1. 「電話に出られないことが多くて、申し訳ないんです」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉をよく聞きます。

「日中はほとんど現場なので、電話に出られないんです。着信が残っていて、かけ直したらもうつながらない。せっかくかけてくれたのに、申し訳なくて」

電話に出られないのは、仕事をしている証拠です。現場に出ている、お客様と打ち合わせをしている、少ない人数で回している。出られないこと自体は、責められる話ではありません。

一方で、かける側にも事情があります。仕事中で長く話せない。そもそも電話をかけるのが苦手。こういう方は、一度つながらなかったら、もう一度はかけてきません。

この両方の困りごとの間に置けるのが、「電話してほしい時間帯」を受け付ける小さな窓口です。お客様は都合のよい時間を選んで送るだけ。会社はその時間に電話をかける。かける側とかけられる側が、入れ替わります。

この記事で書くこと

  • 折り返しの受付が効く会社と、効かない会社の見分け方
  • 聞く項目は4つでいい理由と、それぞれの聞き方
  • 「いつ電話が来るのか」の目安の書き方
  • 知らない番号に出ない人への配慮
  • 受け付けたあと、社内で誰が何をするか

なお、番号そのものの載せ方は ホームページに、携帯電話の番号を載せるかどうか に、電話が鳴らない原因の探し方は 「ホームページから電話が鳴らない」を、電話の側から直す に書きました。この記事は、その間にある「電話をこちらからかける」ための受付だけに絞ります。

2. 折り返しの受付が効く会社、効かない会社

どこにでも合う仕組みではないので、先に分けておきます。

効くのは、こういう会社です

  • 日中、電話に出られない時間が長い ― 現場仕事、外回り、施術の最中など。取れていない着信が多い会社ほど効きます
  • 少ない人数で回している ― 電話番を置けない、一人社長や家族経営の会社です
  • 話の中身が、文字より電話のほうが早い ― リフォーム、介護、相続、設備の不具合など、状況を聞かないと答えられない相談です
  • 電話を好むお客様と、苦手なお客様が混ざっている ― かける前に、文字で用件を送っておきたい方がいます

効かないのは、こういう場面です

  • 急ぎの依頼 ― 水漏れや鍵の故障のように、今すぐ来てほしい人は、時間帯を選んで待てません。電話に直接つながる形のほうが合います
  • 文字で答えられる質問が多い ― 営業時間や料金の確認なら、ふつうのフォームやよくある質問で足ります
  • 折り返す人手が、どうしても無い ― 受け付けたのにかけられない、がいちばん信用を落とします。人手が無いなら、置かないほうが誠実です

迷ったら、3つの質問で決める

置くかどうか迷ったら、次の3つを自分に聞いてください。

  • 取れない着信 ― 先月、取れなかった着信は何件くらいあったか
  • 用件の中身 ― 電話で話したほうが早い用件が多いか
  • かける人 ― 決まった時間帯に、誰かが電話をかけられるか

前の2つが「多い」で、3つ目が「かけられる」なら、置く意味があります。3つ目が「かけられない」なら、まず社内の段取りから考えたほうがいい、という合図です。

3. 聞く項目は、4つでいい

折り返しの受付で聞く項目は、4つに絞れます。名前、電話番号、都合のよい時間帯、用件のひと言です。

詳しい話は電話でするので、書いてもらうのは、電話をかけるために要ることだけです。項目を増やすと、電話が苦手な人のための入口なのに、書く手間で離れてしまいます。項目数の考え方そのものは 問い合わせフォームの項目は、いくつまで減らせるか で詳しく書きました。

① お名前

電話口で呼びかけられる名前があれば足ります。名字だけでも受け付ける、と書いておくと気が楽になります。法人のお客様が多い会社は会社名の欄を足してもかまいませんが、任意にしてください。

② 電話番号

入力の形式を厳しくしないことが大事です。ハイフンありでも無しでも、全角でも半角でも受け付ける。形式の違いで「正しく入力してください」と出ると、そこで閉じる人がいます。

③ ご都合のよい時間帯

この受付の中心です。自由記入ではなく、選ぶ形にしてください。「いつでも」「夕方ごろ」と書かれると、いつかけていいか判断できません。

選択肢は、貴社が実際に電話をかけられる時間帯だけを並べます。たとえば「平日の午前」「平日の夕方」「土曜の午前」「どの時間帯でもよい」。かけられない時間帯を選べるようにすると、選んだ人を待たせることになります。いくつ選んでもよい形にしておくと、かける側の自由が増えます。

