1. 「『開店祝いでいくらぐらい』と、毎回電話で聞かれるんです」

花屋を営む方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「お店のホームページはあるんですが、お店の写真と地図くらいしか載せていなくて。電話では『開店祝いの花はいくらぐらいですか』『明日届けてもらえますか』と毎回聞かれるんです。季節で花も値段も変わるので、書きにくくて」

花は、季節や仕入れで中身が変わる商品です。同じ金額でも、使う花はその日によって違います。だから書けない、と思ったまま、お店の紹介だけのサイトになっていることがよくあります。

ただ、花を贈ろうとしている人が知りたいのは、花の名前より先のことです。いくらぐらいで頼めるのか、いつまでに頼めば間に合うのか、届け先まで届けてもらえるのか。この3つが分からないと、電話をするか、ほかの店に移ります。

この記事では、花屋がホームページで何を伝えるかを、用途ごとに整理します。

この記事で書くこと

  • 用途によって、見に来る人がどう違うか
  • 用途ごとの価格の目安の出し方
  • 注文の締め切りと、配達できる範囲・時間
  • 写真は「イメージ」であること、季節で花が変わることの書き方
  • 立て札・名札・メッセージカードの受け付け方
  • 法人の定期契約と、母の日など繁忙期の受付終了の案内

2. 用途で、見に来る人が違う

花屋の仕事は、用途によって頼む人も、確かめたいことも違います。

店頭で買う人

自分の家に飾る花や、その日に手渡す花束を買いに来る人です。確かめたいのは、今日開いているか、何時まで開いているか、行けばすぐ作ってもらえるか。営業時間と休みの日、急ぎの花束にかかる時間の目安が、まず見られます。

お祝いの花を贈る人

誕生日、結婚、退職、開店、発表会。贈る人は、予算と届け先と日にちを決めて探しに来ます。贈り先が遠い場合や、会場に届ける場合は、届けてもらえるかどうかが最初の分かれ目です。

お供えの花を頼む人

急いでいることが多い用途です。通夜や葬儀に間に合うか、どんな花がふさわしいか、立て札をどう書けばいいか。言葉遣いにも気をつけて、落ち着いて読める案内にしておきます。

法人の担当者

開店祝いや取引先へのお祝いを頼む総務や秘書の方、事務所や店の受付に定期で花を入れたい方です。確かめたいのは、請求書で払えるか、定期でいくらか、急な依頼に応えてもらえるか。個人の方とは見るところが違います。

用途ごとに、入口を分ける

トップページには、用途ごとの入口を並べます。「お祝いの花」「お供えの花」「法人のご注文・定期の花」「店頭のご案内」。用途が分かれていると、急いでいる人もすぐに自分のページに入れます。

3. 用途ごとの価格の目安を出す

「ご予算に合わせてお作りします」だけでは決められない

花屋のサイトでよく見るのが、「ご予算に合わせてお作りします」の一行です。事実ではありますが、読む人はいくらぐらいが普通なのかが分からないので、決められません。

そこで書くのが、用途ごとの価格の目安です。いくらから受けていて、よく頼まれるのはどのくらいか。季節で花が変わっても、金額の帯は変わらないはずです。

表:用途ごとの価格の目安の書き方(金額はすべて架空で、たとえばの書き方です)
用途価格の目安(たとえば)あわせて書き添えること
花束〇,〇〇〇円から。よくご注文いただくのは〇,〇〇〇円前後ラッピングや持ち帰り用の袋が金額に含まれるか
アレンジメント〇,〇〇〇円からそのまま飾れる形か、水の替え方の案内を付けるか
開店・開業祝いのスタンド花〇〇,〇〇〇円から立て札、配達、回収が含まれるか。会場の決まりで置けない場合があること
鉢植え(胡蝶蘭など)〇〇,〇〇〇円から取り寄せになる場合の日数、立て札の有無
お供えの花〇,〇〇〇円から色の決まりや地域の習わしに迷ったら相談を、と添える
法人の定期の花月〇回の入れ替えで、月〇〇,〇〇〇円から置く場所の数と大きさ、古い花の持ち帰り

