1. 「『訪問で来た会社と同じ話ですか』と、最初に聞かれるんです」
太陽光発電や蓄電池の販売と施工をしている方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。
「地元で電気工事から始めて、屋根の上の仕事もずっと自分たちでやってきたんです。でも問い合わせの電話で、最初に『訪問で来た会社さんと同じ話ですか』と聞かれることがあって。家に来て、得をする話ばかりして帰る業者さんがいるみたいなんです」
太陽光発電や蓄電池は、金額が小さく、何度も買うものでもありません。比べる経験がないまま、大きな金額の判断をすることになります。
そこへ突然の訪問で、得をする話だけを聞かされる。そういう経験や話を聞いた方は、この分野の会社そのものを警戒しています。サイトを見に来る人の多くは、頼む会社を探していると同時に、頼んではいけない会社を見分けようとしています。
塗装店の話と、重なるところ
この構図は、外壁や屋根の塗装とよく似ています。地元の会社であることを事実で見せる、見積もりの内訳を見本で見せる、急がせないと書く。考え方は 外壁・屋根の塗装店のホームページに、何を載せるか にまとめました。
太陽光発電と蓄電池ならではの事情は、「得をするかどうか」の話がついて回ることです。ここを言い切ると、訪問の業者と同じに見えます。だから、前提と条件を見せる書き方が要ります。
この記事で書くこと
- 地元の会社であることと、施工の体制の見せ方
- 相談から設置までの流れ
- 費用の考え方と、見積もりの内訳
- シミュレーションに前提を書くこと
- メリットだけでなく、向かない家の条件も書くこと
- 保証と点検、補助金の案内の書き方
2. 見に来る人が確かめている5つ
太陽光発電や蓄電池の会社のサイトを見に来た人が、電話やフォームの前に確かめていることは、だいたい5つです。
- この会社は、どこの誰なのか ― 地元にあるのか。売る人と取り付ける人は同じ会社なのか
- 自分の家に、そもそも向いているのか ― 屋根の向きや広さ、周りの建物の影
- 総額は、何にいくらなのか ― 手元の見積もりと比べられるのか
- 本当に得になるのか ― 聞かされた話が言い過ぎではないのか
- 取り付けたあと、何かあったらどうなるのか ― 雨漏り、故障、点検
見積もりとシミュレーションを持って、比べに来ている
この業種の特徴は、すでに別の会社の見積もりやシミュレーションを持っている人が見に来ることです。訪問で受け取った紙に、大きな数字が並んでいる。それが本当なのか分からないので、地元の会社を探して比べに来ます。
その人が探しているのは、比べるための材料です。並べられる内訳、数字の前提、自分の家に向かない理由はないか。ここに答えているサイトが、候補に残ります。
3. 地元の会社であることと、施工の体制を見せる
最初に整えたいのは、どこの誰なのかと、誰が屋根に上がるのかが分かることです。
所在地は、番地と建物の写真まで
会社概要に所在地を番地まで書き、事務所や倉庫の外観の写真を1枚添えてください。写真があると、「近所のあの場所か」と分かる人が出てきます。
代表の方の写真と名前、この地域で仕事を始めた年、どんな仕事から始めた会社なのかも書きます。顔と名前が出ている会社は、取り付けたあとも連絡がつく会社として受け取られます。
売る人と、取り付ける人
この業種で見られているのが、売る会社と取り付ける会社が同じかどうかです。自社の職人が取り付けるのか、協力会社の職人と組んでいるのか。どちらが正しいということではありません。分かれていること自体を隠さないことが大事です。
協力会社と組んでいる場合は、「現地の調査と、工事の最後の確認は自社の担当者が行います」のように、誰が責任を持って見るかを書いてください。屋根の上の作業をする人、電気の工事をする人の写真と経験年数を添えると、家に来る人の姿が見えます。
資格と許可、対応エリア
工事に関わる許可や、持っている資格があれば、名前と番号を書いてください。どの工事にどんな許可や資格が要るかは、工事の内容や規模によって違います。何をどう表示するかは、所管の窓口や業界団体に確認してください。
対応エリアは、市区町村の名前で書きます。点検や故障のときに伺える範囲として書くと、地元の会社であることが伝わります。
