1. 「問い合わせのたびに、同じ質問から始まるんです」

倉庫や物流代行の会社を経営されている方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「通販の会社さんから問い合わせが来ると、まず『うちの商品は扱えますか』『何時までの注文なら当日に出せますか』『だいたい月いくらですか』と聞かれるんです。サイトには『保管から発送まで一貫対応』と書いてあるんですけど、それだけだと判断できないみたいで」

荷主の方にとって、倉庫を選ぶのは売り場の裏側をまるごと預ける判断です。出荷が遅れればお客様に届かず、数が合わなければ売れるはずのものが売れません。

だから荷主は、問い合わせの前に条件を確かめようとします。「一貫対応」の一言では、それができません。知りたいのは、自社の荷物と出荷の流れが、その倉庫の条件に収まるかどうかです。

運送の会社とは、分けて書く

以前、業種別に載せるものを整理した記事(士業/工務店/飲食/運送)で、運送の会社のサイトについて書きました。運べるもの、車両、対応エリア、許可。そちらは運ぶ仕事の話です。

この記事で取り上げるのは、荷物を預かって保管し、注文に合わせて取り出し、梱包して発送する仕事です。通販の事業者や、製品や部品を出荷する製造業の会社が、自社で行っていた出荷の作業を任せる先になります。配送そのものは運送の会社に頼み、倉庫の側は保管と出荷の作業を受け持つ形が多いはずです。

この記事で書くこと

  • 荷主が問い合わせの前に確かめていること
  • 扱える荷物、保管の広さ、倉庫の中の設備
  • 出荷の締め時間と、繁忙期の対応
  • 料金の考え方を、条件つきで書く
  • 在庫の見え方、事故のときの補償、許可や登録
  • 見学の受け付け、始めるまでの流れ、荷主の名前を出さない実績

2. 荷主が問い合わせの前に確かめていること

荷主の方が倉庫のサイトで確かめていることは、だいたい決まっています。下の表に、よく出る質問と、サイトでの書き方の例を並べました。

表:荷主が確かめていることと、サイトでの書き方(書き方はたとえばの例で、数字や時刻は架空です)
荷主の質問サイトに書くこと書き方の例
うちの荷物は扱えるか荷物の種類、大きさと重さ、温度帯、扱わないものたとえば「衣料品・雑貨・化粧品など、常温で保管できる商品。1個あたり〇〇kgまで」
どれくらい預けられるか保管の広さと、空き状況の時点たとえば「棚で〇〇区画、パレットで〇〇枚分。空き状況は〇月時点」
何時までなら当日に出るか締め時間と、その条件たとえば「平日〇時までのご注文は当日出荷。ギフト包装は翌日」
忙しい時期も回るか繁忙期の考え方と、事前に知らせてほしいことたとえば「セールの予定は〇日前までにお知らせください」
月いくらくらいか料金の項目と、よくある規模での目安たとえば「月の出荷〇〇件前後の通販で、月〇〇万〜〇〇万円が多いです」
在庫はどう分かるか在庫数の見え方、報告の頻度、棚卸したとえば「在庫数は毎日更新し、月に1回棚卸しの結果をお送りします」
事故のときはどうなるか誤出荷・破損・紛失のときの連絡と補償の考え方たとえば「判明した当日にご連絡し、原因と対策を書面でお送りします」

数字や時刻は、貴社の実際の運用で書いてください。大事なのは、荷主が自分の条件と見比べられる形になっていることです。全部を1ページに詰めず、サービスの説明、料金、よくある質問に分けて置くと読まれます。

見に来る人は、2種類いる

通販の事業者は、締め時間、1件あたりの料金、梱包の見た目をよく見ます。お客様の手元に届く箱が、そのまま自社の印象になるからです。製造業の会社は、大きさや重さ、パレットでの保管、取引を始めるときの手続きを見ます。購買や総務の担当者が、会社の基本情報や出せる書類を確かめることもあります。その確かめ方は はじめて取引する会社の担当者が、ホームページで確かめたいこと にまとめてあります。

