1. 「キャラクターがいるんですが、サイトに出していいものか」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「何年か前に、社員の発案でキャラクターを作ったんです。チラシや社用車には使っているんですが、ホームページに出すと子どもっぽく見えないかと思って、まだ出していないんです」

キャラクターをホームページに出すかどうかは、好みの話に見えて、実はお客様の話です。誰が、どんな気持ちでサイトを見に来るかで、答えが変わります。

親しみが出て、名前を覚えてもらいやすくなる。これはキャラクターの大きな良さです。一方で、取引先の担当者や、金額の大きい契約を考えている人には、軽く見えることもあります。

そして、出すと決めた場合も、どこに出すか、どれくらい出すか、どんな言葉で話させるかを決めないまま出すと、サイトの中で浮いてしまいます。この記事では、その決め方を順に書きます。

この記事で書くこと

  • キャラクターが効く会社と、軽く見える会社
  • 出す場所の決め方
  • 出しすぎないための目安
  • キャラクターの言葉づかいの決め方
  • 作るとき・頼むときの、権利の取り決め
  • 有名なキャラクターに似せないこと

近い話を扱った記事と、役割を分けておきます。ロゴが無い会社が社名の文字で顔をつくる方法は ロゴが無い会社の、ホームページ、イラスト全般の使いどころとタッチのそろえ方は ホームページに、イラストを使うかどうか に書きました。この記事は、名前と性格を持ったキャラクターを出すかどうかに絞ります。

2. キャラクターが効く会社、軽く見える会社

キャラクターが合うかどうかは、業種で決まるというより、見に来る人の立場と気持ちで決まります。

効きやすいのは、家族や地域が相手の商売

子ども向けの教室、家族で来るお店、地域の人が何度も使う商売。こうした商売では、キャラクターの親しみがそのまま来る理由になります。

子どもが覚えて、「あのキャラクターのところに行きたい」と言ってくれる。社名が長くて覚えにくい会社でも、キャラクターの名前なら覚えてもらえる。こういうことが起きやすいのが、家族や地域が相手の商売です。

チラシや社用車、店頭の看板にすでにキャラクターがいるなら、なおさらです。紙や車で見たキャラクターがサイトにもいると、「同じ会社だ」とすぐ分かります。

軽く見えやすいのは、取引先や大きな金額が相手の仕事

企業に部品や加工品を納める仕事、金額の大きい契約、重い相談を受ける仕事。こうした仕事では、キャラクターが前に出ていると軽く見えることがあります。

取引先の担当者は、サイトを見て社内で説明する立場です。上司に見せたとき、キャラクターが画面いっぱいにいると「この会社で大丈夫か」と聞かれそうだ、と感じるかもしれません。読む人は、自分ひとりで決めているとは限りません。

葬儀や、法律・お金の相談のように、気持ちが沈んでいる人が見に来る仕事もあります。明るいキャラクターが元気に話しかけると、場違いに見えることがあります。

迷ったら、ページごとに決める

同じ会社でも、ページによって見に来る人が違います。個人のお客様向けのページと、法人向けのページ。採用のページと、会社概要。会社ごとに出す・出さないを決めるより、ページごとに決めるほうが、迷いが減ります。

図:見に来る人の立場で、キャラクターの出し方を3つに分ける(例は架空)
① 前に出してよい
家族や地域の人が相手

たとえば子ども向けの教室、家族で来るお店、地域の住まいの修理。親しみと覚えやすさが、そのまま来る理由になります。紙や車で見たキャラクターとサイトがつながります。

案内役として、各ページに出番をつくる
② 場所を絞って出す
個人と法人の両方が相手

たとえば個人の住まいと企業の建物の両方を受ける工務店。個人向けのページやお知らせでは出し、法人向けのページや会社概要では控えます。

ページごとに、出す・出さないを分ける
③ 控えたほうがよい
取引先の担当者、重い相談の人が相手

たとえば企業向けの部品加工、金額の大きい契約、葬儀や法律の相談。読む人が社内で説明する立場か、気持ちが沈んでいる場面です。

サイトでは出さず、社内の行事などで活かす

分ける基準は、業種の名前ではなくそのページを見に来る人の立場と気持ちです。同じ会社の中でも、①と②が混ざっていて構いません。

3. 出すと決めたら、まず出す場所を決める

キャラクターを出すと決めたら、サイト全体の顔にするより、決まった役目を持たせて、決まった場所に出すほうがうまくいきます。出番がはっきりしているキャラクターは、浮きません。

