1. 「見学の電話のたびに、何時まで開いているかから説明していて」
小さな保育施設を運営している方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。
「見学のお電話はいただくんです。でも毎回、何時まで預かれるか、お昼ごはんはどうしているか、空きはあるか、から説明していて。サイトに書いてあるはずなんですけど、見つけにくいみたいで」
保育の仕事には、ほかの仕事にはない事情があります。預けられるのは、自分ではまだ十分に伝えられない子どもだということです。
保護者は、仕事に戻る日や引っ越しの日から逆算して、限られた時間の中で預け先を探しています。時間と費用が合うか、空きがあるか。そのうえで、預けたあと、子どもがどんな1日を過ごすのかを確かめようとしています。電話で毎回聞かれていることは、サイトの中で見つけられなかった答えです。
この記事では、小規模な保育施設、認可外の保育施設、学童保育など、地域の小さな保育の場について、ホームページに何を載せるかを書きます。施設の種類によって制度の扱いは違いますが、ここではその違いには踏み込みません。制度や認可、届け出に関わる表示は、所管の窓口に確認してください。これが、この記事を通しての前提です。
この記事で書くこと
- 対象年齢・定員・開いている時間・延長の書き方
- 費用の全体と、持ち物
- 1日の流れと、食事のこと
- 安全と健康の取り組みを、事実で書く方法
- 空き状況の伝え方と、見学の申し込み
- 子どもの写真、職員の紹介、採用のページ
2. 保護者が最初に確かめる、4つのこと
保護者がサイトを開いて最初に探すのは、うちの子を、この時間に、預けられるかです。理念や想いは、そのあとで読まれます。
| 項目 | 書き方の例(たとえば) | 添えておくこと |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 「生後〇か月から〇歳まで」「小学1年生から〇年生まで」 | 年度の途中で年齢が上がったときの扱い。受けていない年齢も書く |
| 定員 | 「定員〇名(〇歳児〇名、〇歳児〇名)」 | 年齢ごとの内訳。一時的な預かりを受けているなら、その枠 |
| 開いている時間 | 「平日〇時〜〇時、土曜〇時〜〇時」 | 休みの日(日曜・祝日・年末年始など)。学童なら学校が休みの日の時間を分けて |
| 延長 | 「〇時〜〇時は延長でお預かりします(前日までにお申し込み)」 | 料金、当日に頼めるか、お迎えが遅れたときの連絡の仕方 |
中身は、貴社が実際にお受けしている内容で書いてください。開いている時間と延長は、曜日ごとに分けて書くと、保護者は自分の勤務時間と並べて確かめられます。
開いている時間は、曜日ごとに
「〇時〜〇時」とだけ書くと、土曜も同じなのか、祝日は開いているのかが分かりません。平日、土曜、日曜・祝日、年末年始やお盆のように分けて書きます。時期によって閉まる日があるなら、年間の予定として一覧にしておくと、仕事の調整がしやすくなります。
学童は、学校がある日と休みの日を分ける
学童保育の場合、保護者が気にするのは学校が休みの日です。夏休み、冬休み、春休み、学校の行事の振替休日。朝から預かるのか、何時から開くのか、お昼はどうするのか。学校がある日の時間とは分けて書いてください。
学校からの来方も書きます。子どもが自分で歩いて来るのか、職員が迎えに行くのか。来るはずの子が来ないときに、どう確かめて、誰に連絡するかも、決まっていることを書いておきます。
お迎えが遅れそうなとき
仕事が延びて、お迎えの時間に間に合わないことは、どの家庭にも起こります。遅れそうなときはどこに連絡すればいいか、延長の料金はどうなるか。ここが書いてあると、保護者は「もしものとき」を思い浮かべながら申し込めます。
3. 費用の全体と、持ち物
月々の保育料だけで終わらせない
費用は、月々の保育料だけを書いて終わりにしないでください。保護者が知りたいのは、毎月、全部でいくら払うのかです。
- 最初にかかるもの ― 入園料や登録料、指定の用品があればその購入
- 毎月かかるもの ― 月々の保育料、給食やおやつの費用
- 使った分だけかかるもの ― 延長の料金、一時的な預かり
- 時期によってかかるもの ― 行事や教材の費用、学童なら長い休みの間の追加の費用
