1. 「何時に焼き上がりますか、と毎日のように聞かれるんです」

パンやお菓子のお店を営む方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「電話で多いのは、何時に焼き上がるか、まだ残っているか、ケーキの予約はいつまでか、の3つなんです。仕込みの最中に何度も手を止めることになって。サイトに書けばいいのは分かっているんですが、毎日変わることを毎日書き直す余裕はなくて」

焼き上がりの時間も、残っている数も、毎日変わります。それを毎日サイトに書くのは、確かに続きません。ただ、毎日変わることの中にも、変わらない「決まり」があります。何時ごろにどの品が出るか、売り切れたらどうなるか、予約は何日前までか。サイトに書くのは、その決まりのほうです。

パン屋・洋菓子店・和菓子店は、飲食店と似ているようで、サイトの役目が少し違います。時間で売り切れること、予約と締め切りで動くこと、贈り物として遠くへ届くこと。この3つが、お店の外にいる人の迷いどころになります。

この記事で書くこと

  • 飲食店のメニューのページと、何が違うか
  • 焼き上がりの時間と売り切れを、毎日更新せずに伝える書き方
  • 定番と季節の品の分け方
  • ホールケーキや贈答品の予約と締め切り、取り置き
  • 贈り物の包装と配送
  • 店の場所と駐車、原材料やアレルギーの表示の考え方

なお、店内で食べる料理の品名と値段の並べ方は 飲食店のメニューを、ホームページにどう載せるか にまとめました。この記事では、品書きの並べ方はそちらに任せ、持ち帰りと贈り物の商売に特有のことに絞って書きます。

2. 飲食店のメニューとの違い:時間と数で動く商売

飲食店のメニューは、「何を、いくらで食べられるか」を伝えるページです。パンやお菓子のお店でも品名と値段は要りますが、それだけでは足りません。

品物が「ある時間」と「ない時間」がある

飲食店なら、営業時間中はたいていどの品も頼めます。パンやお菓子は違います。朝の開店時には並んでいない品があり、夕方にはもう無い品があります。読む人が知りたいのは「その品があるか」ではなく、「何時に行けばその品があるか」です。

予約しないと買えない品がある

ホールケーキ、名入れのケーキ、節句やお祝いの和菓子、まとまった数の手土産。店頭に並ばず、予約で作る品があります。ここでは、何日前までに、どうやって頼むかが分からないと、読む人は動けません。

買う人と、食べる人が違う

贈り物として買われる品は、買う人がお店の近くにいて、食べる人は遠くにいることがあります。あるいは逆に、遠くに住む人がお店の名前を聞いて、取り寄せを考えています。包装、のし、日持ち、配送。店頭では口頭で答えていることを、サイトで先に答えておく必要があります。

この3つの違いを前提にすると、サイトに載せるものの順番が決まります。トップページの最初の画面には、今日の営業時間と、焼き上がりや予約の案内への入口を置きます。お店の想いや歴史は、その下で構いません。

3. 焼き上がりと売り切れを、毎日更新せずに伝える

ここが、この業種でいちばん迷うところだと思います。

毎日の「今日の焼き上がり」は、続かない

その日の焼き上がりや残りの数をサイトのお知らせ欄に毎日書いているお店があります。続いているうちは良いのですが、忙しい日に1日止まると、その時点で昨日の情報が今日の情報として残ります。昨日の「本日は〇〇が焼き上がりました」が出ている状態は、何も書いていないより困ります。

サイトに書くのは、毎日変わらない決まりです。その日だけの知らせは、毎日書いても古くならない場所に任せます。

図:焼き上がりと売り切れの情報を、3つの置き場所に分ける(言い回しはすべて架空の例)
① サイトに書く決まり
何時ごろ、どの品が並ぶか

たとえば「食パンは11時ごろと15時ごろの2回焼き上がります。菓子パンは開店から順に並びます」。毎日ほぼ同じなので、一度書けば古くなりません。

変えるのは、焼く回数や時間を変えたときだけ
② その日の知らせ
今日の焼き上がり・売り切れ

たとえば「本日の食パンは完売しました」。流れていく場所に出す前提の知らせです。サイトからは、その場所への入口だけを置きます。

古い投稿は、下に流れていくので困らない
③ 電話で確かめてもらう
今、残っているか

たとえば「残りの数は、お電話でお問い合わせください。取り置きも承ります」。聞いてよいと書いてあれば、遠くから来る人も安心して出かけられます。

電話を受けられる時間帯も、一緒に書く

サイトのページを毎日直そうとすると、止まった日から古くなります。決まりはサイトに、その日の知らせは流れる場所に、今の残りは電話に。この分け方にしておけば、ページは忙しい週でも古くなりにくくなります。

