1. 「はんこはネットでも買えるのに、うちのサイトに何を書けばいいのか」

印章店を営む方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「はんこはネットで安く買えるので、ホームページに何を書けばいいのか分からなくて。実際には、会社を作る方の印や、就職や結婚で実印を作り直す方の相談が多いんです。会社の総務の方からゴム印や名刺の注文もいただくんですが、サイトには住所と電話番号しか載せていないんですよ」

印鑑は、ネットでも注文できる時代です。ただ、町の印章店が選ばれている理由は、品物そのものより、用途に合わせて選んでくれることと、字の形を一緒に確かめてくれることにあることが多いと思います。どの印をどの大きさで作ればいいか、名前の字が戸籍のとおりか、急ぎの日に間に合うか。

こうした相談は、店頭では毎日のように受けているはずです。ところが、まだ来たことのない人には、サイトに書いていなければ伝わりません。

この記事で書くこと

  • 頼む人ごとの入口の分け方
  • 作れるものの一覧と、料金の目安の見せ方
  • 注文の流れと書体の確かめ方、仕上がりの日数と急ぎ
  • 手彫りなど、技術の伝え方
  • 会社を作るときに一緒に要るものと、手続きの話の書き方
  • 名刺・表札・ゴム印も扱う場合の書き分け

2. 頼む人ごとに、入口を分ける

見に来る人は、3種類いる

印章店のサイトを見に来る人は、大きく3つに分かれます。

  • 会社を作る人 ― 会社の印は何本要るか、いつまでに用意すればいいか、まとめて頼むといくらか
  • 家族の節目の人 ― 就職、結婚、家を買う、子どもの口座を作る。実印や銀行印はどれを選べばいいか、いくらか
  • 会社の総務の人 ― ゴム印や角印の追加、名刺の注文。前と同じものを、急ぎで、請求書払いで頼めるか

会社を作る人は、日程に追われながら、何を用意すればいいかを確かめています。家族の節目の人は、初めて印を選ぶことが多く、何が違うのかが分からないまま見に来ます。総務の人は、前と同じものが早く届くかを見ています。同じページに混ぜて書くと、どの人にとっても読みにくくなります。

トップには、入口を並べる

トップページの最初のあたりに、「会社を作る方へ」「個人の印鑑をお探しの方へ」「法人のご担当者さまへ」のような入口を並べます。自分がどれに当たるかを選べば、そのまま必要なページに入れます。

個人のお客様と法人のお客様の両方を相手にするサイトの組み方は、個人のお客様と法人のお客様、両方を相手にする会社のホームページ にまとめました。印章店は、個人と法人が同じ店に来る商売の代表のようなところです。

3. 作れるものの一覧と、料金の目安を見せる

作れるものを、用途の言葉で並べる

まず、作れるものの一覧を出します。ここで大事なのは、品物の名前だけでなく、何に使うものかを添えることです。初めての人は、実印と銀行印と認印の違いが分からないまま見に来ます。

  • 個人の印 ― 実印(役所に登録して、大事な契約などに使う印)、銀行印(口座の届け出に使う印)、認印(日々の受け取りなどに使う印)
  • 会社の印 ― 代表者の印、銀行印、角印(請求書や見積書に押す四角い印)
  • ゴム印・浸透印 ― 住所や社名のゴム印、インクの入った印
  • ほかに扱うもの ― 名刺、表札、印鑑ケースや朱肉など

料金は、変わる条件と一緒に書く

印鑑の値段は、材質と大きさと書体、それから彫り方で大きく変わります。だから「価格はお問い合わせください」で済ませたくなるのですが、それだと、ほかで値段を見た人は連絡してきません。全部を書く必要はありません。よく出る組み合わせの目安と、何で値段が変わるかを並べます。

