1. 「とりあえず、全部並べておいたんですけど」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「ホームページを作ったときに、SNSのアカウントを全部並べてもらったんです。いま動いているのは1つだけで、あとは何年も触っていないんですけど、外すのも寂しい気がして」

気持ちはよく分かります。アイコンがいくつも並んでいると、発信に力を入れている会社に見えます。作った当時は、どれも続けるつもりで始めたはずです。

ただ、アイコンは飾りではなく入口です。押した人がたどり着く先が、何年も投稿のないアカウントだったら、並べていないときより印象が下がることがあります。アイコンの数が、そのまま「始めて止まったものの数」に見えてしまうからです。

この記事では、ホームページに並んでいるSNSのアイコンを、1つずつ見直す手順を書きます。どのSNSが良いかという話はしません。どれを使うかは、貴社の商売と体制で決まるからです。ここで扱うのは、すでに並んでいるアイコンをどう片付けるかです。

近い記事との分け方

近い話を書いた記事があるので、先に役割を分けておきます。

この記事で書くこと

  • アイコンの先が止まっていると、何が起きるか
  • 使っているものだけを残す決め方
  • アイコンが、自社の正しいアカウントにつながっているかの確かめ方
  • 置く場所は、上より下
  • アイコンに、何が見られるかを一言添える
  • 更新の止まったアカウントの扱い

2. アイコンの先が止まっていると、何が起きるか

アイコンを押すのは、確かめに来た人

ホームページのSNSアイコンを押すのは、どんな人でしょうか。多くは、貴社のことをもう少し知りたい人です。会社の様子、仕事の雰囲気、最近何をしているか。サイトの文章だけでは分からないことを、SNSで確かめようとしています。

押した時点で、その人はかなり貴社に関心を持っています。その人に見せるものが、何年も前で止まった投稿の列になってしまいます。

最後の投稿の日付が、会社の今に見える

SNSを開くと、上のほうに新しい投稿が出ます。その日付が何年も前だと、見た人は「この会社は今も動いているのか」と考えます。

実際には、会社は毎日忙しく動いていて、SNSに手が回っていないだけです。ただ、見た人にはその事情は分かりません。サイトに書いてある営業時間や料金まで、「これも古いのでは」と疑われることがあります。

ページの一番下の年や、お知らせの日付が古いと「今もやっているか」を読まれる、という話は 今日30分でできる、ホームページの小さな直し にも書きました。SNSのアイコンは、その日付をサイトの外で見せている場所です。

アイコンが多いほど、押した人はどれが使われているのかを1つずつ確かめることになります。並んでいる数の多さは、発信の多さとは違います。

3. 使っているものだけを残す

ここから手順です。最初にやるのは、並んでいるアイコンの棚卸しです。

並んでいるアイコンを、全部書き出す

まず、SNSのアイコンを全部書き出します。見る場所は、ページのいちばん上、いちばん下、問い合わせのページ、会社概要、スタッフ紹介、ブログの記事の下あたりです。作ったときに、思っていない場所にも置かれていることがあります。

書き出すのは、どのSNSか、どこに置かれているか、最後の投稿はいつか、今だれがログインできるかの4つです。4つ目が空欄になるアカウントは、このあと特に気をつけるところです。

「使っている」の線を、先に決める

次に、残すか外すかの線を決めます。線は会社によって違ってかまいません。ただ、先に決めておかないと、どれも「一応使っている」に入ってしまいます。

たとえば、こんな決め方があります。

  • 投稿の間隔で決める ― たとえば「最後の投稿から半年以内なら残す」。期間は貴社で決めてください
  • これからの予定で決める ― 今後も投稿する人と、だいたいの頻度が決まっているなら残す
  • 返事をしているかで決める ― メッセージやコメントに、誰かが返事をしているなら残す

いちばん大事なのは2つ目です。過去に続いていたかではなく、これから続ける人がいるかどうかで見てください。担当していた社員が辞めて止まったアカウントは、昔は動いていても、これからは動きません。