焼き上がりは「時刻」ではなく「ごろ」と「順番」で書く

焼き上がりの時刻をきっちり書くと、少し遅れた日に「書いてある時間と違う」と言われます。「11時ごろ」「午後に2回目」のように幅を持たせ、どの品が先に並ぶかの順番を書くほうが、実際に合います。

「その日の仕込みの量や天候で、前後することがあります」と一行添えておけば、目安として読まれます。

売り切れは、よくある時間帯と、売り切れたあとを書く

「売り切れ次第終了」とだけ書いてあると、読む人は何時までに行けばいいかが分かりません。売り切れが多い品と、売り切れることが多い時間帯を、お店の実際の様子から書いてください。

「人気の品は、土日はお昼過ぎに売り切れることが多いです。お目当ての品が決まっている方は、お取り置きをご利用ください」

あわせて、全部売り切れたときにお店を早く閉めるのかどうかも書いておきます。「売り切れ次第、閉店時間より早く閉めることがあります」の一行があるだけで、夕方に来て閉まっていた、ということが減ります。営業時間の書き方そのものは 営業時間・定休日を、ホームページにどう書くか に、受付時間や臨時休業の書き分けとあわせて書きました。

その日の知らせは、SNSに任せてサイトからつなぐ

その日の焼き上がりや完売の知らせを出しているなら、サイトからそこへの入口を置きます。投稿の一覧をサイトに埋め込むかどうかは、表示の重さや、連携が切れたときに空欄になることも考えて決めてください。判断の材料は Instagramの投稿を、ホームページに埋め込むか にまとめてあります。

4. 定番と季節の品を、分けて載せる

定番は、品名と値段と「いつ並ぶか」

1年を通して並ぶ定番の品は、品名と値段を文字で書きます。パン屋なら、ここにその品が並ぶ時間帯を添えるのが、この業種ならではの書き方です。

  • 品名と値段 ― 税込か税別かを1つに決め、一覧の頭に書く
  • 並ぶ時間帯 ― 「開店から」「午後から」「土日のみ」など
  • 大きさや日持ちの目安 ― 「4〜5人分」「当日中にお召し上がりください」のように
  • 予約できるかどうか ― 予約で取り置ける品には印を付ける

季節の品は、例年の時期を書く

洋菓子の季節のタルト、和菓子の桜餅や柏餅、栗の菓子。季節の品は、例年いつごろから、いつごろまで出しているかを書いておくと、それを目当てにする人が予定を立てられます。

「桜餅は、例年2月の終わりごろから4月の初めごろまでお作りしています。始まりは、その年の様子を見てお知らせします」

和菓子のお店は、季節ごとに並ぶ品が入れ替わることが多いと思います。それなら、月ごとや季節ごとの表にして、主な品だけを並べる形が読みやすいです。全部を書かなくても、「この時期にはこういう菓子が並ぶ店」ということが伝わります。

終わった季節の品と、写真の季節を残さない

季節の品のページで起きやすいのが、春に終わった品の写真が、夏になっても一番上にあることです。読む人は今も買えると思って来ます。季節の品は、終わる時期をお店のカレンダーに入れておき、その日に欄を差し替えます。

トップページの大きな写真も同じです。季節の品の写真を使うなら、入れ替える日を先に決めておきます。季節を問わない写真を基本にして、季節の写真は決まった場所だけに使う考え方は、冬なのに、ホームページの写真が真夏のまま に書きました。

5. 予約と締め切り、取り置きの書き方

予約で作る品は、店頭では聞かれたことに答えれば済みます。サイトでは、聞かれる前に、締め切りと受け取り方まで書いておく必要があります。

品ごとに、締め切りと受け取りを書く

表:予約の品ごとに書いておくこと(品と日数はすべて架空の例)
予約の品たとえばの書き方書いておく理由
誕生日などのホールケーキ「受け取りの〇日前までにご予約ください。大きさは〇号(〇〜〇人分)から。名前入りのプレートは1枚まで無料です」何人分かと締め切りが分かると、頼むかどうかをその場で決められる
節句やお祝いの和菓子「お祝いの紅白まんじゅうは〇個から。〇日前までにご注文ください」最小の数が無いと、少ない数で頼んでよいか分からず止まる
まとまった数の手土産「〇個以上のご注文は、〇日前までにお電話でご相談ください」店頭の在庫では足りない数を、当日に来て断られるのを防ぐ
繁忙期の予約「12月のケーキのご予約は、11月〇日から受け付けます。締め切りは〇日、数に限りがあります」受付の始まりと終わりが先に分かると、取り逃しが減る
取り消し・変更「受け取りの〇日前までは変更できます。それ以降の取り消しはご相談ください」作り始めたあとの取り消しを、当日の言い合いにしない

