1. 「ネットで買ったほうが安いでしょう、と言われるんです」

地域で電気屋さんを営む方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「本体の値段だけ比べられたら、うちは量販店にも通販にもかないません。でも、エアコンを付けて、古いのを持って帰って、リモコンの使い方まで教えて、調子が悪いと言われたらすぐ見に行く。そこまでがうちの仕事なんです。それをサイトでどう書けばいいのか」

本体の値段で比べられたら、勝てない。これは多くの町の電気屋さんが感じていることだと思います。ただ、お客様が本当に比べているのは、本体の値段だけではありません。届けてもらう、付けてもらう、古いものを片づけてもらう、壊れたときに来てもらう。そこまで含めて、誰に頼むかを決めています。

問題は、その「そこまで」がサイトに書かれていないことです。店頭や電話では当たり前に話していることが、サイトでは「家電の販売・修理」の一行で終わっている。これでは、読む人は本体の値段でしか比べられません。

この記事では、町の電気屋さんのホームページに何を載せるかを、比べられる場面から順に書きます。

この記事で書くこと

  • 量販店や通販と比べられたとき、価格ではなく何を書くか
  • 「近くですぐ来てくれる」を、具体的な言葉にする方法
  • できる工事と修理の範囲、できないこと
  • 出張の範囲と、料金の考え方
  • 高齢のお客様と、離れて暮らすご家族への配慮
  • メーカー名の出し方と、地域での年数の書き方

2. 比べられているのは、本体の値段だけではない

値下げでは張り合わない

量販店や通販と比べられたとき、本体の値段を下げて合わせようとするのはおすすめしません。仕入れの条件が違う相手に、同じ土俵で値段を合わせ続けるのは、小さなお店には負担が大きすぎます。サイトに書くのは、値段の差ではなく、その差に何が含まれているかです。

ほかのお店を悪く言う必要もありません。本体だけを安く買って、取り付けも片づけも自分でできる方には、量販店や通販が合っています。合う人が違う、ということを書けばいいのです。安い同業と比べられたときの書き方の全体は、安い同業と比べられたとき、ホームページに何を書くか にまとめてあります。

「本体だけ買う」と「お店に頼む」で、何が違うかを並べる

表:本体だけを買う場合と、町の電気屋さんに頼む場合の違い(中身はたとえばの例です)
場面本体だけを買った場合お店に頼んだ場合(たとえば)
選ぶカタログや画面の情報から、自分で選ぶお部屋の広さや今の使い方を見て、合う大きさや機能を一緒に選ぶ
届ける・付ける取り付けは別に頼むか、自分で行う届けて、付けて、動くところまで確かめて帰る
古いものの片づけ引き取りの手配を自分で調べる入れ替えのときに運び出しと引き取りの手続きまで行う
使い方説明書を読んで、自分で設定するよく使うボタンだけ、その場で一緒に設定する
調子が悪いとき問い合わせ先を探し、症状を説明するいつもの店に電話一本。買ったときの記録から話が早い

右の列は、貴社が実際にやっていることだけで埋めてください。やっていないことを書くと、比べた人ほど当日にがっかりします。引き取りに料金がかかる、設定は別の日になる、といった条件があるなら、それも一緒に書いておきます。

この表の右の列が、お店の値段に含まれているものです。本体の値段の横に、この中身を並べて書く。そうすると、読む人は総額と手間で比べられるようになります。

3. 「近くですぐ来てくれる」を、具体的に書く

町の電気屋さんの強みとして、「地域密着」「迅速対応」と書かれていることが多いと思います。どちらも本当のことですが、どのお店も書いている言葉は、読む人の判断の材料になりません。具体的な言葉に直します。

「すぐ」は、どのくらいかを書く

「すぐ伺います」の「すぐ」を、お店の実際の動き方で書きます。

  • 連絡から伺うまでの目安 ― たとえば「市内なら、多くの場合は当日か翌日に伺っています」のように。お店の実際の記録から書き、約束ではなく目安だと分かるようにする
  • 急ぎのときの受け方 ― 「エアコンが止まった、冷蔵庫が冷えないなど、急ぎのご相談はまずお電話で」
  • 伺えない日や時間 ― 定休日、夜間、繁忙期に時間がかかることがあるなら、それも

