1. 「本部のサイトに、うちの店のページはあるんですが」

「本部のサイトに店舗のページはあるんです。住所と営業時間と地図が載っていて。ただ、どの店も同じ形なので、うちの店のことは何も伝わらないんですよね。自分で作ってもいいものなのか、それも分からなくて」

フランチャイズに加盟してお店を営んでいる方から、こうしたお話を伺うことがあります。看板もメニューも本部と同じ。けれど、店に立って地域のお客様と向き合っているのは自分たちです。本部のページだけでは、この店のことが伝わらないと感じるのは、自然なことだと思います。

一方で、加盟店のホームページには、ふつうの会社にはない前提が1つあります。看板の名前もロゴも、本部のものだということです。何をどこまで使ってよいかは、契約と本部の決まりで変わります。ここを確かめずに作り始めると、公開したあとで直しを求められることがあります。

この記事の役割

近いテーマの記事があるので、先に役割を分けておきます。

  • 1つの会社で拠点を複数持つ場合 ― 店舗や営業所をいくつも持つ会社の載せ方は 店舗や営業所が複数ある会社の、ホームページ に書きました
  • この記事 ― 本部とは別の事業者として看板を借りている加盟店の側から、独自のサイトを作るかどうか、作るなら何を書くかの話です

なお、契約の読み方や、ロゴ・店名の扱いについての判断は、この記事では一般的な考え方にとどめます。契約の中身は本部ごとに違います。最後は、本部の担当の方や、契約に詳しい専門家に確認してください。

この記事で書くこと

  • 作る前に、本部の決まりを確かめる
  • 本部のページで足りているもの、足りないもの
  • 店長・スタッフ・地域のことを書く
  • 本部のページとの役割分担と、リンクの張り方
  • Googleビジネスプロフィールを、誰が管理しているか
  • 料金やキャンペーンを、本部と食い違わせない

2. 作る前に、本部の決まりを確かめる

最初にやることは、作り方を考えることではありません。作ってよいか、何をどこまで使ってよいかを確かめることです。

まず、作ってよいかどうか

本部によって、考え方はさまざまです。加盟店が独自のサイトを持つことを認めていないところもあれば、届け出をすれば持てるところ、本部の仕組みの中で店のページを書き足せるところもあります。

どれに当たるかは、契約書や加盟店向けのマニュアルに書かれていることが多いと思います。見当たらない、読んでも判断がつかない場合は、本部の担当の方に聞いてください。

確かめる項目は、5つ

作ってよいと分かったら、次は中身です。確かめる項目は、おおむね5つに分かれます。

表:独自のサイトを作る前に、本部に確かめること(決まりの例はすべて架空です)
項目確かめること決まりの例
ロゴ使ってよいか。使えるならデータはどこで受け取るか、色や余白の決まりはあるかたとえば「本部が配布するデータのみ使用可。色の変更や切り抜きは不可」
店名の表記ブランド名と店名をどう並べるか。運営会社の名前をどこに書くかたとえば「ブランド名+地名+店」で表記し、ページの下に運営会社名を明記する
写真本部が用意した商品や店内の写真を、店のサイトでも使ってよいか。店で撮った写真に決まりはあるかたとえば「本部の写真は店舗のサイトでも使用可。文字入れなどの加工は不可」
料金・キャンペーン価格を店のサイトに載せてよいか。全店共通か、店ごとに違うか。キャンペーンは誰が告知するかたとえば「価格は本部の料金ページへのリンクで案内する」
ドメインブランド名を含むドメインを、加盟店が取ってよいかたとえば「ブランド名を含むドメインは取得不可。運営会社名のドメインなら可」

右の列は、考え方を示すための架空の例です。実際の決まりは本部ごとに違います。5つのうち1つでも分からないものがあれば、作り始める前に聞いておくと、公開したあとの直しが減ります。

ドメインは、取る前に聞く

5つの中で、いちばん後戻りしにくいのがドメインです。ブランド名を含むドメインは、本部の名前や商標にかかわるので、加盟店が取ることを認めていない本部もあります。取ってから使えないと分かると、名刺やチラシに刷ったアドレスまで直すことになります。

迷ったら、運営会社の名前でドメインを取るという考え方があります。加盟をやめても、会社のものとして使い続けられます。

聞いたことは、文字で残す

本部の担当の方に聞くときは、メールなど、文字で残る形でやりとりすることをおすすめします。担当の方が代わることもありますし、口頭で聞いた話は、あとで食い違いやすいからです。

