1. 「何年も調律していないんですが、頼んでいいんでしょうか」

ピアノの調律を仕事にしている方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「電話で最初に言われるのが、『もう何年も放ってあるんですが、それでも見てもらえますか』なんです。恥ずかしそうにおっしゃるんですよ。こちらからすれば、よくあることなんですけどね。サイトには料金表と電話番号しか載せていなくて」

ピアノの調律は、頼む人の多くにとって何年かに一度、あるいは初めて頼む仕事です。何をしてもらえるのか、どのくらい時間がかかるのか、いくらかかるのか、家に上がってもらうときに何を準備すればいいのか。分からないことが多いまま、サイトを開いています。

しかも、頼む人は家庭だけではありません。ピアノ教室の先生、学校や施設、ホール。頼む人によって、知りたいことがかなり違う業種です。

この記事では、ピアノの調律・修理を営む個人や会社のホームページに何を載せるかを、頼む人が確かめる順に書きます。楽器の修理や、中古ピアノの販売・買取を兼ねている場合の書き分けにも触れます。

この記事で書くこと

  • 頼む人(家庭・教室の先生・学校や施設・ホール)ごとに知りたいこと
  • 調律で何をするかと、時間の目安
  • 料金の見せ方(調律・修理・出張の範囲)
  • 時期の目安の書き方と、予約・訪問の範囲
  • 修理や整備の相談の受け方と、中古ピアノを扱う場合の書き分け
  • 調律師の経歴の書き方

2. 頼む人ごとに、知りたいことが違う

4種類の人が、同じサイトを見ている

ピアノの調律を頼む人は、大きく4つに分かれます。それぞれが確かめたいことと、サイトに書いておきたいことを並べると、次のようになります。

表:頼む人ごとに、確かめたいことと書いておくこと(書き方はすべて架空のたとえばです)
頼む人確かめたいこと書いておくこと(たとえば)
家庭長く放ってあっても頼めるか/いくらか/家で何を準備するか「何年も調律していないピアノも承ります」。当日ピアノの周りを空けておくことなど、準備を短く
ピアノ教室の先生レッスンの合間に来てもらえるか/複数台をまとめて頼めるか/急な不調に来てもらえるか「複数台のご依頼や、定期的なご依頼の相談を承ります」。訪問できる時間帯も
学校・施設見積書や請求書を出してもらえるか/行事に間に合うか/何台まで一度に見られるか「見積書・請求書の発行、行事の日程に合わせたご相談を承ります」。支払い方法が個人と違うことも
ホール・会場本番の前に調律できるか/当日立ち会えるか/リハーサルとの時間の調整「公演や発表会の前の調律、当日の立ち会いのご相談を承ります」。受けていないならそう書く

4種類を全部受けている必要はありません。どの人の依頼を受けていて、どの人の依頼が多いかを書けば、読む人は自分が頼んでいい相手かを判断できます。受けていない種類も書いておくと、合わない問い合わせが減ります。

入口は、トップページで分けておく

トップページの最初の画面に、「ご家庭の方へ」「教室・学校・施設の方へ」のように、頼む人ごとの入口を置いておくと、どちらの人も読むところを見つけやすくなります。家庭の人には料金と準備のこと、教室や学校の人には定期の依頼や書類のことを、それぞれのページで先に書きます。

個人のお客様と、学校や施設のような法人のお客様の両方を相手にする場合の、ページの分け方や言葉の使い分けは、個人のお客様と法人のお客様、両方を相手にする会社のホームページ にまとめました。

3. 調律で何をするかと、時間の目安

「調律」の中身を、短く説明する

頼む人の多くは、調律が何をする仕事なのかを詳しくは知りません。何をするのかを短く書いておくと、料金の意味も伝わりやすくなります。

  • 音の高さをそろえる ― 弦の張りを調えて、音の高さを合わせる。いわゆる「調律」
  • 鍵盤や、弦をたたく部分の動きを調える ― 鍵盤の重さや戻り、弾いたときの反応を調える
  • 音の響きを調える ― 音の硬さややわらかさ、音ごとのばらつきを調える

