1. 「点検と清掃と検査、どれを頼めばいいのかと聞かれるんです」
浄化槽の仕事をしている方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。
「中古の家を買った方から、『前の持ち主から浄化槽のことを何も聞いていなくて』と電話が来るんです。点検と清掃と検査の違いから説明して、それで電話が終わってしまうこともあって」
浄化槽の仕事には、ほかの仕事にはない事情があります。お客様の多くが、浄化槽のことを知らないまま、浄化槽の持ち主になっているということです。
中古の家を買った人。親の家を相続した人。アパートを買ったオーナー。どの人も、ある日、郵便物や役所からの案内で「浄化槽の管理は持ち主の役目です」と知ります。そこで初めて、どこに何を頼めばいいかを調べ始めます。
ホームページは、その調べ始めの段階で見られる場所です。会社を選ぶ前に、まず「自分は何を頼めばいいのか」を知りたい人が来ています。そこに答えておくと、電話の最初の数分が、言葉の説明ではなく、貴社の話から始まるようになります。
この記事で書くこと
- 住んでいる人、家を買った人や相続した人、アパートのオーナーや管理会社、店舗や施設で、知りたいことがどう違うか
- 保守点検・清掃・検査の違いを、普段の言葉で説明する方法
- 契約の流れと、費用が決まる条件の書き方
- 当日の流れと立ち会い、臭いや詰まりのときの連絡先
- 許可や登録の書き方、対応できる地域、下水道につなぐときの相談
2. 見に来る人ごとに、知りたいことが違う
浄化槽の会社のサイトを見に来る人は、大きく分けて4種類です。同じ浄化槽の話でも、立場によって最初に知りたいことがまったく違います。
| 見に来る人 | 確かめたいこと | サイトに置く答え(たとえば) |
|---|---|---|
| 浄化槽のある家に住んでいる人 | 今の契約で足りているか/臭いや音がしたときにどこへ連絡するか/費用は年にいくらか | 点検・清掃・検査の違い、困ったときの連絡先、費用が決まる条件 |
| 家を買った人・相続した人 | 何から始めればいいか/前の持ち主の契約はどうなるか/槽の種類や大きさが分からなくても頼めるか | はじめての方向けの入口、現地で確かめる流れ、引き継ぎの相談 |
| アパートのオーナー・管理会社 | 複数の物件をまとめて任せられるか/入居者からの連絡を受けてもらえるか/記録をどう渡してくれるか | 対応できる建物、入居者向けの案内、連絡の窓口をどちらにするか |
| 店舗や施設 | 営業時間の外に来てもらえるか/お客様の前で作業にならないか/大きな槽でも受けられるか | 時間帯の相談、作業の時間の目安、受けられる槽の大きさ |
4種類のうち、2つ目の家を買った人や相続した人は、浄化槽という言葉そのものに慣れていません。この人たちの入口を、ほかの人と分けて置いておくと、電話での説明がぐっと短くなります。
最初の画面に、「はじめての方へ」の入口を
トップページの最初の画面には、「困ったときのご連絡」「はじめての方へ」「契約・ご依頼のご相談」の3つの入口を並べます。
「はじめての方へ」のページには、浄化槽とは何か、持ち主が何をすることになっているか、貴社に何を頼めるかを、1ページにまとめます。家を買ったばかりの人や、相続の手続きの途中にいる人は、まずここを読みます。
アパートのオーナーや店舗は、お金を払う人と、ふだん浄化槽のそばで暮らしたり働いたりする人が別です。個人と法人の両方を相手にするときの組み立て方は、個人のお客様と法人のお客様、両方を相手にする会社のホームページ にまとめました。入居者から臭いの連絡が来たとき、貴社に直接かけてもらうのか、管理会社を通すのかも、契約ごとに決めてサイトにも書いておくと、行き違いが減ります。
3. 点検・清掃・検査の違いを、普段の言葉で
ここがこの記事でいちばん大事なところです。浄化槽の管理には、似た言葉が3つ出てきます。業界の中では当たり前の区別が、外の人にはいちばん分かりにくいところです。
3つを、何をするかで説明する
名前より、誰が来て、何をすることかで説明すると伝わります。
- 保守点検 ― 浄化槽が正しく働いているかを見て、調子を整える作業です。空気を送る装置が動いているか、水の流れや臭いに変わったところがないか、薬剤が足りているかなどを確かめます。たとえるなら、定期的な健康診断と、その場でできる手当てです
