1. 「お米はどこでも買えるのに、うちのサイトに何を書けばいいのか」

町で米屋を営む方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「お米はスーパーでもネットでも買えるので、ホームページに何を書けばいいのか分からなくて。実際には、近所のお宅への配達と、飲食店さんや施設への卸が商売の柱なんです。でも、サイトには住所と電話番号しか載せていないんですよ」

ただ、町の米屋が選ばれている理由は、米そのものより、好みに合わせて精米してくれることと、重い袋を家の中まで届けてくれることにあることが多いと思います。決まった間隔で届く定期の配達、業務用の量と炊き上がりの相談、贈り物の手配。

こうしたことは、お得意様とのやり取りの中では伝わっています。ところが、まだ取引のない人には、サイトに書いていなければ伝わりません。

見に来る人は、3種類いる

米屋のサイトを見に来る人は、大きく3つに分かれます。

  • 家庭で食べる米を買う人 ― どんな米があるか、好みの精米をしてもらえるか、家まで届けてもらえるか
  • 飲食店・施設・会社の人 ― 業務用の量を決まった曜日に届けてもらえるか、値段の決まり方、支払いの方法
  • 贈り物を探す人 ― 包装やのしに対応しているか、遠くへ送れるか、予算に合うものがあるか

確かめることが違うので、トップページに「お店とお届けのご案内」「飲食店・施設のみなさまへ」「贈り物・ご配送」のような入口を分けて並べると読みやすくなります。個人と法人の両方を相手にするサイトの組み方は、個人のお客様と法人のお客様、両方を相手にする会社のホームページ にまとめました。

この記事で書くこと

  • 扱う米の載せ方と、定番と入れ替わる品の分け方
  • 精米の具合と、量の注文
  • 配達の範囲と曜日、重い物を運ぶこと、定期の配達
  • 飲食店・施設・会社への卸の条件と、相談の流れ
  • 贈答と配送、保存や炊き方の相談
  • 価格が変わるときの知らせ方と、表示の決まりの考え方

2. 扱う米を、定番と入れ替わる品に分けて載せる

銘柄を並べるより、選び方を書く

米屋のサイトでは、扱っている米の名前を並べたくなります。ただ、仕入れる米は年によって入れ替わります。まず書くのは、どういう考えで米を選んでいるかです。

  • どこの米を多く扱っているか ― 地元の米、決まった産地の米、契約している農家の米など。貴社の事実をそのまま書きます
  • どうやって選んでいるか ― 自分で炊いて食べ比べている、産地に足を運んでいる、生産者と毎年話している
  • どう保管しているか ― 玄米のまま保管して、注文を受けてから精米しているか。保管する場所の温度への気配り
  • どんな米を扱うか ― 白米、玄米、もち米、雑穀など。得意な分野

生産者や産地の名前を出すときは、相手の了解を取ってからにしてください。

産地と品種は、一般的な書き方で

一つひとつの米は、「〇〇県産の△△(品種名)」のように、産地と品種を並べて書くのが一般的です。そこに、味の特徴と、どんな料理に合うかを一行ずつ添えます。

「粘りが強めで、冷めても固くなりにくい米です。お弁当やおにぎりによく合います」(言い回しは架空の例です)

変わる速さで、置き場所を分ける

米の情報は、変わる速さが違うものが混ざっています。全部を同じページに並べると、どれが今の情報なのかが分からなくなります。

図:扱う米の情報を、変わる速さで3つに分ける(品と言い回しはすべて架空の例)
① 定番の米
1年を通して扱うもの

たとえば「地元〇〇産の△△」「毎日のごはん向けのブレンド米」。産地と品種、味の特徴、量ごとの値段の目安を書きます。値段が動く米は「店頭の表示でご確認ください」と添えます。

直すのは、品を増やしたりやめたりしたときだけ
② 季節・入れ替わる米
新米や、数に限りがあるもの

たとえば「新米は、例年〇月ごろから順に切り替わります」「その年に入った産地の米を、数量限定でご用意します」。例年の時期を書けば、待っている人が予定を立てられます。