説明の案内役

初めての方へのページ、申し込みの流れ、よくある質問。説明が続く場所で、キャラクターが段の入口にひと言添えます。たとえば「ここから、ご依頼の流れを説明するね」のような一言です。

このとき、説明そのものは本文が受け持ち、キャラクターは入口に立つだけにします。説明までキャラクターの台詞にすると、長い吹き出しが続いて読みにくくなります。

よくある質問では、キャラクターが質問する側に回る形も使えます。質問を投げかけるのはキャラクター、答えるのは会社の言葉。こう分けると、役目が混ざりません。

お知らせ

季節のイベント、新しいサービスの案内、地域のお祭りへの参加。明るい話題のお知らせには、キャラクターがよく合います。お知らせの欄が楽しく見えると、ときどき見に来てくれる人も出てきます。

404ページ

「ページが見つかりません」の画面に、キャラクターが困った顔で立っている。それだけで、行き止まりの冷たさがやわらぎます。

ただし、404ページの主役は、トップページや連絡先への入口です。キャラクターは添えるだけにします。画面に置くものの考え方は 「ページが見つかりません」が出たとき、その画面をどう作るか にまとめました。

送信完了の画面

問い合わせを送ったあとの画面で、キャラクターが「ありがとう」と頭を下げる。気持ちのよい締めくくりになります。ここでも、このあと何日以内に返事をするかといった大事なことは、会社の言葉で書きます。

表:キャラクターを出す場所と、気をつけること(台詞は架空の例)
出す場所キャラクターの役目気をつけること
初めての方へ・依頼の流れ段の入口でひと言。たとえば「ここから流れを説明するね」説明は本文で書く。吹き出しを長くしない
よくある質問質問する側に回る答えは会社の言葉で書く
お知らせイベントや季節の話題を伝えるお詫び・急な休業・値上げでは出さない
404ページ迷った人へのひと言トップと連絡先への入口が主役。キャラクターは添えるだけ
送信完了の画面お礼のひと言返事の目安など、約束ごとは会社の言葉で書く
トップの最初の画面出すなら小さく、脇に何の会社か、どこの会社かが先に伝わることを優先する

共通しているのは、キャラクターは入口や締めくくりに立ち、大事な中身は会社の言葉で書くことです。役目を分けておくと、出す場所が増えても浮きません。

4. 出しすぎない

出す場所を決めたら、次は量です。キャラクターは、出しすぎると逆効果になりやすいものです。

トップの最初の画面を、占領しない

トップを開いて最初に見える画面は、何の会社で、どこの会社かを伝える場所です。ここをキャラクターが大きく占めると、肝心のことが伝わりません。

家族向けの商売でキャラクターをトップに出す場合も、社名と仕事の内容が先に目に入る大きさにとどめます。キャラクターを覚えてもらう前に、会社を覚えてもらう必要があります。

全ページの隅に、住まわせない

画面の隅にずっといて、下まで読んでもついてくる。こうした出し方は、最初はかわいく見えても、読み進めるうちに邪魔になります。スマートフォンでは、画面の一部をふさいでしまいます。

目安は、1つのページに出番は1回か2回です。出番が少ないほうが、出てきたときに目に留まります。

大事なことは、キャラクターに言わせない

料金、契約の条件、キャンセルの決まり、作業の前の注意事項。こうしたことは、会社の言葉で書いてください。

キャラクターの台詞にすると、冗談のように受け取られたり、誰が約束しているのかがぼやけたりします。お金と約束の話は、キャラクターに任せない。これを決めておくだけで、軽く見えることはかなり防げます。

重い知らせのときは、休ませる

お詫び、急な休業、不具合のお知らせ、値上げ。こうした知らせのときは、キャラクターを出さないでください。いつも明るいキャラクターが、お詫びの横で笑っていると、読む人の気持ちを逆なでします。

動かしすぎない

ふわふわ揺れる、まばたきをする、画面に入ってくるたびに跳ねる。動きを付けると、読む人の目が本文から離れます。動かすなら、ページを開いたときに一度だけ、くらいにとどめます。

