1. 「先月から、アクセスがガクッと落ちているんです」

中小企業の経営者の方とお話していて、こんな言葉を聞くことがあります。

「たまたまアクセスの数字を開いたら、先月からガクッと落ちていて。何かまずいことになっているんでしょうか。検索から消えたとか、そういうことですか」

グラフが右下がりになっているのを見ると、誰でも不安になります。ページを書き直したり、制作会社に急いで電話をしたり、何か手を付けたくなります。

ただ、少しだけ待ってください。アクセスが減ったように見える理由の中には、何も悪いことが起きていないものがいくつもあります。季節の波だったり、比べた月が特別だったり、数を数える仕組みのほうが外れていたり。これを先に外しておかないと、直さなくていいところを直してしまいます。

この記事では、慌てる前に確かめる順番を6つに分けて書きます。手間が少なく、「実は減っていなかった」と分かりやすいものから順に並べています。

この記事の役割

扱うのは、「減った」と気づいたときの最初の切り分けだけです。サイトが開かなかった場合、URLが変わっていた場合、サーチコンソールの画面の見方は、それぞれ別の記事に書いてあります。本文の中でご案内します。

2. 慌てる前に、確かめる順番を決めておく

先に全体の順番を示します。原因を当てにいくのではなく、外せるものから外していくという考え方です。

「減った」を、一行で書いてみる

最初にやることは、数字を眺めることではありません。何が、いつと比べて、どれくらい減ったのかを一行で書くことです。

  • どの数字か ― GA4の訪問の数か、サーチコンソールのクリック数か、問い合わせの件数か
  • いつと比べたか ― 先月か、去年の同じ月か、先週か
  • どのページか ― サイト全体か、特定のページだけか

この一行が書けないまま原因を探すと、話がずれていきます。サイト全体が減ったと思っていたら、見ていたのは1本の記事の数字だけだった、ということもあります。

図:アクセスが減ったと気づいたときに、確かめる6つの順番
① 季節・曜日・連休の波ではないか

先月ではなく、去年の同じ時期と比べます。連休の位置や、月の土日の数でも数字は動きます。

去年も同じように下がっていれば、ここで止まって様子を見ます
▼
② 計測の設定が外れていないか

作り直しやページの追加のあとに、数を数える仕組みが外れていないかを見ます。

ある日を境に崖のように落ちていたら、まずここを疑います
▼
③ サイトが表示されているか

携帯電話の回線や社外の人の端末で、よく見られるページと問い合わせフォームまで開きます。

開かなければ、「表示されないとき」の手順に移ります
▼
④ URLを変えていないか

前のURLを開いて、新しいページに行き着くかを確かめます。

「見つかりません」と出れば、転送の手順に移ります
▼
⑤ 検索での見え方が変わったか

サーチコンソールで、表示回数とクリック数のどちらが減ったかを分けて見ます。

どの言葉、どのページで減ったかを書き留めます
▼
⑥ 問い合わせや電話も減っているか

最後に、仕事につながる数字を見ます。アクセスだけ減って問い合わせが同じなら、慌てなくて構いません。

問い合わせも減っていたら、①〜⑤で見つけたことから直す順番を決めます

上から順に、手間が少なく「実は減っていなかった」と分かりやすいものを並べています。途中で理由が見つかったら、そこで止まって構いません。ただし⑥だけは、どこで止まった場合でも最後に見てください。

①と②は本当に減ったのかを確かめる段、③と④はサイトの側を確かめる段、⑤はサイトの外を見る段です。分かりにくい⑤から見始めると、簡単な理由を見落とします。

3. 季節・曜日・連休の波ではないか

最初に疑うのは、いちばんよくある理由です。数字は、何もしなくても毎月上がったり下がったりしています。

先月ではなく、去年の同じ月と比べる

減ったと感じるとき、多くの場合は先月と比べています。ところが先月と今月では、日数も、連休の有無も、季節も違います。

比べる相手は去年の同じ月にしてください。GA4もサーチコンソールも、期間を2つ選んで並べる「比較」の機能があります。今年の1月と去年の1月を並べて、同じように下がっていれば、それは季節の波です。

