1. 「テンプレートだと、安っぽく見えませんか」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「見積もりを取ったら、テンプレートならこの金額、オリジナルならこの金額、と2つ出てきたんです。けっこう差があって。でも、テンプレートだとほかの会社と同じ見た目になって、安っぽく見えそうで。どっちにすればいいんでしょう」

この迷いは、たいてい見た目の話として持ち込まれます。テンプレートは安いけれど量産品に見える。オリジナルは高いけれど自社らしくなる。そういう構図です。

ただ、実際に違いが大きく出るのは、見た目ではありません。直しやすさ、費用、期間、そして同じ見た目の会社が出ること。この4つです。見た目の差は、読む人の目から見ると、思っているより小さいことが多いのです。

この記事では、どちらが上かではなく、貴社の今の状況にどちらが合うかを決められるように整理します。

この記事で書くこと

  • テンプレートと一から作るものの違いが出る、4つの場所
  • テンプレートでも、写真と文章で差がつく理由
  • 一から作るほうが向く会社
  • テンプレートを選ぶときに見るところ
  • 途中で切り替えるときに、持っていけるもの・持っていけないもの

2. テンプレートと、一から作るものの違い

先に、言葉をそろえておきます。

テンプレートとは

見出し、写真、ボタンの位置など、ページの型がすでに用意されているものです。そこに、貴社の文章と写真を入れて仕上げます。色や書体を変えられる範囲は、型によって違います。

一から作るとは

貴社の中身に合わせて、型そのものを設計するものです。オリジナルデザインと呼ばれることが多いです。何をどの順で見せるかを決めてから、それに合う形を作ります。

実際には、その間が多い

ただ、現場ではこの2つにきれいに分かれないことのほうが多いです。テンプレートを土台にして、トップページだけ作り込む。一から作るけれど、よくある並びを下敷きにする。多くの制作は、2つの間のどこかにあります。

ですから、見積もりで「テンプレート」「オリジナル」と言われたら、どこまでが用意された型で、どこからが作り込みなのかを聞いてみてください。同じ言葉でも、会社によって指している範囲が違います。

表:テンプレートと一から作るものの、違いが出る場所(一般的な傾向です。会社や型によって違います)
見るところテンプレート一から作る
直しやすさ型の中なら直す人を選ばない。型の外へ出る直しは難しい自由に直せるが、作った人でないと手を入れにくいことがある
費用型を設計する工程が無いぶん、抑えやすい設計の工程があるぶん、高くなりやすい
期間見た目を決める時間が短い。原稿と写真の待ちは同じ見た目を決める話し合いと確認が増える
同じ見た目同じ型を使う会社がほかにもある形は1つだけ。ただし中身が薄いと、印象は似る
合わない中身型に合わない情報は、載せ方に無理が出る中身に合わせて形を決められる

表は一般的な傾向をまとめたもので、特定のサービスの話ではありません。どちらにも、見た目より先に「誰が、どこまで直せるか」の差が出ます。

3. 4つの違いを、1つずつ見る

直しやすさ ― 型があると、直す人を選ばない

テンプレートの良いところは、型が決まっているので、直す人を選ばないことです。文章を差し替える、写真を入れ替える、お知らせを足す。型の中での直しなら、作った人でなくても手を入れやすくなります。

一方で、型の外へ出る直しは苦手です。「この段だけ、写真を3枚並べたい」「ここに表を入れたい」。型に無い形を足そうとすると、無理が出るか、できないことがあります。

一から作ったものは、その逆です。形は自由に変えられますが、作った人でないと、どこを触ればいいか分かりにくいことがあります。作り込みが深いほど、引き継ぎは難しくなります。このあたりは 「安いから」で選んだホームページの、3年後 にも書きましたが、金額と直し続けられるかどうかは別の話です。

費用 ― 削っているのは、設計の工程

テンプレートが安いのは、型を設計する工程が要らないからです。品質を削っているわけではありません。何をどこに置くか、スマートフォンでどう並べ替えるか。そうした設計の多くが、型の側ですでに済んでいます。

逆に言えば、一から作る費用の多くは、この設計に払っています。その設計が貴社に必要かどうかが、高いか安いかを決めます。必要なら高くありませんし、要らないなら払いすぎです。

期間 ― 縮むのは、見た目を決める時間だけ

テンプレートにすると、見た目を決める話し合いが短くなります。ただし、期間を延ばしているのは、たいてい見た目ではありません。原稿と写真が届くまでの待ち、確認の往復、最後に決める人の判断です。

テンプレートにしても、原稿が来なければ公開できません。期間の考え方は ホームページ制作には、どれくらいの期間がかかるのか にまとめました。急いでいるからテンプレート、という選び方は、待ちの段取りを決めてから考えても遅くありません。

同じ見た目の会社が出る

テンプレートを選ぶときに、いちばん気にされるのがここです。同じ型を使っている会社は、ほかにもあります。同じ地域の同業が、同じ型を使っていることもありえます。

これは、事前に確かめられます。候補の型が決まったら、同じ地域の同業のサイトをいくつか開いてみてください。見方は 同業他社のホームページを、どう見るか にまとめてあります。似ている会社が見つかったら、その会社と並べたときに、どこで見分けがつくかを考えます。その答えが、次の章の中身です。

