1. 「出船の情報はSNSで流しているので、サイトは昔のままで」

釣り船を営む方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「常連さんはSNSを見て予約の電話をくれるので、ホームページは何年も前に作ったままなんです。ただ最近、初めての方や家族連れからの電話が増えて。道具は借りられるか、子どもでも乗れるか、酔ったらどうするのか」

釣り船は、海の上の時間を、天気と海の様子に合わせて売る商売です。出船の判断は前日や当日の朝に決まり、その日の様子はSNSで流す。そうしている船は多いと思います。それ自体は理にかなっています。

ただ、SNSの投稿は流れていきます。初めて乗る人が確かめたい「決まり」や「段取り」は、流れる場所には向きません。料金はいくらか、何を持って行けばいいか、中止のときはどう知らせてもらえるのか。こうした答えは、いつ開いても同じ場所にある必要があります。それが自分のサイトの役目です。

この記事で書くこと

  • 初心者・家族連れと常連 ― 知りたいことの違いと、入口の分け方
  • 乗合と仕立て ― 違いの説明と、料金の見せ方
  • 出船の判断と中止の連絡 ― いつ、どこで知らせるか。SNSとの使い分け
  • 集合場所・駐車場・時間 ― 港の名前だけでは着けない理由
  • 持ち物と道具の貸し出し、釣れる魚と時期 ― 釣果を約束しない書き方
  • 安全、船長の紹介、登録や保険 ― 一般論として押さえておくこと

2. 初めての人・家族連れと、常連では、確かめることが違う

初めての人は、「自分にも乗れるか」

初めて船に乗る人は、釣りの道具も、船の上の段取りも分からないまま調べています。知りたいのは、道具を借りられるか、釣り方を教えてもらえるか、酔ったらどうするか、トイレはあるかです。

家族連れなら、子どもは何歳から乗れるか、子どもの料金はいくらか、釣りをしない家族も乗れるかも確かめます。この人たちには、集合から帰港までの1日の流れを順に書いておくと、当日の様子を思い浮かべられます。

常連は、「明日出るか、何を狙うか」

何度も乗っている人は、自分の道具を持っています。知りたいのは、明日は出るか、何を狙うか、何人集まっているか、仕掛けやおもりの決まりです。1日の流れの説明は読み飛ばして、出船の予定と料金表を探します。

予約の前に出やすい不安には、短く答えておく

初めての人の不安は、だいたい似たところに集まります。答えを1〜2行ずつ、初めての方へのページに置いておくと、電話の前に読んでもらえます。

  • 1人でも乗れるか ― 乗合なら1人で申し込めるか、仕立てなら何人からか
  • 酔うのが心配 ― 酔ったときに休める場所があるか、途中で戻れるか
  • 寒さと暑さ ― 季節ごとに、海の上は陸とどう違うか、用意してほしい服装
  • トイレ ― 船の上にあるか、無いなら港で済ませてほしいこと

できないことは、できないと書いてください。たとえば「酔った方がいても、途中で港には戻れません」と書いてあれば、乗る人はそのつもりで備えられます。

入口を分けておく

両方の人に応えるには、トップページから「初めての方へ」と「出船の予定・料金」の入口を分けておくのが分かりやすい方法です。初めての方へのページには、1日の流れ、借りられる道具、持ち物、よくある不安への答えを置きます。作り方の考え方は、「初めての方へ」のページは、要るのか。要るなら何を書くか にまとめました。

3. 乗合と仕立ての違いと、料金の見せ方

言葉の説明から始める

釣り船に慣れた人には当たり前の「乗合」と「仕立て」も、初めての人には分からない言葉です。料金表の前に、短い説明を置いてください。

  • 乗合 ― ほかのお客様と一緒に乗る形。1人ずつ料金を払い、決まった日に決まった魚を狙う
  • 仕立て ― 船を1隻まるごと貸し切る形。仲間内や家族で乗り、狙う魚や時間を相談して決める