- 清掃 ― 槽の中にたまった汚れ(汚泥)を、専用の車で吸い出して運ぶ作業です。点検だけでは、たまったものは減りません。点検で「そろそろ清掃を」と分かることもあります
- 検査 ― 浄化槽がきちんと管理されているかを、第三者の立場で確かめるものです。地域によっては、点検や清掃を受けている会社とは別の機関が行います
この3つは、頼む先が同じとは限りません。貴社が点検と清掃の両方を受けているのか、点検だけなのか、清掃だけなのか。検査については案内だけなのか。貴社が受けているものと、受けていないものを、この説明のすぐ下に書いてください。
回数や決まりは、言い切らない
点検や清掃をどのくらいの間隔で行うか、検査をいつ受けるかには、決まりがあります。ただ、浄化槽の種類や大きさ、地域によって扱いが違うことがあります。サイトで「年に〇回です」と一般論で言い切ってしまうと、当てはまらない人に誤解を与えます。
書き方は、たとえばこうです。
「点検や清掃の回数は、浄化槽の種類や大きさによって違います。お客様の浄化槽の場合は、現地で確かめたうえでお伝えします。決まりについて詳しく知りたい方は、お住まいの市区町村や所管の窓口にご確認ください」
貴社の地域で実際にどう運用しているかを書くのは構いません。そのときも、「当社の地域でご契約の多い例では」のように、一般論ではなく貴社の実際として書いてください。
業界の言葉は、すぐ後ろで言い直す
槽の大きさを表す言葉、空気を送る装置の呼び名、トイレだけを処理するものと台所やお風呂の水もまとめて処理するものの区別。浄化槽の話には、業界の言葉がたくさん出てきます。使うなら、すぐ後ろに普段の言葉で言い直すだけで、読める人が増えます。
用語の多い仕事をどう説明するかは、専門用語の多い仕事を、ホームページでどう説明するか にまとめてあります。浄化槽の場合は、ふたの写真や、空気を送る装置の写真に名前を添えて載せると、「うちの庭にあるあれのことか」と分かってもらえます。
4. 契約の流れと、費用が決まる条件
契約までの流れを、段に分けて見せる
はじめての人は、電話したら何が起きるのかが分からないので、連絡をためらいます。問い合わせから、ふだんの点検が始まるまでを、段に分けて書いておきます。
たとえば、住所と、浄化槽について分かっていること(分からなくても構いません)、前の持ち主や前の業者の情報があるかを伺います。
たとえば、ふたの位置、槽の種類や大きさ、空気を送る装置の状態、車を停める場所を確かめます。
たとえば、点検の回数、清掃の目安、年間の費用を書面でお出しします。
たとえば、決めた時期に点検に伺い、汚泥がたまってきたら清掃の日を相談します。
右側の一言は、はじめて連絡する人がためらっていることへの答えです。とくに①の「分からなくても大丈夫」は、家を買った人や相続した人にとって、連絡するかどうかの分かれ目になります。
前の業者との契約を引き継ぐ場合は、点検の記録や契約書があれば見せてほしい、なくても相談できると書いておくと親切です。
費用は、決まる条件と一緒に書く
浄化槽の費用は槽ごとに違うので、金額を1つでは書けません。それでも、何で費用が決まるかは書けます。
- 槽の大きさ ― 何人分の水を処理する前提の槽か。家庭用か、アパートや店舗の大きな槽か
- 槽の種類 ― 処理の仕組みによって、点検で見るところや清掃の量が変わること
- 点検の回数 ― 年に何回伺う契約か
- 清掃の量 ― 吸い出す汚泥の量。たまり方は使う人数や使い方でも変わります
- 場所の条件 ― 車を槽の近くに停められるか、ホースをどれくらい延ばすか
- 部品の交換 ― 空気を送る装置などが傷んだときの交換は、契約に含むか別か
そのうえで、たとえばの例を、条件つきで書いておくと、読む人は桁を知ることができます。
「たとえば、〇人槽の家庭用の浄化槽で、年〇回の点検と年〇回の清掃をお任せいただく場合、年間で〇〇,〇〇〇円〜〇〇,〇〇〇円のご契約が多いです(槽の大きさも金額も架空の例です)」
槽の大きさと、回数と、金額の幅が一緒に書いてあることが大事です。地域によって料金の扱いに決まりや取り決めがある場合もあるので、書いてよい形かどうかは、所管の窓口に確かめてから載せてください。条件つきの金額の出し方は、ホームページに料金を載せるか、載せないか に書いてあります。
5. 当日の流れと、立ち会い
立ち会いが要るかどうかを、先に書く
点検や清掃の日に、家にいないといけないのか。これは、住んでいる人がいちばん気にするところです。
