1. 「いちばん下は、どこの会社も同じようなものですよね」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「ページのいちばん下って、社名と住所を入れておけばいいんですよね。どこのサイトも似たような感じなので、正直あまり考えたことがなくて」

ページのいちばん下の帯を、制作の現場ではフッターと呼びます。たしかに、どの会社のサイトにもあって、見た目も似ています。そのせいか、作るときにいちばん考えられていない場所でもあります。

ただ、フッターは、偶然たどり着く場所ではありません。電話番号や住所を探して、わざわざ指でいちばん下まで送ってくる人がいる場所です。上から順に読んで最後に着く人より、目的を持って飛んでくる人のほうが多いくらいです。探しに来た人が、探しているものをすぐ見つけられるか。フッターの出来は、そこで決まります。

この記事で書くこと

  • フッターを見に来る人が、何を探しているか
  • 置くものの優先順と、置かなくてよいもの
  • メニューの項目を、全部並べるかどうか
  • スマートフォンで、長くなりすぎない並べ方
  • 会社の情報の表記を、全ページで揃えること
  • コピーライトの年、最終更新、SNS、複数の拠点
  • よくある失敗と、点検の手順

上に並ぶメニューに何を出し、何をフッターに回すかは ホームページのメニューに、何をどの順で並べるか に書きました。この記事では、回ってきたものを含めて、フッターそのものをどう組むかを扱います。

2. いちばん下を見に来る人は、何を探しているか

先に、フッターを見る人の頭の中を分けておきます。だいたい4種類です。

連絡先を探しに来る人

いちばん多いのがこの人です。サイトを見て「電話してみよう」と思ったとき、多くの人は上のメニューより先に、ページのいちばん下まで指で送ります。連絡先は下にあるもの、という慣れがあるからです。

この人が探しているのは、電話番号と、今かけてつながるかどうかです。番号だけで受付時間が書いていないと、夜や休日に見た人は、かけていいのか迷います。

会社の正体を確かめに来る人

取引を始める前の法人の担当者や、初めて頼む個人のお客様は、この会社が実在して、どこにあるのかを確かめます。見るのは、正式な会社名と住所です。

ここで「〇〇工務店」という呼び名しか書いていないと、正式な社名が分からず、確かめる人が少し不安になります。名刺や見積書の社名と同じものが、いちばん下にあることが大事です。

決まりごとを確かめに来る人

問い合わせフォームに名前や電話番号を書く前に、その情報をどう扱う会社なのかを確かめる人がいます。探しているのは、プライバシーポリシーへのリンクです。

フォームのそばにも置いておくのが基本ですが、フッターにもあると、どのページからでも確かめられます。書く中身については ホームページのプライバシーポリシーに、何を書くか にまとめました。

読み終えて、次の行き先を探す人

最後は、ページを最後まで読んだ人です。読み終えたところで、上に戻らずに次のページへ移れるか。フッターに主なページへの入口があれば、その人はサイトの中にとどまります。

4種類のうち3つは「探しに来る人」です。フッターは、探しものがすぐ見つかる場所として組みます。

3. 置くものの優先順と、置かなくてよいもの

探しに来る人が多いと分かると、置くものの順番も決まってきます。表にまとめます。

表:フッターに置くものの優先順(例は架空の会社)
置くもの優先度書き方の例と注意
正式な会社名まず置くたとえば「株式会社〇〇工務店」。名刺・見積書と1文字まで同じにする
住所まず置く郵便番号から建物名まで。店舗なら、地図のページへの入口を横に
電話番号と受付時間まず置くたとえば「000-000-0000(平日9時〜18時)」。スマートフォンで押せばかかる形に
営業時間・定休日まず置く来店のある商売なら必須。受付時間と違う場合は分けて書く
問い合わせの入口まず置くフォームへのリンクを1つ。電話のすぐ近くに置く
プライバシーポリシーまず置くフォームがあるなら置く。いちばん下の小さな行でよい
主なページへのリンクできれば置くメニューと同じ名前で。細かいページまで全部は並べない
SNSのアイコンできれば置く今も動いているアカウントだけ
長い会社紹介・キャッチコピーの繰り返し置かなくてよい探しに来た人の目を、連絡先から遠ざける
取引先のロゴの羅列・広告の画像置かなくてよいフッターが長くなり、電話番号が埋もれる