両方を受けている会社は、トップページの最初の画面で「通販の発送代行」と「製品・部品の保管と出荷」の入口を分けておくと、どちらの担当者も迷いません。

3. 扱える荷物と、保管の広さを具体的に書く

最初に整えたいのは、どんな荷物を、どれだけ預かれるかです。ここが分からないと、ほかの条件を読む前に候補から外れます。

荷物の種類・大きさ・温度帯

「各種商品に対応」ではなく、実際に多い荷物の種類を書いてください。衣料品、雑貨、化粧品、食品、書籍、電子部品、機材など。その言葉で探している荷主に当たります。

あわせて書いておきたいのが、次の3つです。

  • 大きさと重さ ― 棚に入る小さなものが中心か、パレットに載せる大きなものも受けるか。1個あたりの重さの上限
  • 温度帯 ― 常温だけか、温度を保つ区画や冷蔵・冷凍の区画があるか。持っている温度帯だけを書く
  • 扱わないもの ― 危険物、生き物、温度管理が要るのに区画がないものなど。貴社の実際の扱いで書く

保管の広さと、空き状況

坪数や平米に加えて、棚の区画数、パレットの枚数のように、荷主が自分の在庫量と比べられる単位も書いてください。

空き状況を書く場合は、いつ時点の情報かを添えます。古い空き状況が残っていると、問い合わせて「今は空きがありません」と答えることになり、残りの情報まで信用されなくなります。

倉庫の中の設備と、立地

設備は、荷主にとって「どこまで任せられるか」を測る材料です。ラックの種類、フォークリフトの台数、検品や梱包の作業台、空調。設備の名前より、それで何ができるかを書くと伝わります。載せ方は 保有している車両や設備の一覧を、ホームページに載せるかどうか にまとめてあります。

立地も書いておきます。高速道路の出入り口からの距離、運送の会社が集荷に来る時刻。集荷の時刻は、締め時間の根拠になるので、荷主にとっては大事な情報です。

4. 出荷の締め時間と、繁忙期の対応

通販の荷主がいちばん気にしているのが、ここです。何時までの注文なら、その日のうちに出るのか。

締め時間は、条件と一緒に書く

「当日出荷」の一言では足りません。どんな条件なら当日に出るのかを書いてください。

  • 曜日 ― 平日だけか、土曜も出荷するか。祝日や年末年始の扱い
  • 件数 ― 1日に何件までなら締め時間を守れるか。超えたときにどうするか
  • 作業の中身 ― チラシの同梱、ギフト包装、セット組みなど、手間のかかる注文の締め時間

締め時間の数字は、貴社が実際に守れている時刻で書いてください。無理な時刻を書くと、最初の繁忙期で崩れます。

繁忙期は、事前に知らせてほしいことを書く

セール、年末、季節の商品の発売。荷主の出荷は、ある日に急に増えます。荷主が心配しているのは、そのとき出荷が遅れないかです。

書いておきたいのは、繁忙期にどう人を手配しているか、締め時間が変わることがあるか、そして荷主に何日前までに何を知らせてほしいかです。「セールや広告の予定は、〇日前までに予定の件数と一緒にお知らせください」(日数は架空の例です)。こう書いてあれば、荷主は自分の側でやることが分かります。

誤出荷を防ぐやり方を、行動で書く

「正確な出荷」と書く代わりに、何をして間違いを防いでいるかを書きます。バーコードで商品を照合する、出荷前にもう1人が確かめる、梱包した箱の写真を残す。行動で書かれていると、荷主は自社の出荷と比べられます。

ラベル貼りやセット組み、ギフト包装を受けているなら、その一覧と追加の料金の有無も書いておきます。

5. 料金の考え方を、条件つきで書く

物流代行の料金は、1つの数字で言い切れません。出すのは金額そのものより、何で金額が決まるかです。

料金の項目を並べる

多くの会社では、料金はおおむね次の項目に分かれているはずです。

  • 入庫の料金 ― 荷物を受け取り、数を数え、棚に入れる作業
  • 保管の料金 ― 棚の区画、パレット、面積など、何を単位に、どの期間で数えるか
  • 出荷作業の料金 ― 取り出して梱包する作業。1件あたりと、1点増えるごとの追加
  • 資材の料金 ― 箱、緩衝材、袋など
  • 配送の料金 ― 運送の会社に払う運賃。サイズや地域で変わる
  • そのほか ― 流通加工、返品の受け付け、始めるときの費用、月ごとの最低料金

項目を並べたうえで、よくある規模での月の合計の目安を書くと、荷主は桁が分かります。「たとえば、月の出荷が〇〇件前後、品目が〇〇種類ほどの通販の場合、配送の料金を含めて月〇〇万〜〇〇万円のご依頼が多いです」(数字は架空の例です)。