聞くときは、「何を、どこに、どう載せたいか」を具体的に書きます。「ホームページを作ってもいいですか」だけだと、答えるほうも判断ができません。

「店の独自のサイトを作り、店長の挨拶と地域の情報、店で撮った写真を載せたいと考えています。ロゴは本部から配布されたデータを使い、価格は本部の料金ページへのリンクで案内するつもりです。このような形で問題ないか、ご確認いただけますか」

このくらい書けば、本部の側も、どこがよくてどこが困るかを返しやすくなります。

3. 本部のページで足りているもの、足りないもの

決まりを確かめたら、次は「何を書くか」です。その前に、本部の店舗ページで、すでに足りているものを見ておきます。

本部のページで足りているもの

本部の店舗ページには、たいてい次のようなものが載っています。

  • 所在地 ― 住所、地図、電話番号
  • 営業の情報 ― 営業時間と定休日
  • 共通の中身 ― 全店で同じメニューや商品、サービスの説明
  • ブランドの説明 ― 考え方や、品質への取り組み

これらを、店のサイトでもう一度書く必要はありません。二か所に書くと、どちらかが古くなったときに食い違います。本部が書いていることは、本部に任せるのが基本です。

本部のページでは足りないもの

一方で、全店が同じ形で並ぶページには、作りの上でどうしても載らないものがあります。

  • 人 ― 店長やスタッフが誰で、どんな人か
  • 地域 ― 駐車場、近くの目印、混む時間帯、地元の行事との関わり
  • 店独自の取り組み ― その店だけでやっている相談会、出張、法人向けの対応など
  • 店のいきさつ ― なぜこの地域で、この看板を選んで店を開いたのか
  • 採用 ― その店で働く人の募集

ここが、加盟店が独自のサイトを持つ理由になります。看板は同じでも、店に立つ人と、店のまわりの地域は、店ごとに違うからです。

作らなくてよい場合もある

反対に、こうした「店のこと」を書く予定がないなら、無理に作る必要はありません。たとえば次のような場合です。

  • 本部のページに書き足せる ― 本部の仕組みで、店舗ページに店長の言葉や写真をすでに載せられる
  • 予約が本部経由 ― お客様のほとんどが、本部のサイトやアプリから予約して来る
  • 地図で足りている ― 店のことを伝える場が、Googleビジネスプロフィールで足りている

この場合は、本部のページと地図の情報を正しく保つほうに力を使ったほうが、筋が通ります。

4. 店の顔を書く:店長・スタッフ・地域

独自のサイトで書くのは、本部のページでは足りないものです。中でも中心になるのは、人と地域です。

店長の言葉を、店の入口に置く

いちばん効くのは、店長やオーナーの言葉です。なぜこの地域で店を開いたのか、どんなお客様に来てほしいのか、店で大事にしていること。同じ看板の店が近くに何軒かあっても、ここだけは店ごとに違います。

ブランドの考え方を言い直すのではなく、この店の事情を書いてください。たとえば「年配のお客様が多いので、説明はゆっくりするようにしている」。こうした一文のほうが、読む人の記憶に残ります。

スタッフを載せるなら、同意と退職のときを決めておく

スタッフの紹介を載せるかどうかは、業種によります。担当の人で選ばれる仕事なら効きますし、そうでなければ店長1人で足りることも多いと思います。判断の仕方と、載せるときの同意の取り方は 社員紹介ページは、本当に要るのか に書きました。

加盟店で気をつけたいのは、制服や名札に、本部のロゴが入っていることです。写真にロゴが写り込む場合も、本部の決まりの範囲かを確かめておくと安心です。

地域の情報は、来る人の目線で

地域の情報は、店に来る人が困ることから書きます。

  • 駐車場 ― 台数、入口の場所、近くに提携の駐車場があるか
  • 目印 ― 大きな道からの曲がり角、隣の建物
  • 混む時間帯 ― 曜日や時間ごとの、空いているときの目安
  • 対応エリア ― 出張や配達がある業種なら、どこまで行けるか

地域で商売をする会社のサイトに何を載せるかの全体像は、地域で商売をする会社の、ホームページの全体像 にまとめてあります。加盟店でも、考え方はそのまま使えます。

店独自の取り組みは、「当店独自」と書く

その店だけでやっている取り組みを書くときは、本部のサービスと誤解されないように書いてください。「当店独自の取り組みです」「この店舗でのみ受け付けています」と一言添えるだけで、ほかの店舗に問い合わせが行ってしまうことを防げます。