上の6つは、探しに来た人が見つけられないと困るものです。迷ったら、「これが無いと、探しに来た人が困るか」で決めてください。困らないものは、ほかのページに置けば足ります。

電話番号は、文字で、押せる形に

電話番号は、画像ではなく文字で置きます。画像の番号は、スマートフォンで押してもかからず、書き写すしかありません。押せばそのまま発信の画面が出る形にしておいてください。

携帯電話の番号しかない場合に、それをどう載せるかは ホームページに、携帯電話の番号を載せるかどうか で詳しく扱いました。どの番号を出すにしても、受付時間は番号のすぐ横に書きます。

許認可の番号は、業種によって

建設業や不動産業、運送業のように許可や登録が要る業種では、許可番号をフッターや会社概要に書いている会社が多くあります。通販をしているなら、販売に関する表記のページへの入口も、フッターに置かれることが多い場所です。

何をどこまで表示する必要があるかは、業種によって違います。所管の窓口や専門家に確認してから、置く場所を決めてください。

置かなくてよいものを、置かない

フッターは全ページに出るので、載せたいものを何でも足していく場所になりがちです。紹介文、キャッチコピー、取引先のロゴ、キャンペーンの画像。足すたびに長くなり、いちばん探される電話番号が下へ押しやられます。探しに来る人がいないものは、会社案内やトップページに回してください。

4. メニューの項目を、全部並べるかどうか

フッターには、サイトのページへの入口を並べることが多くあります。全部並べるか、絞るか。ここは、ページの数で決めます。

ページが少ないなら、主なページを全部

ページが10前後までなら、メニューに出しているページを全部並べて構いません。上のメニューと同じ名前、同じ順番にしておくと、読む人が迷いません。上では「施工事例」、下では「実績紹介」となっていると、別のページがあるのかと思われます。

ページが多いなら、分類の名前だけ

ページが数十ある場合、全部を並べるとフッターが長くなりすぎます。この場合は、分類の名前と、その下の主なページだけに絞ります。たとえば「サービス」の下に代表的な3つだけを並べ、残りはサービスの一覧ページから探してもらいます。

全ページの一覧が要るなら、一覧のページを別に作り、フッターにはその入口を1つ置きます。

お客様向けと、決まりごとを分ける

並べ方にも一工夫あります。お客様が使うページと、決まりごとのページを、段を分けて置きます。

  • 上の段 ― サービス、料金、事例、会社案内、問い合わせ。お客様が次に読むページ
  • いちばん下の細い段 ― プライバシーポリシー、利用規約、販売に関する表記、コピーライトの一行

決まりごとのページは、探す人だけが見つけられれば十分です。文字は小さめでも構いませんが、読めないほど小さくはしないでください。

5. スマートフォンで、長くなりすぎない

パソコンで見ると収まりのいいフッターが、スマートフォンでは長い行列になっていることがあります。ここは、作る側が見落としやすいところです。

横に並んだものが、縦に積まれる

パソコンでは、会社の情報・ページの一覧・SNS・決まりごとが、横に4列で並んでいることがよくあります。スマートフォンでは、この4列が縦に1列ずつ積み重なります。

すると、フッターだけで何画面分も指で送ることになります。電話番号を探しに来た人が、ページの一覧を延々と送った先で、ようやく番号を見つける。これでは、探しに来た人のためのフッターになっていません。

積む順番を、スマートフォン用に決める

対処は、スマートフォンで積まれる順番を、パソコンとは別に決めておくことです。パソコンで左にあるものが、スマートフォンでも上に来るとは限りません。

図:スマートフォンでフッターを上から積む順番(例は架空)
① 会社名と連絡先

正式な会社名、住所、押せる電話番号と受付時間。探しに来た人が、最初の一画面で見つけられる位置に置きます。

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② 問い合わせの入口

電話に出られない時間でも連絡できるように、フォームへの入口を1つ。電話のすぐ下に置きます。

▼
③ 主なページへのリンク

項目が多いなら、分類ごとに開いたり閉じたりできる形にして、初めは閉じておくと短く収まります。

ここが長くなりやすい場所です。並べる数を絞るか、閉じた形にします
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④ SNSと、決まりごと

