1. 「広告を出すなら、LPを作ったほうがいいと言われまして」
中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。
「ネット広告を出してみようと思って相談したら、まずLPを作りましょうと言われたんです。ホームページはもうあるのに、別にもう1つ要るんでしょうか。正直、LPが何なのかもよく分かっていなくて」
この迷いは、とても自然です。LPという言葉は広告の話と一緒に出てくることが多く、作るのが当たり前のように勧められるからです。けれど、どの会社にも要るものではありません。
LPは「ランディングページ」の略です。広告やチラシから人が最初に着地するページ、という意味で使われます。中小企業の現場では、1つのサービスだけを1枚の縦長のページで説明するものを指すことがほとんどです。この記事でも、その意味で使います。
この記事で書くこと
この記事では、LPを別に作るかどうかを、場面ごとに分けて考えます。
- LPとホームページの違い ― 長さではなく、来る人と出口の数で分ける
- LPが向く場面 ― 広告から1つのサービスに集めるとき、期間を区切るとき
- ホームページの1ページで足りる場面 ― 実はこちらのほうが多い
- LPだけでは足りないもの ― 会社の信用をどう補うか
- 行き来・ドメイン・終わったあと ― 作ると決めたあとに決めること
2. LPとホームページは、何が違うのか
まず、違いをはっきりさせておきます。見た目の違いより、役割の違いのほうが大事です。
ホームページは、何度も来る人のための建物
ホームページは、会社全体を説明する場所です。トップ、サービス、会社概要、実績、アクセス、問い合わせ。入口がいくつもあり、読む人が自分で行き先を選びます。
取引を考えている会社の担当者、応募者、昔からのお客様。目的が違う人が、何度も出入りします。
LPは、1つの用件のための1枚
LPは、1つのサービスについて、1つの行動をしてもらうためのページです。読む順番は作る側が決めます。上から下へ読み進めると、最後に「申し込む」「見積もりを頼む」のボタンがあります。
LPには、上のメニューを置かないことがよくあります。ほかのページへ移ると、用件から外れてしまうからです。出口を1つに絞るのが、LPの考え方です。
違いは、来る人が何を知っているか
いちばんの違いは、ここです。ホームページに来る人は、社名や地域名で探して来ることが多く、会社のことを少し知っているか、知ろうとしています。
広告から来る人は違います。会社のことは知りません。広告に書かれた1つの用件にだけ興味を持って、押しただけです。だから、着いたページはその用件の話から始まっていないと、すぐに閉じられます。LPが1つのことだけを書くのは、この人たちに合わせた形だからです。
3. LPが向く場面
では、どんなときにLPを別に作る意味があるのか。向いている場面は、だいたい次の4つです。
広告から、1つのサービスに人を集めるとき
いちばん多いのがこれです。たとえば、普段は工事全般を受けている会社が、「外壁の塗り替え」だけを広告で打ち出す場合です。
広告を押した人がトップページに着くと、外壁の話を探してメニューをたどることになります。探す手間がかかった時点で、多くの人は戻ってしまいます。広告に書いたことと同じ話から始まるページに着地させる。これがLPのいちばん素直な使い方です。
期間を区切った企画のとき
説明会、見学会、季節の企画、期間限定の割引。始まりと終わりがあるものは、LPと相性がいい場面です。
期間中だけ必要な説明を、ホームページの常設のページに混ぜると、終わったあとに消し忘れが起きます。1枚に分けておけば、終わる日の作業はそのページの切り替えだけで済みます。期間限定の案内の書き方そのものは キャンペーンや期間限定の割引を、ホームページにどう載せるか にまとめました。
チラシや展示会など、特定の入口から来る人に向けるとき
チラシのQRコード、展示会で配った資料、特定の業種向けのダイレクトメール。読む人が決まっている入口からは、その人たちに向けた1枚に着地させると話が早くなります。
トップは誰が来てもいいように作ってあるぶん、特定の人には少し遠回りです。
新しいサービスの反応を、先に見たいとき
まだホームページに載せるほど固まっていないサービスを、小さく試したい場合もあります。1枚だけ作って、広告で少し人を呼び、反応を見る。反応がよければホームページに正式に載せ、なければ閉じる。
本体の構成を崩さずに済みますが、試したあとの扱いを決めておかないと、試しのLPが何年も残ります。これは第7章で書きます。
4. ホームページの1ページで足りる場面