4. 相談から設置までの流れを見せる
次に、頼んだら何が起きるのかを流れで見せます。どの段階で決めればよいのか、その場で決めなくてよいのかが分かると、読む人は相談しやすくなります。
たとえば、電気の使い方、ご家族の暮らし方、これから何年くらい住む予定か、屋根の修理の予定があるかを伺います。
たとえば、屋根の向きと形、傷み具合、周りの建物や木の影、蓄電池を置く場所、分電盤のまわりを確かめます。
たとえば、項目ごとの見積書と、前提を書いたシミュレーションを一緒に読みます。他社の見積もりと比べていただいてから、お決めいただきます。
たとえば、電気をつなぐための手続きや、補助金を使う場合の申請など、工事の前に要るものを進めます。
たとえば、足場を組み、屋根への取り付けと電気の工事をして、発電の様子を一緒に確かめます。
右側の一言は、警戒している人が気にしていることへの答えです。とくに②と③の一言があるかどうかで、相談のしやすさが変わります。全体の期間を書く場合は、貴社の過去の工事から実際の幅で書き、手続きの進み具合で延びることがあると添えてください。
工事の日数、足場を組む日の音、電気が止まる時間があるか、ご近所へのあいさつを誰がするか。暮らしに何が起きるかも書いておくと、読む人は予定を立てられます。
5. 費用の考え方と、見積もりの内訳
ここがこの記事でいちばん大事なところです。
「一式」では、比べられない
見積もりに「太陽光発電システム一式」と金額だけが書かれていると、何にいくらかかっているかが分かりません。
サイトに「当社のお見積もりは、項目ごとに分けてお出しします」と書き、見本を1枚載せておく。それだけで、読む人は手元の見積もりと比べられます。
| 項目 | 何のための費用か | サイトに書き添えること |
|---|---|---|
| 発電の機器 | 屋根に載せるパネルなど | 枚数と、載せる量。屋根の形で載せられる量が変わること |
| 取り付けの部材 | パネルを屋根に固定する金具や架台 | 屋根の材料によって、取り付け方が変わること |
| 電気を変える機器 | 発電した電気を家で使える形にする機器、表示の機器など | どこに置くか。発電の機器とは分けて書く |
| 蓄電池 | 電気をためておく機器(付ける場合) | 置き場所、停電のときにどこまで使えるかは機種や設定で違うこと |
| 工事費 | 屋根への取り付け、配線、電気の工事 | 屋根の傷みを直す費用は別になることがある、と書く |
| 足場 | 屋根の上で安全に作業するための足場 | 面積と単価で書く。屋根の塗り替えと同時なら足場をまとめられる場合があること |
| 手続きと諸経費 | 電気をつなぐための手続き、申請の代行、廃材の処分など | 何が入っているかを1行で。補助金の申請を代行するなら、その費用も |
項目の分け方や呼び方は、貴社がふだん出している見積書に合わせてください。機器は作っている会社の名前ではなく、何のための機器かで書くと、読む人が手元の見積もりと比べやすくなります。
金額の目安は、家の条件とセットで
内訳の見本とは別に、よくある家で、だいたいいくらになるかを書いておくと、読む人は桁を知ることができます。
「たとえば、〇〇市内の木造2階建てで、南向きの屋根に発電の機器だけを載せる場合、工事費と足場を含めて〇〇万〜〇〇万円のご依頼が多いです(金額は架空の例です。実際の金額は貴社の過去のお見積もりで書いてください)」
ポイントは、家の条件・付ける機器・含む費用・金額の幅が一緒に書いてあることです。下限だけを書くと、見積もりのときに「話が違う」と受け取られます。高くなる条件と安くなる条件の書き方は ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあります。
シミュレーションには、前提を書く
この業種で避けて通れないのが、発電量や電気代のシミュレーションです。出すこと自体は悪くありません。困るのは、前提が書かれていないまま、結果の数字だけが一人歩きすることです。
シミュレーションを載せるときは、結果のすぐ近くに、何を前提に計算したのかを書いてください。
- 家の条件 ― 屋根の向きと角度、載せる量、地域