高くなる条件と、安くなる条件

項目と目安に、条件を添えます。

  • 高くなる条件 ― 品目が多く1件あたりの点数も多い、大きさや重さがそろっていない、手間のかかる梱包や同梱物がある
  • 安くなる条件 ― 品目が少ない、梱包が決まった形で済む、出荷の件数がまとまっている

月ごとの最低料金がある場合は、隠さずに書いてください。出荷が少ない月にも費用がかかることを、契約のあとで知った荷主は不信を持ちます。条件つきで料金を出す考え方は ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあります。

見積もりに要る情報を、先に書いておく

見積もりを出すには、荷主から聞かないといけないことがいくつもあります。品目の数、大きさと重さ、温度帯、月の出荷件数、1件あたりの点数、始めたい時期。これをフォームの項目にして、分からない欄は空けたまま送れるようにしておくと、問い合わせのやりとりが減ります。項目の決め方は 見積もり依頼のフォームは、何をどこまで聞けばいいか に整理しました。

6. 在庫の見え方と、事故のときの補償

荷物を預けると、荷主は在庫を自分の目で見られなくなります。だから、在庫がどう見えるかと何かあったときどうなるかを、先に知りたがっています。

在庫の見え方を書く

荷主が知りたいのは、次のようなことです。

  • 在庫数をどう確かめられるか ― 荷主が自分で画面を見られるのか、報告が届くのか
  • どのくらいの間隔で新しくなるか ― 出荷のたびか、1日1回か
  • 入荷と出荷の報告 ― 届いた数、出した件数をいつ知らせるか
  • 棚卸し ― どのくらいの間隔で行い、数が合わなかったときにどう報告するか

荷主の注文の管理とどうつなげられるかも聞かれます。つなげられない場合のやり方(ファイルで受け渡すなど)も書いておくと、話が早くなります。

事故のときの連絡と補償を書く

誤出荷、破損、紛失、そして火災や水害のような災害。起きないに越したことはありませんが、起きたときにどうなるかが書いていない倉庫には、荷主は大事な商品を預けにくいものです。

書いておきたいのは、次の4つです。

  • 連絡 ― 分かったときに、いつ、誰から、どんな方法で知らせるか
  • 補償の考え方 ― どんなときに、何を基準に補償するか。上限や細かい条件は契約で決めると書く
  • 保険 ― 貴社が入っている保険の種類と、荷主の側で保険をかけてほしいものがあるか
  • 再発の防止 ― 原因と対策を、書面で報告するか

具体的な条件は契約で決める内容なので、サイトでは考え方と連絡の流れを書いておきます。

許可や登録は、一般論と貴社の事実を分ける

他社の荷物を預かって保管する仕事には、登録が要る場合があります。食品や化粧品、医薬品など、扱う品目によって別の許可や届け出が関わることもあります。配送の手配まで請け負う場合も同じです。貴社の業務に何が要るかは、所管の窓口に確認してください。

持っている許可や登録は、証書に書いてある名称、出した行政庁、番号、範囲を、略さずに会社概要に書きます。

7. 見学の受け付けと、始めるまでの流れ

見学を、受け付けの形で書く

荷主の多くは、契約の前に現場を見たいと考えます。どう申し込み、何を見られるかまで書いてください。

  • 申し込み方 ― フォームか電話か、何日前までに
  • 所要時間 ― どのくらいの時間で、何を案内するか
  • 見られないもの ― ほかの荷主の商品や情報は見せられないこと、写真を撮れる範囲
  • オンラインでの案内 ― 遠方の荷主に、画面越しで案内できるか

