1. 「料金は載せているのに、『それで何枚もらえますか』と聞かれるんです」

写真スタジオを営む方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「プランの料金はサイトに出しているんです。でも電話では『データは全部もらえるんですか』『着物は何着まで選べますか』と毎回聞かれて。料金だけでは、決めてもらえないみたいで」

写真の仕事は、料金だけでは比べにくい仕事です。同じ「七五三プラン」でも、データが何枚もらえるのか、衣装を何着着られるのか、着付けやヘアセットが入っているのか、アルバムが付くのかで、手元に残るものがまったく違うからです。読む人が知りたいのは、金額の大小より「この料金で何が手元に残るのか」です。

もう1つ、写るのは家族や子ども、本人の顔です。子どもが泣いたらどうなるのか、写真をどこかに使われないか。こうした不安も、予約の前に残っています。

この記事では、写真スタジオや出張撮影の会社が、ホームページに何を載せるかを順に整理します。

この記事で書くこと

  • 撮影の種類ごとに、見に来る人と確かめたいことがどう違うか
  • データの枚数・衣装・着付け・アルバムなど、料金に含まれるものの書き方
  • 予約の受け方と、混む時期の書き方
  • 作品例を、写っている人の了解を取って載せる方法
  • 衣装や背景の見せ方と、子どもが泣いたときなど当日の不安への答え
  • データの受け取り方、保管期間、キャンセルの決まり

2. 撮影の種類で、見に来る人が違う

写真スタジオは、いくつもの撮影を受けていることが多いです。それぞれ、頼む人も、確かめたいことも違います。

七五三・成人式・入学や卒業

見に来るのは、主に子どもの親、ときには祖父母です。確かめたいのは、衣装の種類と数、着付けやヘアセットが入っているか、兄弟や家族も一緒に写れるか、混む時期にいつ予約すればいいか。家族の中で相談して決めるので、料金と中身を見比べられる形になっているかが大事です。

家族写真・記念日・マタニティやお宮参り

確かめたいのは、何人まで写れるか、赤ちゃんや高齢の家族が一緒でも大丈夫か、ペットは入れるか。写る人の事情に合わせられるかどうかが判断の中心になります。

証明写真

証明写真を探す人は、急いでいることが多いです。予約が要るか、何分で終わるか、その場で受け取れるか、どの用途の大きさに対応しているか。短い時間で答えが見つかることが求められます。

宣材写真・ビジネスのプロフィール写真

仕事で使う写真を探している人が見に来ます。確かめたいのは、撮った写真をどこに使ってよいか、修整をどこまでしてくれるか、服装の相談ができるか、会社に来て撮ってもらえるか。写真の使い道と、使える範囲が判断の材料になります。使える範囲の決め方は契約によって違うので、迷うときは専門家に確認してください。

出張撮影

出向いて撮る場合は、どこまで来てもらえるか、出張費はいくらか、雨の日はどうなるかを先に確かめられます。スタジオでの撮影とは、確かめたいことの並びが違います。

主な撮影を、最初の画面に置く

トップページの最初の画面には、いちばん多い撮影を置きます。何でも撮ります、と書くより、主な撮影を1つ書いたほうが、それを探している人に届きます。ほかの撮影は、その下に入口を並べれば足ります。

3. 撮影プランは、「料金に含まれるもの」で書く

プランの名前と金額だけでは、比べられない

「七五三プランA 〇〇,〇〇〇円」「プランB 〇〇,〇〇〇円」。プランの名前と金額だけが並んでいると、読む人は違いが分かりません。そこで電話がかかってきます。プランは、含まれるものを同じ欄で並べて書くのが基本です。

表:撮影プランで書いておく項目(中身はたとえばの書き方で、金額や枚数は架空です)
項目書いておくこと(たとえば)書いていないと起きる行き違い
データ「撮影したデータのうち、選んだ〇カットをお渡し」か「全データをお渡し」か。修整が入るのは何カットか全部もらえると思っていたのに、選んだ分だけだった
衣装何着まで着られるか。和装と洋装の組み合わせ、兄弟の衣装、持ち込みの可否当日に「もう1着」と言われ、追加の料金で揉める
着付け・ヘアセット料金に含まれるか、別の料金か。大人の着付けやヘアセットも受けるか、予約が要るか親の着付けも頼めると思って、当日に受けられない
アルバム・プリント含まれるか、追加で頼むものか。仕上がりまでの日数データだけのプランで、アルバムが付くと思われる
追加になる条件写る人数が増える、兄弟で撮る、土日や祝日、出張、撮影時間の延長家族全員で行ったら、その場で金額が上がった
含まれないものたとえば「お参りの際の衣装のお貸し出しは別料金です」あとから分かると、書いてあれば防げた不満になる

