1. 「看板って、どこまで頼めるんですか、と最初に聞かれるんです」
看板を作って取り付ける仕事をしている方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。
「うちは長いこと、紹介と付き合いで仕事が回ってきたんです。それが最近、開業の準備をしている方がネットで探して電話をくれるようになって。最初に聞かれるのが『看板って、どこまでやってもらえるんですか』なんです。サイトには社名と電話番号くらいしか載せていなくて」
看板の仕事は、外から中身が見えにくい仕事です。デザインを考える人、作る人、取り付ける人が、同じ会社なのか別々なのか。初めて頼む人には、そこから分かりません。
だから、看板屋のサイトを見に来た人は、自分の頼みたいことが、この会社で最後まで済むのかを確かめています。店の正面の看板だけなのか、ガラスの文字や車の文字も一緒に頼めるのか。デザインは持ち込みでいいのか、作ってもらえるのか。開業日に間に合うのか。いくらくらいの話なのか。
この記事で書くこと
- 頼む人の3つの種類と、それぞれが知りたいこと
- 作れるものを、品目の一覧で見せる方法
- デザインの持ち込みと、デザインからの依頼の分け方
- 相談から取り付けまでの流れと、期間の目安
- 費用が決まる条件、許可や申請の話、点検・修理・撤去、施工例の見せ方
2. 頼む人は、3種類いる
看板屋に仕事を頼む人は、大きく3つに分かれます。誰が見に来るかで、最初に見せるものが変わります。
開業の準備をしている店
開業の準備をしている人は、看板を頼むのが初めてということが多いです。何を決めておけばいいのか、どれくらい前に頼めばいいのか、いくらくらいかかるのかが分かりません。
この人たちが気にしているのは、まず開業日に間に合うかです。開業の前は、内装、チラシ、ホームページと、決めることが一度に重なります。開業前にそろえるもの全体の考え方は、開業前のホームページに、何を載せるか にまとめました。
会社の総務や、店舗の担当者
すでに営業している会社の総務の方や、複数の店を持つ会社の店舗の担当者です。社名が変わった、ロゴを新しくした、営業所を移した、古い看板が傷んできた。社内で稟議を通すために、見積もりと進め方を早く知りたい人たちです。
この人たちは、請求書での支払い、何か所かまとめての依頼、遠方の営業所への対応、工事の日に立ち会う必要があるかを確かめます。
工務店や設計事務所からの下請け
内装や建物の工事を元請けしている工務店、店舗を設計している事務所です。図面を持っていて、工程の中に看板を組み込みたい人たちです。
確かめたいのは、図面から見積もりが出せるか、現場の工程に合わせて動けるか、電気の工事との分け方、施工の実績です。施主の前で任せられる会社かどうかを見ています。下請けの仕事が多い会社のサイトの考え方は、下請けの仕事が中心の会社に、ホームページは効くのか に書きました。
| 頼む人 | 知りたいこと | 入口に置くもの |
|---|---|---|
| 開業の準備をしている店 | 何を決めておけばいいか/開業日に間に合うか/だいたいいくらか | たとえば「開業のご準備中の方へ」として、決めておくことと、開業日から逆算した頼む時期を書く |
| 会社の総務・店舗の担当者 | 見積もりの出し方/何か所かまとめて頼めるか/支払いと立ち会い | たとえば「法人のご担当者の方へ」として、請求書払いや複数か所の依頼、社名変更のときの進め方を書く |
| 工務店・設計事務所 | 図面から見積もれるか/工程に合わせられるか/電気工事との分け方 | たとえば「工務店・設計事務所の方へ」として、図面での見積もりと、現場の段取りで貴社が受け持つ範囲を書く |
3つの入口は、トップページの最初の画面の近くに並べておきます。同じ看板の仕事でも、頼む人によって先に知りたいことが違うからです。入口の名前や数は、貴社が実際に受けている仕事の割合に合わせてください。
3. 作れるものを、品目の一覧で見せる
「看板全般」では、探しているものが見つからない
「看板全般、何でもご相談ください」と書いてあるサイトをよく見ます。何でもできるのは強みですが、見に来た人は自分が欲しいものの名前で探しています。品目ごとに区切って並べてください。
- 店舗の看板 ― 店の正面の壁に付ける看板。箱の形のもの、板に文字を付けるもの、文字だけを壁に付けるものなど