4. テンプレートでも、中身で差がつく

読む人が見ているのは、型ではなく中身

サイトを見ているお客様は、そのサイトがテンプレートかどうかを、ほとんど気にしていません。見ているのは、どんな仕事をしていて、どんな人がいて、頼んだらどうなるかです。

同じ型を使っていても、写っている現場と書いてある言葉が違えば、別の会社に見えます。反対に、一から作ったサイトでも、写真が借り物で文章がどこにでもある言葉なら、印象はほかと似てきます。差がつくのは、型より中身です。

写真 ― 見本の写真のまま公開しない

テンプレートには、見本の写真が入っています。きれいに撮られた写真なので、自社の写真に差し替えると、見劣りするように感じるかもしれません。

それでも、自社の現場、自社の人、自社の商品の写真に差し替えてください。見本の写真は、同じ型を使う会社のサイトにも並んでいることがあります。読む人に「どこかで見た」と思われたら、その写真は貴社の説明をしていません。写真の明るさと形をそろえるだけでも、見え方はかなり変わります。

文章 ― 見本の文章が残っていないか

見落としやすいのが、見本の文章です。トップの見出しやフッターの小さな文字、問い合わせの完了画面。見本の文章が、公開後も残っていることがあります。

公開前に、全ページを開いて、自社で書いた覚えのない文章がないかを確かめてください。スマートフォンで開いたときにだけ出る文章や、送信後にしか出ない画面も含めて見ます。

色とロゴと、並び順

色は、ロゴや名刺の色から取ると、型が同じでも貴社のものに見えてきます。並び順も、多くの型で入れ替えられます。お客様がいちばん知りたいことを上に、という順で並べ直すだけで、同じ型でも別のサイトになります。

型に、中身を合わせすぎない

1つだけ注意があります。型に合わせて、中身を無理に作らないでください。たとえば、強みを3つ並べる型なのに、本当に言える強みが2つしかない。そこで3つ目を作文すると、読む人には薄く見えます。型の枠が余ったら、埋めずに外すほうが伝わります。

5. 一から作るほうが向く会社

テンプレートで足りる会社は多いです。そのうえで、一から作るほうが合う会社もあります。

  • 載せる情報の形が特殊 ― 製品の数が多く、条件で絞り込んで探してもらいたい。事業がいくつもあり、入口を分けたい
  • ブランドの形が、すでに決まっている ― ロゴ、色、書体、印刷物がそろっていて、サイトもそれに合わせたい
  • 見た目そのものが、仕事の腕を示す ― 設計やデザインの仕事のように、サイトの見た目が作品の見本として見られる
  • 費用と期間をかけて、長く育てる前提がある ― 設計の話し合いに、社内で時間を割ける

一から作るのが、まだ早い会社

逆に、次のような段階では、一から作るのは早いかもしれません。

  • 中身がまだ決まっていない ― 創業したばかりで、サービスや料金が動いている
  • 更新する人が決まっていない ― 作り込んでも、直す人がいなければ古くなる
  • 公開日が迫っている ― 設計の話し合いに使える時間がない

迷ったら、中身が決まっているかで決める

一から作るというのは、中身に合わせて形を設計することです。中身が決まっていない段階で設計すると、中身が変わるたびに形が合わなくなります。

ですから、中身が動いているうちはテンプレートで出して、中身が固まってから一から作る。この順番は、遠回りに見えて、払う額は小さく済むことが多いです。自分で作るか頼むかという手前の判断は ホームページを自分で作るか、頼むか にまとめました。

6. テンプレートを選ぶときに見るところ

テンプレートを選ぶ場面で、見た目の好みだけで決めると、あとで困ります。見るところを挙げます。

見本の写真と文章を、頭の中で消して見る

型の見本は、どれもきれいに見えます。それは、見本のためにそろえた写真と文章が入っているからです。見るときは、それを頭の中で消して、貴社の写真と文章が入った姿を想像してください。

見るところ

  • スマートフォンでの見え方 ― パソコンの見本だけで決めない。自分のスマートフォンで見本を開く
  • 写真の形 ― 横長の大きな写真が前提の型に、手元の写真が縦長ばかり、ということがある
  • 見出しの長さ ― 短い英語の見出しが前提の型だと、日本語の長い見出しで崩れることがある
  • 文字の大きさ ― 細くて小さい文字の型は、見本では上品でも、本文になると読みにくい
  • 必要なページが作れるか ― 会社概要、アクセス、問い合わせ、実績。貴社に要るページの形があるか
  • 直せる範囲 ― 色、書体、並び順を、どこまで変えられるか
  • 誰が、どう直すか ― 自社で直すのか、頼むのか。頼むなら、1回の直しにいくらかかるか
  • 中身を持ち出せるか ― 文章、写真、ドメインを、契約が終わったあとも使えるか

最後の2つは、見た目より大事です。土台の仕組みの選び方は WordPressか、それ以外か ― 中小企業のための判断軸 に、無料の作成サービスで起きやすいことは 無料で作れるホームページの、見えない費用 に書きました。

