1. 「在庫は外に載せているので、サイトは要らないと思っていました」

地域で中古車の販売店を経営されている方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「車の在庫は、外の掲載サイトに全部出しているんです。お客さんもそこから電話をくれるので、自分の店のホームページは、住所と電話番号があれば十分だと思っていて。でも、来店したお客さんに『お店のサイトも見ました』と言われることが増えてきたんですよね」

この話には、はっきりした理由があります。中古車を探す人は、多くの場合、外の掲載先で車を見つけ、そのあとで店の名前を検索して、店のサイトを確かめに来るからです。

同じような年式や走行距離の車が、いくつもの店に並んでいます。車だけでは決め手がありません。そこで人は、この店から買って大丈夫かを確かめにきます。保証はどうなっているか、整備はしてくれるのか、どんな人がやっている店なのか、下取りはしてもらえるのか。店のサイトは、この確認の場所です。

この記事で扱う範囲

車検や点検、修理といった整備の仕事を中心にしている工場の載せ方は、業種別に載せるものを整理した記事(不動産/介護・福祉/自動車整備/葬儀)で別に書きました。この記事は中古車の「販売」に絞ります。

この記事で書くこと

  • 在庫を、外の掲載先と自社サイトでどう分けるか
  • 売れた車を、すぐ外す段取り
  • 支払総額など、決まりのある価格の表示の考え方
  • 保証と、納車前の整備の書き方
  • 下取り・買取と、来店予約の入口
  • 店のスタッフと、納車までの流れ

2. 在庫は、外の掲載先と自社サイトで役割を分ける

最初に決めるのは、在庫の情報をどこに載せるかです。ここが決まっていないと、同じ車の情報が2か所でずれたまま残ります。

在庫の細かい情報は、外の掲載先に任せる

在庫を管理する外の掲載先は、車を探す人がたくさん集まる場所です。年式、走行距離、色、装備で絞り込める仕組みもあります。在庫の一覧と1台ずつの細かい情報は、外の掲載先に任せるのが、多くの販売店にとって無理のない形です。

自社サイトにも同じ在庫を全部載せると、入庫と売約のたびに2か所を直すことになります。更新が遅れると、「サイトでは売っていると書いてあったのに」というずれが起きます。

自社サイトは、店を選んでもらうための場所

一方で、外の掲載先では伝えにくいことがあります。店の考え方、保証と整備の中身、下取りの流れ、どんな人がやっているか。ここは、自社サイトがいちばん詳しく書ける場所です。

表:在庫を載せる外の掲載先と、自社サイトの役割分担(例はたとえばの分け方です)
載せる情報外の掲載先自社サイト
在庫の一覧と1台ずつの情報ここに集める。年式・走行距離・写真・価格を1台ずつ一覧は置かず、外の掲載先の店舗ページへのリンクを置く
価格の表示掲載先の決まった形で書く価格に何が含まれるか、諸費用の考え方を言葉で説明する
保証と納車前の整備決まった欄に要点だけ何が・どのくらいの期間・どんな条件で対象か。整備で何をするか
下取り・買取書ける欄が少ない流れ、用意してもらう書類、査定だけでもよいか
店とスタッフ写真が数枚誰が対応するか、店の考え方、納車までの流れ
おすすめの数台在庫として掲載載せるなら売れたらその日に外すと決めてから

在庫の細かい情報は1か所に集め、自社サイトは「この店から買っていいか」を確かめる場所にするのが分け方の要点です。外の掲載先は貴社が使っているものに合わせてください。どちらに何を載せるかを決めたら、社内で同じ表を共有しておきます。

トップページからの道を作る

自社サイトのトップページには、「在庫一覧はこちら」の入口を、最初の画面の近くに置きます。外の掲載先の店舗ページへ飛ぶリンクです。店のサイトから来た人が在庫を見たいとき、迷わずにたどり着けるようにします。

逆に、外の掲載先の店舗紹介の欄に、自社サイトのURLを載せられるなら載せておきます。車で見つけた人が、店を確かめに行く道になります。

3. 売れた車は、すぐ外す

中古車は、同じ車が2台とありません。売れたら、その車はもう買えません。売れた車が載ったままになっていると、問い合わせた人をがっかりさせます。

誰が、いつ外すかを決めておく

売れた車がいつまでも残る原因は、たいてい誰が外すかが決まっていないことです。契約をまとめた人が外すのか、事務の人が外すのか、その日のうちか、翌朝か。決めておくだけで、残り方が変わります。

