1. 「社名を入れたら、『ブラック』と出てきたんです」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「この前、自分の会社の名前を検索してみたら、入れたとたんに下に『評判』とか『ブラック』とか出てきて。うちはそんな会社じゃないと思うんですが、応募してくる人もこれを見ているのかと思うと、気になって仕方なくて」

検索欄に社名を入れると、入れ終わる前に、その下に言葉の候補がいくつか並びます。「〇〇株式会社 評判」「〇〇株式会社 口コミ」「〇〇株式会社 年収」。中には「ブラック」「やばい」のような、穏やかでない言葉が混ざることもあります。

自分の会社の名前の横にそういう言葉が出ると、驚くのは当然です。ただ、先にお伝えしておきたいことがあります。候補にその言葉が出ていることは、悪い評判があることの証拠ではありません。

この記事の役割

社名の検索まわりの話は、ほかの記事でも書いています。同じ名前の会社と取り違えられる話は 同じ名前や似た名前の会社と、間違えられる に、検索結果に出るタイトルと説明文の直し方は 検索結果に出ている自社の見え方を、直す にまとめました。

この記事で扱うのは、検索欄の候補に気になる言葉が出たとき、どう受け止めて、何をするかです。候補の言葉を消す方法の話ではありません。消せない前提で、公式サイトでできることを書きます。

この記事で書くこと

  • 候補の言葉は、どこから来ているのか
  • 自社では消せないこと、消すサービスを勧めない理由
  • 候補の言葉を、検索した人が「知りたいこと」に読み替える
  • 公式サイトで答える場所と、口コミへの返信
  • 採用の情報の書き方と、事実と違う書き込みへの向き合い方

2. 候補の言葉は、どこから来ているのか

まず、候補の言葉がどういうものかを、分かる範囲で整理します。

一緒によく検索されている言葉が出る

検索欄の候補は、検索エンジンが自動で出しているものです。仕組みの細かいところは公開されていませんが、大まかには、実際に多くの人が検索している言葉をもとに、入力の続きとして出されていると説明されています。

つまり、「〇〇株式会社 評判」が出ているなら、それは社名と「評判」を一緒に入れて調べた人がいたということです。どこかに評判が悪いと書かれている、という意味ではありません。

「評判」「口コミ」は、ごく普通に打たれる言葉

考えてみてください。初めての会社に仕事を頼む前、あるいは応募する前に、社名と「評判」を入れて調べるのは、ごく普通のことです。確かめたいと思われているから、候補に出る。それだけ名前を知られて、調べられているということでもあります。

「年収」「求人」「社長」のような言葉も同じです。応募を考えている人や、取引を考えている人が、知りたいことを社名の後ろに足して検索しています。

「ブラック」も、確かめたい人が打つ言葉

いちばん気になるのは「ブラック」「やばい」のような言葉でしょう。これも、多くの場合は応募する前に、働く環境を確かめたい人が打つ言葉です。「この会社は大丈夫だろうか」と心配して調べる人がいれば、その言葉は候補に出ることがあります。

ですから、候補に出ているだけで、ネット上にそういう書き込みがあるとは限りません。実際に候補を押して、出てくる検索結果を見てみると、貴社とは関係のない一般的なページばかり、ということもあります。

見る人によって、出る候補は違う

もう一つ、知っておくと少し気が楽になることがあります。候補は、見る人の地域や言語、時期などによって変わることがあります。社長のスマートフォンに出た候補が、応募者の画面にもそのまま出ているとは限りません。

自社の候補を確かめるときは、いつも使っている画面だけで判断せず、別の端末や、検索の履歴を使わない画面でも見てみてください。日付と一緒に画面を残しておくと、あとで変化が分かります。

3. 自社では消せない、という前提から始める

候補の言葉を見ると、まず「消せないのか」と考えると思います。

候補は、自社のサイトの設定ではない

結論から言うと、候補の言葉は、自社で消すことはできません。候補は検索エンジンの側が出しているもので、貴社のホームページの中の設定ではないからです。サイトをどう直しても、候補の欄を直接書き換えることはできません。

