1. 「扱っている保険会社を並べておけば、十分だと思っていました」

地域で保険代理店を営む方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「サイトには、扱っている保険会社の名前と、自動車・火災・生命と種類を並べているだけなんです。中身は会ってから説明すればいいと思っていて。でも、サイトを見て来た方に『誰に相談すればいいか分からなかった』と言われてしまって」

扱っている保険の種類を書くのは大事なことです。ただ、代理店を探している人が最後に確かめているのは、商品の一覧より、相談の受け方と、困ったときに誰が出てくれるかであることが多いです。

保険の中身は、保険会社のパンフレットや窓口でも調べられます。代理店のサイトにしか書けないのは、どこで、どう相談でき、事故のときにどう動いてくれるのか。担当するのはどんな人かです。

もう1つ、この業種には大事な事情があります。保険の募集や、商品の比較・勧誘に関わる表示には、決まりがあるということです。この記事では、そこを一般論にとどめたうえで、地域の保険代理店のホームページに何を載せるかを順に書きます。

この記事で書くこと

  • 保険の表示の決まりと、確かめる先
  • 相談の受け方(来店・訪問・オンライン)の書き方
  • 事故や請求のときの連絡先と流れ
  • 担当者の顔と経歴
  • 相談が無料かどうかを、正確に書く
  • 地域での付き合いの伝え方

2. 表示の決まりは、所属する保険会社と窓口に確かめる

最初にお断りしておきます。私たちは保険や法律の専門家ではありません。どの表現が許されるかという個別の判断は、この記事では書きません。決まりの中身は扱う保険の種類や代理店の形によって違うので、所属する保険会社・業界団体・所管の窓口に確認してください。

気をつけたいと言われる書き方

保険の代理店のサイトで、確かめておきたいと言われる書き方には、たとえば次のようなものがあります。

  • 商品の比較 ― 複数の保険会社の商品を並べて、どれが良いかを示す見せ方
  • 言い切りの言葉 ― 「お得」「絶対に安心」「どなたでも入れます」のように、条件を抜いて約束する書き方
  • 保険料の見せ方 ― いちばん安い例だけを大きく出し、条件が小さくしか書いていない見せ方
  • 保険会社の名前やロゴ ― 名前の書き方やロゴの使い方に、保険会社ごとの決まりがある場合

比べる書き方や言い切りの言葉は、読む人に誤解を与えやすいところです。保険は、入る人の年齢や条件によって中身も保険料も変わるので、「誰にでも当てはまる」と読める書き方は避けたほうが無難です。どの業種でも気をつけたい書き方は、業種によっては、ホームページに書けないことがある にまとめてあります。

保険会社の名前とロゴは、使う前に確かめる

扱っている保険会社のロゴをサイトに並べたくなる気持ちは分かります。ただ、ロゴや名前の使い方には、保険会社ごとの決まりがある場合があります。使ってよいか、どの形で、どこに置いてよいかは、所属する保険会社に確かめてからにしてください。

所属する保険会社によっては、代理店のサイトについて、公開の前に内容の確認を求めている場合もあります。作り始める前に、確認の手順と期間を聞いておくと、公開の予定が立てやすくなります。メーカーの代理店がロゴや資料を使うときの考え方は、メーカーの代理店・販売店として、ホームページに製品をどう載せるか に書きました。業種は違いますが、使う前に決まりを確かめる順番は同じです。

商品の説明は、保険会社に任せる

保険の中身の説明を、サイトで細かく書く必要はありません。商品の説明は保険会社の資料や窓口に任せ、代理店のサイトでは、自社が何をするかを書くほうが、決まりの面でも、読む人にとっても分かりやすくなります。

3. 相談の受け方を、3つに分けて書く

代理店のサイトで足りていないことが多いのが、どうやって相談すればいいかです。「お気軽にご相談ください」とだけ書いてあっても、店に行けばいいのか、来てもらえるのか、予約は要るのかが分かりません。