日数や数は、貴社の仕込みと人手から決めてください。書いた締め切りより遅い注文を受けるかどうかも、先に決めておくと、電話のたびに迷わずに済みます。受けることがあるなら「お急ぎの方は、まずお電話を」と書いておけば足ります。

繁忙期は、通常とは別の案内を早めに出す

クリスマス、節句、お彼岸、お盆、年末年始。お店によって忙しい時期は違いますが、この時期だけは、いつもの予約の決まりと別の案内が要ることが多いと思います。受付の始まりと締め切り、受け取りの時間帯、店頭販売があるかどうか。

繁忙期の案内は、通常の予約の案内とは別の欄に書き、終わったらその欄ごと下げます。去年のクリスマスの案内が春まで残っているサイトは、それだけで更新が止まった店に見えてしまいます。案内を出す日と下げる日を、先にお店のカレンダーに入れておいてください。

予約の受け方は、1つに決めて書く

電話、店頭、メールのフォーム、予約のサービス。受け方が複数あると、どこで受けた予約かを見落とすことが起きます。受け方は少ないほうが、取りこぼしが減ります。

フォームで受けるなら、送った人に「受け付けました」と分かる返事が届く形にし、お店から確認の連絡をして初めて予約が確定するのかどうかも書いておきます。確定の仕方が分からないと、お客様は「頼んだつもり」のまま当日に来ます。

取り置きは、何時まで置くかを書く

予約で作る品とは別に、店頭に並ぶ品をその日に取り置く受け方もあります。電話で頼めるなら、そのことと、受けられる時間帯を書きます。

  • いつ頼めるか ― 当日の朝から受けるか、前日から受けるか
  • 何時まで置いておくか ― 「閉店の30分前まで」のように
  • 受け取りに来なかったとき ― 連絡がなければ店頭に戻すかどうか
  • 取り置きできない品 ― 焼き上がりの直後に並ぶ品など、受けないものがあれば

6. 贈り物の包装と、配送

包装は、選べる種類と料金を並べる

手土産や贈り物として買われるお店では、包装について聞かれることが多いと思います。選べる包装の種類と、料金がかかるかどうかを並べておきます。

  • 包装の種類 ― 簡易包装、箱、包装紙、手提げ袋。それぞれ有料か無料か
  • のし ― 付けられるか、表書きはどこまで対応するか、名入れはできるか
  • 個数と箱 ― 何個入りの箱があるか。詰め合わせを選べるか
  • 日持ちの目安 ― 「〇日ほど」と書き、正確な期限は商品の表示で確かめてもらう
  • 持ち歩きの時間 ― 保冷剤を付けられるか、何時間くらいまでの持ち歩きを考えているか

配送は、送れる品と送れない品を分ける

遠くに送るとき、まず分けるのは送れる品と、送れない品です。生のケーキや、その日のうちに食べてほしい品は送らない、焼き菓子や日持ちのする和菓子は送る、というお店が多いと思います。送らない品は、送らないとはっきり書いておきます。

送れる品には、温度帯、送料の考え方、届くまでの目安、日付の指定ができるかどうかを書きます。送料は「どこへ・いくつ・いくら以上」で書くと伝わります。送料と返品の書き方の全体は、送料や返品の決まりを、ホームページにどう書くか にまとめてあります。

取り寄せをどこで受けるかを決める

配送を受けるなら、注文をどこで受けるかを決めます。電話やファクスで受けるのか、サイトから注文できる形にするのか、既存のショップサービスに出すのか。ネットで注文を受けると、在庫と発送と問い合わせの手間が増えます。仕込みの量に限りがあるお店ほど、そこを先に数えておいてください。