検索エンジンには、方針に反する候補を報告できる窓口が用意されていることがあります。ただ、「評判」「口コミ」のような普通の言葉は、方針に反するものとは扱われにくいと考えておくほうが現実的です。報告するかどうか、どの窓口かは、そのときの検索エンジンの案内を確かめてください。

候補を消す・変えるサービスは、勧めません

「検索候補を消します」「良い言葉が出るようにします」という営業を受けることがあるかもしれません。私たちは、こうしたサービスを使うことは勧めません。理由は3つです。

  • 決まりに反するおそれがある ― 大勢に同じ言葉を検索させて候補を変えるようなやり方は、検索エンジンの決まりに反する可能性があります
  • 分かったときの傷が大きい ― 候補を操作していたと知られれば、候補に出ていた言葉より、ずっと悪い印象が残ります
  • 知りたい気持ちは残る ― 候補の言葉が消えても、調べる人の「この会社は大丈夫か」という気持ちは消えません。答えがどこにも無ければ、別の方法で調べるだけです

見るべきは、候補の先

候補は、言ってみれば検索した人の質問の入口です。大事なのは、その質問を押した先に何が出ているか、そこで答えが見つかるかどうかです。ここから先は、その答えを用意する話になります。

4. 候補の言葉を、「知りたいこと」に読み替える

候補の言葉を、検索した人が知りたかったことに読み替えてみます。言葉ごとに、答える場所が決まります。

表:候補に出る言葉を、検索した人の「知りたいこと」に読み替える(言葉はたとえばの例)
候補に出る言葉検索した人が知りたいこと公式サイトで答える場所
評判・口コミ頼んだ人がどう感じたか。頼んで大丈夫か制作や施工の実績、お客様の声、Googleマップの口コミへの返信
料金・値段だいたい、いくらかかるのか料金の目安と、高くなる条件・安くなる条件
ブラック・やばい働く環境はどうか。入って後悔しないか採用ページの休み、残業、1日の流れ、大変なところ
年収・給料いくらもらえるのか採用ページの給与の幅と、上がり方
社長・代表どんな人がやっている会社か代表挨拶、会社概要
倒産・怪しい会社が実在して、続いているか会社概要(所在地・設立・許認可)、更新されているお知らせ

候補の言葉は穏やかでなくても、その裏にある問いは、どれも頼む前・応募する前に確かめたい、ごく普通のことです。右の欄に答えがあれば、検索した人は公式サイトで確かめられます。

自社の候補を、書き出してみる

一度、自社の候補を書き出してみてください。正式な社名、社名と地域、「株式会社」を外した呼び名。入れ方を変えて、出てきた言葉を全部メモします。

メモした言葉の横に、表の真ん中の列のように「この人は何を知りたかったのか」を書きます。そして右の列、「自社のサイトのどこで答えているか」を書きます。右の欄が空いている言葉が、サイトに足りない答えです。

サーチコンソールで、実際に打たれた言葉を見る

サーチコンソールを入れていれば、どんな言葉で検索されて、自社のサイトが表示されたかを見ることができます。社名を含む言葉を並べてみると、候補の欄とは別の角度から、検索した人の問いが見えてきます。

候補の欄は、ほかの人の検索も含めた入口です。サーチコンソールは、自社のサイトが表示された検索の言葉です。両方を並べると、答えるべき問いがはっきりします。

5. 社名で検索した人に、公式サイトで答える

読み替えができたら、答えを公式サイトに置きます。

公式サイトが、分かる形で出ているか

まず確かめたいのは、社名で検索したときに、公式サイトが公式だと分かる形で出ているかです。出ていても、タイトルが「ホーム」だけだったり、説明文が古いままだったりすると、押してもらえません。検索結果の見え方を整える方法は、先に挙げた記事に書いてあります。