ここからが、あまり言われない話です。LPを別に作らなくても、ホームページの中のサービスのページで十分に足りる場面は少なくありません。
サービスのページが、すでに用件から始まっているなら
広告の行き先は、ホームページの中のページでも構いません。トップである必要はありません。外壁の広告なら、外壁のサービスのページに着地させればいいのです。
そのページが「何を・誰に・いくらで・どう進むか」の順で書かれていて、最後に問い合わせの入口があるなら、それはもうLPとほとんど同じ働きをしています。サービスのページの組み立て方は サービス紹介のページは、どの順番で書けばいいか に書きました。
中身が同じなら、2つ持つと食い違う
LPとサービスのページで、同じサービスを説明している状態を考えてください。料金を変えたとき、条件を変えたとき、2か所を直さないといけません。
片方だけ直して、もう片方に古い料金が残る。これはとてもよく起きます。広告から来た人と、検索から来た人とで、違う金額を見ることになります。中身が同じなら、ページは1つのほうが安全です。
広告を少しだけ、短く試すなら
広告の予算が小さく、期間も短いなら、LPを作る手間と費用のほうが重くなることがあります。まずはサービスのページを広告の行き先にして、出してみる。足りないと分かってから、LPを考えても遅くありません。
ホームページそのものをまだ持っていない会社なら、話は逆になります。LPより先に、会社を説明する1ページを用意するほうが先です。1ページから始める考え方は 1ページから始めて、あとから増やす進め方 にまとめました。
| 場面 | 向いている形 | そう考える理由 |
|---|---|---|
| たとえば、外壁の塗り替えだけを広告で打ち出す | 外壁のサービスのページが整っていればそのページで足りる。無ければLPを作る | 大事なのは、広告と同じ話から始まるページに着くこと。それがホームページの中にあれば、別に作る必要はない |
| たとえば、秋の見学会を1ヶ月だけ告知する | LP(期間限定の1枚) | 終わる日が決まっている。常設のページに混ぜると、終わったあとに消し忘れが残る |
| たとえば、新しいサービスを小さく試す | LP。反応を見て、残すか閉じるかを決める | 本体の構成を崩さずに試せる。ただし、試したあとの扱いを先に決めておく |
| たとえば、会社全体の紹介を広告で出したい | LPは向かない。トップか会社概要で受ける | 用件が1つに絞れないものは、1枚の縦長に向かない。何でも書くLPは、ただの長いページになる |
| たとえば、同じサービスをLPとサービスのページの両方で説明している | どちらか1つに寄せる | 料金や条件を変えるたびに2か所を直すことになり、片方が古いまま残りやすい |
分かれ目は「1つの用件に絞れるか」と「終わりがあるか」の2つです。用件が1つで、終わりがあるならLP。用件が1つでも、ずっと続くならサービスのページで受けるほうが、あとの手間が少なくなります。
5. LPだけでは、会社の信用を伝えきれない
LPを作ると決めた場合に、いちばん見落とされるのがここです。
読む人は、LPを読んだあとに社名で調べる
広告から来た人は、LPを読んで興味を持っても、すぐには申し込みません。多くの人は、一度ページを閉じて、社名で検索します。どこにある会社か、ちゃんとした会社か、ほかの人はどう言っているか。
このとき、ホームページが見つからない、あるいは何年も前のまま止まっていると、そこで話が終わります。LPは「申し込む理由」は伝えられますが、「この会社に頼んで大丈夫か」までは伝えきれません。1枚の中で売り込みの話をしている以上、どうしても宣伝として読まれるからです。
LPの中に、最低限置いておく材料
だからといって、LPに会社案内を全部入れると、1つの用件に絞った意味がなくなります。置くのは、確かめるための材料だけです。
- 会社名と所在地 ― ページの下に、略さず正式な名前で
- 電話番号と受付時間 ― 問い合わせのボタンとは別に、声で確かめたい人のために
- 代表者や担当者の名前 ― 顔写真があれば、なおよい
- このサービスの実績を少し ― 全部ではなく、用件に合うものを2〜3件
- 運営している会社のホームページへの入口 ― 「運営会社について」の1行で足ります
最後の1行が大事です。確かめたい人が、検索し直さなくても会社のことを見に行けるようにしておきます。
載せないといけない表示があるかは、業種で違う