この2行があるだけで、「1人でも行けるのか」「家族だけで乗れるのか」という迷いが減ります。

料金は、何が含まれるかを並べる

料金は、乗合と仕立てで決まり方が違います。それぞれ、何が料金に含まれていて、何が別にかかるかを並べてください。

表:乗合と仕立ての料金の書き方(例はすべて架空で、金額は伏せてあります)
項目乗合の場合仕立ての場合
基本の料金たとえば「1人 〇,〇〇〇円」たとえば「1隻 〇〇,〇〇〇円(〇名まで)」
人数何人集まれば出るか。集まらないときの扱い何人まで乗れるか。1人増えるといくらか
子ども・同乗たとえば「小学生 〇,〇〇〇円」釣りをしない人が乗るときの料金
含まれるものエサ、氷、仕掛けのうち何が入るか同じく、何が入って何が別か
道具の貸し出したとえば「竿とリール 1組 〇,〇〇〇円」人数分そろうか、予約が要るか
時間出船と帰港の目安何時間か、延長できるか、延長の料金

金額は貴社の料金で埋めてください。大事なのは金額より、何が含まれていて、何が別にかかるかを並べることです。狙う魚や季節で料金が変わる場合は、変わる条件を表の下に書き添えます。

狙う魚や季節で変わるなら、条件を書く

狙う魚や出る時間で料金が変わる船も多いと思います。その場合は、どの釣りがいくらかを、釣りの種類ごとに並べます。「午前」「午後」「1日」のように時間で分けているなら、それぞれの時間の目安も書きます。

仕立ての相談は、聞くことを絞る

仕立ての申し込みは、日にち、人数、狙いたい魚、初めての人が混ざるかどうかで中身が変わります。相談のフォームや電話で聞くことを、この4つくらいに絞っておくと、申し込む側も迷いません。細かいことは、船長から折り返して決めればいいのです。

支払いの方法も添えてください。当日に現金で払うのか、事前に払うのか。予約をネットで受けるかどうかの考え方は、予約をネットで受けるか、電話のままにするか に書きました。

4. 出船の判断と、中止の連絡

いつ判断して、どこで知らせるか

天気や海の様子が怪しい日の前は、電話が増えやすいところです。行き違いを防ぐには、いつ判断して、どこで知らせるかを決めて、サイトに書いておくことです。

図:出船の判断と知らせ方の流れ(時刻や方法は、たとえばの例です)
前日の夕方 ― 出るかどうかの見通しを出す

たとえば「前日の〇時ごろに、出船の見通しをお知らせします」。判断の時刻と、知らせる場所をサイトに書いておきます。

迷う場合は、当日の朝に改めて判断することも書いておく
▼
当日の朝 ― 最終の判断

中止なら、予約した方に電話かメールで直接知らせます。SNSやサイトのお知らせ欄にも同じ内容を出します。

▼
出船のあと ― 途中で戻る場合

海の様子が変わって早めに戻るときの料金の扱いを、先に決めて書いておきます。

中止や早めの帰港は、乗る人を守るための判断だと一言添えておく

サイトには決まり(いつ判断し、どこで知らせ、料金をどう扱うか)を、SNSにはその日の判断を出す、と分けると、どちらも迷わず探せます。時刻や方法は、貴社の運用で置き換えてください。

SNSとサイトの使い分け

SNSは、その日の判断や海の様子をすぐに流すのに向いています。サイトは、いつ見ても変わらない決まりを置くのに向いています。

  • サイトに置くこと ― 判断の時刻、知らせる方法、中止のときの料金、予約した人への連絡の仕方、SNSのどこを見ればいいか
  • SNSに流すこと ― 明日の出船の見通し、今日の判断、その日の海の様子

大事なのは、予約した人には、SNSに頼らず直接知らせることです。SNSを見ない人もいます。サイトには「中止のときは、ご予約の方にお電話でお知らせします」と書いておきます。役割の分け方は ホームページとSNS、どちらに時間を使うべきか に、急な休みの知らせ方は 台風や急な休業のとき、ホームページで何を知らせるか にまとめました。