  • 外す人 ― 契約を受けた人か、決まった担当者か
  • 外す時 ― 契約が決まった日のうちか、翌営業日の朝か
  • 外す場所 ― 外の掲載先、自社サイトのおすすめ欄、SNSの投稿、店頭の貼り紙

SNSに投稿した車は、とくに見落とされます。載せた場所を一覧にしておき、売れたらその一覧を見て外すようにすると、取りこぼしが減ります。

「ご成約」として残すか、消すか

売れた車をすぐ消すのではなく、「ご成約済み」と分かる形で短い間だけ残す店もあります。どんな車を扱っている店なのかが伝わるからです。

残す場合は、一覧の中で売っている車と見分けがつくようにし、期間を決めて下げてください。問い合わせのボタンが残ったままだと、売れた車に連絡が来ます。販売をやめた商品のページを残すか消すかの考え方は、販売や提供をやめた商品・サービスのページを、どうするか にまとめました。中古車の場合は、残すとしても短い期間に区切るのが基本です。

「似た車を探します」の一文を添える

売れた車を見て連絡してきた人は、その車に近いものを探しています。「お探しの車がない場合は、ご希望を伺って探します」と書けるなら、売れた車の近くや在庫の入口に添えておきます。受けていないなら、書かなくて構いません。

4. 価格の表示は、決まりを確かめてから書く

中古車の価格は、読む人がいちばん気にするところです。そして、書き方に決まりがあるところでもあります。

支払う総額の示し方には、決まりがある

中古車の価格の表示には、業界の決まりがあります。車の本体の価格だけでなく、支払う総額をどう示すか、その総額に何を含めるかといったことについて決められているものがあります。決まりの中身は見直されることもあるので、この記事では中身を断定しません。

外の掲載先に載せる価格も、自社サイトに書く価格も、所管の窓口や業界団体の案内で、今の決まりを確認してから書いてください。決まりがよく分からないまま「〇〇万円から」と大きく出すのは避けたほうが無難です。

自社サイトでは、総額の中身を言葉で説明する

自社サイトでできるのは、価格の中身を言葉で説明することです。

  • 総額に含まれるもの ― 税や保険など、車を受け取るまでにかかるもののうち、貴社の総額に入っているもの
  • 総額とは別になるもの ― 遠くへの納車、希望して付ける用品、希望して受ける追加の整備など
  • どこで金額が決まるか ― 住んでいる地域や登録の内容によって変わるものがあるなら、そのこと

ここも、何を含めてよいか、何を別にしてよいかに決まりが関わります。書いた内容は、所管の窓口や業界団体の案内と照らし合わせてから公開してください。税込と税別の書き分けについては、ホームページの料金は、「税込」と「税別」のどちらで書くか に、同じサイトの中で混ぜない考え方をまとめてあります。

言い切りの言葉と、比べる言い方に気をつける

「地域最安」「どこよりも安い」「完璧な状態」。こうした言い切りの言葉は、根拠を示せないと信用を落とします。表示の決まりの上で問題になる場合もあります。

車の状態についても、修復の跡があるかどうかなど、書き方に決まりや業界の基準がある項目があります。分かっていることを、決まった書き方で書くのが基本です。業種ごとに気をつけたい書き方は 業種によっては、ホームページに書けないことがある に整理しました。

中古の車を扱う許可の表示も確かめる

中古の車を売り買いするには、許可が要ります。ホームページで売り買いの案内をする場合に、サイトに表示しておく事項が決められていることもあります。何をどこに書くかは、所管の窓口に確認してください。会社の情報のページに、まとめて載せておくと探しやすくなります。

5. 保証と、納車前の整備の内容を書く

価格の次に確かめられるのが、買ったあとに何かあったらどうなるかです。中古車を買う人は、前の持ち主の使い方が分からないことを気にしています。

保証は、何が・どのくらい・どんな条件で

「安心の保証付き」だけでは、何をしてもらえるのか分かりません。何が、どのくらいの期間、どんな条件で対象になるかを書きます。

  • 対象になる部分 ― 走るのに関わる部分か、電装品も入るか
  • 期間と距離 ― 何ヶ月、または何キロまでか
  • 対象外になる場合 ― 消耗する部品、事故や改造による不具合など
  • 修理を受ける場所 ― 自社の工場か、遠くに住む人はどうするか
  • 保証の種類 ― 無料で付くものと、希望して加える有料のものがあるか