夏のエアコン、冬の暖房や給湯のように、季節によって依頼が集まる時期があるなら、そのことも正直に書いておきます。たとえば「7月から8月は、伺うまでに日数をいただくことがあります」の一行があれば、読む人は早めに連絡しようと考えられます。

「小さなこと」も頼んでいいと書く

町の電気屋さんに頼みたいけれど、こんなことで呼んでいいのか分からない。そう感じている方は多いと思います。受けている小さな頼みごとを、例として並べておくと、連絡のきっかけになります。

「電球や蛍光灯の交換、テレビの映りが悪い、リモコンの設定が分からない、といったご相談も承っています。お気軽にお電話ください」

ここに並べるのは、実際に受けている頼みごとだけにします。小さな頼みごとに料金がかかるなら、その考え方も書いておきます。

誰が来るかを、顔と名前で見せる

家の中に入ってもらう仕事なので、誰が来るのかが分かることは、それだけで安心につながります。伺う人の写真と名前、ひとことを載せておきます。家族で営んでいるなら、そのことも書いてかまいません。

4. できる工事と修理の範囲、できないこと

「家電の販売・修理・工事」とまとめて書くと、読む人は自分の頼みたいことが入っているかどうかが分かりません。できることを、頼む人の言葉で並べます。

仕事を、頼まれ方で分けて並べる

  • 買い替えと取り付け ― エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、照明など。取り付けまで行うものと、届けるだけのもの
  • 修理 ― 店で直せるものと、メーカーの修理に取り次ぐもの。取り次ぐ場合は、お店が窓口になって進めるのかどうか
  • 設備の工事と相談 ― コンセントの増設、照明の付け替え、アンテナ、換気扇など。家の設備にかかわる相談
  • 点検と見直し ― 古い家電の点検、電気代が気になる家の使い方の相談など

それぞれに、実際にやった仕事の例を短く添えると伝わります。たとえば「〇〇町で、和室のエアコンを入れ替えました。古い配管を使えるかどうかを見てから、お見積もりしました」のような書き方です。お客様のお名前や、家が特定できる書き方は避けてください。

工事の種類によっては、資格や登録が要る

電気の工事の中には、決まった資格を持つ人でなければできない作業や、事業として行うのに登録などが要るものがあります。サイトに「〇〇工事も承ります」と書くときは、その工事をできる資格や登録が、お店に実際にあるかを確かめてから書いてください。

保有している資格や登録は、持っているものだけを、名前を正確に書きます。何が必要かは工事の種類によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。

できないことを、先に書く

受けていない仕事を書いておくほうが、受けている仕事が信じてもらえます。たとえば、大きな工事は提携の業者を紹介する、パソコンの中の修理は受けていない、といったことです。

「業務用の大型設備の工事はお受けしていません。ご相談いただければ、対応できるところをご紹介します」

断る一行が書いてあると、読む人は「ここまでは頼める」と判断できます。

5. 出張の範囲と、料金の考え方

出張の範囲は、市区町村や町名で書く

「近隣地域に伺います」では、どこまで来てもらえるのかが分かりません。伺っている範囲を、市区町村や町名で書きます。範囲の端のほうで条件が変わるなら、「通常伺う地域」「ご相談のうえ伺う地域」と分けて書いておきます。対応エリアの書き分け方は 「対応エリア」を、ホームページにどう書くか にまとめました。

料金は、何にかかるかを分けて書く

修理や出張の料金を、全部「お見積もり」にしているお店は多いと思います。症状を見るまで分からないのは、そのとおりです。ただ、何に料金がかかるのかが分かれば、読む人は安心して呼べます。