プランが3つあれば、3つとも同じ項目を同じ順で並べると、読む人が横に見比べられます。中身は、貴社が実際にお受けしている内容で書いてください。

データの枚数は、「渡すもの」と「選ぶもの」を分けて

いちばん聞かれるのがデータです。撮影したもの全部を渡すのか、写真を選んでもらってその分を渡すのか。「撮影する枚数」と「お渡しする枚数」と「修整が入る枚数」は別のものなので、混ぜずに書いてください。

選んだ枚数を超えたときの追加の料金も書いておくと、写真選びがもつれにくくなります。

「〇〇円から」は、何が入った金額か

「〇〇,〇〇〇円から」と書く場合は、その金額に何が入っているのかを添えます。衣装1着、データ〇カット、着付けなし、平日の撮影、のように。読む人は、いちばん安い金額で自分の撮影ができると受け取りがちです。実際に多い組み合わせの金額も並べておくと、期待のずれが減ります。

料金をどこまで出すかの考え方そのものは、ホームページに料金を載せるか、載せないか にまとめてあります。

4. 予約の取り方と、混む時期の書き方

撮影の種類で、予約の受け方を分ける

予約の受け方は、撮影の種類によって向き不向きがあります。

  • 証明写真 ― 枠が単純なので、ネットでの予約や「予約なしでも可」の書き方が向いています
  • 七五三・成人式 ― 衣装の下見や、お参りとの日程の組み合わせなど、相談しながら決めることが多い撮影です。「ご予約のご希望」としてフォームで受け、スタジオから返事をする形も合います
  • 出張撮影 ― 場所と天気が関わるので、場所の候補と、雨の日の決め方を一緒に伺う形にしておきます

ネットで予約を受けるかどうかの考え方は、予約をネットで受けるか、電話のままにするか に詳しく書きました。

混む時期を、事実として書く

七五三なら秋のお参りの時期、成人式なら前撮りの時期、入学や卒業なら春の前。写真スタジオには、予約が集まる時期が毎年あります。その時期を、貴社の実際の記録をもとに書いておきます。

  • いつ混むか ― 「〇月の土日は、早い時期に埋まりやすくなります」
  • いつから予約を受けるか ― 「〇月分のご予約は、〇月〇日から承ります」
  • 混む時期を避ける撮り方 ― 時期をずらした前撮り・後撮りを受けているなら、その書き方で

受付の状況を書く場合は、事実のとおりに書いてください。まだ空いているのに「残りわずか」と書いて急がせると、信用を損ねます。季節で忙しさが変わる商売の準備の時期の決め方は、季節で忙しさが変わる商売の、ホームページの回し方 にまとめました。

5. 作品例は、写っている人の了解を取ってから

作品例は、撮影の種類ごとに

写真スタジオのサイトで、作品例は中心になるページです。ただ、たくさんの写真を1か所に並べるだけだと、自分の撮影がどうなるのかが分かりません。撮影の種類ごとに分けて、背景や衣装、撮る場所が分かるように並べます。

  • 種類で分ける ― 七五三、家族写真、証明写真、宣材写真、出張撮影
  • 一言を添える ― 「スタジオの白い背景で」「近くの神社で」「衣装は〇〇の中から」
  • 数を絞る ― 1つの種類に十数枚までにして、季節ごとに入れ替える

写真を並べるページの作り方は、写真を並べるだけの「ギャラリー」ページを、作るかどうか で、一言の添え方も含めて整理しました。

了解は、撮影の申し込みのときに取る

作品例に写っているのは、お客様とその家族です。サイトに載せる前に、写っている人の了解を取ってください。申し込みのときに聞いておくほうが、断る側も気が楽です。

  • どこに載せるか ― ホームページだけか、SNSや店頭の見本、チラシにも使うか
  • いつまで載せるか ― 期間を決めるのか、取り下げの申し出があるまでか
  • どの写真を載せるか ― 載せる前に、使う写真を見てもらうか
  • 取り消したいとき ― 誰に、どう連絡すれば外してもらえるか