「から」の金額だけでなく、よく頼まれる金額の帯も添えると、読む人が自分の予算を当てはめやすくなります。配達料が別にかかる場合は、表の近くに書いてください。金額は、貴社が実際にお受けしている内容で書きます。

何が金額に含まれるかを書く

価格の目安と一緒に、その金額に何が含まれているかを書きます。

  • 税 ― 税込か税別か。サイトの中で混ぜない
  • 配達料 ― 金額に含まれるか、別にかかるか
  • ラッピング・カード・立て札 ― 無料で付けるか、追加の料金か
  • 回収 ― スタンド花の回収が含まれるか

「花代〇,〇〇〇円+配達料」のように、払う金額の全体が分かる書き方にしておくと、注文のあとの行き違いが減ります。

4. 注文の締め切りと、配達できる範囲・時間

締め切りは、用途と届け方で分けて書く

「お早めにご注文ください」では、いつまでに頼めばいいのかが分かりません。締め切りは、用途と届け方ごとに時刻や日数で書きます。

  • 店頭での受け取り ― 花束なら来店してから何分ほどで作れるか。予約しておけば待たずに受け取れるか
  • 当日の配達 ― 何時までの注文で、その日のうちに届けられるか
  • スタンド花・大きなアレンジ ― 何日前までに頼んでほしいか
  • 取り寄せになるもの ― 胡蝶蘭などの鉢で、取り寄せに何日かかるか

締め切りを過ぎた注文を受けられる場合もあると思います。その場合は「締め切り後のご注文は、お電話でご相談ください」と書いておけば、急いでいる人の行き場がなくなりません。

配達できる範囲は、市区町村で書く

配達できる範囲は、「近隣」ではなく、市区町村や地域の名前で書きます。

  • 配達料なしで届ける範囲
  • 配達料がかかる範囲と、その金額
  • 届けられない範囲 ― 配送で送る形があるなら、その案内も

範囲の書き方や、地図の載せ方は、「対応エリア」を、ホームページにどう書くか にまとめてあります。遠方へ配送で送る場合は、送料や届くまでの日数、届かなかったときの扱いが別に要ります。書き方は、送料や返品の決まりを、ホームページにどう書くか を参考にしてください。

配達の時間は、届け先の事情と一緒に

配達の時間は、届け先によって事情が変わります。

  • 時間の指定 ― 「午前」「午後」のような幅で受けるか、時刻まで受けるか
  • 開店祝い ― 開店の前に届けるか。前日に届けることができるか
  • 式場・ホール・葬儀場 ― 会場が花を受け取れる時間に合わせること。会場によっては持ち込みに決まりがあること
  • 届け先が留守のとき ― 持ち帰るのか、置いていくのか、注文した人に連絡するのか

会場に届ける花は、会場の決まりで置けない場合があることを書いておくと、注文する人が先に会場へ確かめてくれます。

5. 写真は「イメージ」と書き、季節で花が変わることを伝える

写真の下に、ひとこと添える

花の写真は、花屋のサイトの中心です。ただ、同じ写真の花が届くとは限りません。写真の近くに「イメージ」であることを書いておきます。

「写真はイメージです。季節や仕入れによって、使う花の種類や色が変わります。ご予算と雰囲気に合わせてお作りします」

この一行が無いと、写真と違う花が届いたときに「頼んだものと違う」と受け取られます。

変わらないものを、約束として書く

花の種類は変わっても、変わらないものもあります。それを書いておくと、読む人は安心して任せられます。

  • 金額 ― 選んだ金額で作ること
  • 大きさの目安 ― 高さや幅の目安
  • 色の系統 ― 「赤系」「白と緑」など、伝えた色の方向
  • 雰囲気 ― 「華やか」「落ち着いた」など、伝えた印象

希望の伝え方を書く

注文のときに、何を伝えればいいかも書いておきます。色、雰囲気、入れてほしい花、入れないでほしい花。お見舞いや飲食店へのお祝いなどで、香りの強い花や花粉の多い花を避けたい場合もあります。そうした希望を受けられるなら、注文の入口に一言添えてください。

