1. 「何ページくらい要るものなんでしょう」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「見積もりを取ったら、10ページで出してくる会社と、5ページで出してくる会社があって。同業のサイトを見ると20ページくらいあるところもある。うちは何ページ要るものなんでしょう」

もっともな疑問です。見積もりの多くはページ数で金額が決まるので、まず数を決めないと話が進まないように見えます。

ただ、ページ数を先に決めると、たいてい中身が後から追いかけることになります。10ページと決めたから、10ページぶんの原稿を探す。そうして生まれたページは、誰の質問にも答えていないことが多いです。

この記事では、順番を逆にします。お客様が確かめたいことを先に並べて、1つの問いに1ページずつ答えていく。その結果として、ページ数が決まります。

この記事で書くこと

  • ページ数に決まった正解がない理由
  • 小さな会社が、まず用意するページ
  • 後から足すページと、足す合図
  • 1ページにまとめてよい場合
  • 増やしすぎて、更新が止まる問題
  • 業種で変わるところ

1ページで公開して少しずつ増やす進め方そのものは、1ページから始めて、あとから増やす進め方 に書きました。この記事は、「どのページが要るのか」を決める側の話です。

2. ページ数に正解はなく、問いの数で決まる

「○ページ以上あれば検索に強い」は、目安にならない

「ページ数が多いほうが検索に有利」と言われることがあります。けれど、ページを数えて評価する、という説明は検索エンジンの側からは出ていません。見られているのは、そのページが検索した人の問いに答えているかどうかだと説明されています。

中身の薄いページを増やしても、読まれないページが増えるだけです。逆に、問いにきちんと答えているページは、数が少なくても読まれます。ですから、この記事では「何ページ以上なら安心」という数字は出しません。

1ページは、1つの問いに答える

考え方は1つです。ホームページを開いた人は、頭の中でいくつかの問いを持っています。

  • ここは何の会社か
  • 自分の困りごとを扱っているか
  • いくらくらいかかるのか
  • ちゃんとやってくれる会社か
  • どこの、誰がやっている会社か
  • どうやって連絡すればいいか

この問いの1つずつに、1ページで答える。そう考えると、ページ数は「いくつにするか」ではなく、「お客様の問いがいくつあるか」で決まります。

1つの問いを、2ページに分けない

逆の失敗もあります。料金の話が「料金」と「よくある質問」と「サービス」の3か所に少しずつ書いてある。こうなると、読む人は答えを探して何度もページを移ります。1つの問いの答えは、1か所にまとめてください。ほかのページからは、そこへ案内するだけで足ります。

3. 小さな会社が、まず用意するページ

では、具体的に何から用意するか。多くの業種で、最初に要るのは次の6つです。

表:まず用意する6つのページと、それぞれが答える問い(中身の例は架空)
ページ答える問い最低限の中身
トップここは何の会社か。自分向けか何をしている、どこの会社かを一文で。たとえば「神戸市北区で、店舗の内装工事をしています」。下に各ページへの入口を並べる
サービス自分の困りごとを扱っているかできることと、できないこと。対象のお客様、頼んだあとの流れ
料金いくらくらいかかるのか金額か、金額の決まり方。高くなる条件と安くなる条件。支払い方法
実績ちゃんとやってくれる会社かたとえば2〜3件を、写真と数行の説明で。社名は出さず「市内・飲食店」のような書き方でも足りる
会社概要どこの、誰がやっているのか社名、所在地、代表者、設立、事業内容、許認可。地図
問い合わせどうやって連絡すればいいか電話番号と受付時間、フォーム、返事がいつ来るか

左の名前は一般的な呼び方です。メニューに出す名前は、お客様が使う言葉に合わせて変えて構いません。大事なのは、真ん中の問いに答えているかどうかです。問いに答えていないページは、名前だけあっても役目を果たしません。

トップは、全部を説明しない

トップページに、全部を詰め込もうとする会社は多いです。けれどトップの役目は、「ここは何の会社か」に答えて、次のページへ送ることです。詳しい説明は、それぞれのページに任せます。

サービスと料金は、分けるか、まとめるか

サービスが1つか2つで、料金の説明も短いなら、サービスのページの中に料金を書いても構いません。その場合も、料金の段落は1か所にまとめます。料金の形が3つ以上ある、条件の説明が長い、という場合は分けたほうが探しやすくなります。

実績は、件数が少なくても置く

「実績が少ないから、ページを作るのは後で」という声も聞きます。ただ、実績は「ちゃんとやってくれるか」という問いへの、ほぼ唯一の答えです。2件でも3件でも、置いておく意味があります。まだ1件もない場合は、実績が1件も無い会社の、実績ページの作り方 を参考にしてください。

