1. 「引っ越してきた方に、『どこに電話すればいいのか分からなかった』と言われるんです」

地域でLPガスの販売店を営んでいる方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「うちは地元で長くガスを扱っていて、お客さんとは顔なじみなんです。ホームページは会社の名前と電話番号くらいで十分だと思っていました。でも、引っ越してきた方から『ガスの開け方も連絡先も分からなくて困った』と言われることがあって」

LPガスは、ふだんは意識されません。ところが引っ越しのとき、ガスが止まったとき、においがしたとき、給湯器が壊れたときに、急に連絡先を探されます。そのとき開かれるのが販売店のホームページです。

しかもLPガスの販売店は、ガスを届けるだけでなく、点検をし、給湯器やコンロの販売や交換、リフォームまで受けていることがあります。仕事の幅が広いぶん、見に来る人の目的もばらばらです。

この記事で書くこと

  • 見に来る人ごとに、入口を分ける
  • 基本料金と使った量の料金を、どう見せるか
  • ガス漏れや、ガスが止まったときの連絡先と、最初にすること
  • 点検の案内と、訪問する人の見分け方
  • 給湯器の交換の流れと、期間の目安
  • 開栓・閉栓の申し込みと、営業の範囲

なお、LPガスの販売や保安、料金の示し方には、法令や業界の決まりが関わります。この記事では決まりの中身は書かず、サイトへの載せ方だけを書きます。決まりは所管の窓口や業界団体、専門家に確認してください。

2. 見に来る人ごとに、入口を分ける

LPガスの販売店のサイトを見に来る人は、だいたい4種類に分かれます。目的がまったく違うので、トップページの最初の画面の近くで、入口を分けておくと迷われません。

表:見に来る人と、その人のために置く入口(例はたとえばの分け方です)
見に来る人探しているもの置く入口
いま使っている家庭ガスが止まったときの連絡先/料金の確認/点検の予定/給湯器の調子緊急の電話番号を最上部に。料金・点検・機器のご相談への入口
引っ越してくる人開栓の申し込み方/立ち会いが要るか/何日前までに連絡するか「お引っ越しの方へ」のページ。開栓・閉栓の申し込みフォームと電話
アパートのオーナー・管理会社入居・退去のときの連絡の流れ/設備の点検や交換の相談先「オーナー様・管理会社様へ」の窓口。個人のお客様とはページを分ける
飲食店営業中に止まったときの連絡先/業務用の機器の相談/配送の段取り「店舗・業務用のお客様へ」の案内。営業時間中につながらないことがないかを確かめておく

どの入口を選んでも、緊急の電話番号は同じ画面に見えているようにしてください。業務用を受けていないなら、その入口は作らずに「家庭用のみ」と書いておきます。

個人のお客様と、オーナーや管理会社を混ぜない

アパートのオーナーや管理会社が知りたいのは、入居と退去のときに誰が何を連絡するのか、設備の点検や交換をどう相談するか、といったことです。個人向けと同じページに混ぜると、どちらの人も目当ての話を探しにくくなります。

並べ方の考え方は 個人のお客様と法人のお客様、両方を相手にする会社のホームページ にまとめました。ガスの販売店なら、個人向けをトップの中心にし、オーナー・管理会社向けは入口を1つ置いて別のページへ、という形が収まりやすいはずです。

飲食店は、止まったときの困り方が違う

飲食店にとって、営業中にガスが止まるのは、その日の売上が止まることです。営業時間中にどこへ連絡すればいいか、夜の営業中でもつながるかを、店舗向けの案内のいちばん上に書きます。業務用の機器の相談を受けているなら、その窓口もここに置きます。

3. 料金の見せ方:基本料金と、使った量の料金

ガスの料金は、使っている人がいちばん気にするところです。そして、販売店ごとに決めている部分が大きいので、比べられやすいところでもあります。

料金が決まる仕組みを、先に言葉で書く

LPガスの料金は、一般に、毎月決まってかかる「基本料金」と、使った量に応じてかかる「使った量の料金」の組み合わせで示されることが多いはずです。設備の費用を別の項目として示す形もあります。この仕組みを先に書いておくと、読む人は検針票と見比べられます。

「たとえば、ひと月の料金は『基本料金〇,〇〇〇円』と『使った量 × 1立方メートルあたり〇〇〇円』を足したものです。使った量が多い月ほど、料金は高くなります(金額は架空の例です)」