- 袖看板 ― 壁から道のほうへ突き出す看板。歩いている人から見えるように付けるもの
- 置き看板・スタンド看板 ― 店の前に出し入れする看板。黒板のように書き換えられるものも
- ウインドウのシート ― ガラスに貼る文字や絵、目隠しのシート、営業時間の表示
- 車両の文字 ― 社用車やトラックに入れる社名や電話番号、車全体を覆う貼り物
- 屋外の大きな看板 ― 屋上や道沿い、空き地に建てる大きな看板。支柱や基礎の工事を含むもの
- 館内のサインや表示 ― 案内板、部屋の名前の表示、床や壁の誘導の表示
品目ごとに書く条件
品目ごとに、写真を1〜2枚と、次の条件を添えます。
- 大きさの幅 ― よく受ける大きさと、受けられる上限
- 素材 ― 板、金属、樹脂、シートなど。屋外と屋内で使い分けているなら、その違いも
- 照明 ― 中に明かりを入れるもの、外から照らすもの、照明なしのもの
- 取り付け ― 取り付けまで受けるか、作ってお届けするだけか
- 自社でやるか、協力会社か ― 電気の工事、高い所の作業、基礎の工事など、協力会社と組んでいる部分があれば、そう書く
誰が何を受け持ち、誰が全体の責任を持つのかが分かれば、頼む人は安心します。
受けないものも書く
受けない仕事も一行で書いておきます。たとえば「建物の工事そのものは受けていません」「遠方の取り付けは、協力会社のご紹介になります」。受けないことが分かると、受けることのほうが信じてもらえます。
4. デザインの持ち込みと、デザインからの依頼を分ける
看板屋に来る依頼は、デザインがある人とない人で、進み方がまったく違います。入口を分けておくと、どちらの人も迷いません。
データを持ち込む人へ
ロゴや看板のデザインをすでに持っている人には、どんな形のデータなら受けられるかを書きます。
- データの形式 ― 受けられる形式と、受けられない形式
- ロゴが印刷物しか無いとき ― 名刺やチラシから起こし直せるか
- 色の指定 ― 印刷物の色に合わせたいときの伝え方
- 原寸の確認 ― 実際の大きさで、どう確かめるか
ロゴのデータが無い人は多いです。起こし直すときの費用も書いておくと、問い合わせの前に止まる人が減ります。
デザインから頼みたい人へ
デザインから受けるなら、用意してもらうもの、進み方、修正の回数、作ったデータの扱いを書きます。
- 用意してもらうもの ― 店の名前、ロゴ、入れたい文字、参考にしたい看板の写真、取り付ける場所の写真
- 進み方 ― 打ち合わせ、案の提出、修正、決定の順と、それぞれの日数の目安
- 修正の回数 ― 何回まで料金に含まれるか
- 作ったデータの扱い ― チラシや名刺に使えるようにお渡しできるか
取り付けたときの姿を、先に見せる
看板は、画面の上のデザインと、実際に建物に付いたときの見え方が違います。道から見ると思ったより小さい、壁の色に文字が沈む、夜になると読めない。
そこで、取り付ける場所の写真に、デザインを重ねたイメージをお見せするなら、そのことをサイトに書いておきます。決める前に完成の姿を見られると分かれば、デザインから頼む不安が小さくなります。画面で見る色と、実物の素材の色が違って見える場合があることも、一言添えてください。
5. 相談から取り付けまでの流れと、期間の目安
開業の準備をしている人にとって、いちばん大事なのがここです。何日あれば付くのかではなく、いつまでに何を決めれば間に合うのかを書きます。
たとえば、建物の正面の写真と、だいたいの寸法、開業の予定日を伺います。写真があれば、おおよその費用の幅をお伝えします。
たとえば、壁の材質、電気が来ているか、取り付ける高さ、道との位置を確かめます。建物の持ち主の了解が要るかも、ここで確かめます。
たとえば、取り付けたときのイメージと、項目ごとの見積もりをお出しします。申請が要る看板かどうかも、この段階でお伝えします。
たとえば、自治体への申請が要る看板は、許可が出るまでの日数がかかります。その間に、作れる部分を進めます。
たとえば、取り付けの日は、足場や高い所の作業の車が入ることがあります。明かりの入る看板は、点灯を一緒に確かめます。
全体の日数は、貴社の過去の仕事から「店舗の正面の看板で、ご相談からおよそ〇週間」のように、実際の数字を条件つきで書いてください。申請が要る看板や、大きな看板は延びることも添えます。
開業日から、逆算できるようにする