キャンセルの決まりは、2つに分けて書く

中止の扱いは、船が出ないと決めた場合と、乗る人が取りやめる場合で分けて書きます。船が出ないときの料金の扱い、乗る人の都合で取りやめるときは何日前から何がかかるか、仕立ての場合はどうか。表の作り方は キャンセルや日程変更の決まりを、ホームページにどう書くか に書きました。

5. 集合場所・駐車場・時間

港の名前だけでは、船に着けない

初めて乗る人がいちばん迷いやすいのは、港に着いてから、どの船に行けばいいかです。港の名前と住所だけでは、広い港のどこに船が停まっているのか分かりません。夜明け前の集合なら、暗くて目印も見えにくくなります。

  • 集合場所 ― 船が停まっている場所、受付をする場所、目印になる建物や看板
  • 駐車場 ― 停める場所、台数、料金、停めてはいけない場所
  • トイレ ― 港のどこにあるか、船の上にあるか
  • 近くの店 ― 早朝に開いている店、氷やエサを買える場所

集合場所は、地図の上に印を付けたものと、貴社で撮っていただいた港の写真を並べると伝わりやすくなります。明るい時間の写真に「暗い時間はこのあたりに明かりがあります」と添えるのも一つの方法です。道の見せ方は 「アクセス」のページで、来る人を迷わせない の考え方がそのまま使えます。

時刻は、集合と出船と帰港を分ける

「〇時出船」とだけ書くと、何時に港に着けばいいかが分かりません。集合の時刻、出船の時刻、帰港の目安を分けて書きます。乗合なら、受付の順で船の上で釣る場所(釣り座)が決まるのかどうかも書いておきます。

帰港の目安は、海の様子で前後することも添えてください。帰りの予定を立てる家族連れには、ここが大事です。

遅れるときの連絡

朝の早い集合では、道の混み具合や寝坊で遅れる人も出ます。遅れるときの連絡先と、出船の時刻は待てないことがあるかを書いておきます。電話がつながりにくい時間帯があるなら、それも。乗合では、ほかのお客様を待たせることになるので、扱いを先に決めておくと当日に迷いません。

6. 持ち物と道具の貸し出し、釣れる魚と時期

持ち物は、一覧にする

初めての人が知りたいのは、何を持って行けばいいかです。一覧にして、初めての方へのページに置きます。

  • 服装 ― 濡れてもいい服、滑りにくい靴、季節に合った上着、帽子
  • 雨と日差し ― 雨具、日焼け止め
  • 体調 ― 酔い止めを飲むなら、いつ飲めばいいかは薬の説明に従ってほしいこと
  • 飲み物と食べ物 ― 船の上で食べられるか、ごみは持ち帰りか
  • 魚を持ち帰るもの ― クーラーボックスを持って行くか、借りられるか

道具の貸し出しは、中身まで書く

「貸し竿あり」だけでは、何が借りられるのかが分かりません。竿とリールの組か、仕掛けやおもりも含むか、料金、予約が要るか、何組まであるかを書きます。救命胴衣を貸し出しているなら、子ども用の大きさがあるかも書いておきます。

初めての人には、船の上で釣り方を教えてもらえるかも大事です。教えられる範囲を書いておくと、安心して申し込めます。

釣れる魚と時期は、「狙い」として書く

季節ごとに狙う魚の一覧は、初めての人にも常連にも役に立ちます。月ごとや季節ごとに、何を狙って出ることが多いかを書きます。

ここで気をつけたいのは、釣れることを約束する書き方をしないことです。「〇〇が釣れます」ではなく、「この時期は〇〇を狙って出ることが多いです」と書きます。海の様子や魚の動きは日によって変わるからです。

釣果の報告を載せる場合は、日付と、その日の条件を添えてください。そして、「その日の結果で、同じように釣れるとは限りません」と一言添えておきます。良い日の写真だけが並んでいると、初めての人の期待が大きくなりすぎます。

釣った魚の持ち帰り方も、聞かれやすいことの1つです。船の上で締めてもらえるか、氷は足りるか、港で魚をさばける場所があるか。分かる範囲で書いておくと、初めての人がクーラーボックスの大きさを決められます。