図:修理を頼まれてから、料金が決まるまでの流れ(料金の名前と中身はたとえばの架空の例)
① お電話で症状を伺う

どの家電が、いつから、どんな様子かを伺います。電話の時点で分かることがあれば、その場でお伝えします。

たとえば「ここまでは料金はかかりません」と書いておく
▼
② 伺って、見る

お宅に伺い、症状を確かめます。ここで出張費や点検費がかかるのかどうかを、先に書いておきます。

たとえば「出張・点検費 〇,〇〇〇円。市内の場合」(金額は架空の例)
▼
③ 見積もりを出す

直す場合の作業費と部品代、買い替える場合の総額を並べてお伝えします。どちらにするかは、お客様に決めていただきます。

見積もりのあとで断った場合に、何がかかるかも書いておく
▼
④ 直す、取り次ぐ、買い替える

その場で直せるものは直し、メーカーの修理に出すものは取り次ぎ、買い替えるなら取り付けの日を決めます。

たとえば「買い替えの場合、点検費は本体の代金から差し引きます」のような決まりがあれば書く

金額そのものは、貴社の実際の料金で書いてください。どの段階で、何の料金がかかるかが分かれば、読む人は「呼んだら、いくらかかるか分からない」という不安から抜けられます。金額を出しにくいなら、段階と料金の名前だけでも書いておきます。

「見たけれど直らなかった」ときを書く

いちばん気にされるのは、来てもらったのに直らなかったときです。出張費だけかかるのか、かからないのか。部品がもう無くて直せない場合はどうなるのか。ここが書いてあると、古い家電の修理を迷っている人も連絡しやすくなります。

保証は、メーカーの保証とお店の保証を分ける

家電には、メーカーの保証が付いていることが多いと思います。お店が独自に延長の保証や、取り付け工事の保証を付けているなら、メーカーの保証とお店の保証を分けて書きます。何が、何年、どんな条件で対象になるのか。対象外になる場合と、連絡の窓口。書き方は 保証やアフターサービスを、ホームページにどう書くか にまとめてあります。

6. 高齢のお客様と、離れて暮らすご家族への配慮

町の電気屋さんのお客様には、年配の方が多いと思います。そして、そのお客様のことを気にかけている、離れて暮らすご家族もサイトを見ています。

ご本人が読みやすく、電話しやすく

  • 電話番号を大きく、上のほうに ― スマートフォンでは、押せばそのまま電話がかかる形にする
  • 電話を受けている時間を書く ― 留守番電話になる時間と、折り返しの目安も
  • カタカナ語を減らす ― 製品の機能の名前より、「部屋が早く暖まる」「音が静か」のような言葉で
  • 文字を大きく、詰めすぎない ― 背景と文字の色に、はっきり差をつける

年配のお客様が多い会社のサイトで、どこを直すかは 年配のお客様が多い会社の、ホームページの直し方 に順に書きました。

訪問の決まりを書いておく

家に伺う仕事では、お客様が「本当にこのお店の人か」を確かめられることが大切です。お店で実際に決めていることがあれば、サイトに書いておきます。

「伺う前に、お電話で日時と担当の名前をお伝えします。こちらから突然お宅に伺って、点検や買い替えをおすすめすることはありません」

これは、お店の実際の決まりと合っている場合にだけ書いてください。書いてあると、ご本人だけでなく、離れて暮らすご家族も安心できます。

離れて暮らすご家族が、代わりに頼めるように

遠くに住むご家族が、親の家のエアコンや給湯の調子を気にかけていることがあります。ご家族からの依頼を受けているなら、そのことをはっきり書きます。

  • ご家族からの依頼 ― 電話やメールのフォームで、離れた場所から頼めるか
  • 立ち会い ― ご本人だけが家にいる場合でも作業できるか
  • 作業のあとの報告 ― 何をしたか、ご家族にも連絡するか
  • 支払い ― ご家族が代わりに支払う方法があるか

「親の家のことを、遠くから頼めるお店」と分かるだけで、地元に住んでいない人からの連絡が生まれます。

7. メーカー名の出し方と、地域での年数

メーカー名やロゴは、決まりを確かめてから使う

扱っている家電のメーカー名を出すと、読む人は「あのメーカーの製品を頼める」と分かります。ただ、メーカーの名前やロゴ、製品の写真やカタログの使い方には、メーカーごとに決まりがあることが多いです。