メーカーの保証が残っている車で、引き継ぐための手続きがあるなら、そのことも書いておきます。保証の書き方全体は 保証やアフターサービスを、ホームページにどう書くか に、対象外になる場合の書き方も含めてまとめてあります。サイトに書いた保証の内容と、お渡しする保証書の内容がそろっているかも、公開の前に確かめてください。

納車前の整備で、何をするか

もう1つ、買う人が気にするのが納車の前に、どこまで整備してくれるかです。

  • 点検する項目 ― どんな部分を点検するか。点検の記録を渡すか
  • 交換する部品 ― 決まって交換するもの、状態を見て交換するもの
  • 整備をする場所 ― 自社の工場か、協力している工場か
  • 追加の整備 ― 希望すれば受けられる整備と、その費用の決まり方

整備工場を兼ねている店なら、買ったあとの車検や点検も同じ店で受けられることは、選ばれる理由になります。その場合は、整備の案内のページへの入口を置いておきます。

6. 下取り・買取と、来店予約の入口

下取りと買取は、流れと用意するものを書く

車を買う人の多くは、今乗っている車をどうするかも考えています。下取りの流れと、買取だけでも受けるかどうかを書いておきます。

  • 査定の受け方 ― 店に持ち込むか、出張で見に来てもらえるか
  • 査定だけでもよいか ― 「査定だけでも承ります。その場でお決めいただく必要はありません」と書けるなら書きます
  • 用意してもらう書類 ― 車検証など、査定や手続きのときに要るもの
  • 引き渡しの時期 ― 新しい車の納車と同じ日に引き渡せるか

金額の目安を出すのは難しい仕事なので、何で査定の金額が決まるかを書くほうが現実的です。年式、走行距離、状態、季節。写真を送ってもらえば事前に目安を伝えられるなら、その入口も作っておきます。

来店予約は、在庫の確認とセットにする

中古車の来店で困りやすいのは、見に来たら、その車がもう売れていたという場面です。来店予約の入口には、在庫の確認を兼ねる一文を添えておきます。

「ご来店の前に、見たい車が決まっていればお知らせください。在庫を確かめて、ご用意してお待ちします」

予約の入口は、電話とフォームの両方を置くのが基本です。試乗を受けるなら、試乗に要るもの(運転免許証など)も書いておきます。ネットの予約の仕組みを入れるか、電話のままにするかの判断は、予約をネットで受けるか、電話のままにするか にまとめました。中古車の場合は、空いている時間を選んでもらう「予約リクエスト」の形で足りることが多いはずです。

遠くに住む人への販売を受けるか

外の掲載先で車を見つけた人の中には、遠くに住んでいる人もいます。遠方への販売を受けるかどうか、受けるならどう進めるかを書いておきます。追加の写真や動画を送るか、書類のやりとり、納車の方法と費用の決まり方。受けないなら、そう書いておきます。

7. 店のスタッフと、納車までの流れ

誰が対応する店なのかを見せる

同じような車が並ぶ中で、最後の決め手になるのはどんな人がやっている店かです。少人数の販売店ほど、ここが違いになります。

  • 代表や担当者の名前と経歴 ― どんな車に詳しいか、整備の経験があるか
  • 店の考え方 ― どんな車を仕入れているか、どんなお客様に合う店か
  • 店と工場の様子 ― 展示場や整備の場所の写真

顔写真を載せるかどうか、辞めた人の写真をどうするかは、社員紹介ページは、本当に要るのか で考え方を整理しました。写真が難しければ、名前と、どんなことを担当しているかだけでも構いません。

納車までの流れを、段で書く

初めて中古車を買う人は、契約してから車を受け取るまでに何が起きるのかを知りません。流れを段に分けて書いておくと、契約の前の不安が減ります。

図:契約から納車までを、買う人がすることで書く(例は架空)
① ご来店・現車の確認

見たい車を実際に見ていただきます。試乗を受けている車なら、その場で乗っていただけます。

買う人がすること:見たい車を、来店の前に伝えておく
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② お見積もりとご契約