取り組みそのものが本部の決まりの範囲かどうかも、念のため確かめておきます。本部が扱っていない商品の販売などは、決まりで制限されていることがあります。

5. 本部のページとの役割分担と、リンクの張り方

書く中身が決まったら、本部のページとどうつなぐかを決めます。

図:本部のページ・店のサイト・Googleビジネスプロフィールの役割(一般的な分け方の例です)
① 本部のページ
ブランドと、全店共通のこと

ブランドの考え方、共通のメニューや商品、料金、全店のキャンペーン。店のサイトからは、ここへリンクして任せます。

共通のことは、ここを正とする
② 店のサイト
この店の人と、地域のこと

店長の言葉、スタッフ、駐車場や目印、店独自の取り組み、採用。本部のページには載らないことだけを書きます。

店ごとに違うことは、ここを正とする
③ Googleビジネスプロフィール
見つけてもらう入口

名前・住所・電話・営業時間を、①と②と同じ内容に揃えます。管理しているのが本部か店かで、直し方が変わります。

3つの中で、いちばん食い違いやすい

同じ情報を3か所に書くと、どこかが古くなります。どの情報を、どこが「正」として持つかを先に決めておくと、直すときに迷いません。分け方は、本部の決まりに合わせて調整してください。

店のサイトから、本部のページへ

店のサイトでは、全店共通のことを書き直さずに、本部のページへリンクで送ります。「メニューと料金は、本部のページをご覧ください」「ブランドについては、こちら」。リンク先は本部のトップではなく、その店の店舗ページか、該当するページにすると、読む人が迷いません。

反対向きに、本部の店舗ページから店のサイトへリンクを置いてもらえる場合もあります。相談してみて、置けないと言われたら、それも本部の方針です。

運営会社の名前を、はっきり書く

加盟店は、本部とは別の事業者です。店のサイトには、運営している会社の名前と所在地、連絡先を、ページの下や会社概要にはっきり書いてください。読む人が、本部の運営するサイトだと思い込むのを防げます。

ネットで商品を売る場合のように、事業者の表示が法令で求められる場面もあります。どの表示が要るかは業種によって違うので、本部や所管の窓口、専門家に確認してください。

表記は、本部と揃える

店名の書き方、住所の書き方、電話番号の書き方。本部の店舗ページと店のサイトで、表記がずれていることは珍しくありません。片方では「〇〇店」、もう片方では「〇〇駅前店」となっている、というようなことです。

どちらが正しいのかと聞かれる前に、揃えておきます。名刺やチラシも含めて表記を1枚にまとめる手順は、ホームページと名刺・封筒で、書いてあることが違う に書きました。

6. Googleビジネスプロフィールは、誰が管理しているか

店の名前や「近くの〇〇」で地図を検索して、店を見つける方も多いと思います。そのとき出てくるのが、Googleビジネスプロフィールです。加盟店の場合、ここに1つ確かめることがあります。

管理しているのは、本部か、店か

本部が全店分をまとめて管理している場合と、店ごとに管理している場合があります。どちらなのかを知らないまま、店の側で新しく登録してしまうと、同じ店が地図に2つ出ることがあります。

まずは、本部に聞いてください。本部が管理しているなら、営業時間や写真を変えたいときに誰に頼むかを確かめます。店で管理してよいなら、管理者は誰か、ログインに使うアカウントが会社のものかを確かめます。

ウェブサイトの欄に、どちらを入れるか

Googleビジネスプロフィールには、ウェブサイトのリンクを入れる欄があります。ここに本部の店舗ページを入れるか、店のサイトを入れるかは、本部の決まりに従ってください。決まりがなく、店で決めてよいなら、店のサイトから本部の店舗ページへのリンクがきちんと置かれているかを確かめたうえで選びます。

地図とホームページ、どちらから整えるかの考え方は Googleマップとホームページ、どちらを先に整えるか にまとめてあります。口コミへの返信を本部と店のどちらが書くかも、あわせて決めておくと安心です。

7. 料金とキャンペーンを、本部と食い違わせない

加盟店のサイトでいちばん起きやすい食い違いが、料金とキャンペーンです。

料金は、本部のページへのリンクで案内する

全店共通の料金なら、店のサイトに金額を書き写さないほうが安全です。本部が価格を改めたとき、店のサイトだけが古い金額のまま残るからです。読んだお客様は、店のサイトに書いてあった金額のつもりで来店されます。

店ごとに価格が違う場合や、店のサイトに金額を書くよう決められている場合は、書いた場所を一覧にしておきます。本部から改定の連絡が来たら、その一覧を見て直します。

本部のキャンペーンは、期間と出どころを書く

全店のキャンペーンを店のサイトで知らせたいときは、次の3つを添えます。

  • 期間 ― いつからいつまでか
  • 出どころ ― 本部のキャンペーンであること。詳しい条件は本部のページへリンクする
  • 対象 ― この店も対象か。一部の店舗では行っていない場合もあるので、確かめてから書く