LPで申し込みや支払いまで受ける場合、業種や売り方によっては、販売する側の情報などをページに載せないといけないことがあります。何が要るかは業種や取引の形によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。
また、LPは目を引く言葉を並べたくなるページです。根拠のない「地域No.1」や、事実でない「残りわずか」で急がせる書き方は、表示のルールの上で問題になることがあります。信用を補うためのページで信用を落とさないよう、書く言葉は事実に寄せてください。
6. LPとホームページの行き来を決める
LPとホームページの両方を持つなら、2つのあいだをどう行き来させるかを決めておきます。
LPからホームページへ:会社を確かめる道を1本だけ
LPからホームページへのリンクは、会社を確かめるための1本にとどめます。ページの下のほうに、会社名と並べて「運営会社について」と置く形がよく使われます。
メニューを丸ごと置くと、読む人は用件から外れて、ほかのページをさまよいます。かといって1本も無いと、確かめる道がなくなります。迷わせないことと、閉じ込めないことの間を取るのが、この1本の役目です。
ホームページからLPへ:入口を置くかどうか
逆向きの道もあります。期間限定の企画なら、トップやお知らせから入口を置いて構いません。ホームページを見に来た人にも知ってほしいからです。
一方で、広告で反応を見るために作ったLPは、ホームページからは入口を置かないという選び方もあります。広告から来た人の動きだけを見たいとき、ほかの入口から人が混ざると、反応が読みにくくなるからです。
料金と条件を、2つで揃える
両方に同じサービスの料金や条件が出てくるなら、必ず同じ数字にしてください。広告から来た人は、LPを読んだあとにホームページも見ます。そこで金額が違えば、どちらを信じればいいか分からなくなります。広告を出す前にページ側で整えておくことは ネット広告を出す前に、ホームページで整えておくこと にまとめました。
料金を変えたときに直す場所の一覧に、LPを入れておく。これだけで、食い違いはかなり防げます。
たとえば「外壁の塗り替え、現地調査は無料です」という広告。この時点では、会社のことは何も知りません。興味があるのは、広告に書いてある1つの用件だけです。
広告と同じ話から始まっているので、読み進めます。料金の目安、進み方、実績を見て、自分の家に当てはまるかを考えます。
LPの下の「運営会社について」から、または社名で検索して、ホームページを開きます。所在地、会社概要、ほかの実績を見ます。LPと料金や条件が同じかも、ここで目に入ります。
ホームページで安心した人は、LPに戻って申し込むか、ホームページの問い合わせから連絡します。
LPは②を担い、ホームページは③を担います。片方だけでは、申し込みまでの道がつながりません。LPを作るときは、③で開かれるページが今の会社の姿になっているかを、同じ日に見直してください。
どこから来た申し込みかを、分かるようにしておく
最後に、問い合わせの受け方です。LPとホームページで別々のフォームを作る必要はありませんが、どちらから来た申し込みかは分かるようにしておいてください。フォームの中に「どこでお知りになりましたか」の欄を置く、受け取るメールの件名を分けるなど、やり方はいくつかあります。
これが分からないと、広告を続けるか止めるかの判断ができません。
7. ドメインを分けるか、終わったLPをどうするか
作る前に決めておきたいことが、あと2つあります。どこに置くかと、終わったらどうするかです。
置き場所は、ホームページと同じドメインの下が基本
LPのために、新しいドメインを取ることもできます。けれど中小企業の場合、ホームページと同じドメインの下に置くほうが、たいていは無理がありません。たとえば、ホームページのアドレスの後ろに「/gaiheki/」のように足す形です。
理由は3つあります。
- 会社と結びつく ― アドレスを見ただけで、どの会社のページか分かります。知らないドメインのページは、それだけで警戒されます
- 管理するものが増えない ― ドメインごとに、更新の期限と費用と担当者がつきます。LPのたびに増えると、どれかの更新を忘れます
- 終わったあとに困らない ― 使い終わったドメインを手放すと、別の誰かが取って、まったく違うサイトを置くことがあります。古いチラシや広告の画面から、その知らないサイトに人が流れます
ドメインを分けるのが自然なのは、事業そのものが別で、別の名前で育てていく場合です。1つの企画や1つの広告のためなら、分けないほうが後が楽です。
終わったLPは、消さずに「終了しました」にする
期間限定の企画や試しの広告が終わったら、LPをどうするか。すぐに消すのは、おすすめしません。