開業の準備をしている人には、開業日から数えて、いつまでにご相談いただければ間に合いやすいかを書いておくと親切です。たとえば「開業のおよそ〇週間前までに、デザインと取り付ける場所を決めていただけると、余裕をもって進められます」(日数は貴社の実際で)。
あわせて、内装の工事との順番も書いておきます。外の壁を直す工事がある場合は、その後でないと付けられない看板があります。
間に合わないときの、つなぎの方法
間に合わないときに何ができるかも書いておきます。たとえば、先にウインドウのシートや置き看板だけ用意する、仮の表示を出しておく、といった方法です。日数の書き方そのものは 納期や「何日かかるか」を、ホームページにどう書くか にまとめてあります。
6. 費用が決まる条件を書く
看板の費用は、同じ大きさでも何倍にも動きます。だから、金額そのものより先に、何が変わると金額が動くかを書いてください。
金額が動く条件
- 大きさ ― 大きくなるほど、材料も取り付けの手間も増えます
- 素材 ― シートか、板か、金属か。屋外で長く使うものほど、選ぶ素材が変わります
- 高さ ― 手が届く高さか、足場や高い所の作業の車が要るか。ここで大きく変わります
- 照明 ― 明かりを入れるか。入れる場合は、電気の工事が加わります
- 取り付ける壁 ― 壁の材質によって、取り付けの方法と下地の補強が変わります
- 撤去 ― 前の店の看板を外して処分するか。外したあとの壁の補修が要るか
- 申請 ― 自治体への申請が要る看板か。申請の手続きを貴社が代わりに行うか
- 作業の時間 ― 店の営業中に作業できない場合の、夜や早朝の作業
条件つきの目安を、例で書く
条件を並べたうえで、よくある依頼の目安を書いておくと、読む人は桁を知ることができます。
「たとえば、1階の店舗の正面に、照明なしの板の看板を手の届く高さで取り付ける場合は〇万〜〇万円、袖看板に明かりを入れる場合は〇万〜〇万円のご依頼が多いです(例は架空です。金額は貴社の過去のお見積もりで書いてください)」
大事なのは、看板の種類・取り付ける条件・金額の幅が一緒に書いてあることです。「看板〇万円から」と下限だけを書くと、見積もりを出したときに「話が違う」と受け取られます。条件つきで料金を出す考え方は、ホームページに料金を載せるか、載せないか に詳しく書きました。
見積もりに要るものを書く
何を伝えれば見積もりが出るかも書いておきます。取り付ける場所の写真、だいたいの寸法、住所、照明の希望、希望の時期、デザインの有無。写真をフォームから送れるようにしておくと、言葉で説明できない人でも伝えられます。
7. 申請の話、点検・修理・撤去、施工例の見せ方
屋外の看板には、自治体ごとの決まりがある
屋外に出す看板には、自治体ごとに決まりがあります。大きさや高さ、場所や地域によって、許可の申請が要る場合や、出せない場所がある場合があります。道の上に突き出す看板は、別の手続きが関わることもあります。
サイトには、細かい中身ではなく、次のことを書いておきます。
- 申請が要る場合 ― 看板によっては、自治体への申請が要る場合があること
- 伝える時期 ― 要るかどうかを、現地の調査とお見積もりの段階でお伝えすること
- 手続きの代行 ― 申請を貴社が代わりに行うか。その費用と、許可が出るまでの日数
- 建物の持ち主 ― テナントの場合は、持ち主の了解が要ること
決まりの中身は地域や看板によって違うので、くわしくは、設置する場所の自治体の窓口に確認してくださいと添えます。看板を取り付ける仕事そのものにも、自治体への登録などの決まりがある場合があります。貴社が持っている登録や資格は、会社概要に名前と番号で書いておいてください。
点検・修理・撤去も受けると書く
看板は、付けたあとも傷みます。明かりが切れた、傾いてきた、さびが出た、台風のあとが心配だ。こうした相談をする先が分からない人は多いです。
- 点検 ― 古い看板の状態を見てほしいという依頼を受けるか。他社が付けた看板でも見るか
- 修理 ― 明かりの交換、表面の貼り替え、文字だけの入れ替え
- 撤去 ― 閉店や移転のときに看板を外して処分し、壁を補修するか
古い看板の点検の報告が求められる地域もあるので、ここも自治体の窓口に確認してくださいと添えます。点検・修理・撤去のページは、新しい看板を頼む予定のない人の入口になります。
施工例は、前と後、取り付けた場所の条件で見せる
施工例は、頼む人が自分の店に置き換えて見るページです。写真の選び方と、添える情報で伝わり方が変わります。