相談の受け方は、来店・訪問・オンラインの3つに分けて書くと、読む人が自分に合う方法を選べます。

表:相談の受け方ごとに、書いておくこと(例はたとえばの書き方です)
受け方向いている人(たとえば)書いておくこと
来店近くに住んでいる方、書類を見ながら話したい方営業日と時間、予約が要るか、駐車場、子ども連れで来られるか
訪問外出しにくい方、家族そろって話したい方、事業所での相談伺える地域、伺える曜日と時間帯、訪問に費用がかかるか
オンライン仕事で日中に時間がとれない方、遠方に住むご家族申し込み方法、使う通話の方法、顔を映す必要があるか、オンラインでできないこと

3つとも受けていなくても構いません。受けている方法だけを、条件と一緒に書くのが要点です。オンラインでは手続きの一部ができない場合などは、その範囲も添えてください。どこまでできるかは、所属する保険会社の決まりで確かめてください。

相談に持ってきてほしいもの

初めて相談する人は、何を持って行けばいいかで迷います。書いておくと、1回目の相談が進みやすくなります。

  • 今入っている保険の証券や、契約の案内の書類
  • 車の保険なら、車検証や今の保険の更新の案内
  • 家族構成や、気になっていることのメモ

「何も持っていなくても、まずはお話だけでも構いません」と添えておくと、書類を探す手前で止まる人が減ります。

時間と、受付の窓口

相談にかかる時間の目安と、予約の受付方法も書きます。平日の夜や土日に相談できるかは、働いている世代にとって大事な判断材料です。受けていないなら、受けていないと書けば足ります。

申し込みのフォームは、項目を増やしすぎないでください。名前、連絡先、相談したいことのひとこと、希望の受け方があれば、折り返しの連絡はできます。今の保険の内容や家族構成は、相談のときに伺えば十分です。

オンラインの相談を受ける場合の準備や、当日の案内の書き方は、オンライン相談を、ホームページでどう受け付けるか にまとめてあります。

4. 事故や請求のときの、連絡先と流れ

すでに契約しているお客様が、代理店のサイトを開くいちばんの場面は、事故や病気、災害で、保険を使うことになったときです。そのときに連絡先が見つからないと、それまでの付き合いの印象まで崩れます。

連絡先は、時間帯ごとに分けて書く

事故は、代理店の営業時間内に起きるとは限りません。連絡先は、時間帯ごとに、どこにつながるかを分けて書いてください。

  • 営業時間内 ― 代理店の電話番号と、受付の時間
  • 夜間・休日 ― 保険会社の事故の受付窓口が別にある場合は、その案内。番号は保険証券や契約の案内に書いてあることを添える
  • そのあと ― 時間外に保険会社へ連絡した場合も、翌営業日に代理店へ知らせてほしいか

あわせて、連絡するときに伝えてほしいことも並べておきます。

  • 契約している方の名前と、分かれば証券の番号
  • いつ、どこで、何が起きたか
  • けがをした人がいるかどうか
  • 相手がいる場合は、相手の名前と連絡先

慌てているときは、何を伝えればいいかが頭から抜けます。この一覧が画面にあるだけで、電話が短く済みます。

保険会社の窓口の番号をサイトに載せるかどうか、どう載せるかは、所属する保険会社の決まりに沿ってください。代理店がつながらない時間に、どこへ連絡すればいいかが分かることがいちばん大事です。

「24時間対応」と書くときは、本当にその体制があるかを確かめてからにしてください。夜中に代理店の担当者が出るのか、保険会社の受付につながるのかで、意味が大きく違います。書き方は 「24時間対応」「緊急時はお電話を」を、ホームページにどう書くか に詳しく書きました。

