1. 「名刺はたくさん集まったんですが、そのあとが続かなくて」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「展示会に出ると、名刺はそれなりに集まるんです。ブースでも話は弾む。でも、終わってお礼のメールを送ったら、そこで止まってしまって。出展料のわりに、何が残ったのかよく分からないんですよね」

展示会や商談会は、準備にも費用にも手間がかかります。ブースの装飾、パネル、配る資料、当日の人手。そこまで手を掛けたのに、会期が終わると話が続かない。この悩みは、とてもよく伺います。

原因の1つは、会場の外で起きていることが、準備の中に入っていないことです。名刺を交換した相手は、会場で決めることはまずありません。会社に戻ってから、貴社の名前で検索し、ホームページを開いて確かめます。その場所が、展示会の準備から抜けています。

この記事で書くこと

  • 名刺を交換した相手が、会期後に何をしているか
  • 出展前に整える3つのこと(お知らせ、製品のページ、QRの飛ばし先)
  • 会期後に、相手がサイトで確かめること
  • お礼メールに入れるリンクと、資料ダウンロードの扱い
  • 問い合わせにつなぐまでの、社内の段取り

2. 会期のあと、相手は何をしているか

先に、名刺を受け取った側の動きを見ておきます。ここが分かると、サイトで何を用意すればいいかが決まります。

会場では、決めない

展示会の来場者は、1日にたくさんのブースを回ります。気になったブースで話を聞き、名刺を渡し、資料を受け取って次へ行きます。その場で発注を決める人は、ほとんどいません。

会場でしているのは、候補を集めることです。決めるのは、会社に戻ってからです。

会社に戻ってから、名前で検索する

会社に戻った来場者は、集めた名刺と資料を机に広げます。そして、気になった会社の名前で検索します。

このとき確かめているのは、ブースで聞いた話が本当か、自分の会社が頼める相手かです。上司に報告する人もいます。「展示会でこういう会社がありました」と説明するとき、見せるのはたいていホームページです。

何も無いと、そこで止まる

ここで、サイトに話した製品が載っていなかったら。会社の情報が古いままだったら。お知らせの最後の更新が何年も前だったら。相手は迷います。迷った人は、問い合わせではなく、次の名刺に手を伸ばします。

ブースでの印象がどれだけ良くても、確かめる場所で崩れると話は続きません。展示会の準備は、ブースだけでなく、会期後に開かれるページまでが1組です。全体の流れを図にすると、次のようになります。

図:出展の前と後に、ホームページでやる5つの段(時期はたとえばの目安)
① 出展が決まったら:お知らせを出す

会期・会場・ブースの場所・展示する内容を、サイトに載せます。取引先にもそのページのリンクを添えて知らせます。

お知らせの1行ではなく、展示会のためのページを1枚用意する
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② 印刷の入稿前:製品のページとQRの行き先を決める

ブースで見せる製品のページを整え、チラシや名刺のQRをどこへ飛ばすかを決めます。紙は刷ったら直せないので、ここが締め切りです。

パネルの言葉と、ページの言葉をそろえておく
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③ 会期中:名刺に一言メモを残す

何の製品の話をしたか、何を送ると約束したかを、名刺の裏や手元の控えに書いておきます。お礼メールに入れるリンクが、これで決まります。

メモが無いと、全員に同じ文面を送ることになります
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④ 会期のすぐ後:お礼メールを送る

話した製品のページへのリンクを入れて送ります。資料はファイルを添付するより、サイトのページから開けるようにしておきます。

リンク先は、トップページではなく話した内容のページ
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⑤ しばらく後:出展報告と、2回目の連絡

展示会のページを出展報告に書き換え、ブースで多かった質問への答えを足します。足した内容を理由に、2回目の連絡を入れます。

会期が終わっても、ページは消さずに残す

ブースの準備と同じ時期に、①と②を済ませておくのがコツです。会期の後に慌てて直すと、いちばん見られる時期に間に合いません。時期は目安なので、貴社の準備の流れに合わせてください。