検針票のどの欄が何を表しているかを、実物に近い形の図で示すのも効きます。電話で毎回説明していることが減ります。

料金表を載せるかどうか

料金表を載せるかどうかは、経営の判断です。材料を並べておきます。

  • 載せると ― 比べている人が、自分の場合を考えられます。問い合わせの前に金額の話が済みます
  • 載せないと ― 比べている人の候補から外れることがあります
  • 載せるときに決めること ― いつ時点の料金か、税込か税別か、使った量で単価が変わるならその区切り

料金の示し方や公表のしかたについては、決まりがある場合があります。何をどこまで示す必要があるか、どんな形で示すかは、所管の窓口や業界団体の案内で確認してから決めてください。条件つきで金額を出す考え方そのものは、ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあります。

「よくある使い方での、ひと月の例」を添える

料金表だけだと、読む人は「うちの場合はいくらか」が分かりません。使い方の例ごとに、ひと月の料金の例を添えると伝わります。

  • 一人暮らしで、コンロと給湯に使う場合 ― たとえば、ひと月〇立方メートルほどで、〇,〇〇〇円ほど
  • 家族4人で、お風呂を毎日使う場合 ― たとえば、ひと月〇〇立方メートルほどで、〇,〇〇〇円ほど
  • 冬と夏で違うこと ― お湯を多く使う季節は量が増える、と一言

数字は、貴社の実際の料金と、実際に多い使い方で書き、例であることをはっきり添えます。

料金を変えるときは、料金のページ、お知らせの欄、配っている紙、検針票に添える案内の内容をそろえます。古い料金はPDFや画像の中に残りやすいので、載せた場所を一覧にしておきます。

4. ガス漏れや、ガスが止まったときの連絡先と、最初にすること

ここは、サイトの中でいちばん大事な場所です。そして、書き方にいちばん気をつける場所でもあります。

連絡先は、どのページからも見えるように

ガスのにおいがする人は、ページを読む余裕がありません。緊急の電話番号を、どのページでも画面の上か下に出し、押せばそのまま発信できるようにします。

番号の横には、次のことを書いておきます。

  • 受付の時間 ― 24時間つながるのか、夜間は別の番号なのか
  • 夜間や休日に出る相手 ― 貴社の社員か、保安を任せている機関や委託先か。書いておけば、かけた人が驚きません
  • ふだんの番号との違い ― 料金や開栓の相談の番号と、取り違えないようにします

夜間や休日の受付の書き方、到着の目安の書き方は、「24時間対応」「緊急時はお電話を」を、ホームページにどう書くか に詳しく書きました。24時間つながる体制がないなら、24時間と書かないのが基本です。

最初にすることは、貴社の手順のとおりに書く

ガスのにおいがしたときに最初にすることは、一般には、火を使わない、電気のスイッチや換気扇に触れない、窓や戸を開ける、ガス栓を閉める、外に出てから電話するといった案内がされています。

ただし、サイトに書く内容は、貴社や保安を担う機関が定めている手順に合わせてください。いま配っている案内の紙と同じ言葉にします。サイトと紙で言っていることが違うと、いざというときに迷わせます。

そのうえで、「これをすれば安全です」と言い切らず、最後に「まずお電話ください」を添えます。容器や配管、機器を自分で直すような案内は書きません。慌てている人が読むので、1行ずつ、順番の番号をつけてください。

ガスが止まったときの案内は、メーターの写真で

ガスのメーターには、地震や、長い時間ガスが流れ続けたときなどに、安全のために自動でガスを止める仕組みがついているものがあります。止まったときに、お客様が自分で戻せる場合もあります。

この戻し方は、貴社が実際に使っているメーターの写真と、手順の番号で見せると伝わります。文章だけで「ボタンを押して」と書いても、どのボタンか分かりません。手順には、「ガスのにおいがするときは、戻さずにすぐお電話ください」と添えます。案内してよい範囲は、社内で決めてから載せてください。

5. 点検の案内と、訪問する人の見分け方

点検は、時期と中身と立ち会いを書く

ガスの販売店は、決まった時期にお客様の家を回って点検をします。お客様からすると、なぜ来るのか、何をするのか、家にいないといけないのかが分からないと、不安になります。

  • 点検の時期 ― 地域ごとに回る時期が決まっているなら、そのおおよその予定
  • 点検で何をするか ― 配管や機器、容器のまわりなど、見る場所を一般の言葉で
  • 立ち会いが要るか ― 家の中に入る点検と、外だけで済む点検の違い