了解は、申込書などに残しておくと、あとで確かめられます。

子どもの写真は、とくに慎重に

七五三や入学の写真には、子どもが写ります。了解は保護者から取り、名前や通っている学校、住んでいる地域が分かるものを一緒に出さないようにします。名札や制服の校章、お参りした神社と日付の組み合わせなども、気をつけたいところです。

子どもが写った写真を載せるときの了解の取り方や、取り消されたときの扱いは、教室やイベントで子どもが写った写真を、ホームページに載せるとき に詳しく書きました。写真の権利や了解の決まりは、使い方によって考え方が違う場合があるので、気になるときは専門家に確認してください。

修整の程度を、作品例と合わせる

作品例が強く修整された写真ばかりだと、実際に受け取った写真との差が不満になります。作品例は、プランで実際にお渡しする仕上がりと同じ程度の修整で載せてください。

6. 衣装・背景と、当日の不安への答え

衣装は、数と大きさと持ち込みの決まり

衣装を貸している場合は、どんな衣装が、どの大きさで、どれくらいあるかを見せます。

  • 種類と大きさ ― 和装・洋装、何歳向け、大人用の有無
  • 選び方 ― 事前に下見ができるか、当日選ぶのか、予約のときに決めるのか
  • 持ち込み ― 自分の衣装を持ってきてよいか、そのときの料金
  • 入れ替わること ― 衣装は入れ替わるので、載せている衣装がない場合があること

背景やセットも同じです。季節によって背景を変えているなら、その旨を書いておきます。冬なのに桜のセットの写真が並んでいると、今もあるのかと迷わせます。

子どもが泣いたら、どうするか

小さな子どもの撮影で、親がいちばん心配するのがこれです。答えは、実際にやっていることだけを書くことです。

  • 時間の余裕 ― 撮影の時間に、休憩をはさむ余裕を取っているか
  • 泣いたときの進め方 ― 落ち着くまで待つ、先に家族の写真を撮る、など
  • 日を改める決まり ― 体調や機嫌で撮れなかったとき、別の日に撮り直せるか。そのときの料金の扱い
  • 親にお願いすること ― お気に入りのおもちゃを持ってきてもらう、お昼寝の時間を避ける

「どんなお子さまでも笑顔で撮れます」とは書かないでください。泣いた写真も、あとで見返すと大切な1枚になることがあります。そう伝えている写真スタジオなら、その言葉のまま書くほうが、親の気持ちは楽になります。

当日のことを、よくある質問に

ほかにも、電話でよく聞かれることがあると思います。

  • 撮影にかかる時間と、着付けを含めた全体の時間
  • 授乳やおむつ替え、着替えができる場所
  • 一緒に来られる人数、祖父母や兄弟の同伴
  • 駐車場の有無と台数
  • ペットと一緒に写れるか
  • 出張撮影で雨が降ったとき、いつ、誰が中止を決めるか

この一覧は、よくある質問の形にまとめておくと探しやすくなります。

7. データの受け取り方、保管期間、キャンセルの決まり

撮影の日から、写真が届くまで

撮影が終わってから写真が手元に届くまでの流れは、初めての人には見えません。段に分けて書いておくと、「まだ届かない」という問い合わせが減ります。

図:撮影の日から写真が届くまでの流れ(日数はたとえばの書き方です)
① 撮影の日

撮影が終わったあと、写真をその場で見てもらうのか、後日に見てもらうのかを書きます。

書くこと:写真を選ぶ時期と方法、選ぶのにかかる時間
▼
② 写真を選ぶ

プランで渡す枚数を選んでもらいます。枚数を超えたときの追加の料金も、ここで分かるようにします。

書くこと:選ぶ枚数、追加するときの料金
▼
③ 修整と仕上げ

どの写真に、どこまで修整を入れるかを書きます。アルバムやプリントがある場合は、仕上がりまでの日数の目安も添えます。

書くこと:たとえば「お選びいただいてから〇週間ほど」
▼
④ 受け取り

データをネットから受け取るのか、記録したものを渡すのか、取りに来てもらうのか。期限があるなら、それも書きます。

書くこと:受け取り方、受け取りの期限、受け取れなかったときの連絡先
▼
⑤ 保管期間が終わる

スタジオで写真をいつまで保管するのか。期間が過ぎたら消すのか、あとから頼めば渡せるのかを書いておきます。

ここが書かれていないと、何年も経ってから「もう一度ください」という連絡が来ます

読み方は上から順です。いちばん抜けやすいのは⑤の保管期間です。日数や期間は、貴社の実際の運用で書いてください。

保管期間と、写真を受け取った側に頼むこと

保管期間を書くときは、受け取った人に、写真を自分で保存してもらうお願いも添えます。「お受け取りになったデータは、パソコンなど複数の場所に保存しておいてください」。スマートフォンだけに入れていて、機種を替えたときに消えてしまう方もいます。