- 前と後を、同じ位置から ― 付ける前の壁と、付けた後を並べます。前の看板を外した仕事なら、その前の姿も。撮り方は 施工前と施工後の写真を、比べられる形で撮る にまとめました
- 昼と夜 ― 明かりの入る看板は、点灯した姿を1枚
- 近くと遠く ― 寄りの写真だけでなく、道の向こうから見た姿。どの距離から読めるかが分かります
- 取り付けた場所の条件 ― たとえば「2階の壁/手の届かない高さ/照明あり/申請あり」のように、短い言葉で添えます(例は架空です)
最後の項目があると、読む人は自分の店と同じ条件の例を探せます。店の名前は、載せてよいかを確かめてから出し、確かめられないものは業種と地域だけにします。
どの地域で仕事をしてきたかを見せたい場合は、地域名で並べる方法もあります。お店や会社の場所でも、了解は取っておきます。見せ方は 施工やお届けの実績を、地図で見せるかどうか に書きました。
8. 雄喜晃の伴走:作れるものと頼み方を、頼む人ごとに並べます
私たちがやること
私たち雄喜晃は、看板屋のホームページを作るとき、どんな人から、どんな依頼が多いかを伺うところから始めます。開業の準備をしている店、会社の総務、工務店や設計事務所。その割合と、電話でよく聞かれることから、入口の分け方と、品目ごとの案内を組み立てます。
流れと期間の目安、費用が決まる条件、申請の話は、貴社がふだん使っている見積書や、実際の仕事の進め方を伺って、文章と図に起こします。施工例の写真は、貴社で撮っていただいた前後の写真や、点灯した姿の写真をお預かりして、整えて載せます。写真の下に添える条件の言葉も、一緒に決めます。
月5回までの更新代行が月額に含まれているので、新しい施工例の追加や、料金の目安の書き換え、年末年始の受付のお知らせも、ご連絡いただければこちらで反映します。
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
写真の撮影はお受けしていません。施工例の写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでが私たちの仕事です。
貴社の料金や期間の数字を、こちらで決めたり推測で埋めたりすることもしません。屋外の看板の申請や登録について、何が要るかを私たちが判断することもしません。そこは自治体の窓口で確かめていただくようお願いしています。実際にない施工例を作って載せることや、問い合わせの件数や検索の順位をお約束することもいたしません。
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。
「看板のことなら何でもできるのに、サイトでは何が頼めるか伝わっていない」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:誰が、何を、いつまでに頼めるかを見せる
看板屋のホームページで押さえることは、5つです。
- 頼む人ごとに入口を分ける ― 開業の準備をしている店、会社の総務、工務店や設計事務所
- 作れるものを品目の一覧で ― 品目ごとに、大きさ・素材・照明・取り付けの範囲と、受けないもの
- デザインは、持ち込みと作成を分ける ― 受けられるデータと、デザインからの進み方。取り付けたときの姿を先に見せる
- 流れは開業日から逆算できる形で、費用は条件で ― 大きさ、素材、高さ、照明、取り付ける壁、撤去、申請
- 申請、点検・修理・撤去、施工例の条件 ― 申請が要る場合があることと、自治体の窓口に確かめること。付けたあとの相談先であること。前と後、昼と夜、取り付けた場所の条件
看板は、店や会社の顔になるものです。頼む人は、顔を任せられる会社かどうかを、サイトで確かめています。何ができるかを並べ、どう頼めばいいかを書いておくことが、その答えになります。
まず、今日できること
この1か月に受けた電話やメールの質問を、頼んできた人の種類ごとに分けて書き出してみてください。開業の準備をしている店、会社の総務、工務店や設計事務所。種類ごとに並べると、それぞれの入口に何を書けばいいかが、そのまま見えてきます。
ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社が作れるものを、頼む人が自分の依頼に当てはめられる形にするところから、ご一緒します。