1. 「レンタカーもやっているのに、電話でしか伝わっていなくて」
車の整備や販売をしながら、レンタカーも貸している会社の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。
「レンタカーのことは、サイトの下のほうに一行書いてあるだけなんです。電話で『軽トラックは空いてますか』『夜に返してもいいですか』『保険は入ってますか』と聞かれて、そのたびに説明していて。ちゃんとしたページを作ったほうがいいんでしょうか」
レンタカーを探す人は、借りる理由がそれぞれ違います。旅行で来た人、自分の車を車検に出している人、引っ越しで荷物を運びたい人、仕事で何か月か車が要る会社。同じ「借りたい」でも、確かめていることがまるで違います。
それなのに、サイトには「レンタカーあります」の一行と電話番号だけ、ということがよくあります。電話で毎回説明していることは、サイトで見つけられなかった答えです。
この記事の前提
車を有料で貸す仕事には、許可や、貸し出しの決まりが関わります。補償や保険の中身は、貴社が入っている保険の契約によって違います。この記事では制度や契約の中身には踏み込みません。許可や表示は所管の窓口に、補償の範囲は保険の契約の内容で確かめてください。これが、この記事を通しての前提です。
この記事で書くこと
- 見に来る人ごとの入口の作り方
- 車の種類と、時間・日数・季節で変わる料金の見せ方
- 予約と、受け取り・返し方
- 借りるときに要るもの
- 補償や保険の書き方と、事故や故障のときの連絡先
- キャンセルの決まりと、整備や販売と兼ねる場合のページの分け方
2. 見に来る人ごとに、入口を作る
地域のレンタカー会社のサイトを開く人は、おおむね4種類に分かれます。
旅行や帰省で、この土地に来る人です。受け取る場所と時間、何人と荷物が乗るか、旅行の日程に合う料金かを、出発の前に調べています。
自分の車を車検や修理、事故の修理に出している人です。いつ戻るか分からない日数を、どう借りればいいかを気にしています。
引っ越しや家具の買い物、仕事の道具を運ぶ人です。荷台の大きさと、数時間だけ借りられるかを確かめています。
工事の期間だけ、繁忙期だけ、新しく入った社員の分だけ。月単位で借りられるか、請求書で払えるかを確かめています。
4者とも最後に確かめているのは「この車を、この日数で、この場所で借りられるか」です。ページを4つ作る必要はありません。トップページに入口を並べ、それぞれが自分の答えのある場所へ進めるようにします。
入口は、借りる理由の言葉で
入口の言葉は、車の種類より借りる理由で書くと伝わります。「乗用車」「貨物車」と並べるより、「旅行・帰省に」「車検や修理の間に」「引っ越し・荷物の運搬に」「法人の長期のご利用」と並べたほうが、読む人は自分の入口を見つけられます。
入口の先では、それぞれに合う車と料金を並べます。同じ車が2つの入口に出てきても構いません。
3. 車の種類と、料金の見せ方
車は、乗れる人数と積める量で書く
車の一覧には、車種の名前より先に何人乗れて、どのくらい積めるかを書いてください。借りる人が知りたいのは、自分の人数と荷物が収まるかどうかです。
- 乗用車 ― 乗れる人数と、旅行の大きな鞄が何個くらい載るか
- 大きめの乗用車 ― 家族やグループで何人まで。3列目を使うと荷物はどのくらいか
- 軽トラック・バン ― 荷台の長さと幅、積める重さ。幌があるか
- 装備 ― カーナビ、チャイルドシートの貸し出し、冬用のタイヤ、四輪駆動など
荷台の寸法は、数字で書いてください。「たんすが載るか」は、寸法がないと判断できません。
料金は、時間・日数・季節で変わることを先に
レンタカーの料金は、借りる時間、日数、季節で変わります。1つの金額だけを大きく出すと、借りる日によって「書いてあった金額と違う」と受け取られます。何で変わるかを先に書き、そのうえで表にします。
| 変わる条件 | 書き方の例(たとえば) | 添えておくこと |
|---|---|---|
| 時間 | 「軽トラック:〇時間まで〇〇円」「乗用車:〇時間まで〇〇円、12時間まで〇〇円」 | 返すのが遅れたときの延長の料金 |
| 日数 | 「1日〇〇円、2日目から1日ごとに〇〇円」 | 「1日」が何時から何時までか。日数を延ばせるか |
| 季節 | 「〇月〇日〜〇月〇日は、別の料金です」 | 連休や年末年始など、どの日が当たるかを日付で |
| 長期 | 「法人のお客様:1か月〇〇円から。期間はご相談ください」 | 点検や交換の扱い、請求書での支払い |
| 料金に含まれないもの | 「燃料、有料道路の料金、駐車場の料金は含まれません」 | 補償の料金が含まれるか、別か |
区分と金額は、貴社が実際にいただいている料金で書いてください。自分が借りる時間と日数の行を探せば、払う額の見当がつく形になっていれば足ります。
よくある借り方の総額を、例で添える
表のあとに、よくある借り方の総額の例を2〜3件並べます。たとえば「軽トラックを〇時間、近所の引っ越しで。燃料を満タンで返した場合」「乗用車を2泊3日、補償をつけた場合」のように、条件と一緒に書きます。読む人は、自分に近い行を探して見当をつけられます。条件つきで金額を出す考え方は、ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあります。