会社概要と問い合わせは、短くていい

この2つは、文章を長く書くページではありません。必要な情報が抜けずに並んでいることが大事です。特に問い合わせのページは、返事がいつ来るかまで書いてあると、送る側が安心します。

この6つで、多くの業種の最初の問いには答えられます。メニューにどう並べるかは、ホームページのメニューに、何をどの順で並べるか にまとめてあります。

4. 後から足すページと、足す合図

最初の6つ以外は、要るとわかったときに足すほうが、結果として読まれるページになります。後から足すことが多いのは、次のようなページです。

よくある質問

電話やメールで同じことを何度も聞かれるようになったら、足す合図です。答える時間が積み上がっているなら、ページにしたほうが早いからです。最初はサービスのページの下に数問置き、増えてきたら独立させます。

サービスごとのページ

扱うサービスが増えて、1つのページではどれが自分向けか分からない状態になったら、分けます。たとえば、法人のお客様と個人のお客様で、聞かれることがまったく違う場合です。

採用

求人を出すと決めたときに足します。応募を考える人は、求人を見たあとに社名で検索します。そのときに確かめられる場所があると、話が早くなります。

お知らせ・コラム

続けて書く人と時間が決まってから足します。日付の古いお知らせが一番上に残っているのは、何も無いよりも目立ちます。書く体制が先、ページは後です。

代表挨拶・お客様の声・アクセス

どれも、お客様の問いが出てきたときに足すページです。来社や来店が多いなら、アクセスのページを独立させる。「どんな人がやっているのか」とよく聞かれるなら、代表挨拶を足す。問いが先で、ページが後という順番は変わりません。

図:ページを「いつ用意するか」で3つに分ける(業種や状況で入れ替わります)
① 最初から
トップ・サービス・料金・実績・会社概要・問い合わせ

初めて見る人が、まず確かめたいことに答えるページです。どれか1つが欠けると、その問いを持った人はそこで止まります。短くても、6つの問いには答えておきます。

数より、抜けがないこと
② 合図が来たら
よくある質問・サービス別・採用・お知らせ

同じ質問が何度も来た、サービスが増えた、求人を出す、書く人が決まった。こうした合図があってから足すと、読まれるページになります。

問いが出てから、ページを作る
③ 作らなくてよい
数合わせのページ

たとえば「業界の豆知識」「当社のこだわり」のように、誰の問いにも答えていないページです。作った時点で、更新の手間だけが増えます。

見積もりのページ数を埋めるために作らない

①の6つは、1ページの中の区切りとして並べても構いません。②は、実際に合図が来るまで待ちます。③は、作らないことがいちばんの手入れです。

5. 1ページにまとめてよい場合

ここまで6つのページと書いてきましたが、6つの問いに答えることと、6枚のページを作ることは別です。1ページの中で、問いごとに区切って並べても答えにはなります。

まとめてよい会社

  • 取引先が決まっていて、新しいお客様を探していない ― 確かめられる場所が1つあれば足ります
  • 紹介で仕事が回っている ― 会う前に名前を検索されたときに、答えがあれば十分です
  • サービスが1つで、説明が短い ― 分けると、かえって読む人が移動する手間が増えます
  • 開業したばかりで、実績も質問もまだ少ない ― まず1ページで出して、問いが出てきたら分けます

まとめるときも、問いの順に並べる

1ページにまとめる場合も、考え方は同じです。上から順に、何の会社か、何をするか、いくらか、実績、会社の情報、連絡先。区切りごとに見出しを付けて、ページの上に目次を置くと、スマートフォンでも目的の場所に飛べます。

分けたほうがいいサイン

反対に、次のようなことが起きたら分ける時期です。

  • スマートフォンで、目的の場所までなかなかたどり着けない
  • 読む人の種類が分かれた ― 法人と個人、お客様と求職者のように、知りたいことが違う人が同じページを読んでいる
  • 検索で探される言葉が、話題ごとに違う ― 1つのページが強く答えられる話題は、基本的に1つです

文章の量をどう決めるかは、ホームページの文章は、長いほうがいいのか に書きました。ページを分けるかどうかと、文章の長さは、同じ考え方で決まります。

6. 増やしすぎると、更新が止まる

ページは、作ったあとも残り続けます。ページの数だけ、直す場所も増えます。ここが、ページ数を決めるときにいちばん見落とされるところです。

古い情報は、ページの数だけ残る

料金を変えた。営業時間を変えた。担当者が替わった。こうしたときに、ページが多いほど直し忘れが出ます。サービスのページは直したのに、よくある質問の答えに旧料金が残っている。こういう食い違いは、読む人の信頼を少しずつ削ります。

「最終更新が3年前」のページが混ざる

公開したときに作ったコラムやお知らせが、そのまま止まっている。日付が古いまま残っていると、会社そのものが動いていないように見えます。中身が正しくても、そう受け取られることがあります。