たとえば会社向けの仕事なら、年末年始を挟む月は数字が下がりやすくなります。年末に探される仕事なら、12月が高く、1月に下がって見えます。どちらも、去年と並べれば「毎年こうだった」と分かります。季節で忙しさが変わる商売の数字の見方は、季節で忙しさが変わる商売の、ホームページの回し方 に詳しく書きました。

曜日の並びと、連休の位置

1ヶ月の中に土日が何回あるかでも、数字は変わります。平日に探される仕事なら、土日の多い月は少なく見えます。

連休も同じです。同じ月どうしで比べても、連休の位置がずれていれば数字は動きます。週ごとのグラフで見て、連休の週だけがへこんでいるなら、それは休みのせいです。

「前が多すぎた」こともある

見落としやすいのが、減ったのではなく比べた月のほうが特別に多かった場合です。

その月だけ広告を出していた、SNSの投稿がたまたまよく見られた、取材を受けた、縁のない地域からのごく短い訪問がまとまって入っていた。グラフを半年から1年の長さで見て、その月だけが山になっていないかを確かめてください。山の前と同じくらいなら、元に戻っただけです。

去年のデータが無いとき

公開して1年たっていないサイトは、同じ曜日どうしで、4週間ほどの幅で比べてください。アクセスの少ないサイトでは、数件の違いで大きく減ったように見えます。グラフの傾きより、実際の数を見てください。

4. 計測の設定が外れていないか

2番目に疑うのは、数を数える仕組みのほうです。来た人は減っていないのに、数え漏れているだけということがあります。

ある日を境に、崖のように落ちていないか

季節の波は、なだらかに上下します。それに対して、ある日を境に急に落ちて、そのまま低いグラフは、計測の設定を疑う合図です。その日に何があったかを思い出してください。

サイトの作り直し、ページの追加、管理する人の交代、サーバーの移転、クッキーの同意を求める表示の追加。こうした作業のときに、GA4の計測のための記述(タグと呼ばれるもの)が、一部のページか全部のページから消えることがあります。見た目は何も変わらないので、気づかれないまま何週間も過ぎてしまいます。

自分の訪問が、数えられているかを見る

確かめ方は簡単です。GA4の「リアルタイム」の画面を開いたまま、別の端末で自社のサイトを開いてください。自分の訪問が画面に出てくれば、そのページは数えられています。

トップページだけでなく、よく見られるページ、問い合わせフォーム、送信完了の画面も1つずつ開きます。特定のページだけ出てこないなら、そのページだけ計測が外れています。社内からの訪問を数えない設定にしている場合は、携帯電話の回線に切り替えて試してください。

2つの数字が、同じ向きに動いているか

GA4とサーチコンソールは、別々の仕組みで数えています。数字は一致しませんが、同じ時期に同じ向きに動いているかは比べられます。サーチコンソールのクリック数は変わらないのにGA4だけ減っているなら、GA4の計測を疑います。両方減っているなら、実際に来る人が減っている可能性が高いです。

設定を直して、減ることもある

同じ人を2回数えていた設定や、社内からの訪問を数えていた設定を直すと、その日から数字は下がります。これは正しくなっただけです。何を数えておけばいいかの考え方は、ホームページを作ったあと、何を測ればいいか にまとめてあります。

5. サイトは表示されているか、URLを変えていないか

数える仕組みに問題がなければ、次はサイトそのものです。来た人が、ちゃんとページを見られているかを確かめます。

いつもと違う端末と回線で開いてみる

社内のパソコンでは開くのに、外からは開かない、ということがあります。スマートフォンを社内のWi-Fiから外して、携帯電話の回線で開いてください。できれば、社外の知り合いにも開いてもらいます。

  • よく見られているページ ― 以前から数の多かったページ
  • 問い合わせフォーム ― 開くかだけでなく、送れるかまで
  • スマートフォンでの表示 ― 崩れて読めなくなっていないか

どこかが開かない、エラーが出る、表示が崩れているときは、ここで手を止めてください。そこから先は 自社のホームページが表示されないときに、まず確かめること の手順になります。画面の写真を撮り、範囲を書き留めるところから始めます。

最近、URLが変わる作業をしていないか

次にURLです。ページの住所が変わると、検索やリンクから来ていた人が行き先を失います。作り直し、ページの名前の変更、古い記事の整理、ドメインの変更。心当たりがあれば、前のURLをそのまま開いてみてください。新しいページに移動すれば、転送は効いています。「ページが見つかりません」と出る場合や、どこを開いてもトップページに飛ばされる場合は、転送が足りていません。