3. 出展前①:出展のお知らせを、1枚のページで出す

ここから出展前の準備です。1つ目は、出展のお知らせです。

お知らせの1行で済ませない

よくあるのは、お知らせの欄に「〇〇展に出展します」と1行だけ書いてある形です。これでは、来場を考えている人が知りたいことが分かりません。

お知らせの欄は、出展することを知らせる入口として使います。そのうえで、展示会のためのページを1枚用意して、そこに詳しく書きます。

書いておく項目

  • 会期と時間 ― 初日と最終日で終わりの時刻が違うことがあるので、日ごとに書く
  • 会場とブースの場所 ― 会場名だけでなく、ホールの番号やブースの番号まで
  • 展示する内容 ― 何を見せるのか。実物があるのか、パネルだけか
  • 来場の登録 ― 事前の登録が要る展示会なら、その案内
  • 当日の担当者 ― 誰がブースにいるか。名前が分かると、会いに来る人が出ます
  • 事前の相談 ― 「この時間に話したい」という予約を受けるかどうか

告知のページの作り方そのものは、自社で開く説明会やセミナーと共通する部分が多くあります。項目の並べ方は 説明会・セミナー・見学会の告知ページを、どう作るか にまとめました。

既存の取引先にも、ページを添えて知らせる

出展は、新しい相手に会うためだけのものではありません。既存の取引先が、会場まで足を運んでくれることもよくあります。

知らせるときは、日時を文面に書くだけでなく、ページのリンクを添えてください。社内で回覧してもらうときに、そのリンクがそのまま使えます。

4. 出展前②:ブースで見せる製品のページを整える

2つ目は、いちばん手を掛けたいところです。ブースで見せる製品やサービスの、詳しいページを整えます。

会期後に開かれるのは、製品のページ

ブースで話をした相手が、会社に戻って調べるのは「あのとき見た、あの製品」です。会社概要よりも先に、その製品のページを探します。

ところが、製品のページが無い、あっても写真1枚と一言だけ、という会社が少なくありません。展示会のためにパネルや資料は新しく作っているのに、サイトは前のまま。会場で見せたものより、サイトの情報のほうが少ないという状態です。

載せるのは、相手が社内で説明するための材料

製品のページに載せるのは、相手が社内で説明するときに使う材料です。

  • 何ができるか ― 用途と、使われている場面
  • 仕様 ― 大きさ、材質、対応できる範囲。ブースで聞かれた数字はここに置く
  • どう頼めるか ― 試作や小さな数からでも受けるか、納期の決まり方
  • 写真 ― 製品だけでなく、作っている設備や現場の様子

特に、取引先の下で仕事を受けている会社は、相手が稟議を通すための材料が要ります。載せる情報の考え方は 下請けの仕事が中心の会社に、ホームページは効くのか に書きました。

パネルとページの言葉をそろえる

パネルに書いた見出しと、ページの見出しは、同じ言葉にしてください。ブースで見た言葉で検索する人がいるからです。

パネルでは短い名前で呼んでいるのに、サイトでは正式な型番だけが書いてある。こうなると、相手は同じ製品だと気づけません。紙とサイトで表記をそろえる考え方は 会社案内・チラシとホームページの、役割分担 にまとめてあります。

5. 出展前③:名刺とチラシのQRを、どこに飛ばすか

3つ目は、紙に刷るQRコードの行き先です。

トップページに飛ばさない

展示会で配るチラシにQRを載せる場合、トップページには飛ばさないでください。チラシを見て読み取った人は、チラシに載っている製品の続きを知りたいのです。トップページから探し直させると、そこで閉じられます。

行き先は2つのどちらかです。

  • 展示会のためのページ ― 出展した製品を一覧にし、それぞれの詳しいページへつなぐ
  • チラシに載せた製品のページ ― チラシが1つの製品だけを扱っているなら、そのまま

名刺は、会期が終わってからも使われる

名刺のQRは、チラシとは事情が違います。名刺は、展示会が終わったあとも何ヶ月も手元に残ります。展示会のためだけのページに飛ばすと、半年後に読み取った人が終わった展示会の案内を見ることになります。

名刺のQRは、展示会のために刷り直すのでなければ、ふだんの行き先のままで構いません。展示会のために名刺を作るなら、会期後に書き換えても困らないページを行き先にしてください。