連絡したあとの流れを、段で書く

事故のあと、どんな順で手続きが進むのかを書いておくと、慌てている人が次に何をすればいいかが分かります。

図:事故や請求のときの、連絡から手続きまでの流れ(たとえばの例です)
① まず、身の安全とけがの手当て

車の事故なら、けが人の救護と、警察への連絡を先に。保険の連絡は、そのあとで構いません。

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② 代理店か、保険会社の受付に連絡

営業時間内は代理店へ、時間外は保険会社の事故の受付へ。契約者の名前と、分かれば証券の番号を伝えます。

伝えることの一覧(いつ・どこで・何が起きたか)をサイトに載せておく
▼
③ 保険会社の担当者からの連絡

保険会社の担当者から連絡が来て、必要な書類や今後の進め方の説明があります。代理店は、分からないことの相談に乗ります。

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④ 書類の提出と、支払いの手続き

写真や見積書、診断書など、求められた書類を出します。書類の集め方で迷ったら、代理店に相談できます。

代理店が手伝えることと、保険会社が決めることを分けて書く

流れは、保険の種類や保険会社によって違います。図は書き方の例で、実際の手続きの説明ではありません。貴社が実際に案内している流れで書き、所属する保険会社の案内とずれていないかを確かめてください。

代理店ができることと、できないことを分ける

この流れの中で大事なのは、代理店が手伝えることと、保険会社が決めることを分けて書くことです。支払いの可否や金額を決めるのは代理店ではない、という場合が多いはずです。ここを曖昧にすると、「代理店に頼めば払ってもらえる」と受け取る人が出ます。

代理店が手伝えることを、具体的に書いてください。連絡の仕方の相談、書類の書き方の手伝い、保険会社の担当者とのやりとりの相談。どこまでやっているかは、貴社の実際のやり方で書きます。

5. 担当者の顔と経歴を出す

地域の保険代理店は、人で選ばれる仕事です。何年も付き合うことになるので、誰が担当するかは、扱っている保険会社の名前と同じくらい見られています。

紹介に書くこと

  • 名前と顔写真 ― 写真が難しければ、名前だけでも構いません
  • この仕事を何年しているか ― 数えられる事実だけを書きます
  • 得意な相談 ― 「車の保険と事業所の保険」「家族の保険の見直し」のように、相談の種類で書く
  • 持っている資格 ― 業界の資格は、正式な名前で、誰が持っているかと一緒に
  • 地域とのつながり ― 地元の出身か、どの地域を担当しているか

資格や肩書きの書き方にも、業界の決まりがある場合があります。正式な名前を、所属する保険会社や業界団体の案内で確かめてから載せてください。

家族で営んでいる代理店は、それを書く

家族や少人数で営んでいる代理店は多いと思います。その場合は、誰が電話に出て、誰が相談を担当するのかを書いておくと、お客様が連絡しやすくなります。代替わりの途中なら、先代と次の世代の両方を紹介しておくと、長い付き合いのお客様も安心します。

社員紹介をどこまで載せるか、辞めた人の写真をどうするかの考え方は、社員紹介ページは、本当に要るのか にまとめてあります。

6. 相談が無料かどうかを、正確に書く

保険代理店のサイトでは、「ご相談は無料です」と書かれていることが多いです。書くこと自体は構いません。ただ、何が無料で、そのあと何が起きるのかを書いていないと、読む人は身構えます。

無料の範囲を書く

  • 相談 ― 何回まで、何分くらいまでが無料か。回数や時間に決まりがないなら、そう書く
  • 保険の見直し ― 今入っている保険を見て、意見を伝えることは無料か
  • 見積もり ― 保険料の見積もりは無料か、何度でも作り直せるか
  • 訪問 ― 訪問の相談に、交通費などがかかるか

契約しなくてもよいことを、書けるなら書く

相談に行ったら契約するまで帰れないのでは、という不安は根強いものです。「ご相談だけでも構いません。その場でお決めいただく必要はありません」と書けるなら、書いておいてください。書くのは、実際にそうしている場合だけです。