業界では、それぞれに決まった呼び方があるはずです。サイトでは、呼び方を使うなら、すぐ後ろに普段の言葉で言い直すと、初めての人にも読めます。

訪問からお帰りまでの流れ

家に来てもらう仕事なので、当日に何が起きるかが分かると、頼む人は安心して予定を空けられます。

図:訪問しての調律の流れ(時間はすべて「〇」の架空の例です)
① 伺って、ピアノの様子を見る

弾いていて気になること、前回の調律からどのくらい経っているかを伺い、ピアノの中の様子を確かめます。

たとえば「気になる音や鍵盤があれば、メモしておいてください」と書いておく
▼
② 調律と、必要な調整をする

音の高さをそろえ、鍵盤の動きなど気になるところを調えます。料金が加わる作業が要りそうなときは、作業の前にお伝えします。

たとえば「調律は1台あたり〇時間ほど。ピアノの状態によって変わります」
▼
③ 弾いて確かめていただき、お伝えする

弾いて確かめていただき、ピアノの状態と、次の調律の時期の目安、気をつけてほしいことをお伝えします。

長く調律していないピアノは、一度で音の高さを戻しきれず、日を分けることがあると書いておく

中身と時間は、貴社の実際の進め方で書いてください。何時間くらい家にいるのかと、その間に音が出続けることが書いてあると、頼む人はご近所への気づかいや、家族の予定も含めて日を決められます。

当日の準備を書いておく

家に上がってもらう仕事なので、頼む人が前もってしておくことも書いておきます。ピアノの上や周りの物をよけておく、駐車できる場所を伝えておく、などです。駐車場がない家のときにどうするかも、一行あると助かります。

4. 料金の見せ方:調律・修理・出張の範囲

何に、いくらかかるかを分ける

調律の料金は、ピアノの種類や状態で変わります。それでも、どこまでが基本の料金に含まれ、何が加わると高くなるのかは書けます。分けて書く項目の例を挙げます。

  • 調律の基本の料金 ― たとえば「アップライトピアノ〇〇,〇〇〇円、グランドピアノ〇〇,〇〇〇円」のように、ピアノの種類ごとに
  • 基本の料金に含まれるもの ― 簡単な調整や点検まで含むのか、調律だけなのか
  • 長く調律していない場合 ― 日を分ける場合や、作業が増える場合に、料金がどう変わるか
  • 部品の交換や修理 ― 「部品の交換は、作業の前にお見積もりをお伝えします」のように、決まり方を書く
  • 出張の費用 ― 料金に含まれる地域と、それより外の地域でかかる費用
  • 複数台・定期のご依頼 ― 教室や学校のように台数が多い場合や、定期的に頼む場合の扱い

金額はすべて、貴社の実際の料金で書いてください。下限だけを大きく書く形には気をつけてください。「〇〇,〇〇〇円から」だけを見て頼んだ人が、当日に作業が増えて金額が上がると、金額よりも言っていたことと違うことのほうが残ります。条件つきの数字の出し方は、ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあります。

当日に金額が変わるときの決め方

いちばん効くのは、「料金が加わる作業は、作業の前にお伝えし、ご了承をいただいてから行います」の一文です。家に来てもらったあとで断りにくいと感じる人は少なくありません。了承をいただくまで作業しないことが書いてあれば、初めての人も頼みやすくなります。

支払いの方法と時期も、ここに添えておきます。当日の現金か、振り込みか、学校や施設のように請求書で後払いにできるか。個人と法人で違うなら、分けて書きます。

5. 時期の目安と、予約・訪問の範囲

時期の目安は、言い切らずに書く

「調律は年に1回」という言い方を聞いたことがある人は多いと思います。ただ、ピアノの状態は、弾く頻度や置いている部屋の湿り気、季節によっても変わると言われます。サイトでは、時期を言い切るより、目安として書くほうが読む人の判断を助けます。