- 電気の使い方 ― 昼と夜にどれくらい使うと仮定したか
- 単価 ― 計算に使った電気料金の単価、余った電気を買い取ってもらう単価と、それがいつ時点のものか
- 変わること ― 天気、使い方、電気料金の改定、機器の性能の変化で、実際の数字は変わること
そして、「〇年で元が取れます」「絶対に得をします」のような言い切りは書かないでください。どれくらいで元が取れるかは、前提の置き方でいくらでも変わります。言い切った時点で、訪問の業者と同じに見えます。料金や結果を自動で出す仕組みを置くかどうかは、ホームページに「料金シミュレーション」を置くかどうか で考え方を整理しました。
6. メリットだけでなく、向かない家の条件も書く
警戒している人に、いちばん効くかもしれないのがここです。向かない家の条件を、こちらから書いておくことです。
向かないことがある家
- 屋根の向きや影 ― 屋根の向きや、周りの建物・木の影によっては、思ったほど発電しないことがある
- 屋根の広さと形 ― 載せられる量が少なく、費用に見合わないことがある
- 屋根の傷み ― 近いうちに葺き替えや塗り替えが要るなら、先にそちらを考えたほうがよいことがある
- 屋根の材料と築年数 ― 取り付け方に注意が要ったり、取り付けを勧めなかったりすることがある
- 住む予定の年数 ― 近いうちに住み替えや建て替えの予定があるなら、急いで付けなくてよいことがある
- 蓄電池の置き場所 ― 置ける場所がない、置き場所の条件が合わないことがある
問い合わせが減るのではと心配されるかもしれません。けれど、向かない家にはそう伝える会社だと分かると、向く家の人は安心して相談できます。「向かないと判断したときは、そうお伝えします。屋根の修理を先にお勧めすることもあります」という一文を、流れの中に入れておいてください。
メリットは、言い切らない言葉で
メリットを書くときも、「電気代がかからなくなります」「停電しても安心です」のような言い切りは避けてください。電気代がどれくらい変わるかは、家と使い方によって違います。停電のときにどこまで使えるかは、機種や設定、ためている量によって違います。
代わりに、どんな暮らしの方に、どんな理由で勧めることが多いかを書きます。機器の性能は、作っている会社が示している内容に沿って、出典と条件を添えて書いてください。
効き目や採算をうたう表現は、示し方によっては表示の決まりの上で問題になる場合もあります。決まりの中身は業種や言い方によって違うので、気になる表現は専門家に確認してください。どの業種でも気をつけたい書き方は、業種によっては、ホームページに書けないことがある にまとめてあります。
7. 保証と点検、補助金の案内
最後に、取り付けたあとのことと、補助金のことです。
保証は、機器の保証と工事の保証を分けて書く
この業種の保証は、作っている会社が出す機器の保証と、貴社が出す工事の保証に分かれていることが多いものです。これを1つの「〇年保証」にまとめて書くと、何かあったときに「どこまでが対象か」で話がもつれます。
- 機器の保証 ― 誰が出している保証か、期間と条件は保証書のとおりであること、申し込みの手続きを誰がするか
- 工事の保証 ― 取り付けた部分の不具合、屋根からの雨漏りなど、貴社が保証している中身と期間
- 対象外になる場合 ― 地震や台風などの災害、屋根そのものの傷みから来るもの、ほかの業者が触った場合、など
- 連絡の窓口 ― 発電が落ちた、表示がおかしいときに、どこへ連絡すればよいか
保証書の中身と、サイトに書いた中身をそろえることも大事です。書き方全般は 保証やアフターサービスを、ホームページにどう書くか にまとめてあります。
点検は、時期と中身と費用を
取り付けたあとの点検をしているなら、いつ、何を見て、費用がかかるのかを書いてください。屋根の上の取り付け部分、配線、機器の表示。点検で伺うのが誰かも書くと、売ったら終わりの会社ではないことが伝わります。
補助金は、金額を書かずに窓口を案内する
国や自治体には、太陽光発電や蓄電池に使える補助金の制度があることがあります。ただ、対象・金額・受付の時期は、年度や自治体によって変わります。サイトに金額を書くと、いつの間にか古い数字が残ります。
だから、サイトには金額を書かず、次のように書いておくのが安全です。