④ ご用件のひと言

用件は、誰がかけるかを決められる程度で十分です。選択式で3つか4つ並べ、その下に任意の一言欄を置く形が書きやすいと思います。

表:折り返しの受付で聞く4つの項目と、足してもいい項目(例は架空)
項目書き方の例必須か理由
お名前たとえば「お名前(名字だけでも大丈夫です)」必須電話口で呼びかけられれば足りる。フルネームを求めない
電話番号たとえば「お電話番号(ハイフンはあってもなくても構いません)」必須かける先がないと受付にならない。形式で弾かない
ご都合のよい時間帯たとえば「平日の午前/平日の午後/平日の夕方/土曜の午前/どの時間帯でもよい」から複数選べる必須かけられる時間帯だけを並べる。自由記入だと判断できない
ご用件のひと言たとえば「見積もりのご相談/工事中・工事後のご連絡/その他」+任意の一言欄選択のみ必須誰がかけるかを決めるため。長文は電話で聞く
メールアドレスたとえば「お電話がつながらなかったときのご連絡先(任意)」任意何度かけてもつながらないときの逃げ道になる
留守番電話たとえば「つながらないとき、留守番電話にメッセージを残してもよいですか(はい/いいえ)」任意家族と共用の電話など、残されると困る人がいる

上の4行が基本です。下の2行は、つながらなかったときに困らないための項目です。住所や予算は、この受付では聞きません。電話で話してから聞けば足ります。項目名と選択肢は、貴社の実際の受け方に合わせて決めてください。

ふつうのフォームは、別に残す

この受付は「電話をかけるための受付」であって、「相談の中身を受け取る窓口」ではありません。文章で相談したい方のために、ふつうの問い合わせフォームは別に残し、「文章でご相談される方」「お電話でお話ししたい方」と入口を分けておきます。

4. 「いつ電話が来るか」の目安を書く

時間帯を選んでもらうだけでは、相手にはまだ分からないことが残ります。送ったあと、何日のうちに電話が来るのかです。ここが書かれていないと、相手は待ち続けるか、忘れるかのどちらかになります。

目安は、守れる範囲で書く

書き方の例を挙げます。

「ご希望の時間帯の中で、受付から2営業日以内にお電話します。土日祝日にお送りいただいた場合は、翌営業日以降のご連絡になります」

数字は貴社の実際に合わせてください。大事なのは、早く見せようとしないことです。「すぐにお電話します」と書いて半日かかると、遅かったという記憶になります。少し長めに書いて、それより早くかけるほうが、受け取られ方はよくなります。目標の置き方は 問い合わせが来たあと、何時間以内に返すべきか にまとめてあります。

かけられなかったとき、つながらなかったとき

現場が長引いて、希望の時間帯を過ぎてしまうこともあります。そのときどうするか、何回かけるかも先に書いておきます。

「ご希望の時間帯にお電話できなかった場合や、おつながりにならなかった場合は、別の日の同じ時間帯にもう一度おかけします」

この一文があると、相手は「忘れられたのでは」と不安にならずにすみます。何度もかかってくるのでは、と身構える人にも安心してもらえます。

同じことを、3か所に書く

目安は、フォームの上、送信完了の画面、自動返信のメールの3か所に、同じ文言で入れてください。送信完了の画面は、送った直後の人がいちばんよく読む場所です。

5. 知らない番号に出ない人への配慮

折り返しの受付でいちばんよく起きるのが、かけたのに出てもらえないことです。相手が不在なのではなく、知らない番号からの電話に出ない習慣の人が少なくないからです。

かける番号を、先に伝えておく

対策は単純です。どの番号からかけるかを、先に伝えておくことです。

「お電話は、当社の番号(〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇)からおかけします。お手数ですが、この番号からの着信にお出になってください」