「ご家庭では〇年に1回ほどを目安にご依頼いただくことが多いです。よく弾く方や、教室でお使いの場合は、もう少し短い間隔をおすすめすることがあります。音の高さが気になったときが、ご相談のきっかけです」(言い回しは架空の例です)

時期を書くと、営業の文句のように受け取られることがあります。「〇年たったら必要です」のような言い方ではなく、「こういうときが相談のきっかけです」という書き方にすると、読む人の側で決められます。前回の調律からの年数が分からない人には、「分からなくても大丈夫です」と添えておきます。

予約の受け方を、用事ごとに書く

予約は、電話で受けることが多い業種だと思います。仕事中で電話に出られない時間が多いなら、フォームで希望の日時をいくつか受け取り、こちらから折り返して決める形も用意しておくと、取りこぼしが減ります。予約をネットで受けるかどうかの考え方は、予約をネットで受けるか、電話のままにするか にまとめました。

あわせて、予約の前に聞いておきたいことをフォームに入れておくと、当日の準備がしやすくなります。ピアノの種類、置いている階、前回の調律からのおおよその年数、駐車場の有無。全部を必須にせず、分かる範囲で書いてもらう形にしてください。

訪問できる範囲を、地名で書く

訪問の範囲は、市や町の名前で書きます。「〇〇市周辺」だけでは、隣の町の人は頼んでいいのか迷います。範囲の外でも、日程を合わせれば伺えるのか、出張の費用が加わるのかも書いておきます。範囲の書き方は、「対応エリア」を、ホームページにどう書くか にまとめました。

6. 修理・整備の相談と、中古ピアノを扱う場合

修理の相談は、症状の言葉で受ける

修理を頼みたい人は、どこが悪いのかを説明できないことが多いです。よくある症状を、頼む人の言葉で並べておきます。

  • 鍵盤 ― 押したまま戻らない、重い、音が出ない鍵盤がある
  • 音 ― 弾くとビリビリと雑音がする、音が伸びない
  • ペダル ― 踏んでも効かない、きしむ音がする
  • 見た目 ― 傷、ふたの不具合、長く置いていて中が汚れている

そのうえで、訪問先で直せることと、預かって工房で直すことの違いを書きます。預かる場合は、運ぶ費用と、預かる期間の目安も一緒に。修理の見積もりが無料か有料か、写真や電話で先に相談できるかも書いておくと、連絡の手前で迷う人が減ります。

電子ピアノを扱うかどうかも、はっきり書いておきます。電子ピアノは調律をする楽器ではないので、修理を受けるかどうかも含めて、問い合わせが来やすいところです。

中古ピアノの販売・買取・運送は、ページを分ける

中古ピアノの販売や買取、運送を兼ねている場合は、調律・修理のページとは分けて書きます。調律を頼みたい人と、ピアノを手放したい人、買いたい人とでは、知りたいことがまったく違うからです。

  • 販売 ― 今ある品と、店頭で見られるか。販売前にどんな整備をしているか。お渡しのあとの調律や保証
  • 買取 ― 査定だけでもよいこと。金額は状態で変わり、サイトに書いた金額を約束しないこと。引き取りにかかる費用の扱い
  • 運送 ― 家の中での移動、引っ越し先への運送を受けるか。階段や吊り上げが要る場合の扱い

使われなくなった品を買い取る商売には、営業の許可が要る場合があります。ホームページで買取を案内するときに、載せておくことが決まっている事項がある場合もあります。また、ピアノを運ぶことを仕事として受ける場合にも、決まりが関わることがあります。何が求められるかは商売の形によって違うので、警察署などの所管の窓口や専門家に確認してください。

7. 調律師の経歴と、一人で営む場合の書き方

誰が来るかを、先に書く

家に上がってもらう仕事なので、誰が来るのかは、頼む人がいちばん気にするところの一つです。名前と顔写真、調律の仕事を始めてからの年数、どんなピアノやどんな依頼が多いかを書きます。