5. キャラクターの言葉づかいを決める

キャラクターがサイトで話すなら、話し方を先に決めておく必要があります。ページごとに書く人が違うと、同じキャラクターが別人のように話し始めます。

決めておく4つのこと

  • 一人称 ― 「ぼく」「わたし」「〇〇(自分の名前)」など、どれを使うか
  • 語尾 ― 「〜だよ」「〜です」など。語尾に付ける口ぐせを決めるなら、1つだけ
  • お客様の呼び方 ― 「みなさん」「お客さま」など、本文の呼び方とずれないもの
  • 話さないこと ― 料金、契約、お詫び、ほかの会社の話

たとえば、こんな3行で足ります。「一人称は『ぼく』。語尾は『〜だよ』『〜してね』。料金とお詫びの話はしない」。例は架空ですが、この程度の短さなら、書く人みんなが覚えていられます。

会社の口調と、混ぜない

本文は会社の口調で、キャラクターの言葉は吹き出しの中だけ。この線を引いておくと、読む人が「いま誰が話しているか」で迷いません。

本文までキャラクターの口調に寄せると、会社として何を約束しているのかが分からなくなります。会社の口調の決め方は ホームページの文章を、どんな口調で書くか にまとめたので、キャラクターのメモもその横に並べておくと使いやすくなります。

サイトの外でも、同じ性格に

キャラクターは、サイトだけでなく、チラシ、SNS、店頭のポップにも出てきます。場所によって性格や名前の書き方が変わると、同じキャラクターに見えなくなります。

名前をひらがなで書くのか、カタカナで書くのか。それも、決めておく項目に入れてください。社名や住所の表記と同じで、1枚の紙にしておくと、ずれが起きにくくなります。表記をそろえる考え方は ホームページと名刺・封筒で、書いてあることが違う に書きました。

作った方言や、はやり言葉を話させない

親しみを出そうとして、地元の人が使わない方言や、はやりの言い回しを話させることがあります。作った方言は地元の人にすぐ分かりますし、はやり言葉は、しばらくすると古く聞こえます。キャラクターの言葉も、社内の人が自然に使う言い方の範囲にとどめておくと長持ちします。

6. 作るとき・頼むときに、権利の帰属を取り決める

キャラクターは、ロゴより広く使われることがあります。サイト、チラシ、社用車、のぼり、グッズ、ときには着ぐるみ。どこまで使うかを、作る前に決めておくことが、あとで困らないための近道です。

誰が描いたかで、確かめることが変わる

キャラクターを描いた人によって、確かめておくことが変わります。

  • 社員が描いた ― 仕事として描いたのか、個人として描いたのかで、扱いが変わることがあります
  • 外部に頼んだ ― 契約の中身で、権利がどちらにあるかが決まります
  • 知り合いに好意で描いてもらった ― 書面が何も無いことが多く、いちばん後で困りやすい形です

どの場合も、「うちのキャラクターだから、うちのもの」とは限りません。描いた人が辞めたり、付き合いが途切れたりしてから気づくと、話を詰めるのが難しくなります。

取り決めておくこと

作るとき、頼むときには、次の点を書面で確かめておいてください。

  • 権利をどう扱うか ― 貴社に移すのか、描いた人に残したまま使わせてもらう形なのか
  • 使える範囲 ― サイトや紙だけでなく、グッズや立体物、ほかの会社との共同の企画にも使えるか
  • 描き足してよいか ― 新しいポーズや表情を、別の人が描いてよいか
  • 名前の扱い ― キャラクターの名前を、誰が決め、どう使えるか
  • 受け取るファイル ― 背景が透けたファイルと、元のデータ
  • 付き合いが終わったあと ― 描いた人との関係が終わっても、使い続けられるか

ここで書いたのは一般的な考え方です。業種や契約の内容によって考えることが違うので、実際に取り決めるときは専門家に確認してください。写真や文章も含めた権利の整理は ホームページの写真と文章、権利はどうなっているか にまとめてあります。

名前を守るかどうかは、別の話

キャラクターの名前や絵を商標として登録するかどうかは、上の権利の確認とは別の話になります。グッズを売る予定があるかどうかなどで、考えることが違います。気になる場合は、専門家に確認してください。