季節の変わり目に、年に数回見直す
③ 在庫の残り
今、どれだけ残っているか

たとえば「△△は残りわずかです」。サイトのページには書かず、電話か、流れていく場所に任せます。ページに書くと、売り切れたあとも残ったままになります。

「在庫はお電話でお確かめください」の一行で足りる

サイトのページに書くのは①と②です。選び方と定番はサイトに、残りの数は電話に。この分け方なら、新米の時期の忙しいときでも、ページが古くなりにくくなります。

3. 精米の具合と、量の注文を書く

精米の具合は、選べるものを並べる

町の米屋ならではの強みは、注文に合わせて精米してくれることだと思います。ところが、常連の方は知っていても、初めての人は頼めることを知りません。選べるものを並べておきます。

  • 精米の具合 ― 白米、分づき米(どの段階まで選べるか)、玄米のまま
  • 精米するときの扱い ― 注文を受けてから精米するか、精米した日をどう伝えるか
  • 持ち込みの精米 ― ご自宅や知り合いの農家の玄米を持ち込んで精米してもらえるか。受けるなら料金と量の単位
  • 時間 ― 精米のあいだ待ってもらえるか、あとで取りに来てもらうか、配達に回すか

分づき米の呼び方は、店によって少しずつ違います。「〇分づきは、白米と玄米のあいだくらい」のように、ふだんの言葉で言い直しておくと、初めての人にも伝わります。

量の単位と、小分けを書く

量の注文で迷う人は多いです。何キロから買えるか、小分けにしてもらえるかを書いておきます。

  • 量の単位 ― 〇キロの袋から、量り売りなら何キロから受けるか
  • 小分け ― 一度に食べきれない人向けに、小さな袋に分けてもらえるか。料金がかかるか
  • 量の目安 ― 「ご家族の人数と、1日に炊く量を教えていただければ、ちょうどよい量をご案内します」

ひとり暮らしの方や、年配のご夫婦だけのお宅では、大きな袋を買っても食べきれないことがあります。「少ない量でもお受けします」の一行が、そうした方の入口になります。

4. 配達の範囲と曜日、重い物を運ぶこと

配達は、市区町村の名前と曜日で書く

米の配達は、町の米屋がいちばん頼りにされているところだと思います。「配達いたします」の一行だけでは、自分の家が対象になるのかが分かりません。

  • 配達の地域 ― 市区町村や町名で。範囲の外でも相談できるか
  • 回る曜日 ― 「〇〇地区は火曜、△△地区は金曜」のように、地区ごとに書けるなら書く
  • 注文の締め切り ― 何曜日の何時までに頼めば、次の配達に間に合うか
  • 配達の料金 ― 無料になる条件、かかる場合の金額

地域の書き方の全体は、「対応エリア」を、ホームページにどう書くか にまとめました。

重い物を運ぶことを、はっきり書く

米は重い品です。重い袋を家の中まで運んでもらえることが、米屋を使う理由になっているお客様は少なくないと思います。どこまで運ぶかを書いておきます。

  • どこまで運ぶか ― 玄関先までか、台所までか。階段の上の階まで運ぶか
  • 米びつに入れるか ― 頼まれれば米びつに移すか

運べる範囲には限りがあると思います。できないことも一緒に書いておくと、当日に困る場面が減ります。

年配のお客様は、電話で注文されることが多いはずです。電話番号を大きく書き、受けている時間帯を添えてください。サイトそのものの読みやすさの直し方は、年配のお客様が多い会社の、ホームページの直し方 にまとめました。離れて住むご家族からの注文を受けているかも書いておきます。

定期の配達は、間隔と変え方を書く

定期の配達を受けているなら、申し込んだあとに何が起きるかを書いておきます。

  • 間隔 ― 2週間ごと、月に1回など。選べる間隔
  • 量と米の変更 ― 次の配達の何日前までに連絡すれば変えられるか
  • 休みと止め方 ― 旅行や入院で休みたいとき、やめたいときの連絡の仕方。やめるときに費用がかかるか
  • 支払い ― 届けたときに払うか、月ごとにまとめて払うか

止め方が書いていない定期の配達は、申し込みをためらわせます。「お電話一本で、休みも取りやめもできます」と書けるなら、それだけで頼みやすくなります。

5. 飲食店・施設・会社への卸は、条件で書く

業務用の人は、条件で比べている

飲食店や施設、社員食堂を持つ会社の人が米屋を探すのは、店を開くとき、今の仕入れ先に不満があるとき、使う量が変わったときです。見ているのは、届けてもらえる条件と、値段の決まり方です。