点検の頻度や中身には、決まりが関わります。回数や期間の数字を書く場合は、所管の窓口や業界団体の案内で確かめた数字だけにしてください。

訪問する人を、見分けられるようにする

点検を名乗って家を訪ね、別の契約を勧めたり、機器を売りつけたりする人がいる、という話は、ガスに限らず耳にします。お客様が本当に貴社の人かどうかを確かめられる材料を、サイトに載せておきます。

  • 会社の情報 ― 正式な社名、所在地、代表の電話番号。名刺や案内の紙の番号とそろえる
  • 担当者の見た目 ― 制服や作業着、身分証の見本、社名の入った車の写真
  • 訪問の前の知らせ方 ― 書いておけば、知らせのない訪問に気づけます
  • 確かめ方 ― 「心当たりのない訪問は、訪ねてきた人が示した番号ではなく、サイトに載っている番号でお確かめください」と添える

自社の名前をかたるものを見つけたら

貴社の名前を使った電話や、似たサイトが出てくることもあります。お知らせの欄で注意を呼びかける段取りを、先に決めておくと慌てません。見つけたときの手順は 自社の名前をかたる偽のサイトやアカウントを見つけたら にまとめました。

6. 給湯器の交換の流れと、期間の目安

給湯器やコンロの販売と交換を受けている販売店は多いはずです。ここでは、お湯が出なくなってから、新しい給湯器が使えるようになるまでを見せます。

図:給湯器の交換の流れ(たとえばの例です。日数は貴社の実際で書いてください)
① お電話・フォームでご相談

たとえば、お湯が出ない、音がする、表示が出ている、などの症状と、いまの給湯器の型番が分かれば伺います。

型番の場所を写真で示しておくと、相談が早く進む
▼
② 伺って、修理か交換かを確かめる

たとえば、修理で直るか、交換がよいかを、理由と一緒にお伝えします。

修理で済むならそう伝える、と書いておく
▼
③ 品を選んで、お見積もり

たとえば、家族の人数やお湯の使い方を伺い、扱っている品から合うものを価格の順にご案内します。

本体・工事・古い機器の処分を分けて示す
▼
④ 工事の日を決めて、取り付け

たとえば、品がそろっていれば、ご相談から工事まで〇日ほど。工事そのものは〇時間ほどです。

品の取り寄せに日数がかかる場合と、その間のお湯の案内を書いておく
▼
⑤ 使い方のご説明と、保証のご案内

たとえば、操作のしかたを一緒に確かめ、保証の内容と連絡先をお渡しします。

右側の一言は、お湯が使えなくて困っている人が気にしていることへの答えです。日数や時間は、貴社がふだん受けている工事の実際で書き、品の在庫や季節で変わるなら、そのことも添えてください。

期間は、条件ごとに分けて書く

お湯が出ない人がいちばん知りたいのは、いつからまたお湯が使えるかです。期間は1つの数字で言い切らず、品がそろっている場合と、取り寄せる場合に分けて書きます。たとえば「取り寄せの場合は〇日から〇週間ほど。寒い時期は交換が重なり、延びることがあります」。取り寄せの間にお湯が使えないなら、仮の機器を貸しているかどうかなど、その間どうするかも一言添えます。

修理か交換かは、判断の材料を書く

お客様は、交換を勧められるのは売りたいからではないかと身構えています。使っている年数、部品が手に入るか、といった判断の材料を書き、修理と交換の両方の見積もりを出すと書いておくと、まず見てもらおう、と思ってもらえます。年数を書くなら、出典のある目安だけにしてください。

給湯器の取り付けには、資格が関わる場合があります。持っている資格は名称で書き、協力会社に頼んでいる作業はそう書きます。決まりは、所管の窓口や業界団体の案内で確認してください。

保証は、品と工事を分けて書く

交換のあとの保証は、品そのものの保証と、取り付けの工事についての貴社の保証が別になっていることが多いはずです。「〇年保証」とだけ書くと、何が何年なのか分かりません。分けて書き、対象外になる場合と連絡先も添えます。書き方全体は 保証やアフターサービスを、ホームページにどう書くか にまとめました。