増やす前に、直す人を決める

ページを足すときは、そのページを誰が、いつ見直すかを一緒に決めてください。決められないページは、まだ足す時期ではありません。更新が止まりやすい会社の共通点は、ページの数より、直す人と時期が決まっていないことです。

減らすのも、手入れのうち

誰も読んでいないページ、内容が他のページと重なっているページは、まとめて減らす判断もあります。ただし、ページを消したりまとめたりすると、そのページのアドレスも変わります。人が来ているページを消すときは、行き先を用意してからにしてください。

7. 業種で変わるところと、決める手順

最初の6つは多くの業種に共通しますが、どのページが主役になるかは業種で変わります。以下は一般的な傾向です。貴社の場合は、実際に聞かれることで確かめてください。

業種で変わる例

  • 工務店・リフォーム ― 実績が主役になりやすい業種です。施工事例と、対応するエリアのページが重くなります
  • 飲食店 ― 料金のページはメニューに置き換わります。営業時間、アクセス、予約の方法が中心です
  • 士業 ― 扱う分野ごとのページと、料金の決まり方、代表のプロフィールがよく確かめられます
  • 製造業・加工業 ― 料金を出しにくい代わりに、設備、対応できる材質や大きさ、見積もりの流れのページが効きます
  • 運送業 ― 対応エリアと車両、そして採用のページが早い段階で要ることが多い業種です

業種ごとに確かめられやすい項目は、士業・工務店・飲食・運送の4業種について 業種別に載せるものを整理した記事 にまとめてあります。

料金や広告の書き方に決まりがある業種

医療や不動産、士業など、業種によっては、ホームページに書ける内容に決まりがあります。そのためにページの作り方が変わることもあります。業種によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。

Step 1(今週):聞かれたことを書き出す

電話、メール、商談で聞かれたことを、思い出せるだけ紙に書き出します。社内で考えた項目ではなく、実際に聞かれた言葉で書くのがコツです。

Step 2(翌週):問いをまとめて、ページに割り振る

書き出した問いを、似たものごとにまとめます。まとまりの1つが、1ページか、1ページの中の1区切りになります。このまとまりの数が、貴社のページ数の出発点です。

Step 3(公開後):合図が来たら足す

公開したあとは、問い合わせの中身を見ながら、合図が来たページだけを足します。着手前に決めておくことは、ホームページを作る前に、決めておく5つのこと にまとめてあります。

8. 雄喜晃の伴走:ページ数は、聞かれていることから一緒に決めます

私たち雄喜晃のホームページ制作では、最初のお打ち合わせでページ数を決めることはしません。先に、お客様からどんなことを聞かれているかを伺い、その問いをページに割り振るところから始めます。

私たちがやること

  • 問いの書き出しをお手伝いする ― 電話や商談で聞かれていることを伺い、似たものをまとめて、どのページで答えるかを一緒に決めます
  • ページの構成と原稿を整える ― 伺ったお話をもとに、各ページの見出しと文章を整えます
  • 写真を整えて載せる ― 貴社で撮っていただいた写真を、ページに合わせて整えて載せます
  • 公開後に足す・直す ― 新しい問いが出てきたときのページの追加や、料金や営業時間の書き換えを、ご連絡をいただいて反映します

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)で、この記事で書いた最初の6つのページを、それぞれ独立させて作れます。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれています。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、ページを増やしたあとの直し忘れを防ぐ手間も、こちらで引き受けられます。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

ページ数を増やすことを目的にしたご提案はしません。誰の問いにも答えていないページは、更新の手間だけを増やすからです。また、「○ページあれば検索で上位に出ます」というお約束もしません。検索の順位は、ページの数でお約束できるものではないからです。

「何ページ要るのか分からないまま、見積もりの数字だけが並んでいる」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。

9. まとめ:数を決める前に、問いを数える

ホームページのページ数を決めるときに押さえることは、5つです。

  • ページ数に正解はない ― 「○ページ以上で安心」という目安はありません。見られているのは、問いに答えているかどうかです
  • 1ページは1つの問いに答える ― 1つの答えを、何か所にも分けて書かない
  • まずは6つの問いに答える ― 何の会社か、何をするか、いくらか、実績、会社の情報、連絡先
  • 後から足すのは、合図が来てから ― 同じ質問が続いた、サービスが増えた、求人を出す
  • ページの数だけ、直す場所も増える ― 足すときは、見直す人と時期を一緒に決める

ページ数は、最初に決める数字ではありません。お客様の問いに1つずつ答えていった結果として、決まる数字です。

今日できることを1つ挙げます。ここ1か月で、お客様から聞かれたことを5つ書き出してみてください。その5つに、今のサイトのどのページが答えているかを確かめると、足りないページと、要らないページが見えてきます。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社のお客様の問いを並べるところから、ご一緒します。