経歴は、年数だけでなく、その年数で何をしてきたかを添えてください。どこで技術を身につけたか、家庭の調律が中心か、ホールや学校の仕事も多いか、修理や整備をどこまで自分で手がけるか。資格や講習を受けているなら、正式な名前で、持っているものだけを書きます。

技術の伝え方は、職人の技術を、ホームページでどう伝えるか に、工程と手元の見せ方としてまとめました。調律や修理も、作業中の手元の写真と、何をしているかの短い説明で伝わる仕事です。

一人で営んでいることを、隠さない

ピアノの調律は、一人で営んでいる方も多い仕事だと思います。サイトで会社らしく見せようとして、「スタッフ一同」のような書き方をする必要はありません。一人で伺うこと、一人なので訪問中は電話に出られないことがあることを書いておくほうが、頼む人は事情を分かったうえで連絡できます。

そのうえで、電話に出られないときにどうすればよいかを書きます。留守番電話に残してもらえれば何時までに折り返すのか、フォームならいつまでに返すのか。一人社長や家族経営のサイトの考え方は、一人社長・家族経営の会社の、ホームページ にまとめました。

8. 雄喜晃の伴走:頼む前の「分からない」に、先に答えます

私たち雄喜晃は、調律や修理のホームページを作るとき、最初に「最初の電話で、何を聞かれることが多いか」を伺うところから始めます。何年も放ってあっても頼めるか、いくらかかるか、何時間かかるか、何を準備すればいいか。その答えがサイトに書いてあれば、頼む人は迷わずに連絡できます。

私たちがやること

  • 頼む人ごとの入口を作ります ― 家庭、教室、学校や施設、ホールのうち、貴社が受けている依頼を伺って分けます
  • 調律で何をするかと、当日の流れを図にします ― 実際の進め方と時間の目安を伺って書きます
  • 料金を、組み立てで書ける形にします ― 調律、修理、出張の範囲、複数台や定期の扱いを、伺った料金で整えます
  • 中古ピアノの販売や買取を、調律とは分けて載せます
  • 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 作業の手元や工房、販売中のピアノを、明るさや大きさをそろえて配置します

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、料金の改定や、販売中のピアノの入れ替え、休みのお知らせも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • 調律や修理の料金、買取の金額そのものは決めません。決まった内容を、読む人に伝わる形に組むところを担当します
  • 買取や運送の許可と表示が決まりに合っているかの判断はしません。所管の窓口や専門家で確かめていただくようお願いしています
  • 予約や顧客を管理する仕組みの開発はしていません
  • 検索順位や問い合わせの増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。

「電話で毎回同じことを説明しているのに、サイトには料金表しか載せていない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:頼む人ごとに、頼む前の迷いに答える

ピアノの調律・修理のホームページで押さえることは、5つです。

  • 頼む人ごとに入口を分ける ― 家庭、教室の先生、学校や施設、ホール。受けていない依頼も書く
  • 調律で何をするかと、時間の目安を書く ― 当日の流れと準備。長く放ってあるピアノも頼めること
  • 料金は組み立てで書く ― 基本の料金に含まれるもの、加わる条件、出張の範囲。加わる作業は了承をいただいてから
  • 時期は言い切らず、訪問の範囲は地名で書く ― 「こういうときが相談のきっかけです」という書き方に
  • 中古の販売・買取・運送は分けて書く ― 許可や表示の決まりは、所管の窓口や専門家に確認する

ピアノは、何十年も使われる楽器です。同じ人に長く見てもらえると分かれば、頼む人は次の調律も、修理も、手放すときの相談も、同じところに連絡してきます。

まず、今日できること

この1か月に受けた電話やメールを、思い出せる分だけ書き出してみてください。かけてきたのは家庭の方か、教室の先生か、学校か。最初に何を聞かれたか。その一覧が、そのまま2章の表の中身と、トップページに置く入口になります。