季節の料金は、年ごとに日付を直す
季節で料金を変えているなら、その年の日付で書いてください。「夏休みの期間」「連休」のような言い方だけでは、どの日が当たるのかが分かりません。去年の日付が残ったままでは、予約の電話で毎回説明し直すことになります。年の初めや、季節の料金が始まる前に、日付を直す日を社内で決めておきます。
4. 予約と、受け取り・返し方
予約の方法と、決まり方
予約の方法は、電話だけでも構いません。フォームやネットの予約を使う場合は、送った時点で予約が決まるのか、空きを確かめた折り返しで決まるのかをはっきり書いてください。台数が少ない会社では、空いているように見えても、整備の都合で出せない日があります。ネット予約の向き不向きは、予約をネットで受けるか、電話のままにするか に書きました。
受け取りと返し方は、時間と場所を分けて
借りる人がいちばん困るのは、受け取りと返しの時間が、自分の予定と合わないことです。
- 受け取りの時間 ― 営業時間の中だけか。早朝の受け取りを相談できるか
- 返しの時間 ― 営業時間のあとに返せるか。返せるなら、鍵の返し方と、車を置く場所
- 受け取りの場所 ― 営業所のほかに、駅や空港、ご自宅まで届けられるか。届ける料金
- 送迎 ― 駅から営業所まで送り迎えをしているか。何時から、何分前に連絡すればいいか
- 燃料 ― 満タンで返してもらうのか。近くの給油所の場所と、満タンでなかったときの扱い
- 遅れるとき ― 返すのが遅れそうなときの連絡先と、延長の料金
営業所の場所は、車で来る人と、電車やバスで来る人とで、探しているものが違います。車を置いて借りる人には駐車できる場所を、駅から歩く人には出口からの道を書きます。書き方は 「アクセス」のページで、来る人を迷わせない にまとめました。
受け取りのときにすること
受け取りのときに何をするかも、短く書いておきます。車の傷を一緒に確かめる、使い方を説明する、書類に記入する。だいたい何分かかるかが分かれば、借りる人は時間を読めます。
5. 借りるときに要るもの
当日に「それがないと貸せません」となるのが、借りる人にとってもいちばん困ります。持ってきてほしいものを、一覧で出してください。
- 運転免許証 ― 本人のもの。運転する人が複数いるなら、全員分が要るかどうか
- 支払いの方法 ― 使える支払い方法。現金で借りられるか、カードが要るか
- 年齢や、免許を取ってからの年数 ― 条件を設けているなら、そのまま書く
- 予約の控え ― 予約の番号や、確認のメール
- 法人の場合 ― 契約のときに要る書類や、運転する社員の登録
海外の運転免許で運転する方を受けているなら、使える免許の種類には決まりがあります。書き方は所管の窓口に確かめたうえで、受けているかどうかと、持ってきてほしいものを書いてください。
お貸しできない場合も、先に書いておきます。たとえば、免許証を忘れた場合、お酒を飲んでいる場合など。断る理由を前もって書いておくと、当日の行き違いが減ります。
6. 補償や保険の書き方と、事故や故障のときの連絡先
補償は、言い切らずに、入っている事実を書く
借りる人がいちばん気にするのが、事故を起こしたらいくら払うことになるのかです。ここは、書き方にいちばん気をつけるところでもあります。
レンタカーの補償は、貸す会社が入っている保険と、借りる人が選んで加える補償との組み合わせで決まることが多いはずです。どこまでが補償され、どこからが借りる人の負担になるかは、保険の契約の内容によって違います。「万一の事故でも安心」のような一言で済ませると、補償されない場面に当たった方との行き違いになります。
書くのは、たとえば次のような事実です。
- 入っている保険 ― 料金に含まれる保険があるなら、その事実。中身は契約の内容で確かめてから
- 選んで加える補償 ― 借りる人が選べる補償があるなら、その料金と、何が軽くなるか
- 補償されない場合 ― 契約の内容で補償の対象にならない場合があるなら、その例
- 車が使えない間の負担 ― 修理の間の営業の補償などを借りる人にお願いしているなら、そのこと
細かい条件は、保険の契約の内容を確かめたうえで載せてください。「詳しくは、受け取りのときにお渡しする書面でご確認ください」と添えて、サイトと書面の内容をそろえておきます。
事故や故障のときの連絡先を、借りる人の手元に
事故や故障は、営業時間の外にも起きます。どこへ、どの順で連絡すればいいかを、サイトと車の中の両方に置いてください。
- 事故のとき ― 安全を確かめたうえで、警察と貴社に連絡する。連絡の順番と、貴社の連絡先
- 故障や動かなくなったとき ― 貴社に連絡するのか、ロードサービスの窓口に連絡するのか
- 夜間や休日 ― 営業時間の外につながる番号があるか。ないなら、どこへ連絡すればいいか
- 鍵をなくしたとき、給油を間違えたとき ― よくある困りごとへの連絡先
「24時間つながります」と書く場合は、本当につながる体制かを先に確かめてください。書いた一行と実際の体制をそろえる考え方は、「24時間対応」「緊急時はお電話を」を、ホームページにどう書くか にまとめてあります。
7. キャンセルの決まりと、整備や販売と兼ねる場合のページの分け方