広告を止めても、配り終えたチラシや、誰かに転送されたURLから、しばらく人が来ます。そこで「ページが見つかりません」が出ると、会社ごとなくなったのかと思われることがあります。
終わったLPには、ページの一番上に次の3つを書いて残します。
- 終わったこと ― 「この企画は〇月〇日で終了しました」
- 今の案内 ― 「現在のサービスと料金は、こちらのページでご覧いただけます」
- 次があるなら、その予定 ― 「次回は決まりしだい、お知らせでご案内します」
同時に、広告が本当に止まっているかも確かめてください。終わった企画の広告が、費用をかけたまま出続けていることは珍しくありません。
しばらくしたら、残すか消すかを決める
終了の表示で残したLPも、何年も置いておく必要はありません。今もそのページに人が来ているか、ほかのページや外のサイトからリンクされているか。こうした点を見て、残すか消すかを決めます。消す場合は、関連するページへ案内が出るようにしておきます。
判断の仕方は、終わったサービスのページと同じです。古くなったページを、消すか・残すか・直すか の3つの問いで分けてください。
LPは作る日より、終わる日のほうに手間がかかるページです。いつ終わるか、終わったら誰が切り替えるか。この2つは、作る前に紙に書いておいてください。
8. 雄喜晃の伴走:LPを作るかどうかから、一緒に決めます
私たち雄喜晃は、「LPを作りましょう」から話を始めることはしません。まず、広告やチラシから来た人を、今のホームページのどのページで受けられるかを一緒に見ます。
私たちがやること
広告やチラシの中身を伺い、着地させるページを決めます。今のサービスのページで受けられるなら、広告と同じ話から始まるように、そのページを直します。期間限定の企画などで1枚を分けたほうがよいと判断した場合は、ホームページと同じドメインの下に置く形でご提案します。
LPを置く場合は、会社を確かめに来た人の行き先になるページも同じ日に見直します。会社概要、所在地、実績が今の会社の姿になっているか。料金と条件がLPと同じか。企画が終わったときの「終了しました」への切り替えも、更新の作業としてお受けします。
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、企画の終了表示への切り替えや、料金を変えたときの書き換えも、ご連絡いただければこちらで反映します。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
根拠のない「No.1」や、事実でない「残りわずか」のような言葉で、ページを飾ることはしません。企画のたびに新しいドメインを取って、LPを増やしていく進め方もお勧めしていません。管理するものが増えて、終わったあとに困るからです。
また、LPを作れば問い合わせが増える、とお約束することもしません。増えるかどうかは、広告の中身とサービスそのものにもよるからです。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せる形になります。
「広告を出すならLPが要ると言われたけれど、本当に要るのか分からない」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。
9. まとめ:1つの用件で、終わりがあるならLP
ホームページとは別にLPを作るかどうかを決めるときに押さえることは、5つです。
- 違いは長さではなく、来る人 ― 広告から来る人は会社を知らない。用件の話から始まるページに着地させる
- LPが向くのは、用件が1つで終わりがあるとき ― 広告で1つのサービスに集める、期間限定の企画、小さく試す
- ずっと続くサービスなら、サービスのページで受ける ― 同じ中身を2か所に持つと、料金や条件が食い違う
- LPだけでは信用を伝えきれない ― 会社名・所在地・電話番号を置き、ホームページへの道を1本つなぐ
- 置き場所は同じドメインの下、終わったら「終了しました」 ― 終わる日の作業を、作る前に決める
LPは便利な形ですが、作ること自体が目的になると、管理するページが増えるだけになります。先に、広告から来た人を今のホームページのどこで受けられるかを見てください。
今日できることを1つだけ挙げます。出そうとしている広告の文言と、今のサービスのページを並べて見比べてみてください。広告と同じ話から始まっていれば、LPを作らなくても受けられるかもしれません。
ぜひ一度、お話を聞かせてください。広告から来た人をどこで受けるかを決めるところから、ご一緒します。