支払う総額と、その中に含まれるもの、別になるものをお伝えします。下取りがある場合は、ここで査定の金額もお出しします。

総額の中身と保証の条件は、この段階で書面にしてお渡しします
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③ 書類のご用意

名義の変更や車庫の証明などに要る書類をお伝えします。要る書類は、住んでいる地域や車の種類によって変わります。

買う人がすること:案内された書類をそろえる
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④ 納車前の整備

点検と必要な部品の交換をします。追加の整備をご希望の場合は、作業の前に金額をお伝えします。

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⑤ 納車・その後

店頭でお渡しするか、ご自宅までお届けします。保証の連絡先と、点検の案内もここでお渡しします。

買う人がすること:保証書と点検の記録を、車検証と一緒に保管する

各段の中身と日数は、貴社の実際の進め方で書いてください。契約から納車までの日数の目安を書いておくと、買う人が予定を立てやすくなります。必要な書類は地域や車の種類で変わるので、「ご契約のときにご案内します」と添えておくのが無難です。

よく聞かれることを、流れの近くに置く

流れの下には、よく聞かれることを並べておきます。ローンは組めるか、支払いの方法は何があるか、納車まで何日くらいか、今の車の名義が自分でない場合はどうなるか。電話で毎回答えていることが、そのまま中身になります。ローンの月々の支払いの例を載せる場合も、表示の決まりが関わることがあるので、所管の窓口や業界団体の案内で確かめてから書いてください。

8. 雄喜晃の伴走:店を選んでもらうためのページを作ります

私たち雄喜晃は、中古車販売店のサイトを作るとき、最初に「在庫をどこに載せていて、誰が更新しているか」を伺うところから始めます。そこが決まると、自社サイトに何を書けばいいかがはっきりするからです。

私たちがやること

  • 外の掲載先と自社サイトの役割を、一緒に分ける ― 在庫の入口をトップの最初の画面の近くに置きます
  • 保証と納車前の整備の内容を、伺った事実で書く ― お渡ししている保証書とそろうように、言葉を整えます
  • 下取り・買取と来店予約の入口を作る ― 査定だけでもよいか、在庫の確認を兼ねるかを伺って書きます
  • 店のスタッフと、納車までの流れのページを組む ― 実際の進め方を伺い、段に分けて書きます
  • 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 店や工場の様子、スタッフの写真の並べ方をそろえます

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、保証の内容の改定や、営業日のお知らせ、スタッフの入れ替わりも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 在庫の1台ずつを、こちらで日々更新することはしていません。在庫は毎日のように動くので、月5回の更新では足りません。在庫は外の掲載先に任せ、自社サイトは店を伝える役割に絞る形をご提案します
  • 撮影には伺っていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • 価格の表示や許可の表示が決まりに合っているかの判断はしません。所管の窓口や業界団体の案内で、貴社に確認していただくようお願いしています
  • 検索順位や問い合わせの増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。

「在庫は外に載せているけれど、店のことはどこにも書いていない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:車は外で見つけてもらい、店はサイトで選んでもらう

地域の中古車販売店のホームページで押さえることは、5つです。

  • 在庫は、役割を分ける ― 細かい情報は外の掲載先に集め、自社サイトには在庫の入口と、店を選ぶための情報を置く
  • 売れた車は、すぐ外す ― 誰が、いつ、どこから外すかを決め、載せた場所を一覧にしておく
  • 価格の表示は、決まりを確かめてから ― 支払う総額の示し方などは、所管の窓口や業界団体の案内で確認する。自社サイトでは総額の中身を言葉で説明する
  • 保証と納車前の整備を、範囲で書く ― 何が、どのくらい、どんな条件で対象か。保証書の内容とそろえる
  • 下取り、来店予約、スタッフ、納車までの流れを見せる ― 来店の前に在庫を確かめる一文と、契約から納車までの段

同じような車が並ぶ中で、最後に選ばれるのは、車ではなく店です。車は外の掲載先で見つけてもらえます。店のことは、貴社のサイトにしか書けません。

まず、今日できること

外の掲載先に載せている車を1台選び、その車を見た人になったつもりで、貴社の名前を検索してみてください。保証の中身、納車前の整備、下取りの流れ、どんな人がやっている店か。この4つのうち、見つからないものがあれば、そこが最初に足す場所です。