写真は、季節ごとに入れ替える

花屋のサイトは、季節がいちばんよく出るサイトです。冬なのにひまわりの写真がトップに並んでいると、更新が止まったお店に見えます。季節の写真を使う場所を決めて、入れ替える時期を決めておくと、手間が少なく済みます。考え方は 冬なのに、ホームページの写真が真夏のまま にまとめました。

作った花の写真を載せるときは、立て札に書かれた贈り主の名前や、届け先が分かるものが写っていないかを確かめてください。写っている場合は、隠すか、載せる前に了解を取ります。

6. 立て札・名札・メッセージカードの受け付け

文字の注文は、フォームの項目で受ける

立て札や名札、メッセージカードは、文字を間違えると取り返しがつきません。電話で聞き取るより、フォームの項目で受けて、書いた文字を返して確かめる形にしておくと、間違いが減ります。

  • 用途 ― お祝いか、お供えか。頭に付ける言葉が変わります
  • 贈り主の名前 ― 会社名、肩書、個人名。連名の場合の並び順
  • 宛名 ― 立て札に入れるか、入れないか
  • 表記 ― 旧字体や特別な字があるか、株式会社を前に付けるか後ろに付けるか
  • メッセージカードの文 ― 何文字くらいまで書けるか、手書きか印字か

書き方に迷う人のための例

立て札の書き方が分からない人は多いです。よくある書き方の例を、用途ごとに数行載せておくと、それを見て注文してくれます。たとえば、お祝いなら「祝 御開店」と贈り主の名前、お供えなら「供」と贈り主の名前、のような形です。

ただし、お供えの言葉や花の色は、宗教や地域の習わしによって違うことがあります。「迷ったときはご相談ください」と添えて、決めつけた書き方はしないでください。

図:注文から届くまで、どこで何を確かめるか(流れはたとえばの形です)
① 用途と予算

お祝いかお供えか、予算はいくらか。価格の目安の表を見て、金額を決めてもらいます。

確かめること:配達料や立て札が金額に含まれるか
▼
② 届け先と日時

届け先の住所、会場の名前、届ける日と時間の幅。締め切りに間に合うかをここで確かめます。

確かめること:配達の範囲か、会場が受け取れる時間か
▼
③ 立て札・カードの文字

フォームの項目で、贈り主の名前や肩書、カードの文を受け取ります。

ここを電話の聞き取りだけで済ませると、字の間違いが起きやすくなります
▼
④ 文字を返して確かめる

受け取った文字を、注文した人にそのまま送り返して、間違いがないかを見てもらいます。

確かめること:表記と並び順、旧字体
▼
⑤ 配達と回収

届けたことを注文した人に知らせるか。スタンド花なら、いつ回収に伺うか。

確かめること:届けたあとの連絡の方法、回収の日

いちばん間違いが起きやすいのは③と④の文字のやり取りです。サイトの注文の入口に、④で文字を確かめることを書いておくと、注文する人も返事を待ってくれます。

7. 法人の定期契約と、繁忙期の受付終了の案内

法人の定期の花は、頻度と範囲を書く

事務所や店の受付、ホテルや飲食店の店内に定期で花を入れる仕事は、個人の注文とは確かめることが違います。

  • 頻度 ― 週に1回、2週に1回、月に1回など、受けている頻度
  • 置く場所と数 ― 受付、応接室、店内のテーブルなど。大きさの目安
  • 入れ替え ― 伺う曜日や時間帯、古い花の持ち帰り、花瓶の扱い
  • 季節の変わり方 ― 季節に合わせて花が変わること
  • 支払い ― 月ごとにまとめて請求するか、締め日と支払い期日
  • 契約の期間とやめ方 ― 何ヶ月から受けるか、やめるときは何日前に伝えればいいか

見積もりのために聞くことも書いておきます。置く場所の数、置く場所の写真、伺える曜日と時間、予算。これが分かると見積もりが出せる、と書いてあれば、担当者は社内で確かめてから連絡してきます。

開店祝いなどを法人から受ける場合は、請求書での支払いに対応しているかも書いておきます。総務の担当者は、ここで決めることが多いからです。

繁忙期は、受付の締め切りと終了を書く

花屋には、注文が集まる時期があります。母の日、お彼岸やお盆、敬老の日、クリスマス、年末、卒業や入学の時期。この時期は、ふだんと決まりが変わることを、サイトの目立つ場所で知らせます。