7. 開栓・閉栓の申し込みと、営業の範囲

開栓・閉栓は、申し込みに要るものを先に書く

引っ越してくる人、出ていく人がいちばん困るのは、何を、いつまでに、どうやって伝えればいいかが分からないことです。「お引っ越しの方へ」のページに、次のことをまとめます。

  • いつまでに連絡するか ― 使い始めたい日の何日前までか。引っ越しが重なる時期は早めに、と一言
  • 立ち会いが要るか ― 開栓のときに家にいる必要があるか、どのくらいの時間か
  • 伝えてほしいこと ― 住所と部屋番号、名前、連絡先、希望の日時。閉栓なら精算の方法
  • 申し込みの方法 ― 電話とフォームの両方。フォームは項目を絞る

引っ越してくる人の中には、入居先のガスがどこの販売店のものか分からない人もいます。容器やメーターの近くに社名と電話番号を示しているなら、そのことを写真つきで書いておくと、そこから確かめてもらえます。

営業の範囲は、仕事ごとに分けて書く

LPガスの販売店は、仕事によって受けられる範囲が違うことがあります。ガスを届ける範囲、緊急時に駆けつけられる範囲、給湯器の交換やリフォームを受ける範囲。同じでなければ、分けて書いてください。

  • ガスの供給の範囲 ― 市や町の名前で。地区で区切るなら、その地区名まで
  • 機器の販売や交換、リフォームの範囲 ― ガスを使っていないお客様からも受けるか
  • 範囲の外の場合 ― ご相談に応じるのか、近くの店を案内するのか

「〇〇市とその周辺」のような書き方だと、周辺の人は自分が入っているのか分かりません。範囲の書き方は 「対応エリア」を、ホームページにどう書くか にまとめました。ガスの販売店の場合は、地図より、市町村名と地区名の一覧のほうが、引っ越してくる人には探しやすいはずです。

8. 雄喜晃の伴走:緊急の連絡先と、引っ越しの方の入口から整えます

私たち雄喜晃は、ガスの販売店のホームページを作るとき、最初に「夜中にお客様から電話が来たら、誰が出ているか」を伺うところから始めます。そこが決まると、サイトのどこに何を書くべきかが決まるからです。

私たちがやること

  • 見に来る人ごとに入口を分ける ― 受けていない入口は作りません
  • 緊急の電話番号を、どのページでも見える位置に置く ― 最初にすることは、貴社がいま配っている案内の紙と同じ言葉で載せます
  • 料金の仕組みと、使い方の例を言葉にする ― 貴社が決めた料金と条件を伺い、検針票と見比べられる形にします
  • 点検、給湯器の交換、開栓・閉栓を流れで見せる ― 実際の日数と手順を伺い、段に分けて書きます
  • 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― メーターや作業着、車の写真の並べ方をそろえます

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、料金の改定や点検の予定も、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影には伺っていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • ガスの安全の手順を、こちらで考えて書くことはしません。最初にすることの案内は、貴社や保安を担う機関の手順をそのまま伺って載せます
  • 貴社の料金そのものは決めません。価格は経営の判断なので、決まった料金を伝わる形にするところを担当します
  • 料金の示し方や保安、資格に関わる決まりについての判断はしません。所管の窓口や業界団体、専門家に確認していただくようお願いしています
  • 検索順位や問い合わせの増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。

「お客様とは顔なじみだけれど、新しく来た方には何も伝わっていない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:困ったときの連絡先と、仕組みを先に見せる

地域のLPガス販売店のホームページで押さえることは、5つです。

  • 見に来る人ごとに入口を分ける ― どの入口からも緊急の番号が見えるように
  • 料金は仕組みと例で見せる ― 基本料金と使った量の料金を言葉で説明し、使い方の例を添える
  • 緊急時の案内は、貴社の手順のとおりに ― 受付の時間と出る相手を番号の横に。言い切らず、「まずお電話を」で締める
  • 点検と訪問は、見分けられるように ― 時期と中身、制服や車、確かめるための番号
  • 給湯器の交換と開栓・閉栓は、流れと期間で ― 条件ごとの日数、要るもの、仕事ごとの営業の範囲

そして、販売や保安、料金の示し方に関わるところは、所管の窓口や業界団体、専門家に確認してください。

まず、今日できること

引っ越してきたばかりの人になったつもりで、スマートフォンで貴社の名前を検索してみてください。開栓の申し込み方と、緊急の電話番号にたどり着けるか。たどり着けなかったところが、最初に足す場所です。