期間が過ぎたあとに渡せないなら、「渡せません」と書いておくだけで、あとから揉めません。

キャンセルの決まりは、子どもの体調と天気を分けて

キャンセルの決まりは、何日前からいくらかかるかを表にして、予約の入口の近くに置きます。写真の撮影では、ほかの仕事とは違う事情が2つあります。

  • 子どもの体調 ― 熱が出たときなど、日を改める場合の扱い。キャンセル料がかかるのか、日程の変更として受けるのか
  • 出張撮影の天気 ― 雨や強い風のとき、延期にするのか、屋内に場所を変えるのか。誰が、いつまでに決めるのか

衣装の取り置きや着付けの手配が関わる場合は、キャンセル料がかかる理由も添えると納得されやすくなります。表の作り方は、キャンセルや日程変更の決まりを、ホームページにどう書くか にまとめました。

キャンセル料の決め方や、申し込みのときに伝える条件については、決まりが関わる場合があります。業種や契約の形によって違うので、所管の窓口や業界団体、専門家に確認してください。

8. 雄喜晃の伴走:電話で答えていることを、プランの欄にします

私たちがやること

私たち雄喜晃は、写真スタジオのホームページを作るとき、最初に「電話で毎回聞かれていること」を伺うところから始めます。そこに出てくる質問が、そのままサイトに書くべき中身になるからです。

  • 撮影の種類ごとに、ページか見出しを分けます ― 主な撮影をトップの最初の画面に置きます
  • プランを、含まれるものの欄で並べます ― データ、衣装、着付け、アルバム、追加になる条件を、同じ順でそろえます
  • 撮影の日から写真が届くまでを、段に分けて書きます ― 保管期間とキャンセルの決まりも、予約の入口の近くに置きます
  • 作品例は、貴社で撮っていただいた写真を整えて載せます ― 撮影の種類ごとに分け、一言を添えて並べます

月5回までの更新代行が月額に含まれているので、季節の背景の写真の入れ替えや、混む時期の受付のお知らせも、ご連絡いただければこちらで反映します。

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守はすべて月額に含まれます。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影はお受けしていません。作品例の写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • 撮影プランの料金そのものは決めません。価格は経営の判断なので、決まった料金と中身を、読む人に伝わる形に組むところを担当します
  • 予約の仕組みそのものの開発はしていません
  • 了解の取り方や写真の権利、キャンセル料が決まりに合っているかの判断はしません。そこは専門家や所管の窓口で確かめていただくようお願いしています
  • サイトを直すことで予約が増えるとお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「料金は載せているのに、プランの中身を電話で毎回説明している」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:料金の横に、手元に残るものを書く

写真スタジオや出張撮影のホームページで押さえることは、5つです。

  • 撮影の種類ごとに分ける ― 見に来る人も、確かめたいことも違います
  • プランは、含まれるものの欄で並べる ― データの枚数、衣装、着付け、アルバム、追加になる条件。「〇〇円から」は何が入った金額かを添える
  • 混む時期と予約の受け方を、事実で書く ― いつから受けるか、いつ混むか
  • 作品例は、写っている人の了解を取ってから ― どこに、いつまで、取り消すときはどうするか。子どもの写真はとくに慎重に
  • 当日の不安と、写真が届くまでを先に答える ― 子どもが泣いたとき、受け取り方、保管期間、キャンセルの決まり

写真の仕事は、一生に何度もない場面を預けてもらう仕事です。料金が分かることと同じくらい、当日の様子と、手元に何が残るかが分かることが、予約の決め手になります。

まず、今日できること

貴社のサイトのプランの欄を開いて、「データは何枚もらえるか」の答えが書いてあるかを探してみてください。見つからなければ、そこが電話で毎回聞かれているところです。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。いつも電話で答えていることを、予約の前に読める形にするところから、ご一緒します。