公式サイトが分かりやすく出ていれば、「評判」で調べた人も、まず公式サイトを開いて確かめることができます。

答える場所は、4つに収まる

社名で検索した人の問いに答える場所は、多くの場合、次の4つに収まります。

  • 会社概要 ― 所在地、設立、代表者、許認可。会社が実在して続いていることを、事実で示します
  • 料金 ― だいたいいくらかが分かる目安。金額が書けない場合も、決まり方を書きます
  • よくある質問 ― 頼む前に聞かれることへの答え。実際に聞かれたことから作ります
  • 働き方 ― 採用ページの、休み、残業、1日の流れ、給与の幅

よくある質問の作り方は 「よくある質問」を作ると、電話の本数が変わる にまとめました。社名で検索した人が気にしていることが、そのまま質問のネタになります。

「評判」そのものは、自分では書けない

ここで一つ、気をつけたいことがあります。「評判の良い会社です」と自社のサイトに書いても、答えにはなりません。評判は、ほかの人が言うものだからです。

自社で書けるのは、評判を判断するための材料です。どんな仕事をしてきたか、どんな決まりで動いているか、頼んだあとどうなるか。材料が揃っていれば、読む人は自分で判断できます。

古いままのページが、不安を呼ぶ

もう一つ、見落としやすいところがあります。お知らせの最後の日付が何年も前、採用ページの条件が昔のまま。古いままのページは、「この会社は動いているのだろうか」という不安を呼びます。「倒産」「怪しい」と調べた人には、とくにそう見えます。新しいことを足すより先に、古いところを直すほうが効くこともあります。

6. 口コミには、誠実に返す

「評判」「口コミ」で調べた人の多くは、Googleマップなどの口コミも見ています。

口コミも、消せない前提で考える

口コミも、候補と同じく、基本的には自社で消すことはできません。できるのは、返信することです。そして返信は、口コミを書いた本人だけでなく、あとからそれを読むすべての人が読みます。

返信は、次に読む人への手紙

低い評価の口コミにこそ、返信の意味があります。言い訳をせず、事実と違う点があれば穏やかに一つだけ添え、直したことがあれば書く。返信の書き方で、その会社が問題にどう向き合うかが伝わります。社名で「評判」と調べた人が見ているのは、星の数より、この姿勢かもしれません。

書き方の詳しい型は Googleマップの口コミに、どう返信するか にまとめてあります。

口コミを増やそうとして、無理をしない

気になる言葉を見ると、良い口コミを増やして打ち消したくなるかもしれません。ただ、割引や特典と引き換えに口コミを頼むことはしないでください。社員や知り合いに書いてもらうことも同じです。掲載先の決まりに反するおそれがあり、分かったときには、候補の言葉よりずっと深く信用が傷つきます。

満足していただけたお客様に、普段の流れの中で、書いてもらえたら嬉しいとお伝えする。それで十分です。

7. 採用の情報を正直に書き、事実と違う書き込みには慎重に

「ブラック」と調べる人に、答えを用意する

「ブラック」「やばい」と調べる人の多くは、応募を考えている人や、その家族です。採用の情報が少ないと、外の書き込みで確かめるしかなくなります。会社の側で答えを用意しておけば、まず公式の情報を読んでもらえます。

書くことは、働く人が知りたい事実です。

  • 休みと残業 ― 休みの取り方、残業が多くなる時期とその程度
  • 1日の流れ ― 何時に来て、何をして、何時に帰るか
  • 大変なところ ― 体力が要る、繁忙期がある、資格の勉強が要る
  • 給与の幅と上がり方 ― 何で上がるのか、どう決まるのか

大変なところを書くのは勇気が要ります。ただ、良いことだけが並んでいる採用ページは、かえって「本当かな」と思われます。正直に書いてあれば、入ってから話が違うということも減ります。

