました。

SNSから来る人には、軽い入口も用意する

第2章で書いたとおり、SNS広告から来る人は、まだ探し始めてもいないことがあります。いきなり「見積もり依頼」は重すぎます。

この場合は、軽い入口を1つ添えておくと、取りこぼしが減ります。たとえば「まずは料金表を見る」「施工例を見る」のように、連絡しなくても次へ進める道です。いきなり連絡しない人にも、貴社のことを知ってもらう時間ができます。

フォームの項目を、もう一度減らす

広告から来た人は、貴社のことをまだよく知りません。知らない会社のフォームに、たくさんの項目を書く人は少ないです。

広告を出す前に、フォームの項目を見直してください。最初の連絡で本当に必要なのは、名前と連絡先と用件くらいのことが多いです。住所や予算、詳しい状況は、返信のやりとりの中で聞けます。

フォームのスパム対策を入れる場合は、人が操作しているかを確かめる仕組み(Turnstile や reCAPTCHA など)を使ってください。見た目に分からない仕掛けで弾く方法は、ブラウザの自動入力と重なって、本物の問い合わせまで弾いてしまうことがあります。

広告を出す期間は、返す人を決めておく

広告を出すと、問い合わせが来る時間帯や件数が変わることがあります。返信が遅れると、その間に相手はほかの会社へ連絡します。広告を出す期間は、誰が、いつまでに返すかを社内で決めておいてください。電話を案内するなら、受けられる時間をページに書いておきます。

6. 計測の準備 ― 問い合わせを数えられるか

広告を出す前に、ここだけは先に確かめておいてください。広告から来た人が問い合わせたかどうかを、数えられる状態になっているかです。冒頭の「どちらが悪かったのか分からない」は、ここが抜けていると起きます。

クリックの数と、問い合わせの数は違う

広告の管理画面には、表示された回数や押された回数が出ます。ただ、それは広告の数字です。押した人がそのあと問い合わせたかどうかは、ホームページの側で数えないと分かりません。

クリックはあったのに問い合わせが無い、という状態が分かれば、直す場所は着くページの側だと見当がつきます。クリック自体が少なければ、広告の言葉や出し方の側です。数えられないと、この切り分けができません。

送信後のページを分けて、GA4で数える

いちばん手堅いのは、フォームを送った人だけが着く「送信完了のページ」を、独立したページにしておくことです。そのページが表示された回数を、GA4で数えます。

フォームによっては、送信しても同じページに「送信しました」と出るだけで、数えにくい作りになっています。広告を出す前に、自分で一度フォームを送って、完了のページが別のURLで出るかを確かめてください。数える仕組みの全体は ホームページを作ったあと、何を測ればいいか にまとめてあります。

広告ごとに、URLに印をつける

広告を2本以上出す場合や、紙のチラシと並行する場合は、どの広告から来たかが分かるように、着くページのURLの後ろに印をつけます。考え方はQRコードで紙ごとに印をつけるのと同じです。印のつけ方は、社内で1つの決まりにしておくと、あとで並べて見られます。

なお、広告の媒体が用意している計測の仕組みをサイトに入れる場合は、プライバシーポリシーにその旨を書いておく必要が出ることがあります。書き方は ホームページのプライバシーポリシーに、何を書くか にまとめました。業種や扱う情報によって違うので、所管の窓口や専門家にも確認してください。

電話と、広告を出す前の数字

電話の問い合わせは、ホームページの側では数えにくいものです。受けた人が「何をご覧になってお電話を」と一言聞いて、メモに残すだけでも、ずいぶん違います。

もう1つ、広告を出す前の月の問い合わせ件数を、書き留めておいてください。比べる元が無いと、広告を出したあとに増えたのか減ったのかが言えません。あわせて、サーチコンソールで今どんな言葉で検索に表示されているかを見ておくと、検索広告でどの言葉を選ぶかの材料になります。見方は サーチコンソールを入れたあと、最初に見る画面 に書きました。

7. 表示速度・文言の一致・少額で試す

残りは3つです。どれも、広告を出してから気づくと費用が先に出ていくものです。

表示が遅いと、着く前に帰られる

広告から来る人の多くは、スマートフォンで、移動中や休憩中に開きます。ページが表示されるまで待ってくれる時間は短いと考えてください。表示される前に閉じられても、広告の費用はかかっています。

重くなる原因の多くは、大きいままの写真です。着くページの写真を見直し、埋め込みを減らすだけで変わることがあります。測り方と直す順番は ホームページが重いと言われたときに、まず見るところ にまとめました。広告を出す前に、着くページだけでも一度測っておくと安心です。