前のURLが分からなければ、サーチコンソールで以前クリックの多かったページを見ると残っています。転送の考え方と対応表の作り方は、リニューアルでURLが変わるときに、失うもの に書きました。ここでは、URLが原因かどうかを見分けるところまでで十分です。

6. 検索での見え方が変わったか

ここまでで理由が見つからなければ、サイトの外を見ます。検索結果の中で、自社のページの見え方が変わっていないかです。

表示回数とクリック数の、どちらが減ったか

サーチコンソールの「検索パフォーマンス」の画面では、表示回数とクリック数を分けて見るのが、いちばん大事な点です。

  • 表示回数が減った ― 検索結果に出る回数そのものが減っている
  • 表示回数は同じで、クリック数だけ減った ― 出てはいるのに、押されなくなっている

どちらなのかで、次に見る場所が変わります。期間は「比較」にして、去年の同じ時期か、減る前の同じ長さの期間と並べてください。

どの言葉と、どのページで減ったか

全体の数字だけでは、何が起きたかは分かりません。下の一覧で、減った言葉と減ったページを探してください。見るときは、社名の言葉と社名以外の言葉を分けます。

  • 社名での検索が減った ― 社名を知ってもらう機会が減っている可能性がある。チラシや紹介など、外での動きを振り返る
  • 社名以外の言葉が減った ― サービスや地域の言葉で出方が変わった可能性がある。対応するページを見る

特定の1ページだけが大きく減っていることも、よくあります。そのページを最近書き換えていないか、タイトルを変えていないかを確かめ、「URL検査」で検索に載っているかを見てください。画面の見方は サーチコンソールを入れたあと、最初に見る画面 にまとめてあります。

原因を、決めつけない

見え方が変わる理由は、自社の側だけにあるとは限りません。検索エンジンの側の仕組みが変わることも、同じ言葉で新しいページが増えることもあります。決めつけて急いでページを大きく書き換えると、何が効いて何が悪かったのかが分からなくなります。記録を取りながら、数週間ほど同じ見方で追いかけてください。

検索以外の入口が止まっていないか

GA4のどこから来たかを分けて見る画面で、検索以外の入口も見ます。検索の数字が変わらないのに全体が減っているなら、広告を止めた、SNSの投稿を休んだ、紹介してくれていたページからリンクが消えた、といった心当たりを確かめてください。

7. 問い合わせや電話も減っているか

最後に、仕事につながる数字を見ます。順番の最後に置いていますが、いちばん大事な段です。

アクセスだけ減って、問い合わせが同じなら慌てない

問い合わせの件数と電話の本数を、去年の同じ時期と並べてください。アクセスは減っているのに問い合わせが変わっていないなら、慌てなくて構いません。

減ったのは、調べものの途中の人や対応エリアの外の人など、もともと問い合わせにつながりにくかった人である可能性が高いからです。

これは、アクセスが増えたのに問い合わせが増えないという話の裏返しです。増えた分が誰なのかを見る考え方は アクセスは増えたのに、問い合わせが増えない に書きました。減ったときも、減った分が誰なのかを見れば、慌てるべきかどうかが分かります。

表:どの数字が、どう減ったかで、次に見るところが変わる(例はすべて架空)
減り方まず疑うこと次にやること
たとえば、去年の同じ月も同じように下がっていた季節・連休の波。サイトには何も起きていない可能性が高い数週間そのまま見る。次の山に向けた準備に回す
たとえば、ある日を境に急に落ちて、そのまま低いその日の作業で、計測の設定が外れたリアルタイムの画面で、ページごとに自分の訪問が出るかを試す
たとえば、GA4だけ減り、サーチコンソールのクリックは同じ数え漏れ。来る人は減っていないかもしれない外れたページを探し、制作会社に日付とページを伝える
たとえば、特定の1ページだけ大きく減ったそのページのURLの変更や書き換え、表示の不具合前のURLを開く。URL検査で検索に載っているかを見る
たとえば、表示回数は同じで、クリック数だけ減った検索結果での見え方が変わった減った言葉とページを書き留め、数週間同じ見方で追う
たとえば、アクセスは減ったが、問い合わせは同じ減ったのは、仕事につながりにくい訪問慌てずに記録だけ残し、問い合わせの件数を月ごとに見続ける