「お住まいの地域によっては、補助金の制度がある場合があります。内容や受付の時期は変わることがあるので、最新の内容はお住まいの自治体の窓口で確認してください。使えそうな制度があれば、申請の進め方もご相談ください」
制度によっては、契約や工事の前に申請が要る場合があることも一言添えてください。ホームページの制作に補助金を使う場合の話ですが、手順でつまずく構図は 補助金でホームページを作るときに、先に知っておくこと にも書きました。
そして、「補助金が今月で終わるので、今すぐ」と急がせる書き方はしないでください。警戒している人には、訪問の業者と同じに見えます。
8. 雄喜晃の伴走:見積もりの内訳と、向かない家の条件を言葉にします
私たち雄喜晃は、「原稿をご用意ください」とは申し上げません。ふだんの見積書、シミュレーションの前提、向かないとお伝えした家の話を伺い、内訳の見本と、前提つきの説明と、流れの図にこちらで整えます。
私たちがやること
- 地元の会社であることを、事実で見せる ― 所在地、代表、売る人と取り付ける人、対応エリアを伺ったとおりに書きます
- 見積もりの内訳を、見本の形にする ― 機器は作っている会社の名前ではなく、何のための機器かで書きます
- シミュレーションに前提を添える ― 貴社が実際に使っている前提を伺い、結果の近くに書きます
- 向かない家の条件と、保証の範囲を言葉にする ― 保証書を拝見しながら、機器の保証と工事の保証を分けて書きます
- 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 施工の様子や事務所、職人の方の写真をどこに置くかも一緒に考えます
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、施工事例の追加や、補助金の案内の書き換えも、ご連絡いただければこちらで反映します。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
- 写真の撮影には伺っていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
- 貴社の料金そのものは決めません。目安の数字は、貴社の過去のお見積もりから出していただきます
- 発電量や採算の数字を、こちらで作って書くことはしません。書く場合は、貴社が前提を説明できるものと、出典のあるものだけにします
- 補助金の金額や、表示の決まりについての判断もしません。自治体の窓口や専門家に確認していただくようお願いしています
- 他社を悪く言う書き方や、検索順位・問い合わせの増加のお約束もしません
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。
地元で工事を続けてきたのに、訪問の業者と同じに見られてしまうという方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:得になる話より、前提と条件を先に見せる
太陽光発電・蓄電池の施工会社のホームページで押さえることは、5つです。
- どこの誰かを、事実で見せる ― 番地までの所在地と建物の写真、代表の顔と名前、売る人と取り付ける人、市区町村で書いた対応エリア
- 流れの中で、急がせないと書く ― その場で決めなくてよいこと、向かないときはそう伝えること
- 見積もりの内訳を見本で見せる ― 機器、取り付けの部材、工事費、足場、手続き。よくある家での金額の幅も
- シミュレーションには前提を、メリットは言い切らずに ― 「〇年で元が取れる」と書かない。向かない家の条件も書く
- 保証は分けて、補助金は窓口へ ― 機器の保証と工事の保証、点検の時期。補助金の金額は書かず、最新は自治体の窓口で
そして、許可や資格、表示の決まりに関わるところは、所管の窓口や業界団体、専門家に確認してください。
まず、今日できること
最近お出しした見積書とシミュレーションを1組選んで、お客様の名前と住所を消し、シミュレーションの前提を5行で書き出してみてください。屋根の向き、載せる量、電気の使い方、単価、それがいつ時点か。その5行が、サイトに載せる説明の下書きになります。