表:作れるものと料金の目安の見せ方(品目の分け方と言い回しはたとえばの例です。金額は〇で、すべて架空です)
品目たとえばの書き方値段が変わる条件として添えること
個人の実印「木の印材・直径〇ミリで〇,〇〇〇円から。ご依頼の多いのは〇,〇〇〇〜〇,〇〇〇円です」材質、大きさ、手彫りか、仕上げだけ手で行うか
個人の銀行印・認印「銀行印は〇,〇〇〇円から。実印と同じ材質でそろえることもできます」材質、大きさ、ケースを付けるか
会社の印の3本「代表者の印・銀行印・角印の3本で〇〇,〇〇〇円から」材質、社名の文字数、1本ずつか、まとめてか
ゴム印・浸透印「住所のゴム印は〇,〇〇〇円から。行数と大きさで変わります」行数、大きさ、ロゴを入れるか
急ぎの仕上げ「翌日仕上げは、通常の料金に〇,〇〇〇円を加えます」受けられる品目、注文の時刻

金額は、貴社の実際の料金から決めてください。下限だけでなく、ご依頼の多い金額の幅を書くと、見積もりを出したときに「話が違う」と思われにくくなります。

材質と書体は、違いを短く書く

材質と書体には、それぞれ選ぶ理由があります。ただ、専門の言葉を並べるだけでは、初めての人には違いが分かりません。何が違って、どんな人が選ぶことが多いかを短く添えます。

  • 材質 ― 木の印材、動物の角、金属、樹脂など。手に持ったときの重さ、欠けにくさの考え方、手入れの仕方
  • 書体 ― 読みやすい書体、字の形を崩して読みにくくした書体など。実印や銀行印にどんな書体を選ぶ人が多いか

材質によっては、売り買いに登録などの決まりが関わるものがあります。扱っている場合は、所管の窓口で確かめたうえで書いてください。

料金の出し方の全体は、ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあります。

4. 注文の流れと書体の確かめ方、仕上がりの日数

注文の受け方ごとに、流れを書く

印鑑の注文には、来店、電話、ネットの3つの受け方があると思います。どの受け方でも、字の形を確かめる段が入るのが印章店ならではのところです。この段をサイトに書いておくと、注文する人は安心して頼めます。

図:注文から受け取りまでの流れ(段の分け方と言い回しはたとえばの例です)
① ご注文(来店・電話・ネット)

品目、材質、大きさ、書体を選んでいただきます。迷っている場合は、用途を伺ってご提案します。来店なら見本を手に取って選べます。

ネットや電話の場合は、名前の字を書いたものを写真やメールで送っていただくと、字の取り違えが減ります
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② 名前の字の確認

戸籍や登記のとおりの字か、旧字体や異なる字の形になっていないかを確かめます。実印や会社の印では、ここがいちばん大事な段です。

「住民票や登記の書類で、字の形をご確認ください」と一言添える
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③ 印影の確認

彫る前に、どんな字の配置になるかを紙やデータでお見せします。確認を受けるかどうか、何回まで直せるかを書いておきます。

この確認を挟むと、仕上がりの日数が延びることも書いておく
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④ 彫り・仕上げ

どこまでを手で行うかを、品目ごとに書きます。

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⑤ お渡し・発送

店頭での受け取りか、配送か。配送なら送料と届くまでの日数を書きます。

注文の仕方が違っても、②と③の段はどの受け方にも入ります。ここを書いておくと、「ネットで頼んだら字が違っていた」という心配を持つ人が、安心して頼めます。

書体の確かめ方を書く

書体を選ぶときに、多くの人は自分の名前がその書体でどう見えるかが分からずに迷います。見本の字を何種類か載せておくと、選びやすくなります。ただ、見本の字だけで決めてもらうのではなく、「実際の配置は、印影の確認でお見せします」と書いておきます。

ネットで注文を受けるなら、入力欄の作りにも気を配ってください。名前の字の形を、文字の入力だけで正しく伝えるのは難しいことがあります。旧字体などは、写真を送ってもらえる欄を置くか、注文のあとに電話で確かめる流れにします。サイトから注文と支払いまで受けるかどうかの考え方は、ホームページに、ネットショップを付けるかどうか に書きました。