動いているSNSのアイコン、プライバシーポリシー、コピーライトの一行。いちばん下にまとめます。

パソコンでは横に並んでいても、スマートフォンでは探される順に上から積むように指定できます。作り手に「スマートフォンで積む順番」を別に決めてほしいと伝えてください。

文字の大きさと、押しやすさ

フッターの文字は、本文より小さくされることが多い場所です。小さくするのは構いませんが、電話番号と住所は、本文と同じくらいの大きさにしてください。いちばん読まれる場所の文字が、いちばん小さい、というのは避けたいところです。

リンクが縦に詰まって並んでいると、指で押したときに隣のリンクを押してしまいます。行と行の間に、指1本ぶんくらいの余裕を取ってください。

画面の下に固定したボタンと重ならないか

画面の下に「電話する」などのボタンを固定している場合は、それがフッターのいちばん下の行を隠していないかも確かめてください。最後まで送って、コピーライトの行が読めれば大丈夫です。

6. 会社の情報の表記を、全ページで揃える

フッターは、どのページにも同じものが出ます。そのため、サイトの中でいちばん多く表示される会社の情報でもあります。ここが会社概要や名刺と食い違っていると、読む人はどちらが正しいのか迷います。

よくある食い違い

食い違いは、たいてい小さなところで起きます。

  • 会社名 ― 「株式会社」が前か後ろか、「(株)」と略しているか
  • 住所 ― 「1丁目2番3号」と「1-2-3」、建物名や階数の有無
  • 電話番号 ― ハイフンの位置、代表番号と担当の番号が混ざっている
  • 時間 ― 「9:00〜18:00」と「9時から18時まで」、昼休みの有無

小さな違いでも、比べられるとどちらかが古い情報に見えます。Googleマップとの食い違いも同じです。

正しい情報を、1枚の表にしておく

揃えるいちばんの方法は、会社の情報の正しい書き方を、1枚の表にしておくことです。会社名、住所、電話番号、受付時間、定休日。それぞれ、どう書くかを1つに決めます。

フッター、会社概要、問い合わせのページ、アクセスのページ、Googleマップ、名刺。どれかを直すときは、まずその表を直し、そこから全部を合わせます。表が1枚あれば、担当者が変わっても揃え方が引き継げます。

フッターが、全ページ共通の部品になっているか

もう1つ、作り手に確かめてほしいことがあります。フッターが、全ページで1つの部品として作られているかです。

共通の部品なら、1か所直せば全ページが変わります。ページごとに書き写して作られていると、直し忘れたページに古い情報が残ります。

コピーライトの年は、手入れの印に見られる

フッターのいちばん下にある「© 2019 〇〇株式会社」のような一行。この年を、読む人はこのサイトが最後に手入れされた年のように受け取ることがあります。中身が新しくても、年が古いと止まったサイトに見えます。

直し方は、自動で今年の年になる形にしてもらうか、開設の年から今年までを書く形にするのが一般的です。この一行は慣例として置かれていることが多いものなので、権利の扱いで気になることがあれば、専門家に確認してください。

「最終更新日」は、フッターに出さない

フッターに「最終更新日」を出しているサイトもあります。ただ、フッターは全ページ共通なので、どのページを開いても同じ日付が出ます。1ページだけ直した日付が、何も直していないページにも出ることになり、読む人に誤解を与えます。

日付は、料金や営業時間など、中身の新しさが大事なページの中に、ページごとに出すほうが正確です。どのページに出すかは ホームページに「最終更新日」を出すかどうか にまとめました。

7. SNS・複数の拠点と、よくある失敗

残りの細かい判断と、よくある失敗をまとめます。

SNSのアイコンは、動いているものだけ

フッターは、SNSのアイコンを置く場所として収まりのいいところです。上に置くと、読み始める前にサイトの外へ出ていく人が出ますが、下なら読み終えた人が押します。

ただし、置くのは今も投稿しているアカウントだけにしてください。最後の投稿が何年も前のアカウントにつながると、会社そのものが止まっているように見えます。何を残すかの決め方は ホームページに並んでいるSNSのアイコン、全部使っていますか に書きました。

拠点が複数あるときは、本社と一覧への入口

店舗や営業所が複数ある会社は、全拠点の住所と電話をフッターに並べたくなります。2〜3か所までなら並べても収まりますが、それ以上になると、フッターが拠点一覧になってしまいます。