どの紙から来たかを、数えられるようにする

QRの行き先のURLに、紙ごとの印をつけておくと、展示会のチラシから何人がサイトに来たかを後で数えられます。次に出展するかどうかを決めるときの材料になります。

印のつけ方、紙ごとの行き先の決め方、URLを変えても刷った紙を無駄にしない方法は 名刺・チラシ・看板のQRコードは、どのページに飛ばすか に詳しく書きました。

6. 会期後①:名刺を交換した相手が、確かめること

ここから会期後の話です。名刺を交換した相手が、サイトに来て何を確かめるのか。先に一覧にしておきます。

表:名刺を交換した相手が、後日サイトで確かめること(例は架空)
確かめたいこと置く場所と書き方無いときに起きること
本当にある会社か会社概要に、所在地・設立・代表者・事業の内容。たとえば工場の外観写真も添える取引を始める前の確認で止まる
ブースで見た製品の詳細製品ごとのページに、仕様・用途・写真。たとえばパネルと同じ見出しで同じ製品だと気づかれない
小さく試せるかたとえば「試作は1個から」「サンプルの貸し出しあり」と、頼み方の条件を書く大口しか受けないと思われる
どんな相手と取引しているか実績のページに、業種と規模で。たとえば「県内の食品メーカー」自社の業種で頼めるか分からない
誰に連絡すればいいか問い合わせの窓口と、営業の担当者の名前。名刺と同じ連絡先を名刺の人に直接電話するしかなく、ためらわれる
上司に見せる材料製品のページから開ける資料。たとえば仕様表を1枚にしたもの社内で説明できず、話がそこで終わる

左の6つは、どれも会場では聞き切れないことです。ブースで話した人が、会社に戻ってから一人で確かめられるかどうかが分かれ目になります。中身は、貴社の事実で書いてください。

「本当にある会社か」は、思ったより見られている

初めて会った会社と取引を始めるとき、相手の会社には確認の手順があることが多いです。所在地や代表者、事業の内容。ここが古いままだと、話の中身に入る前に止まります。移転したのに住所が直っていない、代表が代わったのに前の名前のまま、という状態は特に気をつけてください。

担当者の顔が分かると、連絡しやすくなる

ブースで話した人の名前と顔が、サイトにもあると、相手は連絡しやすくなります。「あのとき話した人がいる会社」だと確かめられるからです。社員紹介まで作らなくても、展示会のページに当日の担当者を載せておくだけで違います。

7. 会期後②:お礼メール、資料、問い合わせまでの段取り

確かめる場所が整ったら、そこへ案内します。お礼のメールから問い合わせまでを、順に書きます。

お礼メールは、早いほど覚えてもらえている

お礼のメールは、会期中か、終わった翌日くらいまでに送るのが目安です。相手はたくさんの名刺を持ち帰っています。日が経つほど、どのブースの誰だったかが薄れます。

問い合わせへの返信と同じで、早さはそれだけで印象になります。返信の早さの考え方は 問い合わせが来たあと、何時間以内に返すべきか に書きました。

お礼メールに入れるリンクは、1本か2本

お礼メールに入れるリンクは、ブースで話した製品のページを1本。加えて、展示会のページを1本。多くても2本までにします。

トップページのリンクだけを入れるのは避けてください。相手はそこから、話した製品を探し直すことになります。会期中に名刺へ残したメモが、ここで役に立ちます。「〇〇の件でお話しした」と一言添えて、その製品のページを送ります。

資料は、添付よりページから開けるように

約束した資料は、メールにファイルを添付するより、サイトのページから開けるようにしておくほうが扱いやすくなります。

  • 重いファイルが届かない ― 相手の会社の決まりで、大きな添付や特定の形式が受け取れないことがあります
  • 社内で回しやすい ― リンクなら、上司や別の部署にそのまま転送できます
  • 直せる ― 仕様が変わったとき、ページの資料を差し替えれば済みます

資料をPDFで置く場合も、同じ内容の要点はページの本文にも書いてください。スマートフォンでPDFを開くのは手間がかかりますし、PDFの中の文字は検索で見つかりにくいからです。