迷ったら、「外して困る人がいるか」で決める

線を引いても、迷うものが残ります。そのときは、そのアイコンを外したら、困るお客様がいるかどうかを考えてください。

予約をそのSNSのメッセージで受けているなら、外すと困る人がいます。誰も見ていない、メッセージも来ていないアカウントなら、外しても困る人はいません。

表:並んでいるアイコンの棚卸し(例はすべて架空)
アカウント今の状態判断
たとえば写真が中心のSNS現場の写真を、担当者が月に数回投稿している。メッセージにも返事をしている残す。ページの下に置き、何が見られるかを一言添える
たとえば短い文章が中心のSNS開設した年に数件投稿したきり。ログインできる人がいないアイコンは外す。ログインの手段を探し、戻れば案内を書くか閉じる
たとえば動画のSNS数年前に、会社紹介の動画を1本だけ上げたアイコンは外す。動画のことは会社概要のページに、文章とリンクで残す
たとえばメッセージアプリの公式アカウント予約の受付に使っている。投稿は少ない残す。アイコンを並べるのではなく、問い合わせの近くに「予約はこちら」と言葉で置く

判断の基準は、投稿の多さではなくこれから誰が続けるか、外して困る人がいるかです。表のSNSの種類は例で、どれが良いという意味ではありません。

1つも残らなくても、困らない

残るアカウントが1つもない、ということもあります。それでかまいません。サイトそのものに、会社のこと、仕事のこと、連絡の方法が書いてあれば、確かめに来た人の用は足ります。SNSは、続けられる体制ができたときに始めて、そのときアイコンを足せば十分です。

4. アイコンが、自社の正しいアカウントにつながっているか確かめる

全部、自分で押してみる

確かめ方は単純で、サイトに並んでいるアイコンを、全部自分で押してみることです。パソコンとスマートフォンの両方で、貴社のアカウントが開くかを見ます。

ページのいちばん上といちばん下に同じアイコンがある場合も、両方押します。片方だけ直して、もう片方が古いままということがよくあるからです。

よくある、つながり違い

押してみると、こんなずれが見つかることがあります。

  • SNSのトップページに飛ぶ ― 作ったときの見本のまま、貴社のアカウントではなく、SNSそのものの入口につながっている
  • 昔のアカウントに飛ぶ ― 作り直した新しいアカウントがあるのに、アイコンは古いほうを向いている
  • 「ページが見つかりません」と出る ― アカウント名を変えた、またはアカウントを消したあとに、リンクだけが残っている
  • 担当者個人のアカウントに飛ぶ ― 会社のアカウントのつもりで、担当していた人の個人アカウントを入れていた
  • 名前の似た別のアカウントに飛ぶ ― つづりの1文字違いで、他人のアカウントにつながっている

アカウント名を見比べるだけでなく、開いた先のプロフィールと投稿が、本当に自社のものかを見てください。

逆向きの道も、確かめる

アイコンからSNSへ行けたら、今度はSNSのプロフィールから自社のサイトに戻れるかを見ます。サイトからSNSへ、SNSからサイトへ、両方向でつながっていると、見た人がどちらも本物だと確かめられます。

リンクをサイトのどのページに飛ばすかは SNSのプロフィールのリンクは、ホームページのどこに飛ばすか に書いたので、ここでは「戻れるか」だけを見れば足ります。

誰の名義で、誰がログインできるか

最後に、残すアカウントについて、誰の名義で登録され、今だれがログインできるかを書き残しておきます。ログインできるのが辞めた社員だけ、という状態は避け、会社として管理できる形にしておきます。任せるときの決めごとは 社員に会社のSNSやお知らせを任せるときの、ルールの決め方 にまとめました。

5. 置く場所は、上より下

残すアイコンが決まったら、置く場所を見直します。結論から書くと、多くの会社では、ページのいちばん上より、いちばん下のほうが向いています。

上に置くと、読み始める前に出ていく

メニューの横にアイコンが並んでいると、押してもらいやすくはなります。ただ、その人はまだ、サイトの中身を読んでいません。何の会社か、何を頼めるかを知る前に、SNSへ出ていってしまうことになります。SNSを開けば、ほかの投稿が次々と流れてきます。そのまま戻ってこないこともあるでしょう。