決める前に、1ページだけ中身を入れてもらう

できれば、決める前に貴社の写真と文章で、トップページを1枚だけ組んでもらってください。見本の状態と、中身が入った状態とでは、印象がまったく違うことがあります。1枚見れば、その型が貴社に合うかどうかは、たいてい分かります。

7. 途中で切り替えるときの注意

テンプレートで始めて、あとから一から作り直す。あるいは、一から作ったものを、費用を抑えるためにテンプレートへ移す。どちらの向きも、よくあります。切り替えるときに困らないよう、順番を押さえておきます。

図:作り方を切り替えるときの順番(たとえばの流れです)
① 中身を、サイトの外に集める

文章と写真を、サイトの管理画面とは別の場所に保存します。切り替えで持っていけるのは、主にこの2つです。

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② ドメインの名義を確かめる

自社名義なら、そのまま新しいサイトで使えます。制作会社やサービスの名義なら、先に移す相談をします。

ここが自社名義でないと、名刺やチラシのURLまで変わることがあります
▼
③ 今のページのURLを一覧にする

新しいサイトで、古いURLから新しいページへつなぐために使います。検索やブックマークから来る人を迷わせません。

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④ 新しい形で組み、公開する

公開したら、古いURLを開いて、新しいページに着くかを確かめます。

見た目は作り直しになっても、中身とドメインが手元にあれば、積み上げたものは引き継げます

流れは一般的な例です。切り替えで失うものの多くは、①と②を後回しにしたときに出ます。作り方を決める前でも、この2つは今から始められます。

見た目そのものは、持っていけないことが多い

テンプレートの見た目は、そのサービスや提供元の中で使うことが前提になっていることがあります。型だけを持ち出して、別の場所で使えるとは限りません。利用の条件は提供元や契約によって違うので、切り替える前に契約先に確認し、迷うときは専門家に相談してください。

一から作ったものも同じです。誰がその見た目の権利を持っているかは、制作の契約で決まります。契約書に書かれていなければ、作り替える前に制作会社に聞いておくと安心です。

切り替えは、全部作り直しではない

作り方を切り替えると聞くと、全部やり直しのように感じます。けれど、いちばん時間がかかるのは、文章と写真を用意することです。そこが手元にあれば、作り直すのは入れ物だけです。最初の作り方を選ぶときに迷いすぎなくていい理由も、ここにあります。

8. 雄喜晃の伴走:作り方より先に、中身から伺います

私たち雄喜晃のホームページ制作では、テンプレートかオリジナルかの二択から話を始めることはしません。まず、何の仕事をしていて、どんなお客様に、何を知ってほしいかを伺います。作り方は、その中身に合わせて決めるものだからです。

私たちがやること

  • 載せる中身を一緒に決める ― 何をどの順で見せるかを、お客様がいちばん知りたいことから並べます
  • 写真と文章を、貴社のものにする ― 貴社で撮っていただいた写真を、明るさや形をそろえて載せます。文章は、伺ったお話から整えます
  • 見本の文章を残さない ― 公開前に全ページを開き、貴社の事実でない文章が残っていないかを確かめます
  • スマートフォンで確かめる ― 見出しが崩れていないか、写真が切れていないかを見てからお渡しします

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、文章の差し替えや写真の入れ替えは、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 見た目を理由に、問い合わせが増えるとお約束することはしません。読む人が見ているのは、型より中身だからです
  • 貴社の事実でない文章や実績で、枠を埋めることはしません。型の枠が余ったら、埋めずに外します
  • ほかの会社の作り方を、悪く言って比べることもしません。テンプレートにも一から作るものにも、合う会社があります

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「テンプレートかオリジナルかで迷って、見積もりを比べたまま止まっている」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:型より、中身と直しやすさで選ぶ

テンプレートで作るか、一から作るかで押さえることは、5つです。

  • 違いは見た目より4つの場所に出る ― 直しやすさ、費用、期間、同じ見た目の会社が出ること
  • テンプレートでも、中身で差がつく ― 見本の写真と文章を残さず、自社の写真と言葉に入れ替える
  • 一から作るのは、中身が決まってから ― 情報の形が特殊、ブランドが決まっている、見た目が腕を示す会社に向く
  • テンプレートは、中身を入れた姿で選ぶ ― スマートフォン、写真の形、見出しの長さ、直せる範囲、持ち出せるかを見る
  • 切り替えに備えて、中身とドメインを手元に ― そこがあれば、作り直すのは入れ物だけで済む

どちらを選んでも、読む人が見ているのは、貴社がどんな仕事をして、頼んだらどうなるかです。作り方の名前より、そこが伝わるかどうかで決めてください。

まず、今日できること

見積もりの書類を手元に出して、それぞれの金額に「どこまでが用意された型で、どこからが作り込みか」を書き込んでみてください。分からない行があれば、そこが制作会社に最初に聞くことです。

テンプレートにするか一から作るかで迷ったまま、ホームページの話が進んでいない、という方は、一度ご相談ください。