ほかの荷主の商品を見せないことを書いておくと、荷主は自社の商品も同じように守られると受け取ります。

始めるまでの流れを、荷主がすることと一緒に書く

倉庫を移すのは手間のかかる作業です。いつ何をすればいいかが分かると、相談しやすくなります。

図:物流代行を始めるまでの流れと、荷主がすること(たとえばの例です。段階の分け方と期間は貴社の実際で書いてください)
① ご相談と、出荷の状況のヒアリング

たとえば、商品の種類と数、月の出荷件数、いまの出荷のやり方を伺います。

荷主がすること:品目の一覧と、直近の月の出荷件数を用意する
▼
② 倉庫の見学と、お見積もり

たとえば、保管の場所と作業の様子をご案内し、伺った条件でお見積もりを出します。

荷主がすること:梱包の見本や、同梱物の有無を伝える
▼
③ ご契約と、作業の決めごと

たとえば、締め時間、梱包のしかた、報告の方法、事故のときの連絡先を書面で決めます。

補償の条件と最低料金は、ここで改めて説明する
▼
④ 商品の入庫と、試しの出荷

たとえば、商品を受け取って数を確かめ、少ない件数で試しに出荷して、流れを確かめます。

荷主がすること:いまの倉庫や自社から、在庫を移す日を決める
▼
⑤ 出荷の開始と、最初の月の振り返り

たとえば、最初の月が終わったところで、件数、締め時間、誤出荷の有無を一緒に見直します。

荷主がすること:お客様からの声や、気になった出荷を伝える

右側の一言は、荷主が自分で準備することと、契約のときに確かめることです。在庫を移す間に出荷が止まる日があるかどうかも、添えておいてください。

実績は、荷主の名前を出さずに書く

倉庫の実績は、荷主の名前を出せないことがほとんどです。名前は出さなくて構いません。業種、品目、規模、期間、そして何が変わったかで書けます。

「たとえば、衣料品の通販の会社様/常温・棚保管/月〇〇件前後の出荷/自社での出荷から移行。締め時間を決め、平日の注文を当日に出荷する形にしました」(例は架空です)

数字は、荷主の了解が取れる範囲で、貴社の実際の記録から書いてください。荷主の商品が写った写真や、箱に貼られたラベルが読める写真は載せないようにします。実績の書き方の型は 実績ページに何を書くと、次の依頼につながるか に書きました。

8. 雄喜晃の伴走:荷主が見比べられる条件を、一緒に整理します

私たち雄喜晃は、「原稿をご用意ください」とは申し上げません。倉庫や物流代行の会社の場合は、ふだんの問い合わせで最初に聞かれること、締め時間の決め方、料金の項目、事故のときの連絡のしかたを伺い、荷主が自分の条件と見比べられる形にこちらで整えます。

私たちがやること

  • 扱える荷物と料金の項目を一覧にする ― 荷物の種類、温度帯、保管の単位、料金の項目を伺い、表と文章に直します
  • 締め時間と繁忙期の書き方を決める ― 実際に守れている時刻と条件を伺い、荷主にお願いしたいことと一緒に書きます
  • 始めるまでの流れと、見学の案内を作る ― 荷主がすることを段階ごとに並べます
  • 写真を整えて載せる ― 倉庫の中や作業の様子の写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます。ほかの荷主の商品が写っていないかも一緒に確かめます

料金と、契約の条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成の場合は月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれ、月5回までの更新代行も同じ月額の中です。空き状況や締め時間、料金の書き換えも、ご連絡いただければこちらで反映します。

条件も先に書いておきます。最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 貴社の業務にどの許可や登録が要るか、表示が決まりに合っているかの判断はしません。所管の窓口や専門家に確認していただくようお願いしています
  • 料金や補償の条件そのものを、こちらで決めることもしません。決めるのは貴社で、私たちは伝わる形に組み直します
  • 在庫の管理や注文をつなぐ仕組みの開発はしていません
  • 実際にない実績や、お客様の声を作って載せることはしません。検索順位や問い合わせの増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。

「一貫対応」と書いているのに、問い合わせのたびに同じ質問から始まるという方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:荷主が自分の条件と見比べられるように書く

倉庫・物流代行の会社のホームページで押さえることは、5つです。

  • 扱える荷物と広さを、具体的に書く ― 種類、大きさと重さ、温度帯、扱わないもの。広さは棚やパレットの単位でも
  • 締め時間は条件と一緒に書く ― 曜日、件数、作業の中身。繁忙期に荷主に知らせてほしいことも
  • 料金は項目と条件で書く ― 入庫、保管、出荷作業、資材、配送。よくある規模での目安と、最低料金も
  • 在庫の見え方と、事故のときの流れを書く ― 報告の間隔、棚卸し、連絡と補償の考え方
  • 見学と始めるまでの流れ、名前を出さない実績を書く ― 許可や登録は、所管の窓口に確認してから

「一貫対応」の一言より、荷主が自分の条件と見比べられる表のほうが、問い合わせの前の迷いを減らします。

まず、今日できること

この3ヶ月に荷主から最初に聞かれた質問を、思い出せる範囲で書き出してみてください。その答えが、貴社のサイトに書いてあるかを探します。見つからなかった質問が、最初に足す場所です。

荷主との最初のやりとりを短くしたいという方は、一度ご相談ください。