キャンセルは、いつから、いくらかを表で
予約を取り消したときの料金は、いつまでなら無料で、いつから、いくらかかるのかを、表にして予約の入口の近くに置いてください。日程の変更をどう扱うかも、同じ表に入れます。連休や年末年始に別の決まりを設けているなら、それも書きます。
天候で旅行を取りやめた場合や、代わりの車が要らなくなった場合など、よくある場面の扱いも添えておくと、電話で揉めずに済みます。書く項目と置き場所は、キャンセルや日程変更の決まりを、ホームページにどう書くか に整理しました。
整備・販売と兼ねるなら、入口を分けて、つなぐ
地域のレンタカーは、整備工場や車の販売店が兼ねていることが多い仕事です。この場合、レンタカーのページを、整備や販売のページの中に埋めないでください。観光の人は、車検の話を読みに来ていません。
- トップページで分ける ― 「車検・整備」「車の販売」「レンタカー」と、事業ごとの入口を並べる
- レンタカーのページは、それだけで完結させる ― 車の一覧、料金、受け取りと返し方、要るもの、補償、連絡先まで
- 共通のものは1か所に ― 会社の情報、営業所の場所、営業時間は、事業ごとに書き分けず、同じページを見てもらう
- 事業の間をつなぐ ― 車検のページから「車検の間の代わりの車」へ、レンタカーのページから「車の購入のご相談」へ
1つのサイトにまとめるか、事業ごとに分けるかの判断は、事業が増えたとき、ホームページを分けるか、1つにまとめるか に書きました。
代車とレンタカーは、書き分ける
整備のお客様に無料でお貸しする代車と、料金をいただいて貸すレンタカーとでは、関わる決まりが違う場合があります。サイトでも、2つを混ぜずに書き分けてください。「車検のお客様には、代車をご用意しています(台数に限りがあります)」と、「レンタカーのご利用は、料金表のとおりです」を、別の場所に置きます。どこまでが代車として扱えるかは、所管の窓口に確認してください。
8. 雄喜晃の伴走:電話で毎回伺っていることを、借りる人の入口ごとに並べます
私たち雄喜晃は、レンタカーのホームページを作るとき、最初に「予約の電話で毎回聞かれること」を伺うところから始めます。その質問が、入口ごとに書くべき中身になるからです。
私たちがやること
- 借りる理由ごとの入口を作る ― 観光、代わりの車、荷物の運搬、法人の長期を伺い、トップページに並べます
- 料金を、時間・日数・季節で表にする ― 貴社の料金を伺い、含まれないものと、よくある借り方の総額の例を添えます
- 受け取りと返し方、要るものを一覧にする ― 時間、場所、送迎、燃料、遅れるときの連絡まで並べます
- 整備や販売のページと、入口を分けてつなぐ ― 事業ごとのページを作り、間の行き来を整えます
- 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 荷台や車内など、どの写真があると伝わるかはお伝えします
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、季節の料金の日付や、車の入れ替え、営業時間の変更も、ご連絡いただければこちらで反映します。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
- 撮影には伺っていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
- 貴社の料金や貸し出しの決まりそのものは決めません。決まった内容を、読む人に伝わる形に組むところを担当します
- 許可や表示、補償や保険の範囲についての判断はしません。所管の窓口や、保険の契約の内容で確かめていただくようお願いしています
- 検索順位や問い合わせの増加をお約束することもしません
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。
「レンタカーのことは、電話でしか説明できていない」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:借りる理由ごとに、答えが見つかるか
地域のレンタカー会社のホームページで押さえることは、5つです。
- 入口を、借りる理由で分ける ― 観光、代わりの車、荷物の運搬、法人の長期。それぞれが自分の答えへ進めるように
- 車は人数と積める量で、料金は変わる条件で ― 時間、日数、季節。含まれないものと、総額の例も
- 受け取りと返し方、要るものを先に ― 時間、場所、送迎、燃料、遅れるとき。当日に断る理由も
- 補償は言い切らず、連絡先は手元に ― 中身は保険の契約の内容で確かめてから。事故や故障の連絡の順番を
- キャンセルの決まりと、事業の分け方 ― 取り消しの料金を表で。整備や販売と兼ねるなら入口を分けてつなぐ
レンタカーは、同じ車を、まったく違う理由の人が借りる仕事です。借りる理由ごとに答えが先に書いてあれば、電話の前に決めてもらえます。許可や表示、補償の範囲に関わるところは、所管の窓口や保険の契約の内容で確かめてください。
まずは今月、レンタカーの電話で聞かれたことを、借りる理由ごとに分けてメモしてみてください。いちばん多かった理由の入口から、作り始めるのが近道です。