この一文も、目安と同じ3か所に書きます。相手は着信を見て、「さっき申し込んだ会社だ」と分かります。

かける番号を、1つにそろえる

ここでよく起きるのが、社員それぞれの携帯からかけてしまうことです。サイトに書いた番号と違う番号からかかってくると、相手には知らない番号に見えます。

現場から携帯でかけることが多いなら、折り返しに使う携帯を1台に決めて、その番号を書く形にしてください。番号を相手に見せない設定でかけるのは避けます。

最初のひと言で、何の電話か分かるように

つながったら、最初のひと言が大事です。

「〇〇工務店の山田と申します。ホームページから、お電話のご依頼をいただいた件でおかけしました。いま、2〜3分お時間よろしいでしょうか」

会社名、名前、何の件か、いま話してよいか。この4つを最初に言うだけで、相手は身構えずに話を始められます。都合が悪いと言われたら、次の時間帯を決めて切ります。

留守番電話は、短く

留守番電話を残してよいと答えた方には、「〇〇工務店の山田です。ホームページからのご依頼の件でお電話しました。明日の同じ時間帯に、もう一度おかけします」くらいに短く残します。用件の中身までは残しません。家族と共用の電話のこともあるからです。

年配のお客様と、ご家族からの申し込み

年配のお客様が多い会社では、ご家族が代わりに申し込むことがあります。フォームに「ご本人以外の方がお申し込みの場合は、お電話に出られる方のお名前をお書きください」と一言添えておくと、電話口での行き違いが減ります。文字や入力欄の大きさなど、年配の方が使いやすい形の整え方は 年配のお客様が多い会社の、ホームページの直し方 にまとめてあります。

6. 受け付けたあと、社内で誰が何をするか

受け付けたあとに電話がかからなければ、すべてが逆に働きます。「電話してくれると言ったのに、来ない」は、最初から電話に出なかったときより、相手の印象を悪くします。受付を置く前に、社内の段取りを決めておいてください。

通知を、誰が見るか

受付が届いたら、通知が来るようにします。通知を受ける人を1人に決め、その人が休みの日に誰が見るかも決めておきます。全員に届く形にすると、誰かが見ただろうと思って、誰も見ていないことが起きます。

その日のうちに、担当と時間を決める

通知を見た人は、その日のうちに2つを決めます。誰がかけるか、いつかけるかです。用件のひと言を見て、担当を決めます。そして、相手が選んだ時間帯の中で、かける時間を予定に入れます。

予定は、壁のカレンダーでも共有の予定表でも構いません。頭の中で覚えておかないことです。現場に出ると、覚えていたつもりの約束は抜けます。

かけた結果を、1行で残す

かけたら、結果を1行で残します。日時、つながったか、次にどうするか。

図:折り返しの受付が届いてから、終わるまでの流れ(例は架空)
① 受付が届く

通知を受ける担当が確認します。休みの日は、代わりに見る人を決めておきます。

たとえば「月曜10時に受付。平日の夕方を希望。用件は見積もりのご相談」
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② その日のうちに、担当と時間を決める

用件のひと言から、誰がかけるかを決めます。相手が選んだ時間帯の中で、かける時間を予定に入れます。

たとえば「火曜17時半、現場担当の山田がかける」と予定表に書く
▼
③ 希望の時間帯に、1回目をかける

サイトに書いた番号からかけます。最初のひと言で、会社名と何の件かを伝えます。

つながらなかったら、留守番電話の可否を見て、残すか決めます
▼
④ 別の日の同じ時間帯に、2回目をかける

それでもつながらなければ、メールアドレスがあればメールで連絡し、なければここで終えます。

何回かけるかは、サイトに書いた内容とそろえる
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⑤ 結果を1行で残す

日時、つながったか、次にやること。見積もりや訪問につながったら、その担当へ引き継ぎます。

たとえば「火曜17時半 つながった。木曜に現地確認、山田」

流れそのものは単純です。抜けやすいのは②の「予定に入れる」と、⑤の「残す」の2つです。この2つがあれば、担当が休んでも、別の人が続きを引き取れます。

記録は、表1枚で足ります

記録は、表計算のシート1枚で足ります。受付の日時、名前、希望の時間帯、担当、かけた日時、結果の6列です。続けていると、どの時間帯の希望が多いかが見えてきます。それを見て、選択肢の時間帯を見直します。

問い合わせ全体を社内でどう回すかは 問い合わせが増えたあと、社内で何を決めておくか に書きました。折り返しの受付も、その決めごとに1行足しておくと回しやすくなります。

7. 置き場所と、ボタンの書き方

電話番号のすぐそばに置く

いちばん効くのは、電話番号のすぐ下です。「いまはかけられない」と思った人の目に、すぐ入る場所です。

電話:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇(平日 8:00〜18:00)