7. 有名なキャラクターに似せない、続けられる形にしておく

最後に、作るときに避けたいことと、長く使うための準備です。

有名なキャラクターに、似せない

人気のある作品のキャラクターに、色や形、名前の響きを寄せる。親しみやすくしたい気持ちから、つい起きることです。似せたつもりがなくても、見る人が「あれに似ている」と思えば、同じことになります。

社内や知り合いに見せたとき、有名なキャラクターの名前が出てきたら、見直す合図です。描き直すなら、まだ使っている場所が少ないうちのほうが、手間がかかりません。

AIで絵を作る場合も、知っている作品に寄った絵が出てくることがあります。作った絵を使う前に、似ているものが無いかを見てください。似ているかどうかの判断に迷う場合は、専門家に確認してください。

表情とポーズを、先にそろえておく

案内用の指さし、お知らせ用の笑顔、404ページ用の困った顔、送信完了用のお辞儀。サイトで使う表情とポーズを、先に一覧にして描いてもらうと、タッチがそろいます。

必要になるたびに別々に描いてもらうと、線の太さや色が少しずつずれていきます。同じキャラクターなのに、ページによって顔が違って見えるのは、避けたいところです。

置き場所は、会社に1つ

キャラクターのファイル、言葉づかいのメモ、名前の表記、権利の取り決めの書面。これらを、会社の中の1つの場所にまとめておいてください。担当者が替わっても、次の人がそこを見れば同じように使えます。

8. 雄喜晃の伴走:キャラクターの出番を、ページごとに決めます

私たち雄喜晃のホームページ制作では、キャラクターがいる会社の場合、最初にページごとに、見に来る人とキャラクターの出番を一緒に整理します。出すページ、控えるページ、出すならどの役目か。そこを決めてから載せ方を考えます。

私たちがやること

貴社でお持ちのキャラクターの絵を、使える範囲を一緒に確かめたうえで、大きさ・余白・置き場所を整えて載せます。依頼の流れ、よくある質問、お知らせ、404ページ、送信完了の画面のように、役目のはっきりした場所に配置します。

吹き出しの台詞は、言葉づかいのメモに合わせて、原稿を一緒に整えます。メモがまだ無い場合は、お話を伺いながら3行にまとめるところからお手伝いします。

公開後に、季節のお知らせを差し替えたり、新しい表情の絵を入れたりするときは、送っていただければ反映します。月5回までの更新代行が月額に含まれています。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

先に書いておきます。私たちは、キャラクターのデザインや絵を描くことはお受けしていません。撮影もお受けしていません。絵や写真は、貴社でご用意いただいたものを整えて載せるところまでが私たちの仕事です。

また、権利の取り決めが確かめられない絵や、有名なキャラクターに似た絵は載せません。権利の契約の中身について、こちらで判断することもいたしません。キャラクターを出すことで検索の順位が上がる、問い合わせが増えるとお約束することもいたしません。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「キャラクターはいるけれど、サイトに出すと軽く見えないか迷っている」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:キャラクターは、役目と出番を決めて出す

会社のキャラクターをホームページに出すときに押さえることは、5つです。

  • 見に来る人で決める ― 家族や地域が相手なら効きやすく、取引先や重い相談が相手なら控えめに。迷ったらページごとに決める
  • 出す場所に役目を持たせる ― 説明の案内役、お知らせ、404ページ、送信完了の画面
  • 出しすぎない ― トップを占領しない、1ページに1〜2回、お金と約束の話とお詫びには出さない
  • 言葉づかいを3行で決める ― 一人称、語尾、話さないこと。本文の口調とは混ぜない
  • 権利を取り決め、似せない ― 使える範囲を書面にし、有名なキャラクターに寄せない

キャラクターは、出番を決めて出せば、会社を覚えてもらう心強い案内役になります。困るのは、役目を決めないまま、あちこちに出してしまうことです。かわいさより先に、会社の中身が伝わる出し方を選んでください。

まずは今日、キャラクターが今どこに出ているかを書き出してみてください。チラシ、社用車、SNS、サイト。並べてみると、名前の書き方や話し方がそろっているか、権利の書面が手元にあるかが見えてきます。