表:飲食店・施設・会社への卸で書いておくこと(地域・時刻・量はすべて架空のたとえばです)
項目たとえばの書き方書いておく理由
配達の地域「〇〇市と△△区。それ以外の地域はご相談ください」市区町村の名前があると、自分の店が入るかすぐ分かる
納品の曜日と時間「週〇回、午前〇時から〇時のあいだにお届けします」仕込みの時間に届かないと、品が良くても使えない
量「1回〇キロから。少ない量からのお取引もご相談ください」小さな店や施設が頼んでいいかを判断できる
米の選び方「料理や炊き方に合わせて、米の組み合わせをご提案します」値段だけでなく、炊き上がりで選ぶ店に届く
値段の決まり方「お取引の量と米の種類で決め、見直すときは〇ヶ月前にご連絡します」値段が動くことを先に書くと、あとでもめにくい
産地の情報「納品する米の産地は、納品書でお知らせします」献立やお品書きに産地を書く店が、確かめる手間が減る
支払い「月末締め、翌月〇日までにお振り込み」締め日と期日が分かると、経理の確認がそこで済む

数字は、貴社の配達の回り方と仕入れの量から決めてください。条件に合わない店からの問い合わせが減るのは、損ではありません。合う店や施設は、条件を読んだうえで連絡してきます。

施設や会社は、確かめる人が違う

保育施設や介護施設、社員食堂のある会社では、米を使う調理の担当者と、取引を決める事務の担当者が別のことがあります。調理の担当者は炊き上がりと届く時間を、事務の担当者は見積もりの出し方と請求の形を見ています。卸のページには、両方の答えを並べておきます。

相談の流れを書く

取引を始めるまでの流れも書きます。連絡をもらう、店や施設に伺って話を聞く、試しの米を炊いて食べてもらう、量と配達の曜日を決める、取引を始める。試しの米を用意できるなら、そのことを書いておくと、今の仕入れ先から替えるかどうか迷っている店が動きやすくなります。

6. 贈答と配送

贈り物は、選べるものと料金を並べる

米は、贈り物やお返しにも選ばれます。お中元やお歳暮、結婚や出産のお返し、新米の時期のご挨拶。選べる包装と、料金がかかるかどうかを並べておきます。

  • 箱と包装 ― 贈答用の箱や袋、手提げ。それぞれ有料か無料か
  • のし ― 付けられるか、表書きはどこまで対応するか
  • 詰め合わせ ― 産地の違う米の食べ比べ、小さな袋の詰め合わせなど
  • 予算の相談 ― 予算と贈る相手を伝えてもらえば、見繕うこと

「迷ったら、予算と贈る相手を教えてください」と書いておくと、相談のきっかけになります。

配送は、送れる地域と精米の日を書く

遠くへ送る場合は、次のことを書きます。

  • 送れる地域 ― 国内のどこまで送れるか。送れない地域があるか
  • 送料 ― 「どこへ・何キロ・いくら以上」で書く
  • 届くまでの日数 ― 日付の指定ができるか。繁忙期は日数が延びること
  • 精米の日 ― 精米してから送るのか、いつ精米したものが届くのか
  • 届いた品に問題があったとき ― 袋が破れていた場合などの連絡の期限と連絡先

送料や返品の書き方の全体は、送料や返品の決まりを、ホームページにどう書くか にまとめてあります。

7. 保存や炊き方の相談、価格と表示のこと

保存や炊き方の相談を受けていることを書く

「お米はどこに置いておけばいいですか」「水の量はどれくらいですか」。店頭や配達のときに、こうした相談を受けることは多いと思います。相談に乗ってもらえること自体が、米屋を使う理由になります。

  • 保存の仕方 ― 置き場所の温度や湿気への気配り、精米してからどれくらいで食べきるのがよいかの目安
  • 炊き方 ― 新米のときの水加減、分づき米や玄米の炊き方のこつ

目安は、貴社が店頭でお伝えしている内容をそのまま書いてください。玄米や雑穀について書くときに、体に良い、のような効き目をうたう書き方は避けてください。食品について何をどこまで書いてよいかは、表示や広告の決まりが関わる場合があります。