採用ページの全体の作り方は 採用のためのホームページ ― 求人媒体との役割分担 に、応募者の家族が見ているところは 社員の家族も、会社のホームページを見ている にまとめました。働く条件の書き方には決まりがある場合もあるので、細かいところは所管の窓口や専門家に確認してください。

事実と違う書き込みを見つけたら

候補の先に、実際に事実と違う書き込みが見つかることもあります。そのときは、慌てて動かないでください。

  • まず記録を残す ― 書き込みのページの場所、日付、内容を、画面ごと保存します
  • 本当に違うかを確かめる ― 社内で事実を確かめます。一部が当たっていることもあります
  • 反論を書き込まない ― 掲示板などに会社や社員が反論を書くと、話が広がることがあります
  • 掲載先の決まりを見る ― 問題のある投稿を報告する窓口が用意されている場所も多くあります

権利を侵害していると思うときは、専門家へ

書き込みが事実と違い、会社の信用や個人の権利を傷つけていると思うときは、自分で判断して動く前に、弁護士などの専門家に相談してください。どんな書き込みが問題になるか、どういう手続きがあるかは、内容によって大きく違います。この記事では、一般的な話までにとどめます。

いずれの場合も、公式サイトでできることは変わりません。事実を、読む人が確かめられる形で置いておくことです。

8. 雄喜晃の伴走:社名で調べた人が確かめたいことを、サイトに置きます

私たち雄喜晃のホームページ制作では、検索の候補の言葉を消すことはできませんし、しません。そのかわり、社名で調べた人が確かめたいことに、公式サイトで答えられる形を一緒に作ります。

私たちがやること

  • 一緒に社名で検索する ― 候補の言葉と、検索結果に何が出ているかを、お打ち合わせの中で一緒に確かめます
  • 知りたいことの一覧に直す ― 候補の言葉を、検索した人の問いに読み替え、サイトのどこで答えるかを決めます
  • 答えのページを整える ― 会社概要、料金、よくある質問、採用ページに、伺った事実をもとに答えを置きます
  • 検索結果の見え方を整える ― 各ページのタイトルと説明文を、社名で調べた人に公式サイトだと分かる形にします
  • 変わったら直す ― 条件や体制が変わったときは、月5回までの更新代行の中で書き換えます

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれ、月5回までの更新代行も同じ月額の中です。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 検索の候補を消したり、変えたりする作業はしません。そうしたサービスのご紹介もしません
  • 口コミを代わりに書く、特典と引き換えに集めるといったことはしません
  • 書き込みの削除の交渉や、法的な判断はお引き受けしません。専門家にご相談ください
  • 検索の順位や、候補の言葉が変わることのお約束はしません
  • 働く条件を、実際より良く見せる書き方はしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。

「社名を検索して出てきた言葉が、ずっと気になっている」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:候補は消せない。候補の先に、答えを置く

社名で検索したときに気になる言葉が出てきたら、押さえることは5つです。

  • 候補は、評判の証拠ではない ― その言葉で調べた人がいた、という跡。確かめたい人がいるから出る
  • 自社では消せない ― 消す・変えるサービスは使わない。分かったときの傷のほうが大きい
  • 「知りたいこと」に読み替える ― 言葉ごとに、公式サイトで答える場所を決める
  • 口コミには誠実に返す ― 返信は次に読む人への手紙。特典と引き換えに集めない
  • 採用の情報は正直に ― 事実と違う書き込みは記録を残し、専門家に相談する

候補に出る言葉を、自社で変えることはできません。でも、その言葉を押した人が、公式サイトで答えにたどり着けるかどうかは、貴社の側で変えられます。

まず、今日できること

今日のうちに、1つだけやってみてください。自社の名前を検索欄に入れ、候補に出た言葉を全部紙に書き写す。それぞれの横に「この人は何を知りたかったのか」と、「うちのサイトのどこで答えているか」を書きます。空いた欄が、次にサイトに足すものです。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。社名で調べた人が確かめたいことを、一緒に整理するところからご一緒します。