一般的な注意を書いておきます。

  • ロゴや写真は、使ってよいかを確かめる ― メーカーや取引先の案内に、使い方の決まりが示されていることがある
  • 「正規」「認定」「専門店」などの言葉は、関係が事実のときだけ ― メーカーとの契約や関係がないのに、それに見える書き方をしない
  • 扱いをやめたメーカーは、消す ― 何年も前の取扱いが残っていると、問い合わせのたびに断ることになる

どう書けるかは契約や取引の形によって違うので、取引先や専門家に確認してから載せてください。メーカーの製品をサイトに載せるときの考え方は、メーカーの代理店・販売店として、ホームページに製品をどう載せるか に詳しく書きました。

地域での年数は、事実だけを書く

町の電気屋さんは、長く同じ場所で商売をしているお店が多いと思います。これは、読む人にとって大きな安心の材料です。ただ、年数は事実だけを書きます。

  • 創業の年と、今の場所に移った年 ― 分かっている範囲で正確に
  • 代替わり ― 先代から継いだなら、そのことと今の代表の名前
  • 比べる言葉は使わない ― 「地域でいちばん」「どこよりも」のように、確かめようのない言葉は書かない

数字で飾るより、長く続けてきた中で、何を変えずにやってきたかを書くほうが伝わります。「買っていただいた家電は、壊れたときもうちで見る」。そういう一行です。地域で商売をする会社のサイトの全体は、地域で商売をする会社の、ホームページの全体像 にまとめてあります。

8. 雄喜晃の伴走:店頭で話していることを、サイトの言葉にします

私たち雄喜晃は、町の電気屋さんのホームページを作るとき、最初に「本体の値段のほかに、何をしているか」を伺うところから始めます。そこが書ければ、値段で比べられる場面でも、比べてもらう中身が変わります。

私たちがやること

  • お店に頼んだときの中身を、表にします ― 届ける、付ける、片づける、教える、また来る。実際にやっていることを伺って並べます
  • できる工事と修理の範囲を、頼まれ方で並べます ― できないことと、紹介する先があることも書きます
  • 出張の範囲と料金の段階を、書ける形にします ― どの段階で何がかかるかを伺い、図や表に起こします
  • ご本人とご家族が読みやすいページにします ― 電話番号の大きさ、文字の大きさ、ご家族からの依頼の案内まで
  • 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 明るさや向き、大きさをそろえ、伺う人の紹介や仕事の例の中に配置します

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、繁忙期の案内や料金の見直し、休業のお知らせも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • 料金や出張の範囲を、こちらで決めることはしません。それはお店の経営の判断です。私たちは、決まったことを読む人に伝わる形にするところを担当します
  • 資格や登録、メーカー名の使い方が決まりに合っているかの判断はしません。所管の窓口や取引先、専門家に確認していただくようお願いしています
  • ほかのお店を悪く言う書き方や、確かめようのない比べる言葉は使いません
  • 検索順位や問い合わせの増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「うちの仕事は本体を売ったあとからなのに、サイトでは値段でしか比べられていない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:値段の横に、その値段に含まれているものを書く

町の電気屋さんのホームページで押さえることは、5つです。

  • 値段で張り合わず、含まれているものを並べる ― 選ぶ、届ける、付ける、片づける、教える、また来る。実際にやっていることだけを
  • 「すぐ来てくれる」を具体的に書く ― 伺うまでの目安、急ぎの受け方、小さな頼みごと、誰が来るか
  • できる範囲とできないことを書く ― 資格や登録が要る工事は、事実を確かめてから
  • 出張の範囲は町名で、料金は段階で書く ― 直らなかったときと、メーカーとお店の保証の違いも
  • ご本人とご家族の両方に向けて書く ― 訪問の決まり、ご家族からの依頼、メーカー名の使い方、年数は事実だけ

どれも、店頭や電話では毎日のように話していることです。話していることを書いておけば、本体の値段だけで比べられる場面が減ります。お店の仕事が、本体を売ったあとにあることが伝わるからです。

まず、今日できること

最近いただいた依頼を3つ思い出して、受けてから終わるまでに何をしたかを、紙に順番に書き出してみてください。電話を受けた、伺った、見た、直した、使い方を教えた。その1枚が、そのまま「お店に頼んだ場合」の表の右の列になります。