判断の材料は ホームページに、ネットショップを付けるかどうか に書きました。通信販売をする場合には必要な表示もあるので、あわせて確かめてください。

7. 店の場所と駐車、原材料やアレルギーの表示

場所は「通りから見えるか」まで書く

小さなお店は、地図のピンだけでは入口が分かりにくいことがあります。住宅街の中、商店街の路地、建物の1階の奥。

  • 目印 ― 通りから見える看板や、隣の建物
  • 入口 ― 表から入るのか、横から入るのか
  • 駐車 ― 何台停められるか、どこに停めるか。停められないなら、近くの停められる場所の案内
  • 自転車やベビーカー ― 置く場所があるか、店内に入れるか

ケーキを受け取りに車で来る人は、店の前に一時的に停められるかどうかを気にしています。停められないなら、そのことを書いておくほうが、当日に困らずに済みます。

原材料やアレルギーは、言い切らず、相談の窓口を書く

ここは慎重に扱うところです。パンやお菓子は、小麦、卵、乳、ナッツなど、気にされる原材料を使うことの多い品です。

食品の表示について何が求められるかは、店頭で量り売りするのか、包装して売るのか、通信販売で送るのかといった売り方によって変わります。業種や販売の形によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。この記事では、サイトに書くときの一般的な注意だけを書いておきます。

  • 把握できていることだけを書く ― 仕入れた材料の中身まで確かめられていないものを「入っていません」とは書かない
  • 同じ場所で作っていることを書く ― 同じ厨房や器具で作っているなら、「使っていない品」でも混ざる可能性を言い切って否定しない
  • 相談の窓口を書く ― 「ご心配な方は、ご注文やご来店の前にお電話でご相談ください」
  • 品が替わったら、そこも直す ― 季節の品が替わったとき、原材料の書き方だけ古いまま残さない

8. 雄喜晃の伴走:毎日直さなくても古くならない形にします

私たち雄喜晃は、パン屋・洋菓子店・和菓子店のホームページを作るとき、最初に「毎日変わること」と「変わらない決まり」を分けるところから始めます。そこが分かれれば、サイトに書くものと、書かずに済むものが決まります。

私たちがやること

  • 焼き上がりと売り切れの決まりを、伺って文章にします ― 何時ごろ何が並ぶか、売り切れたらどうなるかを、お店の実際から書きます
  • 定番と季節の品を分けて、文字で並べます ― 季節の品は例年の時期を添え、入れ替える時期を一緒に決めます
  • 予約の品ごとに、締め切りと受け取りを表にします ― 繁忙期の案内は別の欄にして、出す日と下げる日を決めておきます
  • 包装と配送の決まりを、注文の前に読める場所に置きます
  • 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 明るさや向き、大きさをそろえ、品の一覧や季節の欄に配置します

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、季節の品の入れ替えや、繁忙期の予約の案内を出す・下げるといった直しも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • その日の焼き上がりや売り切れを、毎日こちらで更新することはしません。月5回の更新代行は、決まりや季節の入れ替えのためのものです
  • 原材料やアレルギーの表示が決まりに合っているかの判断はしません。中身は貴社で確かめていただき、気になる点は所管の窓口や専門家に確認していただくようお願いしています
  • 予約の受け付けや発送の代行はしていません。私たちが担当するのは、ホームページの中身と更新です
  • 検索順位や来店の増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「焼き上がりや予約のことを、仕込みの手を止めて電話で答えている」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:毎日変わることの中から、変わらない決まりを書く

パン屋・洋菓子店・和菓子店のホームページで押さえることは、5つです。

  • 焼き上がりと売り切れは、決まりを書く ― 「ごろ」と順番で書き、その日の知らせは流れる場所に、今の残りは電話に任せる
  • 定番と季節の品を分ける ― 定番は並ぶ時間帯まで、季節の品は例年の時期を添え、終わったら差し替える
  • 予約は品ごとに締め切りと受け取りを書く ― 繁忙期の案内は別の欄にして、出す日と下げる日を決める
  • 贈り物は包装と日持ちと配送を書く ― 送れる品と送れない品を分け、送料は「どこへ・いくつ・いくら以上」で
  • 場所と駐車を具体的に書き、原材料は言い切らない ― 表示のことは所管の窓口や専門家に確認を

どれも、店頭では毎日のように口で答えていることです。口で答えていることを、そのまま決まりの文章にする。それだけで、仕込みの手を止める電話が減り、遠くの人にもお店の様子が伝わります。

まず、今日できること

今日一日、電話で聞かれたことを紙に書き出してみてください。焼き上がりの時間、残りの数、予約の締め切り、送れるかどうか。多かった順に並べれば、それがそのまま、サイトに最初に書く項目の一覧になります。