いちばん困るのは、終わったキャンペーンが店のサイトに残っていることです。期間を書いておけば、読む人も店の側も、古い情報だと気づけます。期間限定の割引の載せ方は キャンペーンや期間限定の割引を、ホームページにどう載せるか に詳しく書きました。

店独自の割引は、決まりを確かめてから

店独自の割引や特典を出したい場合は、本部の決まりで認められているかを先に確かめてください。認められている場合も、「当店のみの取り組みです」と書き、本部のキャンペーンと混ざらないようにします。

割引や価格の表示には、守るべきルールがあります。どこまで書いてよいかは業種によって違うので、本部や所管の窓口、専門家に確認してください。

加盟をやめるときのことも、先に聞いておく

少し先の話です。契約が終わる、店を閉じる、別の看板に変える。そのときは、サイトからロゴや店名、本部の写真を外すことになるのが一般的だと思います。どこまで、いつまでに外すかは契約によります。本部の写真と店で撮った写真を分けて管理しておくと、外す作業が楽になります。

8. 雄喜晃の伴走:本部の決まりの範囲で、この店のことを書きます

私たち雄喜晃のホームページ制作では、加盟店の方からご相談をいただいたとき、まず本部の決まりを一緒に読むところから始めます。作り始めるのは、作ってよいこと、使ってよいものが分かってからです。

私たちがやること

  • 確かめる項目の一覧を作る ― ロゴ・店名・写真・料金・ドメインについて、本部の決まりに書いてあることと、まだ分からないことを分けて並べます
  • 本部への確認の文面を整える ― 何を、どこに、どう載せたいかが伝わる文面を、貴社の言葉に合わせて用意します
  • 店長の言葉と地域の情報を、お話から起こす ― 店を開いたいきさつや、来る人が困ることを伺い、ページに書きます
  • 本部のページとつなぐ ― 共通のことは本部の該当ページへリンクし、表記を本部と揃えます
  • 写真を整える ― 貴社で撮っていただいた写真と、本部から正式に受け取った写真を分けて管理し、大きさや明るさを整えて載せます
  • 改定やキャンペーンの反映 ― 本部から連絡があったときの書き換えは、月5回までの更新代行の中で行います

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれています。月5回までの更新代行も、同じ月額の中です。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。加盟の契約の期間と、この条件が合うかどうかも、ご契約の前に一緒に確かめます。

私たちがやらないこと

フランチャイズ契約の読み方や、ロゴ・店名の使い方についての判断は、私たちの仕事ではありません。本部の担当の方や、契約に詳しい専門家にご確認ください。本部との確認や交渉を、私たちが代わりに行うこともしません。本部とのやりとりは、加盟店である貴社から行っていただくのがいちばん話が早いからです。

また、本部の了解が分からないまま、ロゴや本部の写真を使って公開することはしません。本部のサイトから画像を拾って使うことも、本部のサービスと誤解される書き方をすることもいたしません。

「本部のページだけでは、うちの店のことが伝わらない」と感じている加盟店の方は、一度ご相談ください。実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。

9. まとめ:看板は本部に任せ、店のことを店が書く

フランチャイズの加盟店が独自のホームページを考えるとき、押さえることは5つです。

  • 作る前に、本部の決まりを確かめる ― 作ってよいか。ロゴ・店名・写真・料金・ドメインはどこまで使えるか。聞いたことは文字で残す
  • 本部のページで足りているものは、書き直さない ― 住所、共通のメニュー、料金は本部に任せる
  • 足りないものを書く ― 店長の言葉、スタッフ、地域の情報、店独自の取り組み
  • 役割を分けて、つなぐ ― 共通のことは本部へリンクし、運営会社の名前をはっきり書いて、表記を揃える
  • 地図と料金を食い違わせない ― Googleビジネスプロフィールの管理者を確かめ、キャンペーンには期間と出どころを書く

看板が同じでも、店に立つ人と、店のまわりの地域は、店ごとに違います。本部のページが伝えられないのは、そこです。そこを書けば、加盟店のサイトとしての役目は果たせます。

今日できることを1つだけ挙げます。加盟店向けのマニュアルやガイドラインを開いて、「ホームページ」「ウェブサイト」「SNS」と書かれた箇所を探してみてください。見つかれば、そこが出発点です。見つからなければ、本部の担当の方にメールを1通送るところから始められます。

何から確かめればいいか分からない、という方は、一度ご相談ください。