- 立ち会いが要らない場合 ― 槽が屋外にあり、敷地に入ることを了解いただいていれば、不在でも作業することがある、と書きます。作業が終わったら記録を郵便受けに入れる、などの扱いもあわせて
- 立ち会いをお願いする場合 ― はじめての作業、部品の交換、敷地の門を開けていただく必要があるときなど
- 日時の決め方 ― 貴社から日を案内するのか、こちらの都合を聞いてもらえるのか
当日、何が起きるかを書く
作業を受ける人が気にしているのは、車と、臭いと、時間です。
- 車 ― 清掃では大きめの車で伺うこと。家の前の道に停めることがあるか、近所への配慮をどうしているか
- 臭い ― ふたを開けて作業する間は、臭いが出ることがある、と正直に書きます。洗濯物や窓のことを気にする人がいます
- 時間 ― 点検はどれくらい、清掃はどれくらいか。たとえば「家庭用の点検で〇〇分ほど」(時間は架空の例です)
- お願いしたいこと ― ふたの上に物を置かないこと、ふたの周りの草や植木、ペットがいる場合のこと
作業のあとに渡す記録も、何が書いてあるかを見本で見せておくと安心されます。住所や名前を消した見本を1枚、画像で載せるだけで十分です。アパートのオーナーや管理会社には、紙かデータか、まとめて送れるかも書いておきます。
6. 臭いや詰まりなど、困ったときの連絡先
浄化槽の困りごとは、ある日急に気づくことが多いものです。困ったときに、どこへ、何時までに連絡すればいいかを、どのページからも見つけられるようにしておきます。
症状の言葉で、連絡の目安を書く
困っている人は、浄化槽の言葉ではなく目の前の症状の言葉で探しています。
- 庭やふたの周りから、いつもと違う臭いがする
- 空気を送る装置の音が止まった、いつもより大きな音がする
- トイレや台所の水の流れが悪い、ゴボゴボと音がする
- ふたの周りの地面がぬれている、水があふれている
- 警報のランプがついている、ブザーが鳴っている
それぞれに、「お電話ください」「次の点検のときで構いません」「まず〇〇を確かめてください」のどれに当たるかを、貴社の実際で書いておきます。急ぎかどうかを読む人が判断できると、夜中の電話が本当に急ぐものだけになります。
自分で触らないでほしいことも書く
連絡の前にできることを書くときは、危ないことをさせないように気をつけてください。
- ふたを開けて中をのぞかない、中に入らない ― 転落やガスの危険があることを、短く書きます
- 電気が関わるところは触らない ― 空気を送る装置のコンセントを確かめる程度にとどめ、分解はしない
- 水を流す量を減らしておく ― あふれているときに、できることがあれば
受付の時間、夜間や休日の扱い、契約していない人からの相談も受けるかどうかも書いておきます。「24時間対応」の書き方や、到着の目安の出し方は、「24時間対応」「緊急時はお電話を」を、ホームページにどう書くか に詳しく書きました。
7. 許可や登録の書き方、対応できる地域、下水道につなぐときの相談
許可や登録は、名称と番号とどこのものか
浄化槽の保守点検や清掃には、事業者の登録や許可が関わる場面があります。また、点検と清掃とで、登録や許可を受ける窓口が違う場合があります。サイトには、次のように書いてください。
- 正式な名称 ― 証書に書いてあるとおりに
- 番号と、どこの自治体のものか ― 複数の市区町村にまたがる場合は、それぞれ
- 有効期限や更新 ― 期限が切れたまま載っていないか、更新のたびに確かめる
- 誰が、どの資格を持っているか ― 作業する人の資格も、正式な名前で
どの作業にどの登録や許可が要るか、どの範囲で作業できるかといった制度の中身は、サイトで言い切らないほうが安全です。制度は一般論にとどめ、詳しくは市区町村や所管の窓口に確認をと添えてください。資格や許認可の載せ方は、資格・許認可・受賞歴を、ホームページにどう載せるか にまとめてあります。
地域は、市区町村の名前で
対応できる地域は、市区町村の名前で書きます。「〇〇市周辺」だと、隣の町の人は頼めるかどうか分かりません。
浄化槽の仕事では、許可を受けている地域と、対応できる地域をそろえておくことが大事です。点検は受けられるが清掃は受けられない地域がある場合は、そのことも分けて書きます。地域の書き方そのものは、「対応エリア」を、ホームページにどう書くか にまとめてあります。
下水道につなぐときの相談の案内