- 保険料など ― 加入している保険の費用を保護者に負担してもらっているなら、そのこと
金額を出せない項目があっても、「かかる」と書いておくだけで、あとからの行き違いが減ります。
補助や負担の軽減は、窓口の案内に
施設の種類やお住まいの地域によっては、公的な制度で保護者の負担が軽くなる場合があります。ただし、対象になるかどうかは、施設の種類や自治体、家庭の状況によって違います。
サイトでは断定せず、「対象となるかどうかは、お住まいの自治体の窓口でご確認ください」と書いておきます。施設として案内できることがあるなら、所管の窓口に確かめたうえで、確かめた時点を添えて載せてください。
持ち物は、リストにして名前の付け方まで
持ち物は、文章ではなくリストにします。
- 毎日持ってくるもの ― 着替え、タオル、連絡帳、水筒など
- 施設に置いておくもの ― 予備の着替え、お昼寝の用品など
- 年齢で変わるもの ― おむつ、おしりふき、食事用のエプロンなど
- 持ってこないでほしいもの ― おもちゃ、お菓子、小さな飾りのついたものなど
名前をどこに、どう書くかも添えておくと、入園の前の準備が進みます。ただし、外から見える場所に大きく名前を書くと、知らない人に名前を知られることがあります。外から見えにくい場所に書いてもらうなど、施設の考え方があれば書いてください。
やめるときと、長く休むとき
退園の連絡を何日前までにするか、月の途中でやめたときの費用、病気や帰省で長く休むときの扱い。入る前に読める場所に書いておくと、施設を信用してもらう材料になります。
4. 1日の流れと、食事のこと
保護者がいちばん思い浮かべたいのは、預けたあとの子どもの1日です。時間の順に、段に分けて書きます。
保護者から、その日の体調や食事、眠った時間を聞いて受け取ります。連絡帳がある場合は、ここで目を通します。
室内の遊び、天気のよい日の外遊びや散歩。年齢によって過ごし方が分かれるなら、そのことも書きます。
食事のあと、お昼寝の時間。お昼寝の間に職員がどう見守っているかは、実際にしていることを書きます。
おやつのあと、お迎えまで室内で過ごします。お迎えのときに、その日の様子を保護者に伝えます。
流れは、貴社の実際の1日で書いてください。学童保育なら「下校・到着の確認」「宿題」「おやつ」「遊び」「お迎え・帰宅」のように、学校がある日と休みの日で分けて書くと、保護者は思い浮かべやすくなります。
年齢で流れが違うなら、分けて書く
0歳の子と、もうすぐ小学生になる子では、1日の過ごし方が違います。年齢で流れが違うなら、年齢ごとに分けて書いてください。全部をまとめて書くと、どの年齢の話か分からなくなります。
食事は、作り方とアレルギーの対応を
食事について保護者が知りたいのは、誰が、どこで、どう作っているかです。施設の中で作っているのか、外から届くのか、お弁当を持ってくるのか。献立をどう知らせているのかも書きます。
食物アレルギーへの対応は、とくに慎重に書きます。実際にしている対応だけを書き、対応できない場合があることも書いておきます。「アレルギーにも対応します」の一言だけだと、どこまで対応できるのかが分かりません。詳しいことは見学や面談で伺う、と添えるのも1つの書き方です。
行事は、保護者の出番と一緒に
運動会や発表会、季節の行事があるなら、いつごろあるか、保護者が参加するか、平日か休日かを書きます。仕事を休む必要があるかどうかは、保護者にとって大事な情報です。
5. 安全と健康の取り組みは、やっていることだけを書く
保護者がいちばん知りたいのは、ここです。そして、いちばん言葉が膨らみやすい場所でもあります。「安心・安全」の言葉だけで済ませず、実際にやっていることを、事実で書きます。していないことを書くと、それを頼りに預けた保護者を裏切ることになり、子どもの安全に関わります。
お迎えの決まり
- お迎えに来る人 ― 前もって登録してもらうか。登録した人以外が来たときはどうするか
- 受け渡し ― 子どもをどこで、どう引き渡すか
- 連絡がないとき ― いつもと違う人が来る場合の連絡の仕方
体調が悪くなったとき
- お迎えをお願いする目安 ― 施設の決まりとして、どんなときに連絡するか
- 連絡の順番 ― まず誰に電話をするか。つながらないときはどうするか
- 薬 ― 預かるか、預かる場合の決まり