下は、探す人の定位置

一方、ページのいちばん下は、読み終えた人と、何かを探している人が来る場所です。住所や電話番号、会社概要へのリンクと一緒に、SNSのアイコンも探されます。

読み終えてから「もう少し様子を見たい」と思った人が押すなら、SNSはサイトの続きとして働きます。どのページでも同じ場所に出るので、探す人も迷いません。

例外は、SNSが主な窓口になっている商売

ただし例外があります。予約や問い合わせを、主にSNSのメッセージで受けている商売です。その場合、SNSは「様子を見る場所」ではなく「連絡する場所」です。

連絡の手段なら、置く場所は問い合わせの近くです。電話番号やフォームと並べて、「メッセージでのご予約はこちら」のように書きます。

会社概要と問い合わせのページにも

いちばん下のほかに、置いておくと役に立つ場所が2つあります。

  • 会社概要 ― 「公式のアカウントはこれです」と一覧で載せます。偽物が出たときに、見分ける材料になります
  • 問い合わせのページ ― SNSでも連絡を受けているなら、その方法を書きます。受けていないなら「SNSのメッセージではお返事をしていません」と書いておくと、返事を待たせずに済みます

6. アイコンだけでなく、何が見られるかを一言添える

置く場所が決まったら、アイコンの横に言葉を添えます。

絵だけでは、押す理由にならない

アイコンの絵が伝えるのは、「どのSNSか」だけです。そこで何が見られるのかは、押してみないと分かりません。

何が見られるかが分かっていれば、見たい人が押してくれます。押した人の期待と、行った先の中身が合います。

一言の例

添える言葉は、長くなくてかまいません。たとえば、こんな形です(例は架空です)。

  • たとえば工務店なら ― 「現場の途中経過を載せています」
  • たとえばパン屋なら ― 「その日の焼き上がりをお知らせしています」
  • たとえば教室なら ― 「レッスンの様子と、空き枠のご案内」
  • たとえば製造業なら ― 「新しく入れた設備や、加工の事例を紹介しています」

ポイントは、SNSの名前ではなく、中身を書くことです。「公式SNSはこちら」より「現場の写真はこちら」のほうが、何のために押すのかが伝わります。

頻度を書くなら、守れる範囲で

「毎日更新」「週に一度お届け」のように、頻度を書きたくなることもあります。書くなら、今の体制で守れる範囲にしてください。

「毎日更新」と書いてあるのに最後の投稿が1か月前だと、書かなかったときより目立ちます。

7. 更新の止まったアカウントの扱い

アイコンを外しても、アカウントそのものはSNSの上に残っています。最後に、その扱いを決めます。

図:更新の止まったアカウントの、3つの扱い方
① 閉じる
アカウントを削除する

これから使う予定がなく、ログインもできる場合の選択です。止まった投稿を見られることがなくなります。ただし、過去の投稿やメッセージは戻せないことが多いので、残したいものは先に控えておきます。

見られて困るものが、無くなる
② 残して案内を書く
プロフィールに「更新は終了しました」

過去の投稿に、まだ役に立つものがある場合の選択です。プロフィールの文章に、更新を終えたことと、公式サイトのURLを書きます。見に来た人を、サイトへ案内できます。

止まっていることと、行き先が伝わる
③ そのまま放っておく
何も決めない

サイトからアイコンを外しても、検索やSNSの中から見つかることがあります。止まった理由が書いていないので、見た人には「会社ごと止まったのか」と見えます。管理する人がいないまま、偽物とも見分けにくくなります。

手間はかからないが、損が残る

選ぶのは①か②です。③は選んだつもりがなくても、何も決めなければこの形になります。また始めるつもりなら、②の案内に「再開の予定」を書くこともできます。手順はSNSごとに違うので、それぞれの案内を確かめてください。

閉じる前に、確かめておくこと

  • 残しておきたいものはないか ― 過去の写真や、お客様とのやり取りなど、控えておきたいものを先に保存します
  • ほかの場所に載せていないか ― 名刺、チラシ、看板、Googleビジネスプロフィール、取引先のサイトなど、アカウントを載せている場所を書き出します。閉じたら、そこも直します
  • 名前が他人に使われないか ― SNSによっては、閉じたアカウントの名前を、あとで別の人が登録できる場合があります。決まりはSNSごとに違うので、気になるときは②の形で残すほうが安心です