仕上がりの日数は、ふつうの目安を先に書く

印鑑は、「いつまでに要る」が決まっている注文が多い品です。会社の登記の日、家の契約の日、口座を作る日。だから日数の書き方で、頼まれるかどうかが分かれます。

  • ふつうの目安 ― 品目ごとに「ご注文から〇日ほど」。いちばん短い日数ではなく、ふだんの日数を書く
  • 延びる条件 ― 手彫りの印、取り寄せの材質、印影の確認のやり取り、年度末など注文の多い時期
  • いつから数えるか ― 注文を受けた日からか、印影の確認が済んだ日からか
  • 急ぎの注文 ― 当日や翌日に仕上げられる品目、受け付けの時刻、追加の料金

「お急ぎの方は、まずお電話でご相談ください」を電話番号の近くに置いておくと、急いでいる人が迷わずに済みます。日数の書き方は、納期や「何日かかるか」を、ホームページにどう書くか にまとめました。

5. 手彫りなど、技術の伝え方

「手彫り」の中身を、段に分けて書く

手彫りの印を扱っている店にとって、技術は大きな強みです。ただ、「職人の手彫り」と書くだけでは、どこまでを手で行っているのかが伝わりません。字の配置を決める、荒く彫る、仕上げるのように段に分けて、それぞれを手で行うのか、彫刻機を使うのかを、事実のとおりに書きます。

全部を手で彫る印と、彫刻機で荒く彫ってから手で仕上げる印の両方を扱っているなら、両方とも正直に書いてください。分けて書いてあれば、読む人は値段の違いの理由が分かります。手彫りを選ぶ人は、その理由を読んだうえで選びます。

言い切らずに、していることを書く

技術を書くときに気をつけたいのは、言い切る言葉です。「同じ印は二つとできません」「偽造されません」のような書き方は、根拠を示しにくく、読む人によっては受け取り方が変わります。

その代わりに、していることを書きます。「字の配置は、一本ずつ紙に書いて決めています」「仕上げでは、字の線の太さをそろえています」。していることが書かれていれば、読む人は自分で判断できます。

彫る人の年数と、手元の写真

誰が彫っているか、何年この仕事をしているか。資格や、技術を競う場での受賞があるなら、その事実を載せます。手元と道具の写真があると、文章だけより伝わります。職人の技術の伝え方の全体は、職人の技術を、ホームページでどう伝えるか にまとめました。

6. 会社を作る人へ:一緒に要るものと、手続きの話

会社を作るときに要るものを、まとめて見せる

会社を作る人は、何を、いつまでに、何本用意すればいいかを確かめに来ます。「会社を作る方へ」のページを1つ作り、よく一緒に頼まれるものをまとめて並べます。

  • 会社の印 ― 代表者の印、銀行印、角印。3本をまとめて頼めるか
  • ゴム印 ― 社名と住所、電話番号を入れた印。請求書や封筒に押すもの
  • 名刺と封筒 ― 扱っているなら、印と一緒に頼めること
  • 表札や看板 ― 事務所の入口に掲げるもの

社名の表記を確かめてから頼んでもらう

会社の印でよくあるのが、社名の表記が決まる前に頼んでしまうことです。「株式会社」が前か後か、英字や記号を使うか。印を彫ったあとに表記が変わると、作り直しになります。「社名の表記が決まってからご注文ください。迷っている段階のご相談も承ります」と書いておくと、作り直しが減ります。

手続きの話は、一般論にとどめる

印鑑には、役所への登録や届け出が関わるものがあります。個人の実印は市区町村に登録しますし、会社の印は法務局に届け出る手続きがあります。登録や届け出ができる印の大きさや形には決まりがあり、手続きの方法によって扱いが変わることもあります。

サイトでは、手続きのくわしい中身までは書かないでください。決まりが変わったときに、古い説明が残ってしまいます。「手続きのくわしいことは、市区町村や法務局などの窓口でお確かめください」と添え、店としては「登録に使える大きさの印をご用意できます」のように、できることを書きます。

個人事業から会社にしたときに直すところは、印のほかにもあります。サイトの直し方は、個人事業から会社にしたとき、ホームページで直すところ にまとめました。

7. 名刺・表札・ゴム印も扱う場合の書き分け

品目ごとに、別の段で書く

印章店の中には、名刺や表札、ゴム印も扱う店があります。こうした品は、頼む人も、注文の流れも、印鑑とは違います。同じページに混ぜずに、品目ごとに段を分けて書きます。