その場合は、本社の情報と、拠点一覧のページへの入口だけを置きます。お客様は、一覧のページで自分の近くの拠点を選べます。拠点ごとのページの作り方は 店舗や営業所が複数ある会社の、ホームページ にまとめました。

よくある失敗① 古い電話番号が残っている

いちばん困るのが、これです。電話番号を変えたのに、フッターだけ古い番号のままになっている。共通の部品になっていない古いページや、画像に描き込まれた番号で起きやすい失敗です。

古い番号にかけた人は、たいてい二度とかけてきません。番号を変えたら、フッターを含めて全ページを確かめてください。

よくある失敗② リンク切れ

フッターのリンクは、作ったときのまま見直されにくい場所です。移したプライバシーポリシーのページ、やめたSNSのアカウントにつながったまま。どのページにも出るので、1つ切れているだけで全ページに切れたリンクがあることになります。

よくある失敗③ 文字が小さすぎる、薄すぎる

デザインの都合で、フッターの文字が小さく、薄い灰色にされていることがあります。背景が濃い色で、文字がそれに近い色、という組み合わせもよく見ます。屋外でスマートフォンを見ると、ほとんど読めません。電話番号と住所だけは、くっきり読める濃さにしてください。

点検の手順

年に1回、次の順に見てください。スマートフォン1台でできます。

  • いちばん下まで送る ― トップ、サービス、会社概要、問い合わせ。主なページを開いて、それぞれいちばん下まで
  • 電話番号を押す ― 今の番号に発信の画面が出るか
  • 表と見比べる ― 会社名・住所・時間が、正しい情報の表と同じか
  • リンクを全部押す ― プライバシーポリシー、SNS、各ページ。開かないものは直すか外す
  • 屋外で見る ― 日の当たる場所で、電話番号と住所が読めるか

8. 雄喜晃の伴走:フッターは、会社の情報の表から組みます

私たち雄喜晃のホームページ制作では、フッターを、最後に余った場所としては扱いません。最初のお打ち合わせで、会社名・住所・電話番号・受付時間の正しい書き方を伺い、1枚の表にまとめます。フッターも会社概要も、その表から作ります。

私たちがやること

フッターは全ページ共通の部品として作り、1か所直せば全ページが変わるようにします。スマートフォンで積む順番は、連絡先が先に来るように別に決めます。電話番号は押せばかかる形にし、プライバシーポリシーやSNSへのリンクは、公開前に全部押して確かめます。

公開後に電話番号や営業時間が変わったときは、月5回までの更新代行の中で、表とフッターと会社概要をまとめて直します。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

許認可の番号や販売に関する表記を、何をどこまで載せる必要があるか判断することはしません。業種によって違うので、所管の窓口や専門家に確認していただいた内容を、そのとおりに載せます。プライバシーポリシーの文面を、法律の面から保証することもいたしません。

また、フッターを整えることで、検索の順位が上がる、問い合わせが増えるとお約束することもしていません。やるのは、探しに来た人が、探しているものをすぐ見つけられるようにすることです。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「いちばん下に何が書いてあるか、しばらく見ていない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:いちばん下は、探しものが見つかる場所

ホームページのフッターで押さえることは、5つです。

  • 探しに来る人のために組む ― 連絡先、会社の正体、決まりごと。読ませる場所ではなく、見つける場所
  • 置くものに順番をつける ― 会社名・住所・電話と受付時間・問い合わせ・プライバシーポリシーを先に。紹介文やロゴの羅列は置かない
  • メニューはページの数で決める ― 少ないなら全部、多いなら分類だけ。名前は上のメニューと揃える
  • スマートフォンでは連絡先を上に ― 積む順番を別に決め、何画面も続かないようにする
  • 表記は1枚の表から揃える ― フッターを共通の部品にし、古い番号やリンク切れを残さない

フッターは目立たない場所ですが、連絡しようと決めた人が、最後に見る場所でもあります。そこで迷わせないことが、いちばんの役目です。

まずは今日、自社のサイトをスマートフォンで開いて、いちばん下まで送ってみてください。電話番号を押して、今の番号にかかるか。それだけで、直す場所が1つ見つかるかもしれません。