7. 安全の書き方、船長の紹介、登録や保険

安全は、言い切らずに、してほしいことを書く

「安全です」と言い切ることも、「危ない」と怖がらせることもせず、船の上でしてほしいことを、行動で具体的に書くのが落ち着いた書き方です。

  • 救命胴衣 ― 船の上では着けていただくこと。貸し出しがあるか、子ども用があるか
  • 船の上での動き方 ― 走っている間は座っていてほしい、移動するときは声をかけてほしい
  • 子ども ― 何歳から乗れるか、大人がそばにつくこと
  • 体調 ― 酔ったときにどうするか、具合が悪くなったら早めに伝えてほしいこと
  • お酒 ― 船の上で飲めるかどうか
  • 早めの帰港 ― 海の様子によって、予定より早く戻ることがあること

救命胴衣の着け方や船の安全については、国の決まりがあります。中身は船の種類や乗り方によって違うので、所管の窓口に確認してください。

船長の紹介は、人柄が分かるように

小さな釣り船は、船長の人柄で選ぶ方もいる商売です。名前、船に乗ってきた年数、得意な釣り、初めての人への接し方。写真があれば、船の上での様子が分かるものを。

「初めての方には、出船の前に釣り方を説明します」「子ども連れの方には、釣りやすい場所を選んでいます」のように、船長がいつもしていることを書くと、人柄が伝わります。

登録や保険は、一般論として押さえる

遊漁船の営業には、登録の制度があります。登録の内容、加入している保険、サイトや船での表示の仕方にも、決まりがある場合があります。制度の中身は地域や営業の形によって違うので、所管の窓口に確認してください。

サイトに載せるなら、会社や船の基本情報と並べて、登録や保険について確かめた内容を書いておきます。乗る人にとっては、安心して申し込める材料になります。

8. 雄喜晃の伴走:電話で答えていることを、乗る前に読める形にします

私たちがやること

私たち雄喜晃は、釣り船のサイトを作るとき、電話や港でよく聞かれることを伺うところから始めます。乗合と仕立ての違い、料金に含まれるもの、出船の判断と知らせ方、集合場所、持ち物、船長がいつもしていること。伺った答えを、「初めての方へ」のページ、料金表、出船の決まり、集合場所の案内に分けて並べます。

SNSとサイトで何をどちらに置くかも、船の人手に合わせて一緒に決めます。写真は、貴社で撮っていただいたものをお預かりして、選び、明るさや向きを整えて載せます。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれ、月5回までの更新代行も同じ月額の中です。季節の狙いの入れ替えや、料金の改定、休みのお知らせも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

私たちは、撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでが私たちの仕事です。

SNSの日々の投稿の代行や、予約の仕組みそのものの開発もしていません。出船の判断や船の上の安全、登録や保険が決まりに合っているかの判断もいたしません。そこは所管の窓口に確かめていただくようお願いしています。サイトを直すことで予約が増えるとお約束することもいたしません。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。

SNSで出船の情報は出しているが、初めての方からの電話が毎回同じ質問になっているという船の方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:流れていく情報と、いつも同じ場所にある決まりを分ける

釣り船・遊漁船のホームページで押さえることは5つです。

  • 入口を分ける ― 初めての人と家族連れには1日の流れと持ち物を、常連には出船の予定と料金を
  • 乗合と仕立ては、言葉の説明から ― 料金は、何が含まれて何が別かを並べる
  • 出船の判断は、時刻と知らせる場所をサイトに ― その日の判断はSNSに、予約した人には直接知らせる
  • 集合場所は、船の位置まで ― 集合・出船・帰港の時刻を分け、駐車場とトイレも書く
  • 釣れる魚は「狙い」として、安全は行動で ― 釣果を約束せず、してほしいことを具体的に書く

SNSで船を知った人が、最後に確かめているのは、自分や家族が当日困らないかどうかです。そこに答えるのが、自分のサイトの役目です。

まず、今日できること

この1か月に、電話や港で聞かれたことを書き出してみてください。書き出した質問の答えが、自分のサイトに書いてあるかを探すと、足りないところがそのまま見つかります。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。船長がいつも電話で答えていることを、乗る前に読める形にするところから、ご一緒します。