残すときに、プロフィールに書く案内

②の形なら、プロフィールに、更新を終えたことと最新の情報の場所を書きます。

「このアカウントの更新は終了しました。最新の情報とお問い合わせは、公式サイトへ」

これに、サイトのURLを添えます。できれば、最後に1件、同じ内容の投稿もしておきます。プロフィールと最新の投稿の両方で知らせておくと、どこから来た人にも伝わります。

ログインできないアカウントは、どうするか

いちばん困るのが、ログインできないまま止まっているアカウントです。閉じることも、書き換えることもできません。

まずは、登録に使ったメールアドレスや電話番号を社内で探し、ログインを取り戻す方法を、そのSNSの案内で確かめます。どうしても取り戻せないときは、自社のサイトの会社概要に公式のアカウントの一覧を載せ、そこに無いものは公式ではないと分かる形にしておきます。なりすましへの備えは 自社の名前をかたる偽のサイトやアカウントを見つけたら にまとめました。

再開するなら、続けられる量から

もう一度動かしたいなら、止まった理由を先に考えてください。手が回らなかったのか、担当が1人に寄っていたのか。理由がそのままなら、再開してもまた止まります。SNSに使う時間の考え方は ホームページとSNS、どちらに時間を使うべきか に書きました。しばらく続いたのを確かめてから、アイコンを戻せば十分です。

8. 雄喜晃の伴走:並んでいるアイコンを、一緒に見直します

私たち雄喜晃のホームページ制作では、SNSのアイコンを「あるだけ並べておきましょう」とは申し上げません。どのアカウントが今動いていて、これから誰が続けるのかを伺い、サイトに置くものを一緒に決めます。

私たちがやること

  • 棚卸しを一緒にする ― 並んでいるアイコンのつながり先と、最後の投稿の時期を確かめた一覧をお渡しします
  • つながり先を直す ― 見本のままのリンクや古いアカウントを、貴社の正しいアカウントに付け替え、パソコンとスマートフォンで押して確かめます
  • 置く場所と言葉を整える ― アイコンをページの下にまとめ、何が見られるかの一言を、伺った内容から整えて添えます
  • 公式アカウントの一覧を載せる ― 会社概要に、公式のアカウントをまとめて載せます
  • 増えたとき、減ったときに差し替える ― アカウントを閉じたとき、新しく始めたときは、ご連絡いただければサイトの側を直します

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、アカウントを閉じたり再開したりしたときのアイコンの付け替えも、その中で反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • どのSNSを使うべきかを、こちらで決めることはしません。どれを続けるかは、貴社の商売と体制で決まります
  • アイコンの数を増やして、発信の多い会社に見せるような作りはしません。続ける予定のないアカウントを、並べるためだけに作ることも勧めません
  • フォロワーの数や、問い合わせの増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「並んでいるアイコンのうち、動いているのは1つだけ」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:アイコンは、動いている入口だけにする

SNSのアイコンを見直すときに押さえることは、5つです。

  • 止まったアカウントは、並べないほうがいい ― 押すのは確かめに来た人。最後の投稿の日付が、会社の今に見える
  • 残すのは、これから続ける人がいるものだけ ― 迷ったら、外して困るお客様がいるかで決める
  • 全部、自分で押してみる ― パソコンとスマートフォンで。開いた先が本当に自社のアカウントか、逆向きにサイトへ戻れるか
  • 置くのは上より下 ― SNSが連絡の窓口なら、問い合わせの近くに言葉で置く
  • 止まったアカウントは、閉じるか案内を書く ― 何も決めないままが、いちばん損が残る

アイコンの数は、発信の多さを示すものではありません。押した先で、今の貴社に会えるかどうかが大事です。動いている入口が1つだけなら、1つだけ並べておけば十分です。

まず、今日できること

スマートフォンで自社のサイトを開き、いちばん下まで送って、並んでいるアイコンを1つずつ押してみてください。開いた先の、いちばん新しい投稿の日付を書き留めるだけで、棚卸しの半分は終わります。

押してみて直したいところが見つかったけれど、自分では手が回らないという方は、一度ご相談ください。