「なぜ相談が無料なのか」を気にする人もいます。代理店の仕組みをどう説明するかは、所属する保険会社や業界団体の案内に沿って書いてください。

無料と書くかどうか、書くなら範囲をどう示すかは、「無料相談」「無料見積もり」と、ホームページに書くかどうか に詳しくまとめてあります。

7. 地域での付き合いを、事実で書く

地域の保険代理店の強みは、近くにいて、長く付き合えることです。ただ、「地域密着」と書くだけでは伝わりません。事実で書きます。

書けることの例

  • どのくらい続けているか ― この地域で何年営んでいるか
  • どの地域のお客様が多いか ― 市や町の名前で。訪問できる範囲と合わせて
  • 地域での活動 ― 商店会や地域の行事への参加。実際に関わっているものだけを
  • 事業所のお客様 ― 地元の商店や会社の保険も扱っているなら、業種の幅を書く。名前を出すなら、了解を取ってから

暮らしの節目の相談を受けることを書く

保険の相談は、結婚、子どもの誕生、家の購入、車の買い替え、退職、相続のような節目に生まれます。「こんなときにご相談ください」と節目を並べておくと、読む人が自分のこととして受け取れます。

離れて暮らす親の保険を、子どもの世代が調べることもあります。「ご家族からのご相談も承ります」と書いておくと、話がつながりやすくなります。

更新や見直しの案内の仕方を書く

長く付き合うお客様にとっては、更新の時期にどう連絡が来るかも大事です。満期の前にどの方法で案内するのか、住所や電話番号が変わったときはどこに連絡すればいいのか。サイトに書いておくと、既存のお客様にも役に立ちます。

8. 雄喜晃の伴走:商品の一覧より、相談の入口と困ったときの連絡先を書きます

私たち雄喜晃は、保険代理店のホームページを作るとき、最初に「お客様から電話でよく聞かれること」と「事故のときにどう案内しているか」を伺うところから始めます。そこに出てくることが、サイトに書くべき中身になるからです。

私たちがやること

  • 相談の受け方を、来店・訪問・オンラインに分けて書く ― 実際に受けている方法と条件だけを載せます
  • 事故や請求のときの連絡先と流れを、時間帯ごとに整理する ― 貴社の実際の案内を伺い、スマートフォンで見つけやすい場所に置きます
  • 担当者の紹介を、お話を伺って書く ― 経歴や資格は、貴社に確かめていただいた事実だけを載せます
  • 無料の範囲と、地域での付き合いを、事実の言葉で書く
  • 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 明るさや向きをそろえ、写り込みに気づいた点はお伝えします

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、営業時間や担当者の変更、保険会社の確認を受けて文言を直すときも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 保険の商品を比べる表や、「お得」と言い切る文章は作りません
  • 表示が決まりに合っているかどうかの判断はしません。保険会社の名前やロゴの使い方、商品の書き方は、所属する保険会社・業界団体・所管の窓口に確認していただくようお願いしています。判断がつかない表現は、「確認をお願いします」とお伝えします
  • お客様の声を作文することはしません
  • 撮影には伺っていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • 検索順位や相談の件数をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「扱っている保険の一覧しか載せていない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:何を扱うかより、どう相談でき、困ったとき誰が出るか

地域の保険代理店のホームページで押さえることは、5つです。

  • 表示の決まりは、確かめてから書く ― 商品の比較、「お得」のような言い切り、保険会社の名前やロゴの使い方は、所属する保険会社・業界団体・所管の窓口に確認する
  • 相談の受け方を、3つに分けて書く ― 来店・訪問・オンライン。持ち物と時間、夜や土日の対応も
  • 事故や請求のときの連絡先を、時間帯ごとに ― 連絡したあとの流れと、代理店が手伝えることを分けて書く
  • 担当者の顔と経歴を出す ― 誰が電話に出て、誰が相談を担当するか
  • 無料の範囲と、地域での付き合いを事実で ― 何が無料か、契約しなくてよいか。続けてきた年数と、節目の相談

保険代理店を探している人は、どの保険会社を扱っているかより先に、「この人に相談できるか」「困ったときに助けてもらえるか」を確かめています。そこに答えが書いてあることが、相談の決め手になります。

まずは今月、事故のときにお客様へどう案内しているかを、紙に書き出してみてください。営業時間外の連絡先が1行で書けなければ、それがサイトに足りていない答えです。