地域に下水道が通ると、浄化槽をやめて下水道につなぐかどうかを考える人が出てきます。このときも、何から始めればいいか分からない人が貴社のサイトにたどり着きます。
書いておくとよいのは、次のようなことです。
- 貴社に頼めること ― 浄化槽の使用をやめる前の最後の清掃、槽の撤去や埋め戻しの相談など、受けているもの
- 貴社では受けていないこと ― 下水道につなぐ工事そのものは、地域で定められた工事店が行う場合があること
- 手続きの窓口 ― 浄化槽をやめる届け出や、下水道につなぐ手続きは、市区町村の窓口に確認を、と添える
「下水道につなぐことになったら、浄化槽のほうの片付けはご相談ください」と一行書いておくと、長く付き合ったお客様が、最後の片付けも貴社に相談しやすくなります。
8. 雄喜晃の伴走:はじめての方への説明を、1ページにまとめます
私たち雄喜晃は、浄化槽の会社のホームページを作るとき、「はじめてのお客様から、電話で最初に何を聞かれることが多いか」を伺うところから始めます。毎回説明していることが、そのままサイトに書くべき中身になるからです。
私たちがやること
- 入口を3つに分ける ― 困ったときのご連絡、はじめての方へ、契約・ご依頼のご相談を、最初の画面に並べます
- 点検・清掃・検査の違いを、普段の言葉で書く ― 貴社が受けているものと受けていないものを伺い、説明のすぐ下に書きます
- 費用が決まる条件と、契約の流れを整理する ― 槽の大きさや回数など、貴社が実際に見積もりで見ている条件を伺って言葉にします
- 症状の言葉で、困ったときの連絡先を書く ― 急ぎかどうかの目安と、自分で触らないでほしいことを、どのページからも見つけられる形にします
- 写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せます ― ふたや空気を送る装置、作業の車など、どこに置くかも一緒に考えます
料金と条件
料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、許可や登録の更新、対応する地域の変更、料金の改定も、ご連絡いただければこちらで反映します。
最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトを譲渡します。
私たちがやらないこと
- 写真の撮影には伺っていません。写真は、貴社で撮っていただいたものを整えて載せるところまでです
- 貴社の料金そのものは決めません。決まった料金と条件を、読む人に伝わる形に組むところを担当します
- 浄化槽の制度や、許可・登録についての判断はしません。市区町村や所管の窓口に確認していただくようお願いしています
- 点検や清掃の回数を、一般論で言い切る書き方はしません
- 不安をあおる書き方や、検索順位や問い合わせの増加のお約束もしません
実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。
「はじめてのお客様に、毎回同じ説明から始めている」という方は、一度ご相談ください。
9. まとめ:浄化槽を知らない持ち主に、最初の一歩を見せる
浄化槽の保守点検・清掃の会社のホームページで押さえることは、5つです。
- 見に来る人ごとに入口を分ける ― 住んでいる人、家を買った人や相続した人、アパートのオーナーや管理会社、店舗や施設。とくに「はじめての方へ」の入口を
- 点検・清掃・検査の違いを、何をするかで説明する ― 回数や決まりは一般論で言い切らず、市区町村や所管の窓口に確認を、と添える
- 契約の流れと、費用が決まる条件を書く ― 槽の大きさ、種類、回数、清掃の量、場所の条件。たとえばの例を条件つきで
- 当日の立ち会いと、困ったときの連絡先を書く ― 不在でもよいか、車と臭いと時間。症状の言葉で連絡の目安を
- 許可や登録は事実で、地域と下水道の相談も ― 名称と番号とどこのものか。許可の地域と対応地域をそろえ、下水道につなぐときの片付けも案内する
浄化槽の持ち主になった人の多くは、何を知らないかも分からない状態で調べ始めます。サイトに最初の一歩が書いてあれば、その人は電話をかけやすくなります。
まず、今日できること
この1か月で、はじめてのお客様から電話で聞かれたことを、思い出せるだけ紙に書き出してみてください。点検と清掃の違い、費用、立ち会い、前の業者のこと。その一つひとつが、「はじめての方へ」のページの見出しになります。