- 病気のあとの登園 ― 施設の決まりや、かかりつけの医師の判断、自治体の案内のどれに沿っているか
けがと、毎日の見守り
けがをしたときの手当てと連絡の仕方、散歩や外遊びのときの見守りの決まり。決まっていることだけを書きます。けがや事故に備えて保険に加入しているなら、その事実を書きます。補償の範囲は契約によって違うので、細かいことは契約の中身と照らし合わせてから載せてください。
災害と、不審な人への備え
避難の訓練をしているなら、その事実を書きます。災害のときの避難先、お迎えの決まり、保護者への連絡の手段。連絡の手段は1つに決めて書いておくと、保護者は迷いません。
安全のために、書かないこと
安全を伝えるために、かえって書かないほうがいい情報もあります。
- 散歩の決まったコースと時間 ― いつ、どこを子どもたちが歩くかが分かってしまいます
- 建物の入り方の細かいこと ― 鍵や入口の仕組み、職員が少なくなる時間帯
- 子どもの名前と顔の組み合わせ ― 次の節で書きます
「事故ゼロ」「絶対に安全」のような言葉も使わないでください。保護者が知りたいのは言い切りではなく、何かあったときに、施設がどう動くかです。
6. 空き状況の伝え方と、見学の申し込み
空き状況は、年齢ごとに、いつ時点かを添える
「空きがあります」「お問い合わせください」だけでは、保護者は電話をかけていいのか迷います。年齢ごとに、いつ時点の空き状況かを書いてください。
- 年齢ごとに ― 「〇歳児:空きあり」「〇歳児:空きなし」のように
- 時点を添える ― 「〇年〇月〇日時点」と書き、更新した日に書き換える
- 空きがないとき ― 空きを待つ受付をしているか、空いたらどう知らせるか
- 次の受付 ― 新しい年度の受付をいつごろから始めるか
大事なのは、更新できる頻度で書くことです。毎週は直せないなら、月の初めに直すと決め、そのことを書いておきます。古い空き状況が残っていると、電話をかけた保護者をがっかりさせます。入園の申し込み方が制度で決まっている施設もあるので、自治体を通して申し込む場合があるなら、所管の窓口の案内につないでください。
見学は、日時の決め方と当日の様子を
見学について書くのは、いつ見学できるか、何分くらいか、子どもを連れて来てよいか、見学のときに何を聞けるかです。保育の時間の中で見学を受けるなら、そのときのお願いも書きます。
「見学のときは、お子さまたちの写真の撮影はご遠慮ください」
このような一文は、預けている保護者にとっても安心材料になります。見学会や説明会の形で日を決めて受けるなら、告知のページを作ります。作り方は 説明会・セミナー・見学会の告知ページを、どう作るか にまとめてあります。
見学の申し込みのフォームは、短くします。名前、連絡先、子どもの年齢や月齢、希望の時期と曜日で足ります。
場所と、送り迎えの車
毎日の送り迎えのことも、見学の前に確かめられます。車を停められるか、停めてはいけない場所はどこか、自転車やベビーカーをどこに置くか。近所への配慮として、停めてほしくない場所があるなら、それも書きます。初めて来る人が入口で迷わない書き方は、「アクセス」のページで、来る人を迷わせない に書きました。
見学や電話で毎回聞かれることは、「よくある質問」にまとめておくと探しやすくなります。集め方は 「よくある質問」を作ると、電話の本数が変わる にあります。
7. 子どもの写真、職員の紹介、採用のページ
写真は、顔が分からない形か、保護者の了解を
施設の様子を伝えるには写真が役に立ちます。ただし、写っているのは子どもです。顔が分からない形で撮るか、保護者の了解を取ってから載せてください。
- 顔が分からない写し方 ― 手元、後ろ姿、遠くからの様子、子どもが作ったもの
- 子どもがいない写真 ― 部屋の様子、遊び道具、食事
- 写り込み ― 名札、持ち物の名前、掲示物の名前、建物の周りの目印
- 了解の取り方 ― 入園のときに書面で、載せる場所と期間を分けて聞く
ぼかしたつもりでも、知っている人には分かることがあります。了解の取り方から、取り消されたときと卒園したあとの扱いまでは、教室やイベントで子どもが写った写真を、ホームページに載せるとき に詳しく書きました。
職員の紹介は、資格と経験を事実で
保護者は、誰が子どもを見てくれるのかを知りたがっています。職員の人数と、どんな資格を持つ人がいるか。資格を書くなら、誰が、どの資格を持っているかを正確に書きます。