ダウンロードの前に、フォームを置くか

資料を開く前に、名前や会社名を書いてもらうフォームを置くかどうか。迷う方が多いところです。

名刺を交換した相手には、フォームを置かずに開けるようにしておくのが素直です。すでに名刺をいただいているのに、もう一度同じことを書かせると手間に感じられます。フォームを置くなら、会期後にサイトを見つけた新しい人向けの資料に限ってください。

なお、名刺で受け取った連絡先に、お礼の後も案内を続けて送る場合は、送り方や同意の取り方に決まりがあります。業種や送る内容によって扱いが違うので、所管の窓口や専門家に確認してから始めてください。

問い合わせにつなぐのは、小さな入口

会期後に「お問い合わせください」とだけ書いても、相手は何を聞けばいいか分かりません。小さな入口を、具体的に用意します。

  • サンプルや試作の相談 ― 「まず1つ試したい」という人向け
  • 見積もりの相談 ― 数量と納期が決まっている人向け
  • オンラインでの打ち合わせ ― 会場で話し足りなかった人向け

フォームには「展示会でお会いした」を選べる欄を1つ置いておくと、社内で誰が返すかがすぐ決まります。問い合わせが来たら、ブースで話した担当者が返す。これを先に決めておいてください。

しばらくしたら、ページを足して2回目の連絡

会期が終わったら、展示会のページは消さずに出展報告に書き換えます。ブースで多かった質問と、その答えを足してください。

そのうえで、足した内容を理由に2回目の連絡を入れます。「会場で多かったご質問への答えをまとめました」。用件のある連絡なので、催促には見えません。

8. 雄喜晃の伴走:会期後に開かれるページまで、出展の準備に入れます

私たち雄喜晃のホームページ制作では、展示会や商談会に出る会社のサイトに、出展前のお知らせから会期後の出展報告までを、ページの側で用意します。

私たちがやること

  • 展示会のページを作る ― 会期・会場・ブース・展示内容・当日の担当者を載せた1枚を用意し、会期後は出展報告に書き換えます
  • 製品のページを整える ― ブースで見せる製品について、仕様や頼み方の条件をいただき、パネルと同じ言葉でページにします
  • QRの行き先を用意する ― チラシのQRの飛び先を決め、どの紙から来たかを数えられる形にします
  • 会期後の入口を作る ― 資料を開けるページと、「展示会でお会いした」を選べる問い合わせの入口を整えます

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、出展のお知らせ、製品ページの追記、出展報告への書き換えも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

展示会での成約や問い合わせの件数をお約束することはしません。何件につながるかは、展示会の規模や来場者の顔ぶれ、製品そのもので大きく変わるからです。私たちが整えるのは、名刺を交換した相手が会社に戻ってから確かめに来たとき、迷わず確かめられる場所です。

また、ブースの装飾やパネルの制作、当日の運営はしていません。名刺の情報を使った案内の送り方が決まりに沿っているかといった判断も、所管の窓口や専門家にご確認ください。

「展示会には毎年出ているのに、終わるといつも話が止まる」という方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

9. まとめ:展示会の準備は、会期後に開かれるページまで

展示会・商談会の前と後に、ホームページで押さえることは5つです。

  • 出展のお知らせは、1枚のページで ― 会期・会場・ブース・展示内容・当日の担当者まで
  • 製品のページを、パネルと同じ言葉で整える ― 会期後に開かれるのは、会社概要より製品のページ
  • QRはトップに飛ばさない ― チラシは展示会のページか製品のページへ。名刺は会期後も残ることを前提に
  • お礼メールのリンクは、話した製品のページへ ― 資料は添付よりページから。名刺の相手にはフォームを挟まない
  • 問い合わせの入口を小さく、具体的に ― 会期後はページを足して、それを理由に2回目の連絡

名刺を交換した相手は、会場では決めません。会社に戻ってから、貴社のサイトを開いて確かめます。ブースの準備と同じだけ、そのときに開かれるページの準備をしておくことが、出展の費用を次につなげる近道です。

今日できることを1つだけ挙げます。前回の展示会で配ったチラシを手元に置いて、載っている製品のページがサイトにあるかを確かめてみてください。無ければ、そこが次の出展までに作るページです。

展示会のたびに名刺が引き出しに眠ったままになっている、という方は、一度ご相談ください。