価格が変わるときは、いつから・何が・いくらにを書く

米の値段は、その年のとれ方や仕入れ値で動くことがあります。サイトに値段を載せている場合は、値段を見直すときの知らせ方を決めておきます。

  • いつ時点の値段か ― 値段の欄に「〇年〇月〇日時点」と添える
  • 告知の中身 ― いつから、どの米が、いくらになるかを先に書き、理由は短く
  • 知らせる順番 ― 定期の配達のお客様と卸のお取引先には、サイトより先に、電話や書面で直接お伝えする
  • 古い値段の片付け ― チラシ、店頭の値札、配達のときに渡している案内も、同じ日にそろえる

値上げの告知の書き方は、値上げを、ホームページでどう知らせるか にまとめました。

表示の決まりは、所管の窓口で確かめる

米には、産地や品種、精米した時期などの表示について、守るべき決まりがある場合があります。飲食店や施設へ卸すときに、産地の情報を伝えることが求められる場合もあります。何が求められるかは、売り方や扱う米によって違うので、所管の窓口や専門家に確認してください。この記事では、サイトに書くときの一般的な注意だけを書いておきます。

  • 店頭や袋の表示と食い違わないようにする ― サイトに産地や品種を書くなら、袋の表示と同じ内容にする
  • 入れ替わる米は、産地を固定で書かない ― 「その年の産地は、店頭の表示でご確認ください」と書く
  • 確かめた結果を控えておく ― 窓口で確かめた日と内容を社内に残す

8. 雄喜晃の伴走:家庭と卸と贈り物の答えを、分けて置きます

私たちがやること

私たち雄喜晃は、町の米屋のホームページを作るとき、最初に「お客様の種類ごとに、よく聞かれること」を伺うところから始めます。家庭のお客様、飲食店や施設の人、贈り物を探す人。それぞれの質問が、それぞれのページの中身になります。

  • 3つの入口を分けて、ページを組みます ― お店とお届け、飲食店・施設のみなさまへ、贈り物・ご配送
  • 扱う米を、定番と入れ替わる品に分けて載せます ― 選び方と保管の考えを伺い、文章にします
  • 精米と量の注文、配達と定期の配達の決まりを、一覧にします ― 実際の回り方と受け方から組みます
  • 卸の条件を表にします ― 地域、時間、量、値段の決まり方、支払いを並べます
  • 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― 店内や米の袋、精米の様子の写真を、明るさや大きさをそろえて配置します

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、新米の案内を出す・下げる、値段を見直すといった直しも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 撮影はお受けしていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
  • 米の値段や卸の条件そのものは決めません。決まった内容を、読む人に伝わる形に組むところを担当します
  • 注文や定期の配達、在庫を管理する仕組みの開発はしていません
  • 米や食品の表示が決まりに合っているかの判断はしません。所管の窓口や専門家で確かめていただくようお願いしています
  • 検索順位や取引の増加をお約束することもしません

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「配達と卸が商売の柱なのに、サイトにはそのことを何も書いていない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:米の名前より先に、精米と届け方を書く

町の米屋のホームページで押さえることは、5つです。

  • 3つの入口を分ける ― 家庭のお客様、飲食店・施設・会社、贈り物を探す人。確かめることが違います
  • 扱う米は、定番と入れ替わる品に分ける ― 選び方と保管の考えを先に書き、残りの数は電話に任せます
  • 精米の具合と量、配達の範囲と曜日を書く ― 重い物をどこまで運ぶか、定期の配達の止め方まで
  • 卸は、条件と相談の流れで書く ― 地域、時間、量、値段の決まり方、支払い、試しの米
  • 値段と表示は、日付と一緒に書く ― 見直すときはお取引先に先に知らせ、表示のことは所管の窓口や専門家に確認を

好みに合わせて精米し、重い袋を家の中まで届ける仕事は、貴社にしかありません。そこを書いておけば、まだ取引のない家庭や店にも、お店の値打ちが伝わります。地域で商売をする会社のサイト全体の考え方は、地域で商売をする会社の、ホームページの全体像 にまとめました。

まず、今日できること

配達で回っている地区と曜日、どこまで運んでいるかを、紙に書き出してみてください。ふだんは頭の中にある決まりが、そのまま「お届けのご案内」のページの中身になります。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。店頭や配達先でいつも話していることを、まだ会っていない人に届く形にするところから、ご一緒します。