名前や顔写真を出すかどうかは、本人の了解を取って決めてください。職員が辞めたときに、ページをいつ直すかも決めておきます。考え方は 社員紹介ページは、本当に要るのか にまとめてあります。
採用のページは、保護者向けと分ける
小さな保育施設では、職員の採用もサイトの大事な役目です。保護者向けのページと、働きたい人向けのページは分けてください。働きたい人が確かめるのは、働く時間とシフト、休みの取り方、仕事を家に持ち帰ることがあるか、応募の前に見学できるか、といったことです。
書くのは、実際の働き方だけです。媒体とサイトの役割の分け方は、採用のためのホームページ ― 求人媒体との役割分担 に書きました。
制度や認可・届け出の表示
施設の種類によっては、届け出や認可の状況など、表示を求められる項目がある場合があります。何をどう載せるかは、所管の窓口に確認してください。サイトには、確かめたうえで、必要なものを施設の案内のページに載せます。
8. 雄喜晃の伴走:電話で毎回話していることを、ページの言葉にします
私たち雄喜晃は、保育施設のホームページを作るとき、最初に「見学の電話で毎回説明していること」を伺うところから始めます。そこに出てくる質問が、そのままサイトに書くべき中身になるからです。
私たちがやること
- 年齢・定員・時間・延長を、最初に見える場所に置く ― 曜日ごとに分けた表にします
- 費用の全体と持ち物を、リストに組む ― 貴社が実際にいただいている費用と、お願いしている持ち物を伺って書きます
- 1日の流れと、安全の取り組みを書く ― 実際にしていることだけを、お話を伺って文章にします
- 空き状況を、年齢ごとと時点つきで載せる ― 更新のご連絡をいただければ、こちらで書き換えます
- 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 子どもが写っている写真は、了解の範囲を確かめたものだけを使い、写り込みに気づいた点はお伝えします
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、空き状況や行事のお知らせ、職員の募集も、ご連絡いただければこちらで反映します。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。
私たちがやらないこと
- 撮影には伺っていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
- 費用や預かる条件、安全の決まりそのものは決めません。決まった内容を、保護者に伝わる形に組むところを担当します
- 制度や認可・届け出の表示についての判断はしません。所管の窓口に確認していただくようお願いしています
- 検索順位や問い合わせの増加をお約束することもしません
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。
「見学の電話で、毎回同じ説明から始めている」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:預けたあとの1日を、保護者が思い浮かべられるか
小さな保育施設や学童保育のホームページで押さえることは、5つです。
- 年齢・定員・時間・延長を最初に ― 曜日ごとに分け、学童は学校が休みの日を別に書く
- 費用の全体と持ち物を ― 毎月全部でいくらかを並べ、補助の対象かどうかは自治体の窓口につなぐ
- 1日の流れと食事を ― 時間の順に。アレルギーへの対応は、できることとできないことを
- 安全と健康は、やっていることだけ ― お迎え、体調不良、災害の決まり。散歩のコースのように、書かないほうがいいことも決める
- 空き状況は時点つきで、写真は了解を取って ― 子どもの顔が分からない形か、保護者の了解を取ってから。制度に関わる表示は所管の窓口に確認する
保育の仕事は、保護者がいない時間の子どもを預かる仕事です。料金や時間と同じくらい、その時間に何が起きているかが分かることが、預け先を決める理由になります。
まずは今月、見学の電話で聞かれたことを1つずつメモしてみてください。同じ質問が3回出てきたら、それがサイトに足りていない答えです。