  • 受付の締め切り日 ― 「母の日のお届けは、〇月〇日のご注文まで承ります」
  • ふだんと違うこと ― 配達の時間指定を受けられない、店頭の受け取りは予約の方を先に、など
  • 受付終了の表示 ― 締め切りを過ぎたら、終了したことをすぐに書く
  • 終わったあとの表示 ― 時期が過ぎたら、お知らせを下ろしてふだんの案内に戻す

いちばん困るのは、受付が終わっているのに、サイトでは受け付けているように見えることです。注文のフォームが開いたままになっていないかも確かめてください。

早めの注文に特典を付ける場合は、期間と条件をはっきり書きます。まだ受けられるのに「残りわずか」と急がせる書き方は避けてください。キャンペーンの書き方は キャンペーンや期間限定の割引を、ホームページにどう載せるか、繁忙期の前に何を準備するかは 季節で忙しさが変わる商売の、ホームページの回し方 にまとめてあります。

ネットで注文を受けるときの決まり

サイトから注文と支払いまで受ける場合は、通信販売としての表示が要る場合があります。ネットショップを付けるかどうかの考え方は、ホームページに、ネットショップを付けるかどうか に書きました。何を表示するかは売り方によって違うので、所管の窓口や業界団体、専門家に確認してください。

8. 雄喜晃の伴走:電話で聞かれていることを、注文の前に読める形にします

私たちがやること

私たち雄喜晃は、花屋のホームページを作るとき、最初に「電話でよく聞かれること」を伺うところから始めます。いくらぐらいか、いつまでに頼めばいいか、どこまで届けてもらえるか。そこに出てくる質問が、サイトに書く中身になります。

  • 用途ごとに、入口とページを分けます ― お祝い、お供え、法人、店頭
  • 価格の目安を、用途ごとの表にします ― 貴社が実際にお受けしている金額と、含まれるものを伺って組みます
  • 締め切りと配達の範囲・時間を、用途と届け方ごとに書きます
  • 立て札やカードの文字を受けるフォームの項目を、一緒に決めます
  • 花の写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 「イメージ」の一言を添え、季節ごとに入れ替えます

月5回までの更新代行が月額に含まれているので、季節の写真の入れ替えや、母の日の受付の締め切りと終了のお知らせも、ご連絡いただければこちらで反映します。繁忙期に受付の状況を日ごとに細かく書き換えたい場合は、月5回では足りないことがあります。その場合は、書き換える回数が少なくて済む書き方を一緒に考えます。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影はお受けしていません。花の写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • 花の価格そのものは決めません。決まった金額と中身を、読む人に伝わる形に組むところを担当します
  • 注文や支払いの仕組みそのものの開発はしていません
  • 通信販売の表示などが決まりに合っているかの判断はしません。所管の窓口や専門家で確かめていただくようお願いしています
  • サイトを直すことで注文が増えるとお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「サイトはあるが、お店の写真と地図しか載せていない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:花の名前より先に、金額と締め切りと届け先

花屋のホームページで押さえることは、5つです。

  • 用途ごとに入口を分ける ― お祝い、お供え、法人、店頭。見に来る人も、確かめたいことも違います
  • 価格の目安を、用途ごとに出す ― 「から」の金額と、よく頼まれる帯。何が含まれるかも添える
  • 締め切りと配達の範囲・時間を、具体的に書く ― 時刻や日数、市区町村の名前で
  • 写真は「イメージ」と書き、変わらないものを約束する ― 金額、大きさ、色の系統、雰囲気
  • 立て札の文字と繁忙期の受付は、間違いが出ない形に ― 文字は返して確かめ、受付の終了はすぐに表示する

花を贈る人は、花の名前を決める前に、金額と日にちと届け先を決めています。そこに答えておけば、季節で花が変わっても、注文の前に迷わずに済みます。

まず、今日できること

この1週間に、電話で聞かれたことを書き出してみてください。その答えが、サイトのどこに書いてあるかを探してみると、足りないところがそのまま見つかります。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。いつも電話で答えていることを、注文の前に読める形にするところから、ご一緒します。