電話に出られないことがあります。ご都合のよい時間に、こちらからお電話します →

この2行目がボタンになっている形です。電話番号を載せているところには、同じ並びで置きます。

ボタンの文言は、何が起きるかで書く

ボタンの文字は、「折り返しのお電話をご希望の方へ」「ご都合のよい時間に、こちらからお電話します」のように、押すと何が起きるかが分かるように書きます。

「電話の時間を予約する」は、少し注意が要ります。時間がその場で確定したように受け取られることがあるからです。時間帯を選んでもらう形なら、確定ではないことが分かる言葉のほうが行き違いが起きません。

スマートフォンで、すぐ押せるように

電話をかけるボタンと、折り返しを頼むボタンは、並んでいても押し間違えない大きさと間隔にします。時間帯の選択肢も、小さな丸を押させるより、大きめのボタン状にしたほうが押しやすくなります。

受付時間の外こそ、受付が働く

この受付がいちばん働くのは、電話の受付時間の外です。夜や休日に会社を調べた人も、「明日の夕方にかけてほしい」と送っておけます。

スパム対策は、受付にも入れる

短いフォームは、いたずらの送信も受けやすくなります。スパム対策の仕組み(TurnstileやreCAPTCHAなど)を、この受付にも入れておいてください。

8. 雄喜晃の伴走:電話をかけられる時間から、受付の形を決めます

私たち雄喜晃がサイトをお作りするときは、受付を作る前に、貴社が実際に電話をかけられる時間を伺います。誰が、どの曜日の、どの時間帯なら電話できるのか。そこから、選択肢に並べる時間帯と、書ける折り返しの目安を決めます。

私たちがやること

  • 受付のフォームを作る ― 名前、電話番号、都合のよい時間帯、用件のひと言の4つを基本に、貴社の受け方に合わせて項目と選択肢を決めます。スパム対策の仕組みも入れます
  • 折り返しの目安と、かける番号を3か所に入れる ― フォームの上、送信完了の画面、自動返信のメールに、同じ文言で入れます
  • 電話番号のそばに置く ― ヘッダー、フッター、問い合わせのページなど、番号を載せている場所に同じ並びで置き、スマートフォンで押しやすい形に整えます
  • 受付が届く先を決める ― 通知を受ける方のメールアドレスを伺い、届くことを確かめてからお渡しします

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)からです。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれます。月5回までの更新代行も同じ月額の中なので、選択肢の時間帯を変えた、折り返しの目安を書き換えた、といった直しも、ご連絡いただければこちらで反映します。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

折り返しの電話を、貴社に代わってかけることはしません。電話の受付や代行は、私たちの仕事の範囲に入っていません。電話をかけるのは、貴社の方です。

また、実際にはかけられない時間帯を、選択肢に入れることもしません。選んだ方を待たせることになり、信用を失うからです。電話の契約や、特定の電話会社・サービスをお勧めすることもいたしません。検索の順位や、問い合わせの件数をお約束することもしません。

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月6日に設立した会社です。「電話に出られないまま、着信だけが残っている」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:かける側とかけられる側を、入れ替える

「折り返しのお電話をご希望の方へ」を置くときに押さえることは、5つです。

  • 置くかどうかは、かけられる人がいるかで決める ― いなければ、先に段取りを考える
  • 聞くのは4つ ― 名前、電話番号、都合のよい時間帯、用件のひと言。時間帯は、かけられるものだけを並べる
  • 目安を、守れる範囲で書く ― 何日のうちにかけるか、かけられなかったらどうするか、何回かけるか
  • かける番号を先に伝える ― 番号を1つにそろえ、最初のひと言で何の電話かを伝える
  • 受けたあとの段取りを先に決める ― 通知を見る人、担当と時間、結果を1行で残す

電話に出られないことは、仕事をしている以上、なくせません。なくせないなら、こちらからかける形に変えればいいというのが、この受付の考え方です。

今日できることを1つだけ挙げます。先週1週間の着信履歴を見て、取れなかった電話が何件あったか数えてみてください。そのうち、かけ直してもつながらなかったものが何件あったか。その数が、置くかどうかの答えになります。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。貴社が電話をかけられる時間から、受付の形を一緒に決めます。