  • 名刺 ― 頼むのは主に会社の総務の人。ロゴのデータを送ってもらえるか、校正の回数、枚数ごとの料金、仕上がりの日数
  • 表札 ― 頼むのは家を建てた人や引っ越した人。材質と大きさ、書体、取り付けまで受けるか
  • ゴム印・浸透印 ― 頼むのは会社の総務の人や個人事業の人。行数と大きさ、入れられる文字、インクの補充の仕方

表札の取り付けを受けていないなら、そのことも書いておきます。受けていないことが分かれば、頼む人はほかの手配を先に考えられます。

会社の総務の人には、繰り返しの注文を書く

総務の人は、同じものを何度も頼みます。名刺の追加、社員が増えたときの名刺、住所が変わったときのゴム印。前と同じものを頼めるかどうかが、取引先を決める理由になります。

  • 前回の版を残しているか ― 名刺やゴム印のデータを保管して、名前を替えるだけで頼めるか
  • 頼み方 ― メールや電話で、前回と同じと伝えるだけで受けられるか
  • 支払い ― 請求書でまとめて払えるか。締め日と支払いの期日

ここが書いてあれば、総務の人は「次もここに頼めばいい」と判断できます。

8. 雄喜晃の伴走:頼む人ごとの答えを、分けて置きます

私たちがやること

私たち雄喜晃は、印章店のホームページを作るとき、最初に「頼む人ごとに、よく聞かれること」を伺うところから始めます。会社を作る人、家族の節目の人、会社の総務の人。それぞれの質問が、それぞれのページの中身になります。

  • 3つの入口を分けて、ページを組みます ― 会社を作る方へ、個人の印鑑をお探しの方へ、法人のご担当者さまへ
  • 作れるものの一覧と料金の目安を、表にします ― 材質や大きさで変わる条件を、実際の料金から組みます
  • 注文の流れと、字の確かめ方を図にします ― 来店・電話・ネットのそれぞれで、どの段があるかを書きます
  • 技術の伝え方を、伺って文章にします ― どこまでを手で行っているかを、段に分けて書きます
  • 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 店内や手元、見本の印影の写真を、明るさや大きさをそろえて配置します

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、料金の目安の見直しや、年度末の混み合う時期の案内を出す・下げるといった直しも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • 印鑑の値段や、扱う品目そのものは決めません。決まった内容を、読む人に伝わる形に組むところを担当します
  • 注文や支払いを受ける仕組みの開発はしていません
  • 印鑑の登録や届け出の手続きについて、決まりに合っているかの判断はしません。市区町村や法務局などの窓口で確かめていただくようお願いしています
  • 検索順位や注文の増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「店頭では毎日説明していることを、サイトには何も書いていない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:品物より先に、選び方と確かめ方を書く

印章店のホームページで押さえることは、5つです。

  • 頼む人ごとに入口を分ける ― 会社を作る人、家族の節目の人、会社の総務の人。確かめることが違います
  • 作れるものは用途の言葉で、料金は条件と一緒に ― 材質・大きさ・書体で変わることと、ご依頼の多い金額の幅を書きます
  • 注文の流れに、字の確かめ方を入れる ― 仕上がりの日数はふつうの目安を先に、急ぎの受け方も添えます
  • 技術は言い切らずに、していることを書く ― どこまでを手で行うかを、段に分けて正直に
  • 手続きの話は一般論に、名刺や表札は別の段に ― 手続きは市区町村や法務局などの窓口で確かめてもらいます

印鑑そのものは、ネットでも頼めます。用途に合わせて選び、字の形を一緒に確かめてくれる店は、貴社にしかありません。そこを書いておけば、まだ来たことのない人にも、お店の値打ちが伝わります。

まず、今日できること

先月の店頭や電話で、何を聞かれたかを紙に書き出してみてください。何本要るか、何日でできるか、いくらか、字はこれで合っているか。多かった順に並べれば、それがそのまま、サイトに書く項目の一覧になります。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。店頭でいつも話していることを、まだ会っていない人に届く形にするところから、ご一緒します。