減り方の形ごとに、最初に疑うところを並べました。1つの形に当てはまっても、原因が1つとは限りません。表は入口の目安として使い、最後は貴社の問い合わせの件数で判断してください。

件数が少ないほど、揺れは大きい

問い合わせが月に数件の会社なら、1件の違いで大きく減ったように見えます。1ヶ月だけで判断せず、数ヶ月の流れで見てください。

電話はGA4では数えられないことが多いので、社内で別に数えておいてください。「ホームページを見て」と言われた電話だけでも、手書きのメモで構いません。

問い合わせも減っていたら

アクセスも問い合わせも同じ時期に減っていたら、ここで初めて手を打つ段です。まず、問い合わせフォームから自分で1通送ってみてください。送れない、届かないという状態なら、アクセスとは関係なく問い合わせは減ります。

フォームに問題がなければ、①〜⑤で見つけたことを並べます。見つかったものの中から、仕事に近いページに関わるものから直すのが順番です。

確かめたことを、記録に残す

どこで止まった場合でも、いつ気づいたか、①〜⑥のどこまで見たか、何が分かって何が分からなかったか、何をしたかを書き残してください。制作会社に相談するときも、この記録を渡すだけで話が早く進みます。

8. 雄喜晃の伴走:減ったと気づいたとき、順番どおりに一緒に見ます

私たち雄喜晃がお作りするサイトでは、GA4とサーチコンソールを入れて、貴社が開ける状態にしてからお渡しします。数字に気づいたときの相談先も、私たちです。

私たちがやること

  • ご連絡を受けて、順番どおりに確かめる ― 「減った気がする」というご連絡で構いません。①〜⑥の順に見て、分かったことと分かっていないことを分けてお伝えします
  • 作業のあとに、計測が外れていないかを見る ― ページを足したり作りを変えたりしたあとに、数えられているかを確かめます
  • 見つかった直しを、ページに反映する ― タイトルや説明の文、転送の追加、リンクの直しなどを、月5回までの更新代行の中で行います

料金と条件

料金は制作費0円、月額8,800円(税別)です。6ページ構成のプランは月額13,800円(税別)です。サーバー、独自ドメイン、SSL、保守は月額に含まれ、月5回までの更新代行も同じ月額の中です。

最低契約期間は6ヶ月です。7〜35ヶ月で解約された場合、サイトは非公開になります。36ヶ月以上ご継続いただいた場合は、サイトをお渡しします。

私たちがやらないこと

  • 検索の順位を戻すお約束はしません。検索での見え方は、自社の側だけで決まるものではないからです
  • 原因が分からないうちに、言い切ることはしません。分からないことは、分からないとお伝えします
  • 数字を戻すためだけに、中身の薄いページを増やすことはしません。アクセスが戻っても、問い合わせにつながらなければ意味がないからです

実際にお作りしたサイトは 制作実績、料金と条件は ホームページ制作のページ に載せてあります。神戸市北区鈴蘭台を拠点に、2025年10月から活動しています。

「数字が減ったときに、どこから見ればいいのか、社内の誰も分からない」という方は、一度ご相談ください。

9. まとめ:減ったときは、本当に減ったのかから確かめる

アクセスが急に減ったと気づいたとき、確かめる順番は6つです。

  • 季節・連休の波ではないか ― 去年の同じ時期と比べる
  • 計測が外れていないか ― ある日を境に落ちていたら、その日の作業を思い出す
  • 表示されているか ― 携帯電話の回線で、フォームまで開く
  • URLを変えていないか ― 前のURLを開いてみる
  • 検索での見え方 ― 表示回数とクリック数を分けて見る
  • 問い合わせや電話 ― アクセスだけ減って問い合わせが同じなら、慌てない

アクセスが動いたことより、仕事につながる数字が動いたかどうかのほうが大事です。順番どおりに外していけば、直すべきところと、直さなくていいところが分かれます。

まず、今日できること

何も減っていない今日のうちに、去年の月ごとのアクセスの数と問い合わせの件数を、1枚の表に書き写しておいてください。次に「減った」と感じたとき、その表と並べるだけで、落ち着いて見られるようになります。

ぜひ一度、お話を聞かせてください。数字が動いたときに、慌てずに見られる形をつくるところからご一緒します。