広告の文言とページの中身を揃える

広告に書いた言葉と、着くページに書いてある言葉を揃えます。とくに気をつけるのは次の3つです。

  • 見出しの言葉 ― 広告の言葉と、ページの最初の見出しを同じにする
  • 料金や期間の条件 ― 広告に書いた金額や期限が、ページにも同じ形で書いてある
  • 終わったときの扱い ― 期間限定の案内が終わったら、広告とページの両方を同じ日に直す

広告とページで条件が違うと、読む人は「どちらが本当か」と疑います。さらに、広告には媒体ごとに審査があり、広告の文言だけでなく、着くページの中身が見られることもあります。業種によっては、表現や扱いに決まりがある場合もあります。細かな基準は媒体や業種によって違うので、出す前にその媒体の案内を確かめ、必要に応じて所管の窓口や専門家に確認してください。

少額で、区切って試す

最初から大きな金額で長く出す必要はありません。金額と期間を区切って、少額で試すのが、中小企業には合っています。そのときに決めておくことは3つです。

  • 何を見て判断するか ― 押された回数ではなく、問い合わせの件数で見る
  • いつ判断するか ― 期間を決めて、その日までは途中で設定を何度も変えない
  • 次に何を変えるか ― 一度に変えるのは1つだけ。広告の言葉か、着くページか

一度に広告もページも変えると、何が効いたのかが分からなくなります。1つずつ変えて、件数で比べてください。広告を止めても、着くページを直した分はサイトに残ります。試した結果が、次の打ち手の材料として手元に残る形にしておくことが大事です。

出す前の点検表

ここまでの話を、広告を出す前に確かめる表にまとめます。

表:ネット広告を出す前に、ホームページで確かめること
確かめること見る場所整っていないと起きること
着くページが決まっているか広告1本ごとの行き先トップに着いた人が、続きを探せずに帰る
最初の画面で答えているかスマートフォンで開いた最初の画面広告の続きだと気づかれない
問い合わせの入口は軽いかボタンの言葉、フォームの項目数関心を持った人が、入力の途中で手を止める
問い合わせを数えられるか送信完了のページ、GA4、URLの印広告とページの、どちらを直すか分からない
表示は遅くないか着くページの写真と埋め込み表示される前に閉じられ、費用だけかかる
広告とページの言葉は揃っているか見出し、料金や期間の条件疑われる。媒体の審査で止まることもある

6つとも、広告を出す前にホームページの側で確かめられることです。全部が揃っていれば、広告の結果が悪かったときにも、どこを直せばいいかが見えます。順番は上からで構いません。

8. 雄喜晃の伴走:広告の着く先を、先に整えます

私たち雄喜晃のホームページ制作では、広告を出すご予定がある場合、広告より先に、着くページの側を整えるところからご一緒します。

私たちがやること

広告で伝えたいことを伺い、着くページを既存のページで足りるか、広告用に作るかを一緒に決めます。最初の画面の見出しを広告の言葉と揃え、料金の目安や対応地域など、聞かれることが多い答えをページに入れます。

問い合わせのボタンの言葉とフォームの項目を見直し、送信完了のページを分けて、GA4で問い合わせを数えられる状態にしてお渡しします。広告ごとにURLへつける印の決まりも、一緒に決めます。写真は、貴社で撮っていただいたものを、表示が重くならない大きさに整えて載せます。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、試した結果を見て見出しやボタンの言葉を変えるときも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

広告を出したあとの問い合わせの件数や、検索の順位をお約束することはしません。結果は、業種や地域、時期によって変わるからです。媒体の審査に通ることを請け合うこともしません。また、広告に払う費用そのものは、ここでご案内している月額には含まれていません。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。

「広告を出す前に、受け皿のほうが大丈夫かを見ておきたい」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:広告より先に、着く先を整える

ネット広告を出す前に、ホームページで整えておくことは、5つです。

  • 着くページを決める ― トップに飛ばさず、広告で約束したことの答えがあるページへ
  • 最初の画面で答える ― 広告と同じ言葉の見出し、誰の何に応えるか、次にすること
  • 入口を軽くする ― 押したあと何が起きるか分かるボタン、減らしたフォーム、返す人
  • 数えられるようにする ― 送信完了のページを分け、広告ごとに印をつけ、出す前の件数を残す
  • 速さと言葉を揃えて、少額で試す ― 1つずつ変えて、件数で比べる

広告は人を連れてくるところまでで、そこから先はホームページの仕事です。着く先が整っていれば、広告の結果が良くても悪くても、次に直す場所が分かります。

今日できることを1つだけ挙げます。自分のスマートフォンで、広告に使いたいページを開いてみてください。最初の画面だけで、何の会社で、何をしてくれて、どうすれば頼めるかが分かるか。分からなければ、そこが広告より先に直す場所です。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。広告の着